サウンドノベル4「ハッピーエンド」勇者の章

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471辻っ子のお豆さん
「どっちというか、まあ一番可愛いのは私な訳で・・」
「もーヨッスィー!」
「二ヒヒヒ・・」
こんな感じで私達のコイバナは明け方まで続いた。
翌日も快調に馬を走らせ、お昼頃にはモーコーの町に到着することができた。
着くなり私は、小川と出会った冒険者の酒場シスコムーンに走った。
「おや、あんた、ひさしぶりだねぇ。」
酒場のマスター稲葉貴子さんが一人で開店の準備をしていた。
こんな真っ昼間に誰もいるわけないか。仕方ない彼女に聞いてみよう。
「あのさ、小川知らないっすか?」
「麻琴ちゃん?あの子なら夜になったら来るんじゃない。」
「あんまりのんびりしてる時間はないんですよ。今どこにいるか分かりませんか?」
「この時間は家で寝てるんじゃない。あの子夜型だし。」
「家の場所、教えて下さい。」
私は稲葉さんに住所を聞き、今度は小川の家へダッシュした。
梨華ちゃんは借りてきた猫の様に黙って後に付いてくる。
「起きろー!小川!」
私は教えられた家のドアを大声で呼びながら何度も叩いた。
472辻っ子のお豆さん:01/12/04 20:45 ID:7J5XQwXJ
「うるさいわね、誰よ!」
起こりながら寝起きの小川が顔を見せた。
「よっ、私だよ、十日ぶりくらいか。」
「あ、あんた吉澤。どうしてここにいるのよ!?」
小川は驚きで一気に目が覚めた。
「まあいいわ、中に入んなさい。」
私と梨華ちゃんは遠慮なくそうした。
「聞いたわよ、あんた王国に指名手配されてるんですってね。」
私達をソファーに座らせて、小川はしゃべり始めた。
「さすが、情報が早いね。」
「お姫様と国宝を盗んで逃亡中だって聞いたわ。」
「うん、そんで彼女がそのお姫様。」
「はじめまして、ハロプロ王国第一王女の石川梨華です。」
梨華はペコリと挨拶をした。
「マジ・・なわけないか。ちょっと本当の事教えなさいよ。」
「そのつもりで来た。私の情報を全部話すから、私も欲しい情報があるんだ。」
「交換条件て訳?まあいいわ、貴方には貸しがあるしね。」
私は小川にこうなった経緯を話した。
473辻っ子のお豆さん:01/12/04 20:45 ID:7J5XQwXJ
「・・なるほどね、そういうこと。」
「うん、それで真犯人の保田の居場所を知りたいんだ。」
「残念だけど、それはちょっと分からないわね。ごめんなさい。」
「そっか・・」
「でも他の情報だったら、いくらでも教えてあげるわよ。勇者なっちの事とか。」
勇者なっち、その言葉にそれまでおとなしくしていた石川が反応した。
「それ聞きたい、教えて下さい。」
「あ、ああ、いいけど。噂によると勇者なっちは今ダンサイの町にいるそうよ。」
ダンサイの町。大陸の南、砂漠に囲まれたオアシスの町だ。
一体どうしてそんな所に?
「なんでも勇者の剣を奪った泥棒を追っているんですって。」
勇者なっちの剣?泥棒?
どこかで聞いた事ある話だぞ。
思い出した!保田だ!あいつが持っていた!勇者なっちの剣!
私の頭の中で線が一本につながった。
「行こう!ダンサイの町へ!」
「うん、私もそう思っていたの!」
私と梨華は一斉に立ち上がった。
474辻っ子のお豆さん:01/12/04 20:46 ID:7J5XQwXJ
私達は再び町の入り口に戻って来た。小川も見送りに来てくれた
「ごめんなさいね、あまりお役に立てなくて。」
「そんな事ないよ、本当助かった。ありがとね。」
馬にまたがり、私は彼女にお礼を告げた。
「そういえばさ、あのチビ二人はどうしてる?」
「え・・うん、元気だよ。」
私は笑顔で答えた。
「そう、ならいいんだ。腹八分目って伝えといて。」
「わかった言っとく。じゃあね!」
嘘を、悲しみを振り切るように、私は手綱を思いっきり引いた。
その時、吉澤は巨大な力を持った何かと何かがぶつかり合うのを感じた。
馬の足を止め、遥か遠い地を仰ぎ見る。
「何だろう、今の感じ・・気のせいかな?」
気のせいではなかった。
この瞬間確かに、とある場所で一つの戦いが始まっていたのだ。

1. なっちvs松浦
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