加護ちゃんのクローン手に入れたらどうする？

「スウィート・マロンケーキ 〜Yes, It's My Love〜」

　「心まで入らないで･･･♪」甘栗の皮を手でむきながら楽しそうに曲を口ずさんでいるあいぼん。
冬休みの昼間のほほんとした時間帯は、一緒に紅白に出場したあやちゃんからもらったアルバムを
聞きながら過ごす。何だか彼女のまわりだけゆったりと時間が流れているような気がする
　皮をむきと歌に熱中しているその表情は、楽しんでいるけど少し真剣で、飾りの無い素顔だけれ
ど、営業用のスマイルよりもずっとチャーミングだ

　僕の視線に気付いたのか、目が合った。はにかんで笑ってから、こっちを向いて

「食べてみる？」そう言って、むいた栗を１個持って差し出した。

（その栗でマロンケーキを作るんじゃなかったの？）そう聞く間も無い内に
「これ、オイスィよ〜っ」そう言ってあいぼんは自分で甘栗を一口パクッと食べてしまう
　そして甘栗の美味しさに、思わず顔をほころばせ笑顔になってしまうあいぼんだった

（おいしいの？）そう聞くと
「これがもしマロンケーキちゃんになると、どれくらい美味しくなってしまうのでしょうか？
わたしはとてもとても嬉しいのでございますぅ」

　美味しさに目がくらんで自問自答状態のあいぼん。瞳がうるうるキラキラ少女漫画している。こ
うなるとしばらくはアイボンハイの状態が続き手のつけようがない。それがケーキ作りに良い方向
で発揮されればいいのだけれど...

　３０分程して出来上がった、あいぼん特製マロンケーキ！レシピを発表〜

�@お皿にクレープの丸い生地をのせて
�A生地の上に、つまみ食いをしながらむいた甘栗を敷きつめて
�B甘栗の上に好きなだけ山盛りに生クリームをかけて
�Cその雲上にトッピングとしてチェリーをプスプスおいて
�D出来上がり〜っ

（ありがとう、あいぼん。心のこもったケーキいただきます。）そう言ってるうちに、もう半分無
くなっているマロンケーキ...　鼻の頭に生クリームをつけて笑う彼女は、また曲を口ずさみ始める

「･･･そしたら絶対　私は笑って　100回あなたを許せる　Yes, It's My Love〜♪」