小説『OLやぐたんにせくはらするのだぴょーん』

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664L.O.D
モーニング娘。所属事務所破産の文字が新聞に踊る。
ワイドショーやらなにやらが事務所におしかけ
トップアイドルのこれからを問う。
今回の破産劇、その真実は
その当人、モーニング娘。達にあった。

とあるテレビ局の楽屋。
13人に増えたモーニング娘。だけに
昼時は戦争になる。
楽屋前に置かれたダンボールが部屋の中に運ば・・・・・・
「!!?」
「「いただきまーす!!」」
全員が一丸となって襲いかかってくる。
逃げ出したマネージャーの目は
部屋の隅でもくもくと何かしてる
後藤の姿が映った。
(後藤が御飯の時にはしゃが・・・・・え?)
そう、彼女の膝の上にはすでにお弁当があり
半分ほどなくなっていたのだ。
(・・・・あいつ、勝手に食べてたな)
呆れ顔で部屋の戸を閉める。
後藤はそんな事を意に介さず
二個目のお弁当に手を出した。
そこへやってきたのは、安倍なつみ。
「ごっつぁーん?」
「んぁ?」
「マヨネーズあるかい?」
「うん」
コクリとうなづいて脇のバッグから
業務用マヨネーズを取り出す。
後藤さん、自宅から持ち出しっすか?
安倍はそれを受け取ると
急いで、待っている紺野の元へと駆け寄る。
すっかりベタぼれらしく
サラダが隠れるくらいに
マヨネーズをかけてあげてる。
「ごっちん、タルタルソースー」
吉澤が来て、醤油をかける前の白身魚フライを指差す。
「はいはい」
「二個目のお弁当?」
「へへぇ」
「太るぞー」
「よっすぃもほっぺ、プニプニだぞー」
665L.O.D:01/12/09 22:43 ID:0XHLLh/5
食事が終わって
紺野がマヨネーズを抱えて持ってくる。
「あの、、、ありがとうございました」
「マヨネーズ好き?」
「はい、、、」
「後藤も好きなんだぁ」
ゆるーい笑顔で笑い合う2人。
「あ」
後藤はつぶやく。
紺野の口元についたマヨネーズを見つけ
手を伸ばして、拭い取り
その指を舐めてしまう。
「ついてたよ」
「あ、ありがとうございます」
ペコリと頭を下げて
他のメンバーの元へ行く。
新しい弁当に手を伸ばそうとして
手を止めた。
安倍の視線が痛かった。
はっきりと、しっかりと
こっちを見てた。
まるで見せつけるように
紺野を抱き寄せ
キスをする。
目を離せない。
(・・・・・・甘いもの食べたい)
気にすれよ!
666L.O.D:01/12/09 22:57 ID:0XHLLh/5
仕事が終わって
安倍は紺野を抱き締めながら言う。
「どこ行く?」
「え?」
「お腹空かない?」
「あの、、、、」
「お好み焼きでも食べにいこっか?」
「え、、、あ、、、」
抱きかかえて連れ去っていった。
メンバーはそれを見届けるしか出来ない。
「惚れてるね」
「うん」
「ごっちんはもう帰るの?」
吉澤の膝の上にだっこされた石川が
せっせとお菓子を整理する後藤に聞く。
「うん、帰る」
「御飯食べに行こうかなーって思ってたんだけど」
「うちらが!」
「行くのれす!」
辻と加護が挙手。
2人は仕方ないという。
「行ってらっしゃーい」
「やったぁー、梨華ちゃんのおごりー」
「おごらないよー」
「ありがとうなのれす」
「梨華ちゃん太っ腹!」
「よっすぃまでぇ」
いちゃつくなよ、いしよし。
後藤は脇目も振らず、お菓子を整理する。
「じゃねー、ごっちん」
「うん、ばはーい」
残された飯田と矢口と保田は見た。
5期メンの残り3人がひそかに
4期メンの後をつけていくのを。
「まぎれこんでおごってもらう気かな?」
「さぁ?」
「ま、いいわ。私達も飲みに行くわよっ!」
保田がはりきる。
ゲイバーっすか?
「電気、よろしくね」
「んぅー」
「ばいばーい、ごっつぁん」
「ばいばい」
パンパンになったバッグ。
ポンと叩いて、うなづく。
「よし」
おいしょとかけ声かけて
ショルダーバッグを担ぎ上げる。
そうとう重そうだが
怪力後藤は楽々と持っている。
「帰るか」
電気を消された楽屋。
思春期の女の子の匂いと
保田臭。
それに、食い散らかされた
数多くのお菓子や食べ物の入り交じった
複雑な香りが漂っていた・・・・・・
667名無し娘。:01/12/09 23:01 ID:SjN7J4gC
アヒャヒャヒャヒャ L.O.D最高ッ!ネタかよ(w
こう言う期待の裏切り方って大好き。
これからも読者を「良い意味」で裏切り続けてくれ。
668L.O.D:01/12/09 23:07 ID:0XHLLh/5
暗闇。
安倍は紺野を抱き締めようとする。
「ダメ、、、、です」
「いや?」
「、、、、、」
「うちは、こんなに紺野の事好きなんだけどなぁ」
拒めず
キスを受け入れる。
重ね合わせた唇から漏れる吐息。
唾液が混ざり合う音は卑猥で
そのせいで顔が赤くなる。
「ね、しよ?」
「、、、、や」
首に手を添えられ
ゆっくりと優しく
横たわらせられ・・・・・・!?

