小説『OLやぐたんにせくはらするのだぴょーん』

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771L.O.D
「で、だ」
数日後。
仕事の合間の空いた時間。
うまい事待ち合わせして
市井は辻と遊ぶ事になったのだが・・・・・・
「なんであんた達もいるの?」
「あんたってなにさぁー!」
「なっちとまりっぺだってカラオケいきたぁーいぃ」
「・・・・・・はいはい」
保護者?同伴。
安倍と矢口まで一緒に来てしまった。
市井はさっさと辻の手をとり
ギュッとつないでやった。
(あら?いやだぁ、いきなりそんな、、、)
(なっち、今回はさっきの話通りの作戦だよ)
(まかせときなさーい)
後ろでこそこそしゃべってるバカコンビはいいとして
市井は辻としゃべる事に必死である。
「ダイエットがんばってる?」
「えと、、、うん」
「お腹空くよな?」
「そういう時は、、、、」
ポケットから出てきたのは、酢こんぶ。
「これ食べてろって、、、」
市井は酢こんぶを見て、後藤を思い出す。
一時期、取り憑かれたようにこれを食べていた。
なにが原因だったのか分からないが
本当に四六時中、移動中も仕事の合間も
あらゆる空間、あらゆる時間
これを食べていた。
「がんばれ、、、」
「あい、、、」
いきつけのカラオケはすぐそばにあって
メンバーの顔を見れば、すぐに
いつもの部屋に通してくれる。
「さーて、紗耶香もいる事だし」
「なに、歌おうかなぁー」
安倍と矢口はチラッと市井を見て
また目を本に戻す。
772L.O.D:01/12/19 11:05 ID:824uoF/F
「なんなんだよ、もー」
辻を見ると、なんだか嬉しそうな顔をしてる。
「お、どした?」
「市井さんの歌ひさしぶりに聞くから」
「へへーん、一応、やめた後だって
 歌ってはいたからねぇー」
流れてくるのは、真夏の光線のイントロ。
マイクは4本。
『ほら、辻も持ちな』
「へ?」
『コーラスぐらいできるっしょ?』
「うん」
『AH- 青い空が微笑んでくれた
 ドライブなんてグッドタイミング
 こんな日もあるのね      』
安倍と矢口の見事なコーラス。
一緒にやってた時より
もっと伸びやかで艶やかな
綺麗な声になっていた。
『AH- いいことが重なりすぎてるわ
 雨男の彼が口笛なんて吹いて(FU-)』
『それでもいいっか!(イヤーン)
 ついて行くわ
 ちょっぴり3枚目だけど    』
身体が動き出す。
やっぱり歌は楽しい。
辻の顔を見る。
一生懸命コーラスを入れてる。
市井もこの曲ではハモリだから
一緒にリズムをとってみる。
『AH-』
『去年と』
『この夏は』
『違うわ』
『あなたがいる 寂しくない
 エンドレス エンドレスサマー』
『AH-』
『本当は』
『大好きって』
『みんなに』
『叫びたいわ 窓を開けて
 エンドレス エンドレスサマー』
なんかシークレットライブ状態。
歌い終えた途端、安倍が本をめくりだす。
「なっち、ペース早いねぇ」
市井がそう言うと
顔も上げないで答える。
「紗耶香とカラオケなんてひさしぶりだから
 歌ってほしい曲があるんだよ」
「なんか照れるなぁー」
リモコンのキー操作も終わり、転送。
画面が切り変わって
流れてきたのは、青いスポーツカーの男。
「うわぁあ」
「辻も歌いますーーー」
安倍以外の3人が立ち上がり
ギターをかき鳴らすフリ。
市井がかっこつけて
マイクをバッと天に突き上げて
歌い出し。
『あまったれんじゃないわよ
 自分でしな Baby    』
『Baby!』
『あまったれんじゃないわよ
 男らしく Baby     』
『Baby!』
こうして狂乱のセルフカバーモー娘。ライブは
過ぎていくのであった。