小説「モーニングライダー」

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647モーニングライター


――小説モーニングライダー2――
「爆走、キャノンボールレース編」


モーニングライダー。陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義の騎士。
ドリームカー、モーニング2000と共に法の目を逃れる犯罪者達を追う
若きヒーロー飯田圭織。人は彼女をモーニングライダーと呼ぶ?
中澤裕子。飯田圭織のよき理解者。
保田圭。ドリームカー、モーニング2000のメカニック担当。

巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か.
648モーニングライター:02/09/23 00:03 ID:uwm/1rjF

ナイトライダー誕生は,一発の銃声に始まる.
若き敏腕刑事,マイケル・ロングは,国際的産業スパイ一味を追跡中、
同僚を殺され、自らもその凶弾に倒れた。
だがマイケルは、ナイト財団の総帥,ウィルトン・ナイトにより辛くも命を救われ、
気づいた時、顔は整形手術により別人となり、その身分も
ウィルトン・ナイトの養子としてマイケルナイトに変わっていた。
重病で死の床に就いたナイトは、マイケルに対し自分の夢を受け継ぎ
世界の巨大な悪と戦ってくれと言う言葉を残し返らぬ人となった。
 ナイトの遺言を胸に、マイケルは高性能コンピューター組み込み、
ボディも新物質で補強したドリームカー、ナイト2000とともに
度重なる危機を脱し、見事、産業スパイ一味を壊滅したのであった。
649モーニングライター:02/09/23 00:04 ID:uwm/1rjF
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モーニングライダー誕生は、黄色い暴走車の一撃に始まる。
プロデューサーつんくの希望によって巨大な悪と闘う事になった
“元モーニング娘。”の飯田圭織と辻希美は、
目の前で起こった自動車窃盗事件の犯人一味の車を追跡中、
体勢を崩した一味の車の巻き添えとなり、そこに倒れた。
しかし、モーニング財団総帥プロデューサーつんくにより
辛くも命を救われた飯田圭織。
彼女は辻希美の脳を移植された電子頭脳スーパーカー、
モーニング2000とともに巨大な悪と闘うために今日も走る。
650モーニングライター:02/09/23 00:06 ID:uwm/1rjF
 
 ※
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651モーニングライター:02/09/23 00:08 ID:uwm/1rjF

小説モーニングライダー2
「爆走、キャノンボールレース編」

――モーニング2000、三度――

「ちょっと!ノノどうしたのよ?スキャナーが青いよ!」
普段、赤く光って左右に往復しているはずの
ノノのフロント部のスキャナーが、青く往復しているのに気づいた
モーニング2000のドライバー、飯田圭織が驚きの声を発した。

「ふぇぇぇぇ・・・おなかがすいて、もう動けないのれす。」

「はぁ?お腹って…??あんた車でしょ」
そう言いながら首をひねる飯田。
そして、しばらく真剣に考えていた飯田は
ようやくノノの言わんとしている事に気づいてこう言った。
「ああ、燃料の事ね!」
「そう言えば、ちょっとあんた、一体何で動いてんのよ?」
今更ながら、ノノの燃料について疑問を抱く飯田。
「まさか、きゅうりじゃあるまいし・・・」
「きゅうりくれー」
「はぁ?」
652モーニングライター:02/09/23 00:11 ID:uwm/1rjF

バタン
慌ててモーニング2000に乗り込む飯田。

「ねぇ、圭ちゃん。一体ノノって何で動いてるのよ?」
と車内の通信システムのモニターに向かってこう喋り掛けて、
モーニング財団本部に居る保田を呼び出す。

「はぁ?何よ、イキナリ?」
急に呼び出されて不機嫌そうな顔をした保田の顔が
モーニング2000のモニターに映し出される。
「ノノがね、ノノが燃料切れで動かないのよ」
そんな不愉快そうな保田に、こう言って説明する飯田。
「ねぇ、圭ちゃん。ノノの燃料って一体何なのよ?」
「え?あれ、説明してなかった?」
飯田の言葉に意外そうに保田が答えた。
653モーニングライター:02/09/23 00:14 ID:uwm/1rjF

「これからの環境問題を考えて、貴重なエネルギー資源の
リサイクルを実現させて何ででも動くようにしたのよ。」
自慢げにそう言って話す保田
「何それ?どう言う事?」
イマイチ保田の言っている事が理解できない様子の飯田。
「まあ、簡単に言い換えれば、ガソリンなんかのエネルギーで
なくても、例えば、人が食べ残した残飯でも動くようにしたの。
その辺に捨ててあるような。」
保田は改めて噛み砕いたように説明し直す。
「へ? じゃあ、人間の食べる食べ物でも動くって事?」
「そう言う事になるわね。」
「例えばきゅうりでも・・・」
飯田がそう言った途端、再びノノが反応した。
「きゅうりくれー」

654モーニングライター:02/09/23 00:17 ID:uwm/1rjF

――所変わって・・・――

「もう、一体どんだけ燃料がいるのよ。底なしじゃない・・・」
ここは、近くのスーパーの大きな駐車場。
保田の説明を受けて、早速近所のスーパーに急行した飯田。

スーパーで抱え切れないほどの食料品を買い込んできたのだが
その大量の食料もノノの前に、殆どなくなって行った。

「あんたのせいでお金なくなっちゃったじゃないの。」
飯田は空っぽになった財布をひっくり返して振りながらこう言う。
「ふえ?」
不満を漏らす飯田にはお構いなしに
自らのアームで食料を、自分の燃料タンクに入れていくノノ。

「燃料を食うとはまさにこの事ね・・・」
そんなノノの様子を見ていた飯田は
やれやれと言う感じでそう呟いた。

655モーニングライター:02/09/23 00:20 ID:uwm/1rjF

すっかり元気の回復したノノのフロントのスキャナー部分は
いつもの通り赤く点滅して右に左にと往復を繰り返している。

「しかし、あんたのこのセンサーって、
ノノ自身の体の調子も表してんだね。」
飯田は完全に元に戻ったノノを見てこう感想を言った。
「そうなのれすよ。いじわるすぎると泣きまふよ。めぇー」
「何よそれ?」
飯田は呆れ顔でそうつぶやいた。
「よし、行くよ。」
すっかり元気の回復したノノに乗り込むと飯田はこう言って
ノノのアクセルを踏み込んだ。