  ガッ!!

「ハッ!」
「!!?!」
見事なまでに顎を捕らえた拳撃。
紺野の丸っこい手が
安倍の脳を揺らした。
グッタリとなり
崩れ落ちてくる身体に
紺野は押しつぶされる。
「安倍さん!?」
目は開いてるが、完全に白目を剥いて
イッてしまっていた。
「しっかりしてください、、、、、重いです、、、、」
身体を入れ替え、なんとか抜け出すと
紺野は1人でベッドに向かった。
669L.O.D:01/12/09 23:22 ID:0XHLLh/5
一方、後藤真希は
「ぐー・・・・・・」
口の端からイカの薫製を出したまま
爆睡していた。
散らかった部屋の中の
80%はおそらく
食べ物のゴミであろう。
コンビニの弁当。
ペットボトル。
ポテトチップス。
ポッキー。
ありとあらゆるゴミがあった。
テーブルの上のクッキーしけってるし!

夜中3時。
意識が回復した安倍は
大人しく紺野の横に寝ていた。
初めて会った時は
どんくさそうな子って感じだったけど
ある日、彼女がホームシックになって
一本の電話がかかってきて
真夜中にここへやってきて
抱き締めてあげた時
すごいかわいくて
惚れていた。
柔らかい頬。
暖かい身体。
全部が好き。
なにかを食べてる顔はとくにかわいくて
思わず、いっぱい食べさせたくなる。
食べてる幸せそうな顔を見るだけで
嬉しくなれた。
彼女の手を握る。
さっき自分を失神KOした手。
プニプニした赤ちゃんのような
かわいらしい手・・・・・・
670L.O.D:01/12/09 23:38 ID:0XHLLh/5
翌日の昼。
紺野がとことことやってきて
後藤の前に立つ
「?」
今日もまた早弁してた後藤は顔を上げた。
(顔貸しなとか言われるのかな?)
絶対、ありえないだろ。
「あの、、、、」
「なに?」
「後藤さん、お料理上手ですよね?」
「んー、まぁね」
「今度、なんか作ってきてもらえませんか?」
「いーよぉ」
食べてくれる人がいると
作りがいもあるってもんだ。
「じゃ、石川も作ってくる!」
「トイレ味の焼そばだけはかんべんなのれす」
「そ・・・」

  ガタッン!!

椅子が激しく倒れる音。
全員がそっちを見る。
安倍の肩が震えてた。
「なっち・・・・・・?」
矢口が声をかけるが
なにかにはじき出されるように
楽屋を飛び出していく。
紺野はそれをポカーンと見てる。
小川に手を引っ張られるも
何が起こったのか分からない。
「追わないと!」
「へ?」
「安倍さんは、あさ美が後藤さんに料理を頼んだからっ!?」
そこまで言われて、やっと気付いた。
追わなきゃ。
671L.O.D:01/12/09 23:40 ID:0XHLLh/5
探す
いない
探す
いない
どこにいるのだろう
空いてる楽屋
暖房の脇
椅子の下
自販機の影
カップジュースの受け口
掛け軸の裏
どこにもいなかった。
「はぁ、、、、はぁ、、、、、」
疲れて、廊下で座り込むと
目の前にはトイレ
余力を振り絞り開けてみると
中からすすり泣く声
「安倍さ、、、、、、ん?」
「ひっく、、、、うぅ、、、、、、」
「ごめんなさい、、、、私、にぶくて、、、、、」
「うぅっく、、、、、、んぅ」
「安倍さんの作った御飯食べたいです、、、、
 帰ったら、作ってくれますか?」
「紺ぢゃぁーーーん」
泣き顔の汚い安倍は
個室から出てくる。
紺野は胸で抱き締めた。
「ラヴ、ラヴ。ですね」
「・・・・・・里沙ちゃん」
あの伝説のポーズを繰り返してみせる新垣を
末恐ろしげな目で見る高橋。
こいつに怖いものはないのか?
672名無し娘。:01/12/09 23:41 ID:SjN7J4gC
>>L.O.D

途中だったんだね…失礼した。ゴメソ
673ぼの ◆BONOl.Ok :01/12/09 23:46 ID:hdcLNpJn
ありゃ、新作に突入してましたか・・・

紺野最強伝説?
674L.O.D:01/12/09 23:48 ID:0XHLLh/5
数日後
局内で大きな鍋を暖める後藤の姿を何人もの人が見た。
それは楽屋に持ち込まれ
弁当の御飯の上にかけられた。
麻婆豆腐。
後藤真希お手製だ。
っていうか、作ってそのまま手でもってくるにしても
直径30センチオーバーの鍋はデカすぎるだろ。
「おいしいね、紺ちゃん」
「うん」
後藤はそう言い合って、笑う安倍と紺野を見る。
仲むつまじい風景である。
「ごっちん、この豆板醤がちょうどいいっしょや」
「ありがとうございました、、」
「ううん、よかったよー、喜んでくれて」
と答えながら、後藤は4個目のお弁当に
麻婆豆腐をかけていた。

そう、、、事務所は局でまかないきれなくなった
モーニング娘。の食費を負担。
それも追い付かなくなって
破産に追い込まれたのである!
「事務所どうなるんですか?」
「わからんべさ・・・・・・」
そんな中でも後藤だけはしっかり食べていたのであった。

end