小説『OLやぐたんにせくはらするのだぴょーん』

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612L.O.D
「まぁ、いわゆるパラレルワールドっちゅー奴やろな」
「ぱられる?」
「そや、この世界とは別の世界の事。
 今の自分とはまったく異なる処遇の自分がいる場所」
「で、なにしてたの、自分は?」
「なんか踊ってました・・・・・・
 で、そこにはマリやユウコさんもいたんです」
「綺麗やった?」
「え?」
「なんやねん」
突き刺すような2人の視線に
機嫌悪そうに切り返すユウコ。
「でも、見てみたいなぁ・・・・・・
 もう1人の自分がなにしてるか」
「おもしろそうつーたらおもしろそうやわな」
時計が大きな音を立てて
10時を知らせる。
「あぁ、もう行かないと」
「汽車やもんな」
「またおいで」
「はい」
一路、Minervaへ。
613L.O.D:01/12/05 15:22 ID:eg6ypI+d
店に帰る前に
街中のお香を置いてる店へ寄る。
「いらっしゃいませ」
「あの、キンモクセイの香りの探してるんですけど・・・・・・」
「こちらなんかいかがですか?」
手頃な値段だし、台やらなにやら一通りついてるセット。
「じゃぁ、これで」
その隣で試香してる人の匂いがしてくる。
甘い匂い。
その瞬間、リカの顔を思い出す。
(ノゾミとアイはなにか食べ物でいいし)
「あのっ!」
「はい?」
「なんかストロベリーの香りとかありますか?
 甘い感じの匂いで・・・・・・」
「ございますよ」
「プレゼントにするんで、包んでください」
店員はやさしく微笑み、うなづいた。

ドアを開け、店に入る。
カウンターにいたケイがうんざりという顔で
私を見る
「はやく帰ってきてよー、ヒトミぃ」
「どうしたんすか?」
「あんたの予約の電話、こんだけ来てたんだからねっ!」
山のような紙。
「すいません・・・・・・」
「ま、人気があるって事よ。
 身体は大丈夫?」
「大丈夫でした」
「そっか、身体は壊さないようにね」
「はい」
「今日の仕事はどうする?」
「やります。あーっと、リカちゃん空いてます?」
「3時間後に休憩」
「分かりました」
荷物を持って、3階へ上がる。
自分の部屋の向いは
リカの部屋。
フと扉に耳を近付けると
漏れてくる音。
「んぅあ、、、」
「ほらっ!!」
鈍い鞭の音。
頭の奥にこびりつくように
鮮明に映る石川の細い身体。
「・・・・・・」
耳を離し、私は自分の部屋のドアを閉めた。
614L.O.D:01/12/05 15:53 ID:eg6ypI+d
「ヒトミさぁーんっ!」
「ほら、気持ちいいんでしょ?」
私は激しく腰を動かす。
女の客。
常連さんでひいきにしてくれている。
私はあまりお客さんの素性を聞かないが
身に付けてるものからいって
相当いい所の人らしい。
まだ中年というほどでもなく
若々しい身体を私はついばむ。
「はいぃ」
「欲しい?」
「欲しいですぅ」
首筋に舌を這わせ
ゆっくりと耳へ移動し
軽く噛み
穴の中へ伸ばしていく。
フッと一息、甘い息。
顔を掴み、優しくキス。
力強く抱き締め
戦慄く腰を沈める。
「はぁ・・・・・・」
「ひあぁ・・・・・・」
615レク:01/12/05 15:54 ID:RgaIJ0yV
調教系エロゲーの雰囲気がでてますね(w
このあとの展開がとても楽しみです。
616L.O.D:01/12/05 15:54 ID:eg6ypI+d
シャワーを浴びていると
ノックもなしに誰かが入ってくる。
「まだ時間じゃないですよ」
客かと思い、声をかけた。
「おやすみでしょ?」
バスタオル一枚のリカ。
「リカちゃん・・・・・・」
