(〜^◇^)<『BDOH』

このエントリーをはてなブックマークに追加
331Freaky Friday
安倍は左の手のひら一杯で、
自身の顔に着いた精液を拭い去る。
手にべっとり付いたザーメンに、
粘着力と言うものはあまり無いものだから、
それはドロドロと、手からしたたり落ち、
ベッドのシーツを汚す。
しかし矢口も安倍も、
そんなことをどうこうする気は無く、
ただ、今目の前にいる互いの相手に、
何かしらの想いを寄せていた。
ふいに安倍は口を開き、
ある意味おきまりの台詞を言う。
「いっぱい出たね……。」
言いながら、自身の手のひらをかざし、
矢口の顔に近づける。
332Freaky Friday:01/12/20 01:01 ID:w+8yX6tg
「んっ!」
矢口はとっさに、それを払おうとするのだが、
何故かあまり力が入らず、
ザーメンまみれの左手を遮ることが出来ない。
何時の間にか安倍の身体は、
左手だけでなく、
全体が、矢口に近づき、取り囲もうとしている。
「ほら、こんなに……。」
安倍の手が、矢口に押しつけられた。
口と、鼻との辺りを、ザーメンが覆う。
それほど、臭くはなかった。
おそらくに、まだ、出したてで新鮮であったからだろう。
そしてそれは、口の中にも少しずつ、
流れ込んでくる。
味わいたいものではないし、
奥の方へと導きこむ行動こそ取らないが、
わずかに、苦い味を感じてしまう。
やめて、と言おうとしたが、
そうすれば口を開いてしまうのだ。
333Freaky Friday:01/12/20 01:01 ID:w+8yX6tg
矢口は、んっ、んっ、と、
言葉にならない声をあげ、抵抗した。
しかしそんな矢口に構わずに、安倍は言う。
「いいじゃん、自分で出したんだし。」
そう言って、指を使って、
無理矢理に矢口の口をこじあける。
「いや……もう……。」
口が開かれたことにより、
精液の侵入を防ぐと言う目的が無くなった。
よって矢口は、結局声を出してしまう。
そしてそこに、先程、自分自身の出した精液が流れ込む。
334Freaky Friday:01/12/20 01:01 ID:w+8yX6tg
全く味わったことの無い味ではない。
それでも、味わいたい味ではない。
口一杯に、不快感が広がる。
矢口はその不快感を拭い去るかの様に、
安倍の指を、貪り、嘗め回す。
「んっ、……はぁっ……。」
「矢口……。」
安倍は改めて、その身体を矢口に覆い被せてくる。
左手を矢口の口に突っ込んだまま、身体をくねらせる。
上に覆い被さると、そのまま口から手を抜き取った。
矢口の舌は、それを逃がしたくないかの様に、
しつように指に絡みついたのだが、
結局、その手は放れると、
矢口の頭の横に置かれ、安倍の体重を支える役目に回る。
335Freaky Friday:01/12/20 01:02 ID:L3YBC9iO
再び、二人の目が合った。
かと思うと、それは顔から下の方へと移りゆく。
安倍の視線が、矢口の男根へ向かっていることは容易に理解できた。
「なっち……腰……。」
言いながら、矢口は安倍の腰に両手を回し、
それを下に導く。
「うん……。」
安倍はゆっくりと腰を落とした。
ベトベトに濡れた安倍の女性器が、
矢口の亀頭に当たった。
矢口は片手を股間に回すと、
手を使って、自身の肉棒を安倍の入り口へと導く。
「ぁぁ……。」
安倍が微かに声を上げるのと、
肉棒の侵入開始とが、殆ど一緒だった。
336Freaky Friday:01/12/20 01:02 ID:L3YBC9iO
「ふ……ぅ……ぁ……。」
肉棒を、人間の肉が包み込む。
ビロードの感触……の様な表現を、
最近読んだ雑誌で見たのを思い出したが、
矢口にはビロードがどんなものなのかは判らなかった。
「矢口……。動くよ……。」
安倍は言うと、矢口の肩口に置かれていた両手を上げ、
腰を上の方に反らす。
そしてそのまま手を、それぞれの両足首に当てた。
矢口の視線には、安倍の上半身より上の部分が、
はっきりと映り出す。
337Freaky Friday:01/12/20 01:02 ID:L3YBC9iO
(なっち……。)
一時期に比べ大分痩せてきた安倍の姿が映る。
