小説「モーニングライダー」

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684モーニングライター

――モーニング財団本部――

ここは、関東近郊の海に面した場所に建てられたモーニング財団本部。
現在、その会議室には、つんくによって、
飯田とその監視をしている安倍と後藤以外の
中澤をはじめとしたモーニング財団のメンバー達が集められていた。

「今日、集まって貰ったのは他でもない。」
つんくはメンバー達を前にそう言うと、液晶プロジェクターの装置を操作する。
「最近、外国製スポーツカーばかりが不自然な事故を起こしている」
壁にかけられた大型液晶モニターに最近の新聞記事が映し出される。
「それらの全ての車には共通点があんねん」
そう言って一通りメンバー全員の顔を見回すと、
つんくは更に言葉を続けた。
「それは全員、事故直前まで何か謎のレースに
参加してたんやないかという噂なんや。」
685モーニングライター:02/10/21 01:01 ID:UQt1IohT

「謎のレース?」
つんくの言葉にそう反応したのは矢口真里だった。
「そうや。だけどな、そのレースの詳細は
残念ながら誰にもわからへんのや」
つんくはそう言って話を続けた。

「と言いますと?」
中澤がつんくに尋ねる。
「その参加者は全て死亡しているからや」
「・・・」
つんくのその言葉に、メンバー全員、思わず黙り込んだ。

686モーニングライター:02/10/21 01:03 ID:UQt1IohT

「で、その手口というのがやな。」
その沈黙を破るようにつんくが再び話し始めた。
「公には知られへんように、これはと思った車のワイパーの間に
紙を挟んでおくらしいんや。」
「ワイパーに紙って・・・、ずいぶん古典的な方法なんですね」
つんくの説明に矢口が苦笑いしながらこう言う。
「まあな。方法は金かかってへんけど
ターゲットは全て高級外国スポーツカーばかりや」
矢口の言葉につんくがそう付け加える。
「で、そのおとりに掛かって来た者は・・・」
「死あるのみ・・・」
その言葉に室内は静寂に包まれた。
687モーニングライター:02/10/21 01:05 ID:UQt1IohT


バタン

「大変だよ、裕ちゃん!!」
急に扉が開いたと思うと、息を切らしながら
後藤が財団本部のラウンジに飛び込んできた
「なんや?そんなに息切らせて。どした、ごっつぁん」
「ノノが何か変な自動車レースに」
ブホッ
中澤は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「裕ちゃん、汚い!」
中澤の吹き出したコーヒーの直撃を受けた矢口が叫び声をあげた。