サウンドノベル4「ハッピーエンド」勇者の章

このエントリーをはてなブックマークに追加
690辻っ子のお豆さん
「うらやますぃー!」
吉澤は大声をあげ立ち上がった。
「私もそういうのやりた〜い!」
「な、何よ、こいつ、私の魔法が効いてないの!?」
勝利を確信していた保田は、平気な顔して騒ぐ吉澤を見て驚いた。
普通の奴なら、今の吹雪攻撃と腐食攻撃でダウンしているはずだ。
この娘は自分の想像を超えているのか?いや、そんなはずはない。
吉澤の反撃、黄金の爪を構え突撃する。
「スキだらけよ。チュッ!」
保田のキスビームが吉澤のお腹に直撃した。
完全に決まった、今度こそ私の勝ちだ。
保田は確信の笑みを浮かべた。しかし、吉澤は止まらない。
「馬鹿な、完全に入ったはずだぞ!」
強烈なヨッスィーパンチが保田圭の顔面をとらえた。
吹っ飛ばされた保田は、その一撃で完全に気を失った。
吉澤はひとつ息をつき、キスビームの直撃を受けた場所をさする。
「こいつのおかげで助かったよ、ラッキー。」
穴の空いた服の下に、さっき冗談半分で買ったばかりの鉄の腹巻きがあった。
691辻っ子のお豆さん:01/12/09 16:22 ID:rizuB8z1
VS保田戦、吉澤ひとみは勝利を収めた。
「やったー、すごいよ、よっすぃー!」
泣き笑いの梨華ちゃんが凄い勢いで抱きついてくる。
「いやぁ〜偶然で勝てたみたいなもんだよ。」
私は照れながら答えた。
「偶然でも何でも、それがお前の強さだよ。」
壁にもたれて座り込む市井さんが、笑顔で私を認めてくれた。
私も嬉しくなってにっこりと笑って返した。
「こいつは返してもらうよ。」
私は気絶する保田の首から、ペンダントを奪い返した。
「ほいっ!」
梨華ちゃんは市井さんの傷を少しでも癒すため、がんばっている。
「貴方も怪我人でしょ、無理しなくていいよ。」
「いいんです、私にはこれくらいしかできる事ないですから・・ほいっ!」
とはいえ、梨華ちゃんも立っているのがやっとという感じだ。
「後片付けは私がするから、二人は病院に行きなよ。」
「う、うん。」
「悪いが、そうさせてもらうよ。」
692辻っ子のお豆さん:01/12/09 16:22 ID:rizuB8z1
私は二人を強引に押し出し、振り返った。
これで真犯人の保田を縛り上げ、お城に連れていけばすべて解決だね。
いやいやまだだ。まだあややが残っている。
でも勇者なっちならきっと勝って、あややも更正させてくれるはずだ。
私は町を襲うデーモン軍団をなんとかしよう。
しかし気がついて空を見渡すと、デーモン軍団の影はなくなっていた。
「あれ、一体どうしたんだろう?」
カチン
刀を鞘に納める音が、背後でした。
「全て片付けたよ。」
振り返るとそこに見覚えのある顔の娘が立っていた。
これが私と後藤真希の出会い。
この娘が、あれだけの数のデーモンを全て消し去ったというのか。
「あいつはどこに消えたの?」
私の思考を無視する様に、彼女は質問を切り出してくる。
「あいつ?あいつって?」
「あの剣を持っていた娘、デーモンどもを呼び寄せた娘のこと。」
まさか、あややの事か!?
693辻っ子のお豆さん:01/12/09 16:23 ID:rizuB8z1
「彼女に何の用があるの?」
後藤真希は手にした日本刀の音を鳴らし、静かに声を出した。
「・・斬る。」
彼女の顔は真剣そのものだ、冗談ではなさそう。
「斬るって、殺すって事。」
「そうよ。どこに行ったの?」
冷徹に語る彼女の口調に私は背筋が寒くなってきた。
ドクンドクン・・
松浦亜弥を殺す?
そりゃ私かに、私を騙したり悪い事もしているけどさ。でも・・
どうしよう?

1.松浦を殺るというなら喜んで教えましょう。
2.あややが死んだら梨華が悲しむ。教えない。
3.よく見たらこの娘かわいくて美人だ。惚れそう。