ソナチネ(彼女たちの場合)

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86que:01/12/12 13:43 ID:u0FNTil1
「松浦さん」
はいと答えて、診察室に入る。何度来ても薬品の匂いに慣れる事が出来ない。
医師は椅子に座る亜弥には振り向かず、カルテを見続けていた。
「ええと結果なんですが、ちょっとした甲状腺の腫れ物のようです」
「はい…」
「ようするに液が固まってしまったんですね。それで…職業上、大変だとは
思うんですが、あまり声を出さないよう注意してもらえますか」
「声を…、 あの。それはつまり、悪性という事ですか」
「いやいや、それはないです。安心して下さい。邪魔なようであれば
すぐにでも手術は可能ですけど、まあしばらくの間、声を抑えてもらう
だけですから」
「そうですか…」
気のない返事。普通ならここで、よかった、なんて安心した表情でも
見せるのだろうけど、どうにもそんな余裕はなかった。
医師の顔も不安を感じさせない(ように気をつかってる?)表情だったのだけど。
87que:01/12/12 13:43 ID:u0FNTil1
事務所の反応は、亜弥が思っていたよりも冷静で、
「しばらく休もうか。何、そういう会見は出さないよ。マスコミが嗅ぎ付けても
学業が忙しいとか、いろいろ対応策はあるから」
正直、ちっとも嬉しくなかった。
あれだけ忙しい事に嫌気がさしていたはずなのに。
まあ、いいです。そう、少し休もう。休みます、休むのだ。働き過ぎ。
88que:01/12/12 13:43 ID:u0FNTil1
帰り道で、亜弥はあの男を見つけた。浮浪者風の占い師。
彼は夜の寒空に、また地面に寝そべっていた。
亜弥は近寄って行って、顔を覗き込む。またキッと振り向くと思いきや、
一向にこちらを見てくれない。
「あの…」
回り込んで顔を見た。
まるで生気の無い顔。「大丈夫ですか?」
体を揺すろうとして、ひどく固くなっている事にぎょっとした。
手に触れると、氷のような冷たさ。
89que:01/12/12 13:44 ID:u0FNTil1
腰が抜けそうな虚脱感になんとか耐えて、亜弥は救急車を呼んだ。
その到着を物陰から確認する。そこにいたくはなかった。
男が運ばれていくのを、消えて行くまで見送った。
悲しさとか怒りとか、そういう感情はなぜか湧いてこなくて、
それがなぜなのかはよくわからかったけど。ただみつめていた。
彼は光の世界に行けたかな…?ふとそんな事を思う。
その後は部屋に帰って、ひたすらうがいをした。
90ねぇ、名乗って:01/12/12 15:11 ID:Bbv5n/TJ
暗っ(w
91名無し募集中。。。:01/12/12 16:52 ID:Zu4E/nVJ
(・∀・)イイ
92ねぇ、名乗って:01/12/13 07:16 ID:qiR8BNqj
「最後の家族」が最終回だね
93que:01/12/13 13:42 ID:cGkxMINc
愛が遅い夕食をとっていると、ポケットの携帯が鳴った。
あわてて、音を消す。居間にいる伯父に依然しかられた事があったから。
しかし、伯父は気にも止めなかった。
すでに伯母と口論を始めていて、忙しそうだった。
愛はそっと夕食を片付け、部屋に戻った。
携帯を取り出して画面を確認すると、メールが入っていて笑顔になる。
メールを読みながら、すぐ送信者に電話をかけようとしたが、本文を最後まで読
んだところでその手を止めてしまった。
居間の方からはまだ怒声が聞こえていた。
94que:01/12/13 13:42 ID:cGkxMINc
市民プールはなぜか閑散としていて、いくらはしゃいでもとがめられる様子はな
かった。だだっ広い空間で潜水して、競泳して、落とし合い。笑い過ぎでお腹が
よじれる。

亜弥が25メートル泳ぎきって顔をあげると、愛の顔が目の前にあって驚いた。
「わ」
「今、どうですか?」
「え?」
「『休めてせいせい』『みんな嫌い』『愛が好き』」
亜弥は急によどんだ顔になる。
「うん……」
「そんな。ごめん、冗談よ」
あわてて愛は亜弥の顔色を伺った。
「愛ちゃん。わたし……」
「ごめんね」
「3番で」
亜弥はにと笑顔を見せた。愛もすぐ笑い返して手を差し伸べる。つかまって上が
ろうとする手をぱっと放すと、亜弥は水の中に消えた。「鈍臭いよ亜弥ちゃん」
95que:01/12/13 13:43 ID:cGkxMINc
図書館で愛は、あと少しで読み終わる本を読んでいた。あと数ページだった。こ
れを読破するまでは死ねない―!
そんな勢いで活字を追い、目が血走る。

