後藤真希の新曲 あれ、完全にぱくり

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399第三話

そんななっち達を不思議そうな目で見ながら亜依ちゃんは
「次降ります」のボタンを押した。バス中に響く高いベルの音。
降りる用意しなきゃ。
網棚の上のバッグをおろしながら窓の外に視線を移す。
…うそ。
『おぉ』
周りに広がるのは木々と、じゃり道と、ぽつぽつと建つ家々。
「ここ、どこ?」
「まだ京都やで」
その声と同時にバスは停まり、亜依ちゃんは勢い良く降りる。
信じられない。景色が駅前とあまりに違う。
『うん。改めて納得。出発したところとは全然別だね』
のろのろしてたら亜依ちゃんの声が聞こえた。
「お姉ちゃん、早くぅ!」
…お姉ちゃん?
400第三話:02/02/20 20:31 ID:dWOSZrAI

「どうしたの、急に?」
なんて言いながらも私は笑顔になる。お姉ちゃんって言葉が、素直に嬉しい。
「あ、ちょっと」
バッグを抱え亜依ちゃんを追ってバスを降りようとしたとき、運転手さんがなっちの
腕をつかもうとしてきた。
『もぅ』と声がして景色がゆっくり流れる。
真希は身体を反転させ、その手を避け、逆につかんだ。ほんの一瞬のできごと。
声も出せなかった。
『なにこいつ、どういうつもり?』
手をつかみ上げられた運転手さんはきょとんとした顔で言った。
「…あの、妹さんの分もお金を払って欲しいんやけど」
妹?
はっ、と気づいて振り返る。亜依ちゃんは外であの笑顔。
あの笑顔で「お姉ちゃん、まだぁ?」だなんて。
…参りました。通算四連敗。
401第三話:02/02/20 20:33 ID:dWOSZrAI

バスを降りた私が口を開く前に、亜依ちゃんは「優しいっ!」と抱きついてきて
私はため息をつきながらもよしよしと頭をなでる。怒る気も失せた。
亜依ちゃんはそのままなっちの手を引いて歩き出す。
「こっちやねん」
「近いの?」
「一時間くらい歩く」
泣きそう。
『私は身体を動かせるほうがありがたいけどね』
そう言って真希は大きく伸びをした。