サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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493辻っ子のお豆さん
「うん、わかった。なんとかおにぎり取って来るね。」
石川は敵に気付かれない様にこっそりと動き出した。
「お前何シテル!」
速効でバレた。レファの手裏剣が石川に直撃する。
「痛っ!・・くない。あれ?」
さっき手に入れたなべのふたが、手裏剣をガードしてくれたのだった。
へへん、なべのふたを笑う物はなべのふたに泣くのよ。
「ようし、今のうちに・・」
石川は猛ダッシュで敵の荷物袋の所まで行き、中からおにぎりを取り出す。
「行くよー!辻ちゃーん!」
そして横たわる辻に向かって、ありったけのおにぎり放り投げた。
食べ物の匂いに辻の目が、鼻が、口が、腹が、体全部が反応する。
飛び上がってキャッチし、あっというまにおにぎり三人分を平らげた。
「ぽんぽん、ふっかーつ!」
勇者ののは起き上がるなり、レファに向かって突進を始める。
「オ、オノレ!」
迫り来る辻に対して、レファが手裏剣を乱れ撃つ。
しかし、その全てが辻の腹によってはじき返された。
494辻っ子のお豆さん:01/12/26 00:50 ID:f9f/gkaP
「どすこーい!」
「UWAAAAAAAA!!!」
のののお相撲体当たりでレファは5m程先の壁まで吹っ飛ばされた。
「すっごーい、辻ちゃん!」
「てへてへ、梨華ちゃんのおかげれすよ。」
辻・石川は手裏剣のレファに勝利を収めた。
「嘘でしょ、あんた達何者?」
その様子を見たアヤカが、始めて言葉を発した。
「あの子は未来の勇者のの、そして私はその相棒の吉澤ひとみよん。」
「成る程、我々はココナッツ国から強者を求めて海を渡って来たの。
 いきなりあんた達の様な奴等に出会えて嬉しいぞ。」
「バーカ、この国にゃ私より強い化け物がゴロゴロしてるぜ。」
「それは楽しみね。あなたを倒して、次はそいつらと戦いたいわ。」
「いいよ、きっちりケリつけようか。」
もはや小手先の戦いは無用、互いの最高の技で決着をつけるのみ。
「ハッ!」
アヤカの突撃居合い斬りが吉澤に迫る。
次の瞬間、二人の間に閃光が走った・・プッチ発動。
BABY!
495辻っ子のお豆さん:01/12/26 00:51 ID:f9f/gkaP
「恋にノックアウト!」
市井より受け継いだ吉澤の最終奥義がアヤカの体を撃ち抜いた。
衝撃で吹き飛ばされたアヤカは、そのまま気を失った。
「私の勝ちだね。」
この勝利で私はあらためて自分のレベルアップを感じた。
今ならあいつ等とも、にっくき帝国将軍とも戦える気がする。
「ワーイ、よっすぃーも勝ったのれす!」
「強くなったね。よっすぃー。」
「へへん、これも師匠のおかげだよ。」
「後はあいぼんれすね。」
最後の戦い、加護vsミカの形勢は一変していた。
「これが鎖鎌か、おもろいやん。」
ミカの武器であったはずの鎖鎌が、いつのまにか加護の手に渡っていたのだ。
「か、返すデス!」
「悪いね〜。これがうちの特技[ぶんどる]なんや。」
楽しそうに笑いながら、加護が鎖鎌を振り回す。
「やめなさい、その武器は素人が使えるものではアリマセーン!」
「ええで特別サービスや、もう一つの特技も見せたるわ。」
496辻っ子のお豆さん:01/12/26 00:51 ID:f9f/gkaP
分銅がまるで生き物の様に動き、ミカの腹部にヒットする。
「ゲホッ、そんなバカなデス。」
「あんたの動きそっくりやろ、これがもう一つの特技[ものまね]や。」
ミカも倒れこむ。加護の勝利。
「勝者の特権や、この鎖鎌はもろとくで。」
「きゃー勝ったよ。これで私達の完全勝利だね。」
「さすがあいぼんはものまねが上手なのれす!」
「何だよ加護、お前実は強いんじゃねーか。どうして今まで隠してたんだよ。」
「隠してたんちゃうわ。今まで武器持った敵がおらへんかっただけや。」
なるほど、そう言えばそうかも・・
「さてと。それじゃあ、お宝回収といこか。」
「あのさぁ・・」
「ん、どした、よしこ。」

1. 「彼女達から奪うのはなんか可哀想だから、取るのは最後の宝箱だけにしよう。」
2. 「なんか悪いから、奪うのは半分くらいにしよう。」
3. 「根こそぎ取っていこう。毛の一本まで見逃すな!」