後藤真希の新曲 あれ、完全にぱくり

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250第十話

『ふぅん』
急な思いつきを驚いてくれなくてかっがりしたところに、真希の声が響く。
ちょっと嬉しそうな声。
なんかこう、こっちの気持ちがすこし明るくなるような。
『初めてじゃない? なっちが私のためになにかしてくれるの』
そうだっけ?
私はタンスを開けて、外出用の服をあれこれ探す。
『そうだよ。…食べるのと眠るの以外で、だけど』
そう言われればそうかも。
スカートを手に取ったまま考える。
見るものすべて初めての真希のために、なっち、なにもしてあげてなかった。
真希だって不安だったはずなのに。
『いや、別に』
…あっそう。
『一番多い時で四本だったよ』
えっ?
『お母さんの眉間のしわ』そう言って真希は笑った。
251第十話:01/12/26 00:33 ID:KSXrXlNy

Tシャツを着て、スカートを履く。
そして手に取るのは、お気に入りのジャケット。
薄くベージュがかった色合いが上品で、袖と襟からかすかにのぞく
レースがとても好きだった。
可愛いでしょ?
『うん』
お店で見かけて一目ぼれして衝動買いしたんだ。
好きすぎてここって言うときしか着なかった。だから数える程しか着ていない。
…ばかだな、って今は思う。
タンスの中で眠らせることが、大事にすることなんかじゃ決してないのに。
『気にしない気にしない。これ、着るんでしょ?』
うん。
私はそっと袖を通す。タンスの、木のにおいがした。