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715LOVE
なち真里小説―Sweet Lover―

「ほんまに来てくれるなんて、裕ちゃん感動やわ。意外と優しいねんな。」
でっかいソファーベットが置いてある部屋に案内されて、矢口と裕ちゃんはそのソファーベットに並んで座った。ちなみに、ソファーベットがあるのにちゃんと別に寝室にはダブルベットがあるんだよ。
「‘意外と’って失礼な。矢口はもともと優しいよ〜だっ!」
「何言うてんねん。なっちにしか優しないくせに・・・。」
裕ちゃんの声は消えそうなほどの小声だった。
「なっ…何言ってんだよ。なっち以外にも優しいっつーの。」
「優しないっ!」
・・・今日の裕ちゃんはなんか絡みにくい。なんかいつもと違うよね。なんだろ…。
「・・・。」
絡みにく過ぎてどうしていいかわかんなくなって黙っちゃった。
「・・・ごめん。矢口と二人っきりやとなんか緊張すんねん。」
裕ちゃんが哀しそうに言った。
「緊張・・・?」
「せや、緊張。それも、ライブとかでの緊張とは違う、もっと新鮮なドキドキやで。」
716LOVE:02/03/19 22:54 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

「ぷっ…。」
おもわず吹き出してしまった。
「なっ!なんで笑うねん、あほっ!」
裕ちゃんにいつものいたずらっぽい笑みが戻った。やっぱりこれでなくちゃね。
「だってぇ、ゆうちゃんから‘ドキドキ’なんて言葉が聞けるとは思わなくてさ。あはっ。」
「そんなに笑わんくてもええやんか〜。もぉ〜っ!」
裕ちゃんがそっぽ向いた。・・・拗ねてる裕ちゃんけっこう可愛いじゃん。…って、こんなこと考えてたらなっちに半殺しにされちゃうかも…。
「ねぇ、ところでさぁ、なんで今日矢口を呼んだの?」
「えっ?」
「だってさ、裕ちゃんって、家にあんまり人呼ばないじゃん。矢口これでまだ2回目だし。」
「・・・。」
裕ちゃんが黙り込んだ。何?何?なんかあるの?言えない理由があるのかい、裕ちゃ〜ん…。
「裕ちゃん、なんかあった?もしかして、やっぱり娘。辞めるの辞めるとか?」
裕ちゃんのテンションを上げようと、必死に明るく冗談っぽい口調で振舞う。
717LOVE:02/03/19 22:55 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

「ちゃう。そんなんやないねんけどな…ただ…」
「ただ??」
「矢口と一緒がええな〜って。」
「ふ〜ん。まぁ、今のうちだよね。あと1ヶ月で裕ちゃん卒業しちゃうし。これでまた一つ裕ちゃんとの想い出が増えるね。」
「想い出か…」
また裕ちゃんが哀しそうな顔をした。
「ゆうちゃん??ねぇ、どうしたの?卒業迷ってるの?ねぇってば〜。矢口、話くらいなら聞いたげるよ。」
少し俯き気味の裕ちゃんの顔をのぞき込む。
「・・・迷ってなんか無いよ。」
「でも、なんか今日の裕ちゃん、いつもと違うもん。」
ほんの少し裕ちゃんに近づく。
718LOVE:02/03/19 22:55 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―


「やぐちっ!」

ほんの一瞬だった。近づいたと同時に裕ちゃんが思いっきり抱きついてきた。
「ゆっ…裕ちゃん…?!」
「しばらくこのままでいさせて。」
細くて消えそうな声で言った。特に何もして来そうになかったから矢口は抵抗せずに頷いた。

719LOVE:02/03/19 22:56 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―


♪〜♪〜♪

しばらくそのままでいたら、矢口のケイタイが静かな部屋に鳴り響いた。
この音は・・・なっちだっ!!
「裕ちゃん、ごめん。矢口、ケイタイ。」
「出たらあかん。」
さっきまでとは違って裕ちゃんの矢口を抱く腕に力が入る。
「電話なの。メールなら無視できるけど、電話だから。」
抱かれた腕の中でもがく。なっちからの電話は出たいの。出れなきゃ困るの〜。
「なっち…なんやろ?この着メロ。なぁ、なっちなんやろ?」
「そうだよ。なっちだよ、だからっ!」
「あかん、出たらあかん。今は矢口はうちのもんや!」
「ちょっ…やめろよ。ゆうこっ!」
必死に抵抗して、なんとか腕をすりぬけて携帯を取った。