亜弥は二時間前からパソコンの画面を睨んでは、眉間にシワを寄せていた。
アンダーグラウンドなサイトを次々廻ってみたものの、求めている情報は見つけ
るのは難しくて、
「だめだコリャ」
ひとり呟いて、椅子にもたれた。
96que:01/12/13 13:44 ID:cGkxMINc
白い壁や清楚な置き物に目を奪われる。
二人は都心、ビル郡の中にある心理カウンセリングセンターを訪ねた。
入口を入るなり女性所員に応対され、少し後ずさってしまう。
「どんな御用件でしょうか?」
亜弥は、手慣れた様子で応じる所員を前に、用意していた質問が出てこなかった。
にこやかに案内される。
「どうぞ、こちらへ」
そう言われても、なぜか気が進まなかった。愛が背中を押してくるのを踏ん張る。
所員は笑顔のまま、待っている。「どうぞ」
「あの……」
「……?」
愛は、今度は亜弥の服を引っ張る。
「なんでしょう?」
「死にたい場合って、ここでよかったんですか?」
97que:01/12/13 13:44 ID:cGkxMINc
数秒、白けた間を感じる。所員の笑顔は一瞬崩れたが、すぐ元に戻り「少々お待
ちください」と言って奥に引き下がった。
それを見て、愛が吹き出した。それにつられて亜弥も笑う。動揺した表情が可笑
しくて。
そのまま二人は逃げるようにセンターを後にした。
98名無し募集中。。。:01/12/14 02:56 ID:h9amitLb
破滅と隣り合わせな感じの雰囲気が(・∀・)イイ!
99que:01/12/14 20:18 ID:07C5mW0A
夜の病院に忍び込むのは、案外簡単だった。亜弥と愛は、堂々と入口から侵入し
た。
「亜弥ちゃん」
亜弥が振り返ると、愛は必要もないのに床を這っている。
「超怖いんですけど」
「しいっ」
しがみついて怯える愛の口を手でふさぐ。
受付の看護婦は机に突っ伏してご就寝中だった。そこを突破して、二人は診療室
に向かった。

亜弥は一度、不眠症について医師と話し、睡眠薬の処方を受けた事があった。
そのとき看護婦が、すぐ近くの棚から睡眠薬を取り出すのを見て亜弥は、意外と
簡単に置いてあるものだな、と思った。
100que:01/12/14 20:18 ID:07C5mW0A
診療室のドアを開けて、亜弥は中を伺う。確かあそこに。
そっと忍び込んで棚を開けた。開いていてほっとする。
「ライトライト」
愛に懐中電灯を当ててもらい、薬品名を確認した。
「どれ?」
「わかんない」
あれだこれだと迷ってるうちに廊下から足音が聞こえてきて、あわてて身を隠
す。
机の下から愛が顔を出し、「亜弥ちゃん、これ」ゴミ袋をみつけて広げた。
足音が消えるのを待って、二人は薬の瓶や包装をやみくもにゴミ袋に放り込ん
だ。
101que:01/12/14 20:19 ID:07C5mW0A
愛がドアの隙間から足音の方向を伺う。
「どう?」
廊下の奥で、夜勤の看護婦か警備の人間かはわからないが、懐中電灯の光が動い
ているのが見える。
「気付いてないみたい。大丈夫そうよ」
二人はそっと部屋を出て、ゴミ袋を背負って入口へと逃げた。
102ねぇ、名乗って:01/12/16 09:27 ID:8cIsRim0
HOZEMU
103que:01/12/17 00:56 ID:QhjAa0r/
冬の海岸は少々風が強く、マフラーの端が高く舞い上がる。
愛はデジカムのスイッチを眺めていた。
「どれがどれだかわからん」
砂に足を取られながら亜弥が駆け寄ってくる。
「撮れた?」
「ううん」
「この赤いのを押すんだよ」
「これか」
ファインダーを覗くとRECの表示。カメラを持ち上げると画面に海が映った。
「わあー、きれい」
こっちこっちと呼ぶ亜弥の方にカメラを向けると、波打ち際を駆けている。
もう一度海に向けてみた。直射日光の反射が愛の目を細くさせる。
「うおー」
空は夕暮れ間近、少し染まり始めていて、愛はそこからしばらくカメラを動かせ
なかった。

