サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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405辻っ子のお豆さん
こっそり後を付けてみよう。
「あの人がどうかしたの、よっすぃー。」
「しっ、もしかしたらあいつがのの達を監禁してるのかも。」
「えー!」
「大声出しちゃ駄目だって、尾行してみよう。」
そいつはやけに食べ物ばかり入った袋を抱え、とある家へと帰っていく。
「あそこが犯人のアジトか。」
「へへっ、なんだか刑事さんになったみたいだね。」
「よし、現行犯で取り押さえよう!」
鈴木あみはため息をついて、玄関の鍵を廻していた。
「そこまでだ誘拐犯!」
すると、突然後ろから二人の娘が飛び掛かってきた。
「うわー何だ何だ!」
「お前がののとあいぼんを誘拐したんだな、返せ!」
「はぁ?誘拐だぁ?訳わかんねーよ!イテテ離せこのホクロ七星!」
「うるさい、お前はもう死んでいる。」
吉澤のアームロックは完全に決まっていた。
「いやシャレならんて、マジ死ぬ、マジ死ぬって、ギブギブ!」
修行明け復帰第一戦を、吉澤ひとみは見事勝利で飾った。
406辻っ子のお豆さん:01/12/23 16:19 ID:QW1rBhJy
「えー、勘違いですか!」
あみに事情を聞いて、私達はようやく勘違いに気付いた。
「そうゆうこと、あんたアイツ等の保護者ならとっとと連れてってくれよ。」
「はい、どうもすみません。二人は元気ですか。」
「元気すぎだよ、今も仲良く遊んでるんじゃねえか?」
すると、家の中から二人の怒声が聞こえてきた。
「いる!」
「おらへん!」
私達は顔を見合せた。
「喧嘩してるみたいですね。」
「みてえだな」
「いや、二人とものん気にしてないで、早く止めに行こうよ!」
私の呼びかけでやっと二人もそれに気付き、部屋へと駆け込んだ。
「いるもん!」
「おらへんよ!」
部屋の中では、あの辻と加護が互いに睨み合っていた。
「まあまあ、二人とも落ち着けや、一体何がいるのいないの?」
あみが二人の間に入って、喧嘩を止める。
407辻っ子のお豆さん:01/12/23 16:23 ID:GZwLGPf0
「芸能界にアミーゴなんてアイドルおらへんよ!」
「いるもん、ソニーに訴えてるもん!」
「おらへんて!」
「いるもん!」
あみの額から徐々に血管が浮き上がってくる。
「いい加減にしろゴルァ!世界観の違うネタで揉めてんじゃねー!」
見かねた石川も止めに入る。
「そうだよ辞めなよ二人とも、正確には“いたもん”だよ。」
「しゃくれ三兄弟の長女は引っ込んでろ!中三コンビとまとめて串さすぞ!」
「いたもんれすか。」
「そうやな、いたもんやな。」
こうしてなんとか辻加護の喧嘩も収まった。
「あ、よっすぃーなのれす。」
「おっす、そろそろ出発しようと思って呼びに来たよー。」
「やっと旅も再開っちゅう訳か、待ちくたびれたで〜。」
「それでね、梨華ちゃんも一緒に行く事になったんだけど、いいかな?」
姫さんがいれば金に困る事はあらへんな。加護の頭が瞬時に結論を弾き出した。
「オッケ〜!」
辻と加護は振り付きでOKサインを現わした。
408辻っ子のお豆さん:01/12/23 16:23 ID:GZwLGPf0
「ありがとう、辻ちゃん加護ちゃん、よろしくね。」
「こちらこそよろしくなのれす。」
「よろしゅう頼むわ(金銭面で)」
三人は互いに握手を交わす。新しい仲間の誕生だ。
「話まとまったんなら、とっとと出てけ。」
「ヤンジャンも一緒に来るれすか?」
「ぜってーやだ!」
「じゃあねヤンジャン、帰ったらまた来るで〜」
「いや、二度と来ないで下さい。」
吉澤、辻、加護、石川、4人の旅が始まった。
目的地は中澤帝国、待ち構えるのは強大な敵の軍団。
でももう迷う事はない。捕らわれの少女高橋愛を助け出すんだ。
さて、まずはどこへ向かう?

1. 帝国との国境近くの町ミラコー
2. お宝いっぱいピョーン洞窟
3. モーコーの町まで戻る