サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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571辻っ子のお豆さん
せっかくだから、ちょっと海で遊んでいくことにした。
「うわーい!」
さっそくののとあいぼんは服を脱ぎ捨て、パンツ一枚で海へ飛び込んだ。
「うわ、しおっからいのれす。湖とはちがうのれすね。」
「よしこー、姫さん。気持ちいいでぇ〜!」
あいぼんが砂浜で見守る二人を誘う。
「水着持ってくれば良かったね。」
「うん。」
流石に吉澤と石川は裸で泳ぐのに抵抗を感じていた。
仕方ないので砂浜に横たわる丸太に腰掛け、海を眺めている事にした。
「梨華ちゃん、傷大丈夫?」
「あ、平気平気。」
梨華は強がって腕を振り回す。だが無理をして血が滲んできた。
「うっ!」
「やっぱりね。ほら、腕こっち出して。」
吉澤は新しい包帯を取り出し、傷口の包帯を取り替えた。
「私の前でまで無理すんなよ、痛いなら痛いって言っていいんだから。」
「うん、ごめんね、よっすぃー。」
572辻っ子のお豆さん:01/12/28 01:34 ID:BP5WtV0c
「でもびっくりしたよ。どうして、こんな真似したの?」
私の問いかけに、梨華はしばらく沈黙をおいてから口を開いた。
「もう嫌なんだ。周りの誰かが死ぬとか、殺されるとか、そういうの・・」
そこで私は、梨華の父親つんく王の死を思い出した。
「だから決めたの、誰かを助ける為に私に出来ることは何でもしようって。」
強い決意を胸に秘め、真っ直ぐに前を見詰める彼女の顔は、
今まで見てきたどんな表情よりも鮮やかに美しく、私の瞳に映った。
「梨華ちゃん・・」
そんな風に梨華を見つめていたら、なんだか胸の中がもやもやしてきたんだ。
自分でもよくわからない、こんな気持ちは初めてだったからさ。
好きだとか惚れたとか、そうゆうんじゃないんだよなー。
私だってわかってないんだから、うまく説明なんてできないよ。
でもこれだけは言える。
「この先どんな事が起ころうと私は梨華の味方でいるよ。」
「えっ、今何て言ったの?よっすぃー。」
「へへ〜、なんでもないよん。」
「もうーいじわる〜!」
海で反射された太陽の光が、二人の姿を金色に照らした。
573辻っ子のお豆さん:01/12/28 01:35 ID:BP5WtV0c
「お二人さーん。プレゼントやでぇ〜!」
あいぼんの声と共に、突如上空から変な物体が落ちてきた。
「いやああーー!何これー!」
梨華ちゃんはその奇妙な生き物に脅えて、ひっくり返った。
私はそれを手掴みで拾い上げて顔に近づけた。
「なんだ。ナマコじゃん。」
「いっぱいあるれすよー!」
辻加護がおもしろがってナマコをさらに投げつけて来た。
「お前等ぁー!」
私は投げつけられたナマコを拾い上げて、二人に投げ返した。
「なんでみんな、そんなの触れるのー?」
脅えた梨華ちゃんは一人、草むらに隠れてその様子を見ていた。
結局、私達は日が暮れるまで海辺で遊んでいた。
夜になったので、頂いた船に入り出発することにした。
海岸線に沿って北上する。
船旅は快調に進み、翌朝には帝国皇城付近の海岸へと到着する事ができた。
帝国軍もまさか海から来るとは思わなかったのだろう。敵の姿は見えない。
ついに帝国の地へと足を踏み入れる時が来たのだ。
574辻っ子のお豆さん:01/12/28 01:36 ID:BP5WtV0c
重々しく聳え立つ帝国皇城、ここに愛が捕らわれている。
ハロプロ騎士団との戦争中でほとんどの兵がいない今しかチャンスはない。
城は厳かに沈黙を保っている。
どうやら船を使ったおかげで、勇者なっち一行よりも速く着いたみたいだ。
なっちと市井さんの到着を待とうか。
しかし、もたもたして敵の兵士達が戻って来ては困るし。
どうしようか?

1. 船上で勇者なっちと市井さんの到着を待つ。
2. もう私達だけでいける!すぐに忍び込もう。
3. 一度近くの町によって準備をしよう