あ、と気が付いてと亜弥の方にカメラを向けると、どうやら波に打たれたらし
く、下半身を濡らして右往左往していた。愛はそれを撮りながら、笑いでカメラ
がブレるのを必死で抑えた。
104que:01/12/17 00:57 ID:QhjAa0r/
深夜になって急激に冷え込み、とうとう雪が降った。
愛は亜弥の部屋の鏡台の前で、その震えに耐えながら借りてきた本を読んでい
た。
「ほら」亜弥が電気ストーブを愛の足下に近付けてくれる。
乾かした髪の毛をすいてくれる亜弥の手は優しく、弱いクシの引っ掛かりが心地
良い。

「全然いいコじゃないよね」最後のページをめくりながら言った。
「誰が?」
「ウチ。いいコでいられなかった。そんな気がする」
愛は最後のページをさらっと読んで、本を閉じた。
「そんな事はないと思うけど」止まったクシが再び動き出す。「――良くはない
よね」
呟く亜弥の顔を鏡越しに見て、愛はあははと笑った。
105ねぇ、名乗って:01/12/17 10:50 ID:qtE2QPm+
 
106ねぇ、名乗って:01/12/17 19:47 ID:881wy/M6
あやあいはココが良いですね
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107que:01/12/18 04:22 ID:G0lgw4wW
亜弥は地下鉄構内のベンチに腰を降ろしながら顔を上げた。ホームの人間は極まばらで、それが不安感をあおる。

その横で愛はリュックの中の、かさばったものを押し込むのに苦戦していた。
「それ、出しときなよ」
亜弥が忠告すると
「う〜ん邪魔」
と、リュックから飛び出している棒を引っ張り出し、それを掲げる。
(どなたかが止めなければ わたしたちは死にます)
太字でそう書かれたプラカード。

「派手だね」
赤やピンクの文字を見て亜弥は言った。
「見た瞬間、引くと思うな」
愛もプラカードを見つめた。
108que:01/12/18 04:24 ID:G0lgw4wW
車両がホームに到着して二人が乗り込むと、思いのほか混んでいた。少ないより
は多いほういいけど。それでも亜弥の胸はきゅっと痛む。
次の駅まで待つと席が空いて、すかさず二人はシートの端に陣取った。
愛はホームで出しておいたプラカードをなぜかリュックにしまっており、取り出
すのにまた四苦八苦していた。亜弥が手伝って、そのそんなに大きくない紙の看
板を取り出すと、愛は迷いなくそれをシートの後ろに突き刺す。すると否応なく
こちらを向いている乗客に、それが目に入る案配となった。
プラカードを見てぎょっとなる御婦人方。それを見て愛は少し得意げな顔を見せ
たが「愛ちゃん」
亜弥に、前に投げ出した足を注意された。
109que:01/12/18 04:26 ID:G0lgw4wW
看板の文字を凝視する、頭の薄い中年。
愛はその目を見つめた。眼鏡をずり下げて看板の文字を読む彼の目は、明らかに
いかがわしいもの見る目で、読み終わると不快感をあらわに今度は自分に睨みを
投げてくる。やがて読みかけの新聞に読みに入ってしまった。

ドア付近に立っている青年は愛と目が合うと同時に、持っていた携帯に素早く目
を移す。
愛が視線をはずすと、彼はちらちらと看板と自分の顔を交互に見つめる。それが
視界の端でも把握できた。
特にどうという感情も湧いてこなかった。こういう状況がいたって普通という事
は愛なりに理解しているつもりだった。
110ねぇ、名乗って:01/12/19 05:06 ID:AhKq06B1
「いきなり圧縮逝き」を防ぐため保全
111que:01/12/19 14:01 ID:Nr6yjWvb
亜弥の視線は乗客の足元に向けられていた。
乗客の視線の先には自分がいる。顔を上げてその目を、心を読んでしまうのが嫌
だった。
誰かが話しかけてくるまで。それまでは、目は伏せておく事にした。
「亜弥ちゃん」
「はい?」愛の声に顔を上げる。
「飲み物がない」
亜弥は「ああ」と顔をしかめた。「そうか」
112que:01/12/19 14:02 ID:Nr6yjWvb
二人は次の駅で下車した。
「何がいい?」
「愛ちゃんの好きなので」
「うわあ、買いにくいな。亜弥ちゃんの好きなの言ってよ」
「牛乳で」
「牛乳でいいの?」

