539 :
LOVE:
なち真里小説―Sweet Lover―
「もぉ〜っ!何でメールくれないんだべさ〜」
今日は娘。全員でのお仕事。5日ぶりに会った真里への一言目がこれ。だって×2、メール送ってるのにちっとも返信くれないんだもん。
「やぐっちゃ〜ん、ダメじゃ〜ん。ちゃ〜んと彼女にはメール送って上げなきゃ〜。」
なっちの横でメイクしてたごっちんが真里をからかってる。そうだ!×2、もっと言ってやれ!!
「ねぇ〜、なんでよぉ〜。何でくれないのよぉ〜」
真里の横にピッタリくっつく。なっちは寂しかったんだぞ!!
「何でって、忙しかったんだよ、矢口はぁ〜。なんたってちっちゃい子のアイドル・ミニモニ。のリーダーなんだからぁ〜。それにタンポポもあるし。とにかくメールより仕事ってくらいだったの!!」
得意そうにふふんと鼻をならしてる。それ、冗談?本気?
「あっそ。わかった、なっちのことなんてどうでもいいんだ。メールより仕事ってのもわかるけど、移動中とかちょっとくらい時間あったっしょ!!なんで・・・なんで・・・」
あ〜、だめ・・・。ずっと寂しくて不安だったのにあんな風に言われたら・・・。
瞳に涙が込み上げてくるのを感じる。
540 :
LOVE:02/01/26 19:07 ID:STDckRMO
なち真里小説―Sweet Lover―
「もういいっ!どうせなっちになんかメール送らなくたって大丈夫って思ったんしょ!そんなことするんだったら…なっちはもう真里なんか知らないからねっ!!」
こみ上げてくる涙を押さえて真里に言った。言ったっていうか叫んだって感じだったけど。そしてそのまま叫び逃げ状態で楽屋を出た。
「ちょっ…なっち!!」
真里の声がしたけど振り返らない。ホントにホントに知らないんだから!!
なっちは楽屋と同じ階にあるトイレに入った。個室に入って、とにかく泣く。意識的に泣いてるんじゃない、涙が止まらないの・・・。
541 :
LOVE:02/01/26 19:10 ID:STDckRMO
なち真里小説―Sweet Lover―
――楽屋
「あ〜ぁ、やぐっちゃん。ホントになっち怒っちゃったよ〜。怒ったっていうか泣きそうだったみたいだけど・・・。」
「やぐちぃ、何でなっちに‘メールより仕事’なんて言ったんよ。あんたらしくないなぁ。」
後藤と裕ちゃんが矢口のとこに来た。
「・・・ホントだよ、忙しかったの。移動中に寝とかなきゃってくらいだったの。ウソじゃないよ…ホントだもん…。なっちにメールしなきゃって思ってたけど・・・。」
「せやかてあの言い方はないんちゃう。なっち、そうとう傷ついたで。」
うっ・・・そんなの言われなくたってわかってるよぉ。だけど、なっちだって忙しいときは仕方ないって、こういう仕事なんだから仕方ないって思ってくれたって・・・。
「やぐっちゃん、早くなっちのとこ行ってあげたら?」
・・・矢口だけがわるいんじゃないもん。寂しかったのは矢口も同じ。忙しくって大変だったんだからっ!!
