加護ちゃんのクローン手に入れたらどうする?

このエントリーをはてなブックマークに追加
856名無し is mine !
僕はとにかく毎日悩んでいる。一日中考えているというのに答えは出てこない。俺はなんてバカなんだろうと
今更ながら自覚する。加護を取巻く環境を変えることなんて不可能な事―それぐらい僕にだって解かっている。
だから何でもいいから彼女を楽しませたやりたいし笑顔が見たい。一緒に修学旅行に行けなくとも、ずっと忘
れない思い出を作ってやりたい。

・・時計の針が午前3時をまわるころ、モヤモヤした気持ちのままベッドにもぐりこむ。
深夜ラジオの雑音の中、ふと加護の顔を想い浮かべる・・・。
その瞬間、閃きが走った―!
答えが見つかった気がする!自分でもバカバカしく思うぐらいの奇跡的な回答が!
こんなバカ計画で加護が喜んでくれるのか一抹の不安はあるが、閃いたんだから仕方が無い。
とにかく加護が学校にきたら、いつもの場所で僕の計画を話してみよう。

ようやく加護に報告できる日がやって来た。教室でおはようの挨拶を交わした時には、普段通りにすごく明る
くて、朝から女友達とワラワラ話しているのを見ると、あの日の落ち込んでいた出来事が、まるで無かったか
のような気にさえする―。

昼休みに机で寝ていると、加護が話し掛けてきた。
「どしたの?今日機嫌よさそうだよ」
「そう?いつもと変わんないよ。何か違うか?」
「うん、違う。」
一緒にいたクラスの女子が口をはさむ「えー、いつもと一緒で無愛想な顔してるよ〜」
「無愛想で悪かったな」
加護が、僕の表情を覗き込んで言う
「う〜ん加護には、機嫌が良さそうにみえたけどな〜」
思いの外顔が近くにきて驚く。フッと、なんともいえないイイにおいがした。
「ハズレだよ。今日も授業はツマラナイし」
僕は、加護はスルドイなーと思いながらも、ごまかすようにそう答えた。

「ねえ加護ちゃん、行こう」友達が誘う。
「じゃあ、後でね」
「あー、うん」

一度行きかけた加護が戻ってくる。
「加護、あの事気にしてないから―」
それだけ言い残すと加護は走って行ってしまった。平気なふりしてたけど、目をあわさずに下を向き、何度も
頷くように話す姿に、彼女の「本当の気持ち」を感じずにはいられなかった。