サウンドノベル4「ハッピーエンド」帝国の章

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113辻っ子のお豆さん
「あそこの女の人に事情を聞いてみるのれす。」
辻と加護はカフェテラスで食事をとっている女性に近づいた。
彼女のテーブルには、十人分はあるかという皿の山が積まれていた。
「あ、あれ全部一人で食べたんやろか?」
「すごい量なのれす、ののよりすごいかもしれないのれす。」
するとその声に気付いて彼女が振り向いた。辻はその顔を見て驚きの声を上げた。
「ふぁ、勇者なっちさんれす!」
「え、この人があの有名な!ほんまか、のの!」
「なーに君達、私のファンだべか?」
「へい、ののもなっちさんみたいな勇者をめざしてるのれす。」
「フーンそうなんだぁ、がんばんな、ちっちゃい勇者君。」
「アーイ。」
勇者なっちは最後の皿を平らげて、満足そうに微笑んだ。
二人も同じ席に座り、話しをすることにした。
「なっちさん、今日どうして街がこない騒がしいか知ってますか?」
「う〜ん、実はなっちも詳しい事はわかんないべさ。でも・・」
「でも、なんれすか?」
なっちが空を見上げる、二人もそれに合わせて顔を見上げた。
114辻っ子のお豆さん:01/12/16 22:08 ID:7EOFXWm/
厚い雲が空一面に広がっていて、太陽は姿を見せていない。
「邪悪な空気が流れている、嫌な予感がするべさ。」
「空気?うちにはいつもと同じに感じるで。」
「フフフ、これが勇者と凡人の違いれすよ、あいぼん。」
「ウソツケ、お前もわからへんやろ!」
「てへてへ。空気は食べれないから分からないのれす。」
「兵士達がお城を中心に配置されている所をみると、
 何かが城を襲撃に来るんじゃないかって私は予想しているべさ。」
「なんやて、そりゃ一大事やがな。」
「大変なのれす。のの達も戦わなきゃいけねーのれす。」
「そうだね、さすが未来の勇者さん。」
その時、巨大な影が上空を横切った。
「な、なんやあの怪物は!」
「でっかい化け物なのれす!」
「暗黒竜!嘘でしょ、信じられないのが来たよ。」
驚く三人を尻目に、暗黒竜はハロプロ城の右壁に突撃していった。
城、そして街全体が一気にパニックに陥る。
難攻不落のハロプロ城に最大の危機が訪れた。
115辻っ子のお豆さん:01/12/16 22:08 ID:7EOFXWm/
この事態に、二人の勇者が立ち上がる。
「いくらここの騎士団といえど、あいつの相手は荷が重すぎる。」
「勇者の出番れすね!」
「ちょっと待てー、うちも行くでぇ〜!」
安倍、辻、加護はハロプロ城へと駆け出した。
「おかしいな、左側が静かすぎるべさ。」
「ろうしたんれすか、なっちさん?」
「これは罠かもしれない、辻ちゃん加護ちゃん二手に分かれよう。」
「罠やて、ほんまか!」
「おそらく反対側に真の敵がいるはずだ。君達はそれを頼む。」
「よっしゃ、了解や。」
「暗黒竜は私がなんとかしてみるよ。」
「大丈夫れすか、あんな化け物相手に・・」
「たぶんね、一応経験者だし。そっちこそ頼むよ。」
「勇者は負けねーのれす!」
辻は笑顔でVサインをして、加護と共に駆けていった。
勇者なっちはその後ろ姿を見て物憂げに呟いた。
「(・・それは嘘だよ。)」
116辻っ子のお豆さん:01/12/16 22:09 ID:7EOFXWm/
「道に迷ってしまったのれす。」
「この城広すぎやでぇ!」
二人はお城の中で迷子になっていた。
「真の敵ってどこにいるんやろなぁ、なあのの?」
辻の返事はない。
「どうしたんや急に立ち止まって。」
「今、よっすぃーの悲鳴が聞こえたのれす。」
「ハァ、こんな所に吉澤がおる訳ないやろ。」
「あれはよっすぃーの声れす。まちがいないのれす。ののにはわかるのれす!」
辻は走り出した。
よっすぃー、待っててね、今行くからね。
そして、その光景が辻の瞳に写し出される。

1. 知らない奴によっすぃーがいじめられていた。
2. 梨華姫がトイレから出てきた。
3. 外で雪が降っていた。シロップかけて食うとおいしいのれす。