サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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466辻っ子のお豆さん
吉澤は日本刀のアヤカを受け持つ事にした。
ぱっと見た感じこの娘が一番強そうだったからだ。
アヤカも吉澤を標的とみなす。互いに間合いを計って構えをとる。
そんな中、最初にぶつかったのは加護と鎖鎌のミカだった。
「おもろい武器やな、鎖鎌か、初めて見たわ。」
「鎖鎌を見たいなら見せてやるデス。」
「見たい。」
「ただ私は殺す以外に見せ方をシリマセーン。」
「それでええよ。」
次の瞬間、加護の目の前に鎖鎌の分銅があった。
「おわぁ!」
かろうじて薄皮一枚でそれを避ける事ができた。
もし加護の身長がもう少し高ければ、おそらく骨ごと砕かれていただろう。
「や、やるやないけ。こりゃうちも本気出さなあかんみたいやな。」
不敵な表情で鎖を振り回すミカに対して、加護はもう一度構え直した。
必然的に、残った手裏剣のレファの相手は辻と石川がすることになった。
だが辻にいつもの元気がない。
「おなかすいたのれす。」
467辻っ子のお豆さん:01/12/25 02:57 ID:JWg+F2nr
離れた位置から、レファが辻に向かって手裏剣を放つ。
「アイタタター!うわーん!」
手裏剣が辻のお腹とお尻に命中した。
いつもなら、あらゆる攻撃をはね返す辻の腹も今は別だった。
勇者のの最大の弱点である空腹状態だったのだ。
「ホイッ!」
石川の回復魔法でなんとか傷は収まった。
だが武器をもたない二人にとって、この状況は絶望的であった。
遠距離からの手裏剣攻撃に近寄る事さえできない。
他の皆の状況が悪い事は吉澤も理解していた。
一刻も早く、目の前の相手を倒して加勢したい。
だが、どうやらそう簡単にいく相手でもなさそうだった。
プッチが当れば文字通り一発KOなのだが、もし外したら・・
大技だけあって、撃った直後は隙が多くなる。
そうなればリーチのある日本刀を持つ敵が圧倒的に有利。やられるのは私だろう。
プッチは確実に当る死角に入って出したい。
でも考えている暇もなさそう、急がないと皆が危ない。
私は意を決し、日本刀を構えるアヤカに突撃した。
468辻っ子のお豆さん:01/12/25 02:57 ID:JWg+F2nr
黄金の爪での渾身の右フックは、刀の刃によって押え込まれた。
アヤカはすぐに刀を返し、そのまま真っ直ぐ吉澤に向かって斬りつけてきた。
吉澤は間一髪でそれを避ける。
しかしアヤカの攻撃は、それだけでは終らない。
息を付く暇もなく次々と斬撃が繰り出されてくる。
流れる様な剣さばき、その腕はまさに一流。
―見える―
だが吉澤はその全てをギリギリの所で見切っていた。
確かに速い。でも市井さんに比べたら・・師匠の槍さばきに比べたら全然見える。
私はずっと超一流を相手に修行してきたんだぜ。この程度じゃ…
「負けない!」
吉澤のジャブがアヤカの手の甲にヒットし、日本刀が宙を舞う。
もらった!私はとどめの態勢に入った。
「よっすぃー危ない!」
梨華ちゃんの声に、私は動きを止めた。
目の前を手裏剣が横切る。
アヤカのピンチを見かねたレファが、助太刀に入ったのだ。
危なかった、梨華ちゃんの声が聞こえなきゃ殺られていた所だ。
469辻っ子のお豆さん:01/12/25 02:58 ID:JWg+F2nr
落とした日本刀を拾い上げ、アヤカが再び私の前に立つ。
そしてその後ろにレファが控える。
まいったな、いくらなんでも二人相手は分が悪い。
「どうしよう、このままじゃヨッスィーが・・」
ダメージを受け横たわる辻を介抱しながら、石川が苦渋の声をあげた。
「お、おにぎりのにおいらするのれす。」
すると辻が突然、奥に置かれた敵の荷物の方を指差した。
「え、何?辻ちゃん。」
「おにぎりたべたいのれす。」
えー、こんな状況で何言い出すの?
私どうすればいいの?

1. 無理だよ、手裏剣で刺されるよ。ここで応援してよう。
2. うん、わかった。なんとかおにぎり取って来るね。
3. 私が刀使いを引き付けて、よっすぃーに取って来てもらおう。