しかし、緊張した口調の中澤の言葉に対して
「何ぃ?モーニング2000ってー?」
後藤がダルな雰囲気でそう答える。
無理も無い。
開発に携わった保田、中澤、矢口以外のメンバーには
モーニング2000開発の件は一切秘密にされていたのだ。
「あっ・・・」
今更ながらそれに気づいた中澤はそう声をあげたが
「まあ、ええ。とにかくモーニング財団が
新しく開発した車を盗まれたんや。」
詳しく説明している時間もないと判断した中澤は、そう言い直した。
「それもな…、盗んだのは例の青いコルベットやって圭織は言うねん。」
「吉澤、加護、矢口、あんたらはコルベットが
崖から落ちて行くとこ見たんやろ?」
先程、矢口から例の件の一部始終を聞かされていた中澤が
こう尋ねる。
「はい」
吉澤がはっきりとこう答える。
「確かに3人で見ました」
加護もそう答えた。
「だとすると、圭織が見たって言う
その青いコルベットは一体なんなんや・・・」
中澤はそう言って頭を抱えた。
「まさか、ぼーれー?」
そう言った加護に
「こわーい」
と吉澤が続く。
「そんなアホな事があるかい!」
中澤はそう言って2人を睨みつけた。
「絶対に何か“からくり”があるはずや…」
中澤はそう言った。
−− 出動カローラランクス −−
「矢口と吉澤、そして加護っ!あんた達は
責任持って、もう一回、2ヶ月前の青いコルベットの現場の調査っ!」
「後のみんなは圭織の所に急行して!」
中澤はメンバー達にこう命じた。
「了解っ」
そう言うと中澤、石川以外の全員が一斉に財団本部の玄関を
飛び出し、長い階段を、まるでザ・ピースのイントロの
登場シーンのように並んで駆け降りて行った。
そして、その階段の脇に並べて停めてあった
安倍・後藤・吉澤・矢口
各々のカローラランクスに飛び乗った。
免許のない加護だけは、矢口の車の助手席の扉に飛びついた。
しかし、加護はイザ乗り込もうとして思わずこう言って顔をしかめた。
「矢口さーん、なんですかー?このくるまー」
そのシートには白いフワフワしたムートンのようなシートカバーが
被せられ、ルームミラーには大きな花輪がかけられている。
そして更にダッシュボードにもシートと同様に白いフワフワの
ムートンが掛けられていた。
いわゆる完璧なコギャル仕様である。
その上、加護の乗り込もうとした助手席には
巨大なクマのぷーさんのぬいぐるみが・・・
「なにー、文句言うならおいてくよー!」
ジャンピングシューズを脱いで、室内用の
スリッパに履き替えながら矢口はこう言う。
「あ、加護っ。あんたも靴脱いでね。この車、土足厳禁だから。」
よく見るとフロアマットも白いムートン調の素材で統一されていた。
「はぁ・・・」
渋々、加護も靴を脱ぐとクマのぬいぐるみを
抱き抱えるように矢口の車の助手席に乗り込んだ。
安倍・後藤・吉澤・矢口4台のカローラランクスが
モーニング財団本部から、一斉に飛び出して行った。
その様子を本部の窓から見ていた、未だ車の免許を取れない石川は
「うわー、カッコいいー!」
と両手を胸の前で組んで潤んだ目つきで、じっと見つめていた。
「あの−、ひとつ質問があるんですけど・・・」
妙なドレスを来た石川が、くるっと中澤の方に向きを変え、こう尋ねる。
「なんや?石川。」
「中澤さんは出動しないんですか?」
「財団の規則でな、本部には必ず誰か残らんとならん事になってんねん。」
「チャーミーがいるじゃないですかー」
そう言ってエッヘンと言う感じで自分の胸を叩く石川。
「アホか。お前の事なんか、元々、頭数に入っとらんねん。」
「そ、そんなーーー」
更新お疲れー。
矢口の車にしげるが乗ってる(w
ほぜーん
知らしいランクスぢゃ(w
更新していきます。
−−乗り逃げNONO−−
一方、こちらは、コンビニで飯田を待っている最中に、
何物かに勝手に乗り込まれて乗り逃げされたノノ。
今まで黙って相手の様子を伺っていたのだが
「自分を売る」と言う話になっているのを聞き
ついに声を発した。
「なんれすか!私を売るとはとんでもないのれす!」
「うわ、な、何だ?」
自動車泥棒は急に発せられた声に激しく驚く。
「か、カーナビか?あぁレーダーか。」
男は自分なりの解答を得て納得している。
「私は、かーなびでも、れーだーでもないのれすよ。
今すぐ私から降りてくらさい。」
「だ、誰だ?どこから送信している!」
男は怒鳴る。
「送信ではないのれす。
どこからも何も私はあなたの目の前にいるのれすよ。」
「な、なんだー?」
さすがの自動車泥棒も目を丸くする。
「あなたの目の前って・・・、車が喋ってんのか!?」
「失礼れすね、私は高性能こんぴゅーたーなのれすよ。」
「なにー?」
「最後警告れす。今すぐに車を停めなさい。」
