後藤は高橋との営みを終えると、前回とはうって変わって
服を着せてやることも、謝罪の言葉を述べることもなかった。
行為そのものだけに満足を得て自分の乱れた衣服を直してすぐに給湯室を立ち去った。
「ゴメン・・・愛ちゃん・・・・」
おそらく自分自身も聞こえてないような小さな声で後藤はそう呟いた。
一方高橋は息を整えると、涙をたくさん流しながら服を着て自分の愛液で
汚してしまったシンクをキレイに拭き取った。
片づけを終えると、高橋は屋上へ走り膝を抱えうずくまって泣きはらした。
考えれば考えるほど募る石川への想いと罪悪感。
おそらく、もう顔すら見れなくなっているかもしれない。
汚れた自分をさらすなど今の高橋の精神状態では絶対に有り得ないことだった。
「ひっく・・・い、・・し・・・川・・・さん・・ひっく・・・
なんで・・・どうしてこんな目に・・・もう嫌・・もう嫌だよ・・・。」
高橋は涙と声が枯れるまで泣き続けた。