サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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380辻っ子のお豆さん
「私の最終奥義プッチよ」
「プッチ?何すかそれ。」
「今お手本を見せてあげるわ。少し離れてて。」
言われた通り数歩下がり、市井さんの動きをじっくりと観察する事にした。
槍が高速に回転し、それがいくつもの円を生む。
「まる、まる、まるまるまる!」
市井紗耶香最終奥義プッチ、バージョン1『ちょこラブ』発動!
複数の円が無造作に乱れ飛び、周りにある全ての物を切り刻んでいく。
「す、すげー、かっけー!」
そのあまりの破壊力に私は驚きの声をあげた。
「これがあなたに伝授する技、さあやってみて。」
「はい、やるぞー。奥義プッチ!」
ズドーン!
すると私の拳から強烈な衝撃波が、まるでショットガンの様に飛び出した。
「あれ、できたけど、なんか師匠のと違いますね。」
「プッチは使い手によって異なるの、それがあなたのプッチみたいね。」
「私のプッチ・・」
吉澤ひとみ最終奥義プッチ、バージョン3『恋にKO!』修得。
381辻っ子のお豆さん:01/12/22 23:17 ID:Uc84pqlJ
「これでもう私が教えれることはないよ、後は自分で腕を磨くことね。」
「はい、ありがとうございました師匠。」
吉澤ひとみの修行が終った。
「もう終ったべか、紗耶香。」
何時の間にか勇者なっちが、陰で私達を見ていた様だ。
「うん、待たせてごめんね、なつみ。それじゃあ行こうか。」
市井と安倍が並んで歩き出す。
「なっちさん、師匠、どこ行くんですか?」
「帝国を倒しに行くべさ。」
勇者なっちはまるで散歩にでも行く様に、あっけらかんと答える。
「え、え!?」
「吉澤さん、それまで梨華ちゃんを守ってあげてね。」
「は、はい。」
そして二人はハロプロ城から旅立っていった。
城に戻ると、騎士団の出陣が行われていた。
団長の石黒を先頭に、騎士団総動員での行軍であった。
そして吉澤の心にも決心がついた。私も旅立とう、帝国へ。
愛は私の手で助けるんだ!
382辻っ子のお豆さん:01/12/22 23:17 ID:Uc84pqlJ
「よっすぃー!」
呼ぶ声に振り返ると、そこには梨華ちゃんが立っていた。
「あ、梨華ちゃん。もう大丈夫なの?」
「うん、ごめんねいつも心配ばかりかけて。」
「平気平気、そんなの気にすんなよ。」
「ありがと、それでね一つお願いがあるの。」
「お願い?何?」
「よっすぃー帝国へ行くんでしょ。お願い、私も連れてって。」
その内容に私はびっくりした。
今回は以前とは事情が違う。彼女は国の頂点に立つ立場なのだ。
「え、だけど、お城の人が許してくれないよ、きっと。」
「いいの、もう待ってるだけは嫌なの、自分の力で生きたいの。」
「危険な旅になると思う、生きて帰れないかもしれないよ。」
「わかってる、それでも・・」
「梨華ちゃん。」
「こんな事頼めるの、よっすぃーしかいないから。」
その言葉に私は少し胸がドキッとした。
「わかった、一緒に行こう!」
私は梨華ちゃんの手をとって、城下町へと走り出した。
383辻っ子のお豆さん:01/12/22 23:18 ID:Uc84pqlJ
「あいつら、どこ行ったのかな?」
私が修行に明け暮れている間、ののとあいぼんの姿はずっと見ていなかった。
「あ、そう言えばヤンジャンとか、なんとか言ってたけど。」
「ヤンジャ・・?何それ?」
「さあ、私もよくわかんない。」
相変わらず困った奴等だ、置いてく訳にもいかないし・・
途方に暮れていると、しかめっ面の女の人が向こうからやってきた。
「ちくしょう、なんで俺がアイツ等のために買い出ししなきゃなんねーんだよ。」
なんかぶつぶつ言っている。
「100段ケーキだぁ?売ってる訳ねーだろ、んなもん!」
ん、どっかで聞いた事ある様な?
まさか、この人?

1. 声を掛けてみよう。
2. 危なそう、近寄らないでおこう。
3. こっそり後を付けてみよう。