【リレー小説】淫乱モーニング病棟♂♀

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445ねえ、名乗って
420の続き

焼肉屋でひとしきり食事を済ませた後、市井と保田は昔、
お互いが同僚として働いていた看護婦時代行きつけだった居酒屋に
場所を移していた。

留学の話や、国家試験の苦労話などを語りながら、
市井は水割りのグラスをかたむける。
保田も久しぶりの非番、いつもより強めのカクテルを楽しんでいた。

お互いの会話がふいに途切れた時、市井が切り出した。

「あたしが帰国したのはね、圭ちゃん。
またあの病院で働けるかもしれないんだ。」

「えっ?」
酔いがまわった保田の表情が、少し驚きで素に戻る。

「たいせー先生知ってるでしょ?外科の。
先生が、声かけてくれたんだ。
どうせなら、つんくさんの下でやらないかって……。」

「……そう。」
446ねえ、名乗って:02/01/10 06:00 ID:9Skvh+VO
市井が病院に帰ってくる。
しかし今度は看護婦のメンバーとしてでなく、1人の医師として。

保田は嬉しいような、それでいて、かつては共に学んだ同期の友の下で
働くことに少しの嫉妬も感じた。

それよりも保田の心に不穏な音が響き渡る。
後藤はまだ、市井が帰国した事を知らない。

市井が病院に戻ってくれば、後藤と再会したら……二人は……?

保田は自らの嫉妬の炎が再びくすぶり出すのを感じていた。