加護ちゃんのクローン手に入れたらどうする?

このエントリーをはてなブックマークに追加
747名無し is mine !
水やりが終わった後も、僕たち2人の会話は終わる事は無かった。並んで青色のベンチに座わって話
し込んだ。最初は他愛も無いクラスの話で盛り上がる。殆ど僕が一方的に話していたけれど、彼女は
とても興味がある様で、所々で頷いたり、笑ったりしながら聞いている。

僕にとっては日常のつまらない話題も、彼女にすれば学生生活の足りない部分を、ほんの少し埋めら
れる話題なのかもしれない。
だいたいがクラスの内輪ネタで、学校の噂話も多かったけれど、彼女は、「えーっ!ウッソー」とか、
「へぇー知らなかった〜」と驚いたり、感心したり表情豊かに反応する

その内、クラスで誰と誰が付き合っているとか、誰が誰を好きだとか、そんな話題になった。ここで
も彼女は、「えぇーっ本当に?」とか、「ふぅーん、そうなんや〜ぁ」と相づちをうって興味津々だ。
僕が、「俺から聞いたって事は、誰にも言うなよ」と言うと、「それは、どうしようかな〜」と返す。
「絶対に秘密やからな〜約束な!」と念を押すと、「うん、誰にも言わへんよ。約束する」と言って
右手の小指を差し出した―。

僕は何故だか、ぶっきらぼうに人差し指を差し出して、初めてふれる小指と約束を交わした

「好きな人いる?」彼女が僕に聞いた。
「えっ、す、好きな奴か?一応いるよ」急な展開に動揺しながら答えた。
「いるのーっ?誰?」
「いや、言わない」
「えーっ何でーっ、教えてくれてもいいじゃーん」
「は、恥ずかしいやん。じゃあ、もし加護が教えてくれたら、俺も教える」
我ながら上手いかわし文句だ。加護がこんな話に乗ってくる訳がなかったからだ。

「いいよ。じゃあ加護が教えたら、ちゃんと教えてよね!」
思ってもみなかった答えに僕は驚いた。

「ええと、加護が好きな人はねぇ・・・」

平然と話し出す彼女に、僕は平静を装っていたけれど、すこし間をおいて喋る彼女の、次の一言が待
ちきれず、思わず大きく息を飲み込んだ―。