その姿全てに、完全に見とれ、我を忘れる。
射精後少しずつ取り戻しつつあった冷静さが、
再び崩れ始めた。
「なっち……!あぁっ!」
矢口が何かを言いかけた時、安倍は事を開始した。
自身の体重を、手首越し、足首に預け、
激しい腰の上下を始める。
「ぁぁっ!矢口!あぁぁっ!」
「な、なっちっ!あぁぁ……。」
安倍の唐突な行動に、心底戸惑った矢口は、
一瞬、常識外れなまでに大きな声を出すが、
少しして、やっと沈める。
338Freaky Friday:01/12/20 01:02 ID:L3YBC9iO
「あぁっ!あんっ!あぁ!あ…!あっ!」
安倍が自ら動き、その動きは直接、
矢口の肉棒に伝わる。
それは割と慣れた快感であり、
例えば、
初期段階からついつい声が出てしまうようなものではなかったが、
確かに存在し、矢口を攻め立てていた。
「矢口ィ!イィッ!きもちいいよぉっ!」
「……。」
自分の腰の上で乱れる安倍の姿を、
矢口はじっくりと眺めた。
「ぁぁっ!あぁぁ!ぁぁ……!ぁ……!」
安倍の崩れきった表情は、
今行われているこの行為を、
心底楽しんでいることがありありと感じられた。
何せあのかわいらしい安倍なつみが、
自分の肉棒を飲み込んで、
快楽に表情をゆがめ、
大きな喘ぎ声をだしているのだから、
たまったものではなかった。
339Freaky Friday:01/12/20 01:04 ID:Djq3f60V
(ヤバい……萌え死ぬ……。)
「萌え」などと言う言葉を近頃雑誌を通し覚えてしまった、
矢口のボキャブラリーとはなんとも哀れなことではあるものの、
形容としてそれ以上のものが無かったのもまた事実だった。
愛らしく、いやらしく、乱れきったその姿には、
もはや性欲や射精欲云々を越えた、不思議な感覚が在った。
「なっち……。」
名前を呟いてみたが、安倍の耳には届かなかったようだ。
喘ぎ声にかき消されたらしく、
安倍は相も変わらず、ただ、喘ぎ声を上げ、腰を動かし続けた。
「……。」
矢口は半ば呆れながら、安倍の顔を見つめた。
そしてふと、先程の石川と安倍のやりとりを思い出す。
この二人の関係は先程知ったが、
さほど驚きはしなかった。
なにせ、あの石川とこの安倍であるわけだから。
性欲上で、特殊な関係になってしまうのも無理は無かった。
340Freaky Friday:01/12/20 01:04 ID:Djq3f60V
ともかくとして、肉棒を攻め立てるその刺激は、
なんだかんだ言って少し早漏気味の矢口を、
存分に攻め上げるものだから、
矢口自身、このままなされ続けるとまずいことは認識していた。
脳味噌に神経を集中させ、安倍の顔を凝視し、
少しでも射精感を沈めようとする。
しかし結局、安倍の顔をじっくり見たことによって、
なおのこと興奮は高まり、意味はなさなかった。
失敗した……などと、心の奥で呟いた。
(かわいいなぁ……。)
同じような台詞が先程から、バカみたいに溢れ続けていた。
それ以外の言葉を出すには、それなりの意識が必要であったのだから仕方ない。
341Freaky Friday:01/12/20 01:05 ID:Djq3f60V
ふと、安倍の動きが止まる。
呼吸の関係
……一連の動きに関する呼吸……
言うなればリズムのようなものの都合からなのだが、
要するに疲れて一息付いたのだ。
そればかりは仕方ない。
「ハァ……ハァ……。」
安倍は首をコクリと落とし、息を吸い込む。
「ハァ……はぁ……やぐ……ち……。」
「なっち……。」
矢口は両手を安倍の顔に向けて伸ばす。
安倍はそれに呼応して、
身体を前傾させると、矢口の両手に抱かれた。
そのまま矢口の身体の上に倒れ込むと、
再び唇を重ね合った。
342Freaky Friday:01/12/20 01:05 ID:Djq3f60V
舌を絡め合う行為も、
もはや特別な意味は持たなくなっていた。
神経が下半身に行っているため、
先程のような快感は、二人とも感じなかった。
ともかくとして、それは、
互いの疲れを慰め合うかのように、
同じ動きを繰り返していた。
矢口は右手を安倍の背中へと下ろすと、
やさしく撫で下ろし、また撫で上げた。
