サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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434辻っ子のお豆さん
お宝いっぱいピョーン洞窟へ行く事になった。
帝国に行く前に、良質の武器集めと腕試しを兼ねてだ。
ハロプロ城を出て真っ直ぐ北北西へと進むと、山間地帯にその洞窟はある。
その狭い入り口を私達は一列になって進んでいった。
「う〜ん、盗賊の血が騒ぐでぇ〜。」
あいぼんが一番やる気になっていた。
「ののも新しい武器がほしいのれす。」
辻がずっと使っていたこん棒も、先の福田戦で壊れてしまったのである。
あいぼんを先頭に、のの、梨華ちゃんの順番で、私は最後尾に付けた。
入り口で人の足跡らしき物をいくつか見つけた。
誰か先客がいるのだろうか?私は静かに気を引き締めた。
「梨華ちゃん、こうゆうダンジョン初めてだろうけど大丈夫?」
「うん平気、ほらトット洞窟でお泊りしてたから慣れちゃったみたい。」
「あーそっか。」
以前私が倒れた時、トット洞窟のソニンに世話になったことがある。
意外な経験が意外な所で役に立つ物だ。
そういえば、ソニンの奴元気にしてるかな。リベンジの約束をしたのだった。
私も強くなったからな、今度も絶対負けないぞ。
吉澤は知らなかった。すでにソニンは松浦の手によって殺害されていたことを。
435辻っ子のお豆さん:01/12/24 13:51 ID:xzxNXVe+
「お宝発見!」
前を行く加護と辻が嬉しそうに声をあげ走り出す。
「おーい、あんまり慌てて転ぶなよ。」
注意しながら、私と梨華ちゃんも二人の後に続く。
だが、二人の顔は一転して暗くなっていた。
「空っぽなのれす。」
どうやらすでに、先客に宝箱の中身を奪われていた様だ。
「まあまあ、まだ奥にはきっと残ってるよ、ポジティブポジティブ。」
梨華ちゃんが落ち込む二人を励ます。
「そやな、姫さんの言う通りや、よっしゃほな行くで〜」
気を取り直して、私達は洞窟のさらに奥へと進んだ。
ところが、次の宝箱もその次の宝箱も中身を奪われた後であった。
「おのれー、どこのどいつや!許さへんで!」
あいぼんの怒りも頂点に達しようとしていた。すると梨華ちゃんの呼ぶ声が、
「みんなー、この宝箱は中身が入ってるよ!」
「ほんまか!でかしたで〜!」
私達は一斉に梨華ちゃんの元へ駆け寄り、宝箱の中を覗きこんだ。
「じゃーん、なべのふた!」
コケタ。
436辻っ子のお豆さん:01/12/24 13:52 ID:xzxNXVe+
きっと先客もいらないから置いていったのだろう。
「ええよそれは、姫さんの好きにしな。」
「ほんと、ワーイ。」
石川はなべのふたを手に入れた。
「しかし本当に誰だろうな、ここまで根こそぎに奪ってったのは?」
「このままらムダアシになるのれす。」
「愚痴っててもしゃーないで、こうなったら急いで奥まで行こうや。」
「そうだね。」
私達はさらに奥へと進んでいった。
「おなかすいたのれす。」
さらに小一時間程進んだ所で、辻が空腹を訴えてきた。
「我慢せいのの、もうちょっとで奥まで着くんや。」
「・・へい。」
普段は一緒になって欲求する加護も、今回はお宝優先であった。
「待って、何か聞こえない?誰かの話し声?」
梨華ちゃんが私達以外の人の気配に気付いた。
「ようやく先客に追いついたゆう訳か、お宝奪い取ったる。」
あいぼんがダガーを構え走り出す。私達もその後に続いた。
437辻っ子のお豆さん:01/12/24 13:54 ID:xzxNXVe+
ピョーン洞窟最深部は巨大な部屋になっていた。
そして最後のお宝を前に、異国の戦士が三人佇んでいる。
「お前等が、うちのお宝全部持っていったんかぁ!」
姿を見るなり、あいぼんが大声で怒鳴りつける。
すると私達の存在に気付いた奴等の内の一人が何かを投げつけてきた。
私は前に出て、黄金の爪でそれを弾いた。
「何だこれ、手裏剣?」
鎧兜を着込んだ異国の戦士は三者三様の武器を取り出し、戦闘モードに入る。
「上等や、相手になってやるで!」
あいぼんがダガーを、ののは素手、梨華ちゃんはなべのふたを構えた。
さて私は誰の相手をする?

1. 鎖鎌のミカ
2. 手裏剣のレファ
3. 日本刀のアヤカ