加護ちゃんのクローン手に入れたらどうする?

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910名無し is mine !
とにかく僕は加護と一緒に家を出て目的地に向かうことにする。僕の運転する自転車の後部席に乗っている加護。
その頭には僕のお気に入りの黒とグレーのツートンカラーのツバ付き帽子が深々と被られている。
自転車は住宅街を抜けて大通りに出ようとしている。交差点で信号につかまった。
「これからどこ行くの?」
まるで加護はこれから楽しい事がありそうと旅行気分でワクワクしているようだ。
「二駅向こうの国道沿いにあるTUTEYAに行く」
「あそこ結構大きな店だよ」
「調べてみたんだけど、この辺りではあの店にしか無かったから」
「アレが?」
「そう、アレが。」
「盗んじゃうヤツが。」
「盗むんじゃないんだよ。借りるんだよ暫く、修学旅行が終ったら返すんだよ!」
「ふ〜ん。そうなの〜加護欲しいな〜。」
本当に加護は度胸がすわっているというか...すごい大物になると思う。
僕達がお店から盗み・・いや借りるのは、ミニモニのCDの宣伝用POPしかも加護等身大Verである。これを修学
旅行へ連れて行き、加護の代わりに記念写真を取りまくるという計画なのだ。
「最初から加護に内緒じゃなかったら、加護に頼んでるよ...。」
「そっか、そだね。えへへ」
911名無し is mine !:02/04/28 22:26 ID:x5Qps61z

店のそばまで来た。ここから先に行けばもう後戻りは出来ない。僕はもう一回逃走ルートの確認をして、作戦に望
む事にした。加護には自転車のそばで待っていてもらわなければならない。もし僕が捕まっても、加護は関係無い
事にしておかなければいけない。僕は加護にPOPを入れるための大きなサーフボードバッグを渡して、ここで待
つように言った。
「加護も、一緒に店に行くよ」
「駄目だよ!ここだけは俺一人でやる。計画通りやらないといけないんだ!」
わざと僕は強い口調で言った。加護もそれを聞いて解かってくれたようだ。僕はいよいよ店に向かう事にする。
「行ってくるよ。」
「うん。がんばって。成功するようにここで祈ってる。」
「うん・・。よしっ!」
僕は店の入り口に向かい歩き出した。

先ずは普通の客のように振舞わなければならない。店内の何処にPOPがあるのかは調査済みだ。店に入ると思い
の他、客が少ない気がする。何だかそれだけで目立ちそうで怖い。この時間の店員数は店長を含めて5人ほどだ。
コーナーごとに分かれているので直接関係ありそうなのは、レジにいる気弱そうなメガネの兄さんと、側にいる店
長らしき人だ。僕はCDコーナーに向かいPOPに位置を確認する。さすがに人気があるらしくミニモニはCD
コーナー入り口に設置されていて、取って逃げるには都合がいい。僕はしばらく目当てのCDを探すふりをして
レジの様子を伺う事にした。万引き少年に間違われないようにキョドらないようにだけは気をつけることにして・・。
912名無し is mine !:02/04/28 22:27 ID:x5Qps61z

店長がレジ側から店の奥に消えていった。チャンス到来である。客も少なくレジの兄ちゃんも暇そうにしている。
「すいませーん。ちょっとトイレ行きたいんで、レジ交代お願いしまーす」レジの兄ちゃんが奥の方にいる他の店
員に言った。「はーい解かりました。今ここをかたずけたらすぐ行きまーす!」と返事が聞こえた。
その時、僕はレジの兄ちゃんの様子がおかしいのに気付いた。どうやら腹の調子が悪そうだ。レジの兄ちゃんはし
ばらく我慢していたが、待ちきれずレジを離れた―。チャンスだ!大チャンスだ!神様が僕に味方してくれている!

僕は素早くミニモニコーナーに向かうと、等身大POPを持ち出そうと手をかけ動かす。もう実行あるのみだ!
「何やっとるんや、君!」声とともに後ろから僕の左手を掴む大きくごつい手があった。
ヤバい。ほんとうにヤバいことになると、血の気が引く感覚が掴まれた左手から体全身に走った―。