小説「モーニングライダー」

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388モーニングライター

−− 出動カローラランクス −−

「矢口と吉澤、そして加護っ!あんた達は
責任持って、もう一回、2ヶ月前の青いコルベットの現場の調査っ!」
「後のみんなは圭織の所に急行して!」
中澤はメンバー達にこう命じた。
「了解っ」
そう言うと中澤、石川以外の全員が一斉に財団本部の玄関を
飛び出し、長い階段を、まるでザ・ピースのイントロの
登場シーンのように並んで駆け降りて行った。

そして、その階段の脇に並べて停めてあった
安倍・後藤・吉澤・矢口
各々のカローラランクスに飛び乗った。
389モーニングライター:02/01/27 01:43 ID:yjQVUM+J

免許のない加護だけは、矢口の車の助手席の扉に飛びついた。
しかし、加護はイザ乗り込もうとして思わずこう言って顔をしかめた。
「矢口さーん、なんですかー?このくるまー」
そのシートには白いフワフワしたムートンのようなシートカバーが
被せられ、ルームミラーには大きな花輪がかけられている。
そして更にダッシュボードにもシートと同様に白いフワフワの
ムートンが掛けられていた。
いわゆる完璧なコギャル仕様である。
その上、加護の乗り込もうとした助手席には
巨大なクマのぷーさんのぬいぐるみが・・・
「なにー、文句言うならおいてくよー!」
ジャンピングシューズを脱いで、室内用の
スリッパに履き替えながら矢口はこう言う。
「あ、加護っ。あんたも靴脱いでね。この車、土足厳禁だから。」
よく見るとフロアマットも白いムートン調の素材で統一されていた。
「はぁ・・・」
渋々、加護も靴を脱ぐとクマのぬいぐるみを
抱き抱えるように矢口の車の助手席に乗り込んだ。
390モーニングライター:02/01/27 01:49 ID:yjQVUM+J

安倍・後藤・吉澤・矢口4台のカローラランクスが
モーニング財団本部から、一斉に飛び出して行った。

その様子を本部の窓から見ていた、未だ車の免許を取れない石川は
「うわー、カッコいいー!」
と両手を胸の前で組んで潤んだ目つきで、じっと見つめていた。

「あの−、ひとつ質問があるんですけど・・・」
妙なドレスを来た石川が、くるっと中澤の方に向きを変え、こう尋ねる。
「なんや?石川。」
「中澤さんは出動しないんですか?」
「財団の規則でな、本部には必ず誰か残らんとならん事になってんねん。」
「チャーミーがいるじゃないですかー」
そう言ってエッヘンと言う感じで自分の胸を叩く石川。
「アホか。お前の事なんか、元々、頭数に入っとらんねん。」
「そ、そんなーーー」