サウンドノベル4「ハッピーエンド」勇者の章

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724辻っ子のお豆さん
よく見たらこの娘かわいくて美人だ。惚れそう。
「ねえねえ、私吉澤ひとみ。君は?」
「え、後藤真希だけど・・それよりあいつはどこに?」
ごっちんか、かわいい名前だ。ますます惚れそう。
あ〜でも私には愛がいるし、フタマタなんかかけたくないし。どうしよう。
私が頭を抱えて悩んでいると、ごっちんは呆れて先へ行こうとする。
「ちょっと待ってよ、ごっちん。」
私が呼んでも振り返りもせず、歩いていく。
「私は急いでるの、悪いけど相手してる暇ないから!」
「じゃあ私も一緒に急ぐ〜!」
走り出したごっちんに置いてかれない様に私も走り出した。
「んあ〜付いてこないで!」
「ヒヒヒ・・やだ、付いてく。」
まるで鬼ごっこみたいに私達は全力で町中を走り回った。
そうしていると、見晴らしの良い丘から激しい轟音が鳴り響いた。
私とごっちんは立ち止まり、同時にその方角を向いた。
「しまった、遅かったか。」
ごっちんは顔をしかめ、その方角に走り出した。
725辻っ子のお豆さん:01/12/10 00:39 ID:vCpnuHeg
あややと勇者なっちの決着が着いたのだろうか?
私も急いで、轟音のおきた場所に向かう。
どっちが勝ったのだろう?
あの人が、勇者なっちが負けるはずないと思う。
でも、あややに感じたあの雰囲気は並の物ではなかった。
一体どっちが・・?
丘の上には一つのシルエットが浮かび上がっていた。
そこに立っている娘は・・
「あやや!」
勇者の剣を握り締め、うつろにたたずんでいたのは松浦亜弥であった。
丘のどこにも勇者なっちの姿はなかった。
「嘘でしょ、あの勇者なっちが負けたっていうの!?」
私は信じられない結末に呆然とした。
「ちっ、やはり手後れだったか。」
ごっちんは舌打ちをし、松浦に突撃した。
しかし、抜刀からの音速の居合い斬りを、松浦は空中に飛んで避けた。
何だろう、この違和感は、あややの様子がおかしい。
前もおかしかったんだけど、今のあややの雰囲気はまた何か違う。
もはや人間を超越した様な邪悪な気を纏っている。
726辻っ子のお豆さん:01/12/10 00:39 ID:vCpnuHeg
松浦は空中で両手を広げ、私達を見下ろした。
焦点の定まらない眼で、感情のない口調で語り出す。
「もう遅い、破滅のシナリオは始まった。誰にも止められない。」
そしてそのまま風に解ける様に姿を消した。
「くそっ!止める、私が止めてみせる!」
ごっちんは刀を鞘に戻し、怒りを露わにした。
「ねえ、どうなってるの?これはどういうことなの?」
「あんたには関係ないよ。これは私の戦いだ。」
そう言うとごっちんはまたどこかへ走り出す。
「ちょっと待っ・・」
もう呼んでも届かない、あっという間に砂漠の彼方へと消え去っていた。
こうしてオアシスの町ダンサイの戦いは幕を下ろした。
私は見事、目的の保田圭を捕らえることができた。
しかし勇者なっちがその姿を消した。
勇者を目指していた少女、辻希美も死んだから、世界にはもう勇者はいない。
あややの言ったセリフが私の頭を渦巻く。
(破滅のシナリオは始まった 誰にも止められない)
世界を救う者、勇者はもういない。
727辻っ子のお豆さん:01/12/10 00:40 ID:vCpnuHeg
ダンサイの病院に戻った私は、梨華と市井さんに事の顛末を話した。
愛しの王子様の消滅を知った梨華は、声をあげて泣いた。
市井さんは複雑な表情を浮かべていた。
やっぱり、私がののを失った時の様に悲しいだろうな。
でも市井さんはそんな顔を見せず、目を閉じて何も言わない。
ようやく無実の罪を明かすことができるっていうのに、
私の心は悲しみでいっぱいだった。
どうやってこの気持ちを癒そうか?

1. 梨華ちゃんをなぐさめに行こう。
2. 市井さんと話をしよう。
3. 捕まえた保田の話を聞こう。