後藤真希の新曲 あれ、完全にぱくり

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339第二話 何でも知ってる少女

まだ高校生なのにおばちゃん呼ばわりされたこともショックだけど、それ以上に
この子が「つの」なんて作ってみせることのほうがショックだった。
でも。
『うん。あんな長くなかった』
そうだよね、もっと髪に隠れそうなくらいな長さだったもん。
可愛い顔。
…何が狙いなんだろう。
真希はどう思う?
頭の中に投げかけると、真希は口唇にひとさし指を当てた。
『私さぁ、なんか初めて会った気がしないんだよ。どこで見たっけかなぁ』
その答えにますますわからなくなった。
340第二話:02/01/30 21:54 ID:26zdWibP

「…見えてる?」とちょっと遠まわしに聞くと、その子は手を角のかたちにしたまま
「遠くからでもわかった」と胸をはった。「おでこに白く二本。もうちょっと短いけど」
長さだけじゃなく色まで当てた。
『見えてるみたい、だね』
不思議だ。
この子――亜依ちゃんはなっちを、真希をどうしたいんだろう?
全然わかんない。
『じゃあてっとりばやく聞いてみようよ』
単純に言うなぁ、なんて答えながらも悪い考えだとは思わなくなってきた。
真希の言葉はいつもわかりやすくて、なっちが迷ってしまうつまらない霧をさぁっと
払ってくれる。
そうだね。なにかあっても真希とふたりだとなんとかなりそうだし。それに子供だ。
なっちみたいのが珍しいだけかな。まぁ、当たり前だけど。
「亜依ちゃん」私はあらためて視線をおとす。
「…なに?」
「場所、変えようか? 人も増えてきたし」
亜依ちゃんはやっとおでこの角をおろした。
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喫茶店にでも行こうかと思ったんだけど、亜依ちゃんが「こっち」と言うので
ついて行った。並んで歩く。
「ホンマはな」亜依ちゃんが前を向いたまま言う。
「うん」
「もっと人通りが少なくなったところで現れようと思うたんやけど」
『あら』
おぉ、真希の初めて失敗じゃない? ふふっ。ちょっと面白い。
なんてにやにやしてたら、亜依ちゃんがこっちを見てるのに気がつかなかった。
私は赤くなる頬を押さえて照れ笑いする。
「ふぅん」亜依ちゃんは笑わなかった。
「なぁに?」
「うちの言ったことに、全然驚かないんやなぁ」
そう言われてみればそうかも。
短い間に色々あったから、驚きになれちゃったのかな?
私は笑って「そんなことないよ」とちょっとびっくりしたふりをする。
「まさかまだ高校生なのにおばちゃん、なんて言われると思わなかったもん」
「そっちかい」
初めて見せた笑顔はとても。とても可愛いかった。