720LOVE:02/03/19 22:58 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

「なっちぃ〜。ごめん、待った?」
  『ううん、いいべさ。ごめんね、用事って言ってたのに電話して。』
「いいよ。電話あると嬉しいから。・・・ところで、どうしたの?」
  『今日いつまで用事なの?なっち、夜でも、夜中でもいいからやぐたんに会いたい。』
「どうしたの?」
  『なんかさっき胸騒ぎがして、急にやぐたんが心配になって…』 

ゆうちゃんが矢口の横に来た。じっとして話の内容を聞いてるようだった。

「夕方くらいならいいよ。っていっても、6時くらい。」
  『わかった。どこで会おうか』
「う〜んとぉ・・・あぁっ!!」
ゆうちゃんにケイタイを奪われた。かなりもぎ取られたって感じで。   

『えっ?なに?やぐたんっ?!』

取り上げられてケイタイが矢口から離れたとき、電話の向こうでなっちのビックリした上に不安そうな声が聞こえた。
721LOVE:02/03/19 22:59 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

「ちょっとっ!ケイタイ返せっ!矢口のだぞっ!」
ゆうちゃんは全く聞く耳もたずで矢口のケイタイを見つめてる。
  
  『やぐたんっ!ねぇ、どうしたの?やぐたんっ!』

半泣きっぽいなっちの声(半分叫んでるような声)が聞こえる。なっちぃ…。
  『やぐたん、なんか言ってよ。どうしたのって、ねぇ〜。やぐたん…やぐたん…』
受話器からなっちの声が漏れてる。泣いてる…なっち、泣いてるのに…。
「なっちっ!ごめんねっ!大丈夫だからっ!何もないから、だから泣かないでっ!」
受話器に向かって叫んだ。聞こえるかなんてわかんないけど、とにかく叫んだ。
  『やぐたんっ!!何?聞こえないよ・・・』
「なっ・・・ふぐっ…んんっ…」
もう一度叫ぼうとして裕ちゃんに口を押さえられた。
「なっち…悪いけど、今日で矢口とは終わりにしぃ。」
722LOVE:02/03/19 23:00 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

裕ちゃんは矢口を口を押さえたまま電話の向こうのなっちに話しかけた。
って、そんなっ・・・何言ってんのよっ!冗談きついって…。
『裕…ちゃんだよね…。それ、どういう意味だベ…。』
「あんたより、うちのほうが矢口を愛してる。この前のこともそうやけど、あんたは矢口に甘えすぎてる。‘好き’とか言いながら、あんた矢口のお荷物になっとるんちゃう?」
  『えっ…』
違うよ、なっち。矢口、なっちを荷物なんて思ったことないよ。甘えんぼななっちが好きなんだもん。
「せやからお荷物にならんうちに別れたら?あんた後藤に好きやって言われたんやろ?」
  『別れないっ!真里はなっちのこと、荷物だなんて言わないもん。それに、ごっちんに告白されたけど、ごっちんはやぐっちゃんと別れちゃダメだって言ってくれたもん。』
「矢口は優しいから言われへんだけちゃう?」
  『裕ちゃん…真里の気持ち考えてそんなこと言ってるの?ねぇ…裕ちゃんっ!』
「・・・矢口の気持ち・・・」
裕ちゃんは矢口のほうをチラッと見た。一瞬の裕ちゃんの力が抜けたのをみて裕ちゃんから離れた。
そして、ケイタイに向かって叫んだ。
723LOVE:02/03/19 23:01 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

「なっちっ!なっちは矢口の荷物なんかじゃない。そんな風に思ったことなんてないよっ!絶対、絶対別れないっ!なっち、来てっ!裕ちゃんちに…お願い…」
  『行くっ…行くから…』

‘ピッ’

なっちの返事の途中で裕ちゃんは強制的に電話を切った。
724LOVE:02/03/19 23:02 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―

「…あんたの気持ち、ようわかった。けどな、うちの思いはもっと強いねん。」
裕ちゃんが矢口の方に向かってくる。瞳がまぢで、正直言って怖い・・・。
「やだっ…来るなっ!あんなのずるいぞっ!なっちに何言うんだよ。…裕子は…わかってくれてると思ってたのに・・・」
どんどん部屋の隅においやられてく。やだ・・・助けて・・・。
「メンバー同士でもめるん嫌やってん。けど、ソロになったら関係ない、うちは一個人、中澤裕子やねん。」
「や―っ!」
壁に押しつけられた。抵抗できない。なっち…はやくぅ…
「あんたは…あんたはうちのもんや…」
「ちょっ、やっ…んんっ・・・」
くちびるに柔らかい感触・・・裕ちゃんの顔がすぐそこにある・・・

これって・・・
         これって・・・ 
725LOVE:02/03/19 23:03 ID:WZYQVQmw
なち真里小説―Sweet Lover―


         ・・・・・・・・KISS・・・


裕ちゃんにKISSされちゃった・・・それも、本気の・・・