小説「モーニングライダー」

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404モーニングライター

しかし、その青いコルベットはしぶとかった。

フロントウインドウに、まるで大砲の弾のように
人間に突っ込まれ、その運転手も
相当なダメージを負ったかと思われた。

が、コルベットのドライバーは、すぐに車をバックさせると
ノノ同様に車をスピンターンさせ
リアタイヤから激しく白煙を巻き上げながら、
元来た道を戻るように、猛スピードで走り去って行った。
「やれやれ、世話が焼けますねぇ
中澤さんは、お魚が焼けるのれす。」
そう意味不明な事を呟くと、ノノもそのまま急発進し
青いコルベットを追跡して行った。
405モーニングライター:02/01/31 01:22 ID:E/Kkn217


平和な街の普通の道路を、恐ろしい程の勢いで
かっとんで行く青いコルベット。
そのフロントガラスからは先程の男の足が2本飛び出ている。

およそコメディー映画の車にしか見えない、
その足の飛び出たコルベットと黒いトランザムの2台は、
元居たコンビニのすぐそばまで戻ってきていた。
その間わずか2分30秒。

コンビニの前の公衆電話の前で、先程と同じ格好で
ボーっと遠くを見つめている飯田。
その飯田の視界に、向こうから足が2本飛び出た
妙な青い車がやってくるのが見えた。
「あ、あれ…」
飯田はハッとする。
406モーニングライター:02/01/31 01:26 ID:E/Kkn217

そして、そのすぐ後ろには猛スピードでこちらに向かってくる
ノノの姿があった。
「わぁー、戻ってきたー!」
飯田はコンビニの前を走っている通りまで飛び出して行った。
そんな飯田の脇をかすめるように青いコルベットが
猛スピードで走り抜けていく。

ふぉうふぉう
「いいらさーん!」
ノノはタクシーのように運転席のドアを自動で開きながら
飯田の元に近づいて来ると急ブレーキを掛けた。
「乗ってくらさい!」
飯田はノノに言われるままに飛び乗った。
飯田が飛び乗るとドアは自動的に閉まり、物凄い白煙と共に
コルベットを追跡して行った。
407モーニングライター:02/01/31 01:28 ID:E/Kkn217

−− 保田圭 −−

あれから5分後
コンビニの前に到着した保田。
「はぁはぁ…、ようやく着いたわ…」
そう言って右手の甲で額の汗を拭う。
普段、財団本部にこもりっきりで、久々に車の運転をした保田は、
緊張のあまり、いつの間にか斜めになって
少しずれかかっていた眼鏡を、もう一度真っ直ぐにかけ直す。
そして、車から降りて辺りをキョロキョロと見回す。

ヒュゥゥゥゥゥ

「誰もいないわ・・・。」
保田はただ呆然とそこに立ち尽くした。