視界一杯に映った安倍の顔が、
うっとりとした表情へと変わりゆく。
矢口はそのまま、
二人の上下を入れ替えるべく、
安倍の身体を左方向へ転がそうと試みる。
病院のベッドもそれほど大きくはないため、
安倍の身体がはみ出そうにもなるが、
少しずつ、二人で身体を引きつつ、
移動し、なんとか中へと残した。
その移動の過程に、
膣内へ挿入された男柱が抜けてしまわないように、
互いに気を付けていることに気付いた。
どうにも間の抜けた感覚が二人を襲ったが、
敢えて無視する方向で合意した。
拍子に、二人の口付けは終わったが、
例によって互いに見つめ合ったままだった。
どうであれ、二人の身体は接着されたまま、
どうにか上下を入れ替えることに成功した。
「なっち……動くよ……。」
「うん……。」
矢口はやっとのこと、
自身がセックスに於ける主導権を握ったような気がして、
少しばかり悦に浸っていた。
相も変わらず男根を包み込む肉壁が、僅かにうごめく。
矢口は強い生命力を感じた。
そんな生命力も、
黙っていれば何も……そう……いわゆる快楽の類は与えてくれない、
そんな漠然とした予感を矢口は、
別に認識したことこそは無かったものの、
ずっと前から知っていた。
だからこそ、ゆっくりと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
この、腰を動かす行為こそが、人の本能と言うものの現れなのであろうが、
とにかく矢口は、目と鼻の先に迫る快楽の為に、
腰を振り始める。
そんな矢口の行為に、
肉壁……生命力……は、
確かな見返りとして、快楽を分け与える。
それは、ケチでもなければしみったれでもなく、
矢口の心も、身体も、充分に満たそうとしていた。
集約された神経を、圧力が締め上げる。
「……ハァ……ハァ……。」
「ん……。」
矢口が丁度、興奮から息を切らし始めた時、
まるでそれに呼応したように、
安倍が反応を返し始める。
固い肉棒に突き通された腰が、
病院のあまり上等でないベッドに、
短い距離からとは言え打ち付けられ、
ゴツ、ゴツ、と音を立てる。
この時安倍は、痛みを認知しながらも、
矢口とのセックスを純粋に楽しむべく、
無視を決め込んだのだが、
それは矢口自身の知る所ではなかった。
「あぁっ……やぐ……ちぃ……。」
「なっちっ……ハァ……ハァ……なっち……っ……。」
矢口が、ゆっくりと、ゆっくりと、
しかし力強く、腰を振り始める。
矢口の肌と、安倍の肌が触れ合う。
既に二人の股間の辺りは、
汗やら愛液やら残り汁やらで、
グチョグチョになっていて、
そんな液体が、矢口の腰に押され、
また、どこかしらグロテスクであるとも言える、
そんな音を奏で続けていた。
「ああ……あ……あ……。」
「……ハァ……ハァ……。」
「あ……や……気持ちいいよぉ……。あっ……あぁっ……!」
矢口の腰に突かれ、
安倍は例によって喘ぎ声をあげる。
「……。」
「や……ぐ……あぁ……もっと……もっとぉ……。」
「ハァ……ハァ……。」
「あぁっ……あぁぁ……ああん!!あぁっ!!いいっ!いいよぉっ!」
安倍の声が、いよいよ大きくなり始める。
先程まで、大した声を出さなかった安倍の理性が、
かなり無くなってきていた。
それと同時に、矢口にも、限界がおぼろげに見え始めてくる。
早漏気味の矢口にとって、薬で高められた身体に、
大した抵抗力がないのは何をせずとも明らかだった。
しかしそれでも、矢口はなんとか耐えるように努力をするつもりだった。
すこしでも、安倍を楽しませたかった。
なるべく、今の行為について考えないようにして、
少しでも気を逸らそうかとも一瞬考えたが、無理だった。
目の前であえぐ安倍なつみを前にして、
それを無視するのは、不可能だった。
それは例え、今の矢口に陰茎が生えていなくとも、
そう、詰まるに矢口に女性としての感情しか無かったとしても、
それでも見つめずには居られないほどに、
安倍の姿は愛らしく、いやらしかった。
ましてその安倍が感じてきている以上、
矢口には耐える必要と言うのもあまり無かった。
二人共に、タガは完全に外れ、終末が近づいてきていた。
「なっち……っ……!なっち……っ……!