亜弥をベンチで待たせて、愛は売店に向かった。

売店には自分の100%オレンジはあったものの牛乳は無かった。愛は青ざめて探し
たが、どうやら品切れのようだった。

ベンチに戻った愛が袋から出したのはコーヒー牛乳。
「いいよこれで」亜弥は受け取って笑った。

再び車両に乗り、先程同様プラカードを立てる。
113que:01/12/19 14:03 ID:Nr6yjWvb
さほど進まないうちに車両が急停止した。がくんと大きく揺れて車内がざわめ
く。その拍子にプラカードが乗客の足元に滑り落ちた。それはちょうど乗客の目
に止まる具合。
やがて車両はのろのろと動き出す。
亜弥は顔を上げた。床に集まるはずの視線を確認する為に。けれども、そんなに
都合良くはいかなかった。落ちた瞬間だけ目をくれる人。興味も示さず雑誌を読
み続ける人。寝てる人。
愛が腰を重たげに上げてそれを拾い、ゴミを払ってからシートの後ろに立てた。
114que:01/12/19 14:03 ID:Nr6yjWvb
ドアが開いては人が吐き出され、入ってくる。
その数も徐々に少なくなりはじめた頃、旅行の帰りらしい家族連れがぞろぞろと
乗り込んできた。疲労の表情だった父親は、すぐにプラカードに気付いた。何が
書かれてあるかが気になるのか、二人の前にやってきて目をこらす。二人はまじ
まじとその顔をみつめた。
文字を読んで眉をひそめた彼がなにか言いかけたとき、ドアの方で騒ぐ子供に手
をやいた母親が父親を呼んだ。
「なんとかして!」その叫びに父親はあわてて戻って行った。
115que:01/12/19 14:04 ID:Nr6yjWvb
じゃらじゃらと錠剤を手に注いで、思わず揃って背筋を伸ばす。
お互いの手をみつめて、緊張したまま。
思わず笑い合った。

亜弥は勢い良く手の物を全て口に放り込んだ。それをコーヒー牛乳で流し
込む。
愛も続いた。手におさまりきらなかった分も袋から出して全部飲み込んだ。
無理に流し込んで、げふと戻しそうになる。
116que:01/12/19 14:10 ID:sDGelBNf
しばらく二人は宙をみつめて待ったが、なにも異常は感じられない。
――?
不可解な表情のまま、再び乗客の観察に戻った。

半分近く減ったが、相変わらず微動だにしない乗客。
一定のレールのリズム。
愛は見つめる対象のいなくなった前方のシートをただ眺めていた。
117que:01/12/19 14:10 ID:sDGelBNf
亜弥は目を床に伏せたままの体勢を変えずに、あれこれ考えていた。
もしひとりだったら、どういう行動をとっていただろう。これとは違う方法?わ
からない。
気丈に振る舞うのはもうやめていいのかな。別に悲しくはなかったんだけど。

でも、もう遅いです。

ぱたんとまぶたが落ちてきて、あわてて大きく見開いた。
こんなに明るかっただろうか?車内が急に白くなったような気がした。
118que:01/12/19 14:11 ID:sDGelBNf
愛も同様、まぶたをさかんに動かしていた。
――ちょっと怖いかも。そんな不安がしだいに大きくなってきて。
愛は亜弥の手を探り当てると、軽く握った。
119que:01/12/19 14:11 ID:sDGelBNf
「亜弥ちゃんはいいなあと思う人とかいるの?」
その声の方を見ると伏目がちの愛がいた。急に田舎くさくなった気がする。ちょ
うど初めて会った頃のような。こんなにダサかったかな。亜弥は苦笑した。

「そうだな、すごいなって思う人はたくさん。だけど、いろんな人と会ったけ
ど、特にこれといって。たぶんわたしに見る目がないんだと思う。感受性ってい
うの?そういうのが足りないのかも」
「嫌いじゃないの?」
「誰が?」と顔をゆがめた。
「あ、その顔」
指摘されて、あわてて手で顔を確かめる。