「・・・やぐちだって寂しかったもん。」
542 :
LOVE:02/01/26 19:12 ID:STDckRMO
なち真里小説―Sweet Lover―
「こらっ!意地張ってても仕方ないでしょ!この前までの2人のLOVE×2はどうなったのっ!!」
裕ちゃん以外のメンバーはみんなこっちを見てる。だって、矢口が後藤に怒られてるんだもんね。
「好きだよ、なっちは。でもね、でもね・・・。」
「もぉ〜っ!矢口は意地っ張りやな〜。収録まであと30分しかないのに・・・。ちょっと、ごっちん。あんた悪いけどなっちのとこ行ってきてくれへん?うちは矢口の意地っ張りを何とかするから。」
「は〜い。じゃあ、いってきま〜す。」
後藤が楽屋を出ていった。矢口は裕ちゃんに連れられて楽屋の隅っこへ。
・・・なんで?仕事をしてた矢口が悪いの?矢口だってなっちと同じくらい寂しくて不安だったんだよ…。
543 :
LOVE:02/01/26 19:16 ID:STDckRMO
ヒサブリの更新です。
あ〜・・・「なち真里でけんかさせてんじゃねぇよ、おいっ!」っていう怒りの声が
聞こえてきそうな内容ですね。(苦笑)
まぁ、ケンカするほど仲がイイってことで・・・。
>>543 いや、これはこれでまた良さといふものがあるのではないかと思ったりもするわけですが。
545 :
LOVE:02/01/26 23:45 ID:TWT/MNCv
なち真里小説―Sweet Lover―
――トイレ
「なっち〜、ここにいるんでしょ〜??ねぇ〜」
ごっちん・・・?なんだよ、まりは迎えにも来てくれないんじゃん。
「ねぇってば〜。やぐっちゃんはホントに忙しかったんだって。移動中に寝なきゃいけないくらいに。やぐっちゃんだって寂しかったんだって。きつい言いかたしたのは、きっとみんなの前じゃ甘えるのが恥ずかしかったからだよ。」
・・・真里よりごっちんの方が優しいじゃん・・・。
「・・・それ、真里が言えって言ったの?」
「ううん。違うよ。やぐっちゃんはね、寂しかったって言ってた。」
「そう・・・。」
「だからぁ、やぐっちゃんもなっちも仲直りしようよ。」
個室のドアが開いた。鍵かけて無かったんだ・・・。
546 :
LOVE:02/01/26 23:46 ID:TWT/MNCv
なち真里小説―Sweet Lover―
「なっち、ねっ。LOVE×2なんでしょ?5日間も寂しい思いしたならその分甘えちゃえばいいんだって。可愛く×2したらきっと仲直りできるよ。っていうか、どっちも素直じゃないだけだから仲直りっていうとへんかな・・・??」
ごっちんは「う〜ん」って考えてる。こんなに優しい子だったっけ・・・?
「ねぇ・・・なっちさ・・・」
「ふぇ?なっち、なんか言った??」
ごっちんがこっち向く。
「・・・ごっちん・・・こんなに優しいんだったら、なっち…ごっちんと付き合った方が良かったのかな・・・。
前に好きって言ってくれたのにね・・・。」
547 :
LOVE:02/01/26 23:47 ID:TWT/MNCv
なち真里小説―Sweet Lover―
・・・なっち、今、自分でなんて言った・・・?
548 :
LOVE:02/01/26 23:49 ID:TWT/MNCv
なち真里小説―Sweet Lover―
――楽屋
「なんであんな風になっちに言うたん?」
「だって、矢口だって寂しかったもん。それに、矢口はホントに忙しかったの・・・」
「それはわかってるって。それやったら、自分の時間が無かったって感じでもっと柔らかい言い方できへんかったんか??」
「・・・。」
だって、なっちが・・・。
「冗談だったんだよ。ちゃんと仕事やってたんだってこと、大袈裟言ったけど・・・。そのあとはなっちがバーって言いたいことだけ言ってどっか行っちゃったんだもん。」
「ほな、あんたからなっちと仲直りできるな?」
「うん・・・」
矢口?返事してイイの?うん。大丈夫だよね。なっちのこと好きだもん。なっちだってわかってくれる・・・。
謝れば、ちゃんと理由を言ったら許してくれるはず・・・。
「ほな、ごっちんがなっち連れて来たら1番になんて言うの?」
1番に?顔見たら?
549 :
LOVE:02/01/26 23:50 ID:TWT/MNCv
なち真里小説―Sweet Lover―
「ごめんって」
「はぁ。あかんな。」
なんだよ。なんでため息なの?矢口は謝るつもりなんだけど・・・。
「ごめんじゃあかんわ。もうちょいなんかないのん?」
ごめんはダメなの・・・。じゃあ、えっと・・・えっと・・・
「ごめんね。矢口もホントは寂しかった・・・。こんな感じ?」
「まぁそんなとこかな。」
裕ちゃんってなんか良くわかんないね。まぁ、それが裕ちゃんなんだけど。
ごめんね。なっち・・・。矢口、みんなの前で好きな子に優しく出来るほど素直じゃないんだ。どっちかっていうと、みんなの前では好きな子をいじめるタイプなの。だから・・・ごめんね。