「あぁんっ!あっ!あっ!……あっ!あぁっ!
ふ……あぁぁぁっ!あぁんっ!ぃや!いや!
あぁぁぁぁぁ!うぅ……っ!」
「なっち……なっち……。」
「ひぃ……あぁ……う……。
んんー……。ぁ……。もっとぉ!もっとちょうだいっ!」
「なっち……気持ちいいよっ!あぁっ!
イッちゃうっ!イッちゃうよぉっ!あ……。」
「ぁぁ……イイ!……あぁっ!
う……うぁ……うぁぁぁ……。」
尿道に精液が昇り始めた。最後の一線は越えた。
こうなるともう後戻りは出来ず、
矢口の射精はこの時点で確定する。
この状態から、少しでも耐えようと、
そう、この状態もまた、快楽の絶頂の瞬間であるからこそ、
少しでも耐えようとしたのだが、気休めにもならなかた。
「ぁぁ……。」
「うぅっ!あぁっ!あっ!あぅ……あっ!あぁっ!」
精液が駆け抜けた。尿道を一気に駆け抜け、
亀頭へと抜け、それは見えない場所……つまり膣内……に姿を表わそうとした。
その、ごく短い瞬間に、矢口は最後の力をふりしぼり、
思い切り素早く、腰を振った。
最高に敏感になった男根を、強い刺激が襲った。
精液はまさに搾り取られるかのごとく、
大量に現れ、放出されようとした。
そして、その矢口の動きとほぼ同時に、安倍をまた別の波が襲った。
「……ぅ……。」
「ぁぁっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっ!!
あぁぁあぁぁぁぁああぁっ、ぁぁぁぁぁぁ!」
「んんんっ!」
ほぼ同時に、二人の身体は痙攣した。
それと同時に、矢口はいよいよ射精し、
安倍の膣内に、温かい感触が広がった。
瞬間矢口を、そして矢口の知る所ではなくとも安倍を襲う快楽は、
まず現世のものでは無いと思われた。
(死ぬ……。)
矢口にとってはショック死を覚悟するほど強烈な快感だった。
そんな快楽が、しばらくの間、
厳密な時間の単位で言えばごく短い時間だが、
二人の体感としてはそれなりの時間続き、
長い間最高潮を保ち続け、やっとのことで終わった。
終わる頃には互いに、この世の他の全てが要らなくなっていた。
とにかく、二人は呆然としていた。
ただ、それでも、互いの視線は重なり合っていた。
どちらも虚ろな目ながら、確かに見つめ合っていた。
二人の脳内からは再び、言葉は消え失せていた。
が、ともかくとして。
なにがなんだかもわからない脳味噌のまま、
矢口は身体を折り、上半身を横たわる安倍にかさねた。
二人の顔は近づきあい、やがて、唇から重なった。
そして舌は絡まり合う。
先程のような、興奮を高める意味とは違った、
整理的な……鎮静的な意味を伴って。