「うるせえ、車に命令されるほど、まだ落ちぶれちゃぁいねえぞ!」
男はそう毒づくとアクセルを更に強く踏み込んだ。
「仕方ないれすね。」
ノノはそう言うと、全ての操作系をロックし自動操縦に切り替えた。
「なんだ、なんだ!」
突如、ハンドルの自由が利かなくなって焦る男。
「そっちがその気ならこっちにも考えがあるのれす。」
自動操縦に切り替えたノノは、そう言うと
スピードを思いっきりあげていった。
「うわ」
男は悲鳴をあげた。
急にスピードが上がったノノに、慌ててスピードを上げて
離されまいと追跡してくる青いコルベット。
「おい!どうした?」
男の持っていた無線機からは青いコルベットに乗った仲間からの
無線の声が聞こえてくる。
「わー」
前方に交差点が見えてくると男は体を硬直させた。
猛スピードのまま、少しも速度を落とさずに交差点を
見事に曲がっていくノノ。
激しい白煙を上げながら次の交差点も猛スピードでクリアする。
人間の腕では神業であるが、ノノには何の事もなかった。
「うわー、止めてくれー!降ろしてくれー!」
猛スピードで疾走するノノに恐れをなした男が叫ぶ。
「そうれすか。」
2つ目の交差点を曲がりきった所で突如ノノは
サイドブレーキを掛けるように後輪をロックさせると、
スピンターンするような形で車を急停止させた。
バン
「うぎゃっ」
男は激しくシートに叩きつけられた。
「お望みどうり降ろしてあげましょう。」
ウィーン
ノノはそういうと男が乗った運転席側のTバールーフを開いた。
「何する気だ…」
男が震える声でノノにたずねた。
次の瞬間、先程の交差点の角を、大きくテールスライドさせながら
猛スピードで青いコルベットが曲がってきた。
交差点を曲がったとたんに、先程まで向かっていたのとは
逆の方向である自分の方向に頭を向けて停まっているノノに
気づいて、少し怯んだ様子の青いコルベット。
ノノとの衝突を避けようと急ブレーキを踏む。
キャァアアア
激しいスキール音と白煙。
「ぐっど らっく」
ノノはそう言うと、緊急脱出ボタンをONにした。
バシュッ
「ぐわー!!!」
運転席シートの座面が天井方向に向かって発射され
男はTバールーフから空中に放り出された。
そして、次の瞬間
ガシャン
男は向かってくるコルベットのフロントガラスに
頭から突っ込んでいった。
青いコルベットは男に突っ込まれてフロントウインドウが
割れ、その衝撃からかハンドル操作を誤って、
豪快に歩道に乗りあがって停車した。
前作があまりにもナイトライダーとかけ離れていたので
今回はナイトライダーっぽい場面も入れてみました。
更新乙カレー。
おー、ナイトライダーを読んでる感じ。
更新です。
しかし、その青いコルベットはしぶとかった。
フロントウインドウに、まるで大砲の弾のように
人間に突っ込まれ、その運転手も
相当なダメージを負ったかと思われた。
が、コルベットのドライバーは、すぐに車をバックさせると
ノノ同様に車をスピンターンさせ
リアタイヤから激しく白煙を巻き上げながら、
元来た道を戻るように、猛スピードで走り去って行った。
「やれやれ、世話が焼けますねぇ
中澤さんは、お魚が焼けるのれす。」
そう意味不明な事を呟くと、ノノもそのまま急発進し
青いコルベットを追跡して行った。
平和な街の普通の道路を、恐ろしい程の勢いで
かっとんで行く青いコルベット。
そのフロントガラスからは先程の男の足が2本飛び出ている。
およそコメディー映画の車にしか見えない、
その足の飛び出たコルベットと黒いトランザムの2台は、
元居たコンビニのすぐそばまで戻ってきていた。
その間わずか2分30秒。
コンビニの前の公衆電話の前で、先程と同じ格好で
ボーっと遠くを見つめている飯田。
その飯田の視界に、向こうから足が2本飛び出た
妙な青い車がやってくるのが見えた。
「あ、あれ…」
飯田はハッとする。
そして、そのすぐ後ろには猛スピードでこちらに向かってくる
ノノの姿があった。
「わぁー、戻ってきたー!」
飯田はコンビニの前を走っている通りまで飛び出して行った。
そんな飯田の脇をかすめるように青いコルベットが
猛スピードで走り抜けていく。
ふぉうふぉう
「いいらさーん!」
ノノはタクシーのように運転席のドアを自動で開きながら
飯田の元に近づいて来ると急ブレーキを掛けた。
「乗ってくらさい!」
飯田はノノに言われるままに飛び乗った。
飯田が飛び乗るとドアは自動的に閉まり、物凄い白煙と共に
コルベットを追跡して行った。
−− 保田圭 −−
あれから5分後
コンビニの前に到着した保田。
「はぁはぁ…、ようやく着いたわ…」
そう言って右手の甲で額の汗を拭う。
普段、財団本部にこもりっきりで、久