後藤真希の新曲 あれ、完全にぱくり

このエントリーをはてなブックマークに追加
444第四話

命の恩人。
『あ、待って。助かったのは魂だけだから、魂の恩人が正しいかな』
さっき頭をかすめた映像とその言葉で、なっちにもさすがにわかる。
あの人が真希を手鏡に封印することで真希は命を救われて、その血を引く子孫がきっと
亜依ちゃんなんだ。
そっと視線をうつす。亜依ちゃんはちゃぶ台の向こうでアヒルのような口をしてた。
『あはは』と笑って真希もその口の形を真似する。
ふわっ、と心が暖まりかけて。
ぎゅっとつかまれたように胸が痛み、手をあてる。口唇をかんだ。
置いていかれる。
――嫌だ、と思った。
『なっち?』
真希とふたりだけの秘密に亜依ちゃんが割って来たんじゃない。…なっちが。
なっちがふたりの間に割って入ってたんだ。
顔がだんだんうつむきがちになっていくのがわかる。
『ちょっと。暗いよ、なっち?』
ごめん、真希。
…なっち、ちょっと嫉妬してる。
445第四話:02/03/04 21:45 ID:1tTJIMiU

「おばちゃん?」
いけない。こっちの様子をうかがうような声に、ゆっくり顔を上げた。
青い顔してなきゃいい、と思いながら「大丈夫」と微笑みをつくる。
「でも…」
「真希がね、協力するだって」
「ホンマ!?」
亜依ちゃんが笑顔になる。
ののちゃんはそんな亜依ちゃんをみつめていた。――お茶を飲みながら。
「じゃ、さっそく」と立ち上がりかける亜依ちゃんの手を、私はつかんで止める。
「待って」と亜依ちゃんをにらむようにして言う。「条件があるの」
『条件って?』
ごめん。真希、言わせて。これが――。
「…なに?」
「終わったあとで絶対また、真希をなっちの中に戻して」
今のなっちのせいいっぱい。
つかんだ手に力を込める。
亜依ちゃんはもう一度口をとがらせた顔をしてから、こくんとうなづいた。