小説『OLやぐたんにせくはらするのだぴょーん』

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767L.O.D
夏になり、おいしい食べ物が出てくる季節。
市井紗耶香は今日もまた
愛しいあの人がお昼御飯なに食べたか気になっていた。
(弁当2個に、お菓子何個食ったんだろー、、、、)
そんな食生活をしていれば、
当然のごとく、太るわけで。
携帯電話の裏のプリクラは撮る度に
確実に太ってきている。
「後藤も結構いったけど
 つ、、、ののもすごいなぁ」
言い直したのは、1人の時だから
顔見てなんてとてもじゃないが言えない。
「事務所から食べるの禁止なんて言われなきゃいいけど」

予感適中!!
シャッフルの衣装合わせの後、辻と加護は別室に呼ばれる。
待ってたのは女マネージャー。
「分かってるわよね」
神妙な顔でうなづく2人。
さすがにアレは2人とも焦った。
加護は3人祭の腹出し衣装の腹の出具合に驚き
辻はさらしを巻くと、吐きそうになったという・・・・・・
「さすがにね、ちょっと今の体重じゃ
 健康にもよくないし、痩せなさい」
「あい・・・・・・」
「お菓子禁止!買い食い禁止!」
「・・・・・・」
「分かった?」
「あい・・・・・・」
しょぼくれて、部屋を出ていく。
溜息をつくマネージャー。
仕方ないのだ。
この仕事のスケジュールでストレスが溜まるなど当たり前。
ましてや、成長期のあの子達が食べ盛りなのも分かってるが
ミニモニとして矢口の隣に立った時なんか
なおの事太って見えてしまう。
これは見られる事を仕事にしてる芸能人としては
かなり痛い。
「はぁ、、、、」
マネージャーの苦悩は続く。
768L.O.D:01/12/18 22:36 ID:cAjDA1sy
楽屋に戻ってきた辻に石川が声をかける。
「ののー、これ残ってるんだけどいる?」
「あー・・・・・・」
おいしそうなクッキーの箱。
一瞬、手を伸ばしたが
加護に引っ張られ
あきらめる。
「いらないのれす、、、」
どよーんとした空気は次第に楽屋まで広がる。
「空気が、、、重い」
はしゃがない辻、加護。
逆にはしゃぎづらい安倍、矢口。
その雰囲気にオロオロしだすリーダー飯田。
「で、なんて言われたの?」
それまで雑誌を読んでいた保田が
突如として切り込んできた。
全員の視線が集まる。
「な、なによ」
「おばちゃぁーん」
「えぐっ、、、ひぐっ、、、、、」
しまいには泣き出す始末。
「ちょっとどうしたのよー」
「お菓子ダメってぇーー、、、、」
「・・・・・まぁね」
「お弁当じゃお腹空くーーーー」
「でもさ、いい機会じゃない。
 このままじゃミニモニやってても
 デブモニって言われるわよー」
「い、いやなのれす!!」
「絶対いやや!」
保田、脅しに成功。
こうして辻と加護のダイエットは始まったのだが
反対に誘う口実がなくなったのは、市井。
769L.O.D:01/12/18 22:37 ID:cAjDA1sy
ダイエットをしてるなら
どっかに御飯。なんてわけにもいかず
かといって、遊びに行くのも
たかがしれてる。
どうすればいいのやら・・・・・・
市井は床にゴロゴロと転がりながら
考える。
(うーん・・・・・・)
手頃なのはカラオケ。
映画というわけにもいかないだろう。
というか、絶対辻だったら、寝る。
ゲームセンターなんかは場違いだし
バッティングセンターは仕事場の近くになんて
きっとないであろう。
決定。
カラオケ。
(うっし)
携帯でメール。
今度のオフはカラオケに行こう。
しばらく返事がない。
きっと仕事中なのだろう。
(ま、いっか)
ベッドの上に携帯を放り投げて
市井は部屋から出ていった。