サウンドノベル4「ハッピーエンド」勇者の章

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612辻っ子のお豆さん
「に、似合うかな?」
試着室から魔法のビキニに着替えた梨華ちゃんが出てくる。
私は鼻血が出そうになるのを堪えた。
「やだ、よっすぃー、ジロジロ見ないでよ、恥ずかしい。」
そう言われてもついつい目がいってしまう。
「もうよっすぃーのスケベ!」
梨華ちゃんはその上に毛皮のコートを着用した。
「うん、これで恥ずかしくないね。」
コートの下は下着の様なビキニ一枚、それもなんかエロい。
まあ彼女が納得しているので、止めはしないが。
私達は会計を済ませ店を出ることにした。
外に出ると、恐ろしいデーモン軍団で町は溢れかえっていた。
「なんじゃこりゃ!?」
「モンスターの大軍だよ。よっすぃー!」
「見りゃわかるよ、どうしよう梨華ちゃん?」
「決まってるでしょ、町を守る為戦うのよ!」
梨華ちゃんは買ったばかりの銀のムチを威勢良く振り回した。
まるで女王様だよ・・いや確かにいずれ本物の女王になるんだけどさ。
613辻っ子のお豆さん:01/12/08 03:35 ID:zbTbdqoN
新装備で勢いづいた梨華はデーモン軍団に果敢に突撃する。
「梨華ちゃんに負けてられない、私もがんばんなきゃ。」
黄金の爪を右手につけ私も突撃する。
体が軽くて、すこぶる調子が良い。負ける気がしない。
数々の戦闘をこなしていた吉澤は確実にレベルアップしていた。
吉澤が拳を突き上げるたび、一匹また一匹とデーモンが倒れていく。
「きゃーよっすぃーかっこいいー!」
いつのまにか石川は、後方で応援に回っていた。
威勢がいいのは最初だけで、すぐに脅えて逃げ隠れる。
石川はまったく成長していなかった。
「梨華ちゃん、今向こうで何か大きな音が聞こえなかった?」
中央広場の方向からの爆発音に反応した吉澤が、石川に尋ねる。
「私は気付かなかったけど・・」
「あっちから巨大な力を感じるんだ。行ってみよう。」
周りにいたデーモンはあらかた倒したので、二人は中央広場へと向かう事にした。
二人はそこで驚愕の場面に遭遇する。
傷ついた市井を抱きかかえうずくまる勇者なっち。
そしてその手前にある家の屋根の上には、梨華の妹、あややの姿があった。
614辻っ子のお豆さん:01/12/08 03:35 ID:zbTbdqoN
「亜弥!」
こんな辺境の地で再会した、親愛なる妹の姿に驚く梨華。
しかしその表情はすでに彼女の知っている亜弥の物ではなかった。
いつも可愛らしい笑みを浮かべて、私に甘えて来た亜弥の顔はそこにはなかった。
私を見ても何の反応もしめさない。
興味のないガラクタを見るような目で見下ろしているだけ。
「止めだ、勇者なっち。」
これは一体どういうことなの?
私の可愛い妹が、私の愛しい王子様に剣を向けている。
考える事ができない、考えたくない。
震えが止まらない。
「何を信じれば言いの、誰か私に教えて・・」
混乱に耐え切れなくなったその時、暖かい手が私を優しく包み込んでくれた。
「私を信じろ、あややはもう・・敵だ。」
よっすぃーだった。彼女も震えている。
そうだね、辛いのは私だけじゃないんだね。
私が亜弥を止めなきゃ、亜弥を救えるのは私しかいないんだ。
石川は震える体を抑え付け、松浦の元へ走った。
615辻っ子のお豆さん:01/12/08 03:35 ID:zbTbdqoN
ドン!
一筋の光線が梨華の体を貫く。
「亜弥・・」
口から血を吹き出して、石川はその場に崩れ落ちた。
撃ったのはあややではない、そのさらに後方。
「私を忘れてもらっちゃ困るわよ。」
保田圭だ。こいつが梨華を・・!
「うわああああああああああああああああああ!!!」
私の中で何かが爆発した。
ののが殺された時と同じ感覚、殺意の芽生え。
狂暴な猛獣のごとき血が私を煮えたぎらせる。

1. 殺意に身を任せ、保田圭を狩る。
2. 殺意に身を任せ、松浦亜弥を狩る。
3. 駄目だ、冷静になるんだ。まだ梨華は生きているかもしれない。