「一緒にシャワー浴びよ」
「う、うん・・・・・・」
少し灼けた素肌にはっきりと残ってる縄の跡。
私の指は自然と、それをなぞる
「痛くないの?」
「痛い・・・・っていうより、苦しいかな」
濡れていくリカの髪の毛。
私の背中に手が回る。
抱き締められていた。
「・・・・・・」
ただ無言で抱き返す。
シャワーの音だけが生々しく
聞こえていた。
「キスして・・・・・・」
要望通り、リカの唇に重ね合わせると
精液の匂いがした。
「臭い?」
「いや」
「・・・・・・」
構わずそのまま中までしゃぶる。
「嬉しい・・・・・・」
リカはそう言って、うっとりと目をつぶった。
「なにか・・・・あった?」
私を見上げる目は
悲しく笑っていた。
617L.O.D:01/12/05 15:55 ID:eg6ypI+d
両親の借金の形へ売り飛ばされたリカ。
回り回って、ここにたどりついた。
売り上げの80%を借金返済にあてており
ものすごく質素な生活をしている。
ソファに座らせ、コーヒーを飲みながら
私はキンモクセイのお香に火をつける。
「いい匂いだね」
「リカちゃんにおみやげ」
さっき買った同じものにストロベリーのを足した袋を手渡す。
「ありがと!」
「どういたしまして」
壁を背に座る私によりかかってくる。
「甘えちゃって」
「へへっ」
「で、借金はあとどれぐらいなの?」
「もうちょっと」
「終わったら、どうするの?」
「お家に帰るよ・・・・・・」
「そかぁ」
私はコーヒーを飲もうと手を伸ばした腕を止める。
横から抱かれる。
「私ね、ヒトミちゃんがいなきゃ狂いそうになっちゃうの」
「・・・・・・」
「昨日も寂しくて寂しくて、悲し過ぎて・・・・・・」
ソファの上に押し倒された。
私は抵抗しない。
「ずっと一緒にいちゃダメ?」
「だって、リカちゃん・・・・・・」
「私の家に行かない?」
「・・・・・・」
私は答えれなかった。
彼女にマリの事を言ってなかった。
ここにいれば、マリはケイの事も知ってるし
また会える事もある・・・・・・
私はここを離れるわけには行かないのだ。
「ごめん」
「そっか・・・・そうだよね」
「待ってる人がいるから」
「・・・・私ね、きっと明日働けば終わりなんだ」
「よかったじゃん」
「家に帰れるんだもん、喜ばなきゃダメだよね?」
「そうだよ、お父さんお母さんや家族に会えるんだよ」
「だよね・・・・・・」
「・・・・・・」
あとは無言で抱き合った。
窓の向うはうっすらと明るくなっていた。
618L.O.D:01/12/05 16:09 ID:eg6ypI+d
深い眠りから私は無理矢理起こされた。
ケイが自分を睨んでいる。
「ヒトミ!!起きて!」
「はい?」
「はやく!!」
寝ぼけマナコで引きづり出されたその先は
自分の向かいの部屋
リカの部屋。
「鍵使っても開かないのよ!」
「どうしたんですか?」
ケイにしがみついて泣いてるノゾミとアイ
なにがあったんだろう?
他の女の子もいっぱい出てきていた。
「いや、お客様がリカの様子がおかしいって
 帰り際に言われたから話を聞こうと思って
 来たんだけど反応がないのよ」
私は拳を固め
思いっきり殴ってみた。
腐り掛けの木造の扉は
いともたやすく壊れる。
そして、私の目に映ったのは
天井の照明から首を吊った少女の姿
「リカちゃぁああああああああああああああん!!!」
私は駆け寄り、縄をはずす。
きつくしぼられた縄。
チアノーゼを示す唇。
意識がもうない。
「はいっ!」
ケイから渡されたナイフで
縄をかっ切ると
崩れ落ちるように
リカは解放された。
「ハァ・・・・・・ハァ・・・・・・」
頭が真っ白だった。
粗い息の向こうで私は自分の意識が
遠のいていくのを感じていた。