-----加護ちゃんの小説書いて-----

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43ねぇ、名乗って
大統領暗殺

 加護は、一時間近く六本木の廃ビルに身を隠していた。辻からの情報によると、
あと一時間後には目の前の通りを、大統領が数人の護衛を連れて車で通過するという。
加護の任務は、その車をバズーカで吹き飛ばすというものだった。否が応にも緊張が高まる。
「きたっ」
溜池山王の方面から、いくつかのリムジンがこちらへ向かってきた。命令どおり、全てを
爆破しなければならない。額の汗をぬぐうのも忘れ、加護は引き金を握った。
一台目。
炎柱と黒煙、車の破片が舞い上がり、公衆がパニックに陥る。加護は冷静に2発目を装填すると
照準を定めた。二台目は、混乱から逃れるため急加速した。しかし、それを加護は狙い済まして
葬り去ると、最後となる三台目の行方を探した。
・・・
ふと、後ろに気配を感じた加護は、三台目を爆破することを諦め、バズーカを置き去りにしたまま
部屋の反対側へ抜けると窓から飛び降りた。直後、部屋に数人の男達がなだれ込んだ。
「ちっ、取り逃がしたか・・・」
44ねぇ、名乗って:01/12/19 10:54 ID:DA4hP/uh
>>40
続き書いて
45ねぇ、名乗って:01/12/19 10:55 ID:nmZYYTzG
大統領暗殺2

 加護は、公衆の中をひた走り、赤坂通りへ出るとタクシーを止めた。タクシーの運転手は、
慌てる加護を怪しいとも思わずに乗せ、すぐに走り出した。硝煙の匂いを消すため、加護は
過剰とも思える量の香水を体に吹き付ける。
「何で、あの場面でうちの行動が感付かれてたんや・・・」
加護は、先ほどの場面を回想していた。この作戦が外部に漏洩していない限り、あそこで
男達が部屋になだれ込んでくることなど、あるわけがない。まさか、辻が?
嫌な疑念が頭をよぎる。辻は、組織に入って以来一番信用できるパートナーであった筈だ。
しかし、状況的に裏切ったと考えられるのは辻以外にいない。
「なぜ、辻がうちを裏切る必然性があるんや・・・。」
思わぬ事実を突きつけられた加護の表情は次第にこわばっていった。

「なにい?とりにがしたらと?それれ、のこのこかえってきたわけか。」
辻が凄い剣幕で男達を咎めていた。男達は肩をすくませて恐縮し、目線を地面へ送っている。
この作戦には、辻にしてみれば失敗は許されなかった。競争相手として、加護は辻にとって
目の上のたんこぶ以上のものだった。自分が与えた情報を元に手柄を奪っていく加護。
加護に対する辻の思いが好敵心から憎悪に変わるまで、さほど時間はかからなかった。
「きょうじゅうにしとめろ!!」
怒気鋭く言い放つと、辻はその部屋をあとにした。

・・・続きはない