「周りの人を」
「なんでそう思うの」
「なんとなくそんな風に見えるから」
「ひどいな」
「ウチは嫌いにならないでね」
「あはは」亜弥は笑って愛の頬をつねった。「どうしたの愛ちゃん」
120que:01/12/19 14:13 ID:sDGelBNf
どれくらい経ったのだろう。亜弥はふと目をさました。相変わらず車内は白くぼ
んやりしていたが、まだ乗客はちらほら乗っているのが薄目でもわかる。愛に目
をやると、すでに眠っていた。
愛ちゃん
――
大声で呼んだつもりが、声が出なくて驚いた。もう一度呼ぼうとしたがやはり無
理で、亜弥は自分の手に力なく触れている愛の手をぎゅっと握り返した。それで
も、さほど強くは握られなかったが。
そして愛の肩にもたれて眠った。
121que:01/12/19 14:14 ID:0NFuHoN8
二人から少し離れたシートで参考書を読んでいた予備校生は、足元に落ちている
手製らしきプラカードを拾った。靴の跡にまみれた派手な文字を一通り読み、首
をかしげた。
やがて車両が停車して、彼はそれをシートに残し下車していった。
終点に近付き、二人の乗った車両はついに誰もいなくなった。
122que:01/12/19 14:14 ID:0NFuHoN8
終点で残りの乗客を全て降ろした車両は、ドアを閉めて再び発車していく。あと
は倉庫に向けて走るのみ。最小限の照明が入っただけの暗い構内を、車両は低速
で進んだ。
123que:01/12/19 14:15 ID:0NFuHoN8
倉庫に入った車両は止まり、小さく揺れる。ドアが開放されて、運転手は早々と
出て行った。
車掌はいつも通り、車内の見回りを始めるはずだったが、死んだように疲れた体
にムチを入れる必要はないと思った。彼は今日初めて見回り作業をさぼり、構内
へと消えて行った。
124que:01/12/19 14:16 ID:0NFuHoN8
二人の体は停止したはずみで崩れかかったものの、離れる事はなかった。愛は亜
弥のひざの上に、亜弥はそれを守るように。
やがて構内と車両の照明が静かに消えた。
125que:01/12/19 14:16 ID:0NFuHoN8
『sonatine』終
126名無し募集中。。。:01/12/19 14:43 ID:J++SVJe3
>>125
おつかれ
127名無し募集中。。。:01/12/20 05:32 ID:FRtND1F0
que殿お疲れさまでした
情景描写が鮮やかで最後の方は特に目に浮かぶようでした
この静かで穏やかな時の流れから最後こうなってしまうとは・・・
あと、ふたりの繊細な感情と微妙な関係がたまらんかったです
冷静で淡々としてる中にも激しい感情が渦を巻くみたいな
美少女ふたりだから絵になりますね
お疲れの所聞くのもなんですが、次の御予定は?
128どーん:01/12/21 01:16 ID:V4h+vqdf
129ねぇ、名乗って:01/12/21 04:17 ID:yDmAIVEJ
今更なんだけどソナチネってなに?
130名無し募集中。。。:01/12/21 08:45 ID:IO/1X7bF
>>128
いいねぇ
ここの影響か、おとといのトップアーティスト30での共演になんかワクワクしてしまった・・・

>>129
■[ソナチネ]の大辞林第二版からの検索結果 


ソナチネ

[(イタリア) sonatine]
〔小さなソナタの意〕第一楽章を簡略なソナタ形式とした器楽曲で、全体は短い二、三の楽章から構成される。
 ピアノ教材として多く書かれている。小奏鳴曲。


俺もはっきりとは知らなかったので調べてみました
>que氏
こういう意味でよろしいのでしょうか?
131ねぇ、名乗って:01/12/22 02:10 ID:/ZrhR3i3
>que氏
「一スレ一作品主義」だったりしますか?
とりあえず保全しときます。
132129:01/12/22 02:33 ID:UoCaLtQO
>>130
おお、サンクス。
辞書で調べれば出る言葉だったのかぁ。スマソ
133名無し募集中。。。:01/12/23 04:01 ID:NfMw01Da
改訂版も楽しみにしています
134名無しさん:01/12/23 12:03 ID:ICsqe54E
作者さんでもないのに勝手に貼っていいのかどうかわかりませんが
改訂版が始まってます。
m-seek
http://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=flower&thp=1009035776&ls=50
135名無し募集中。。。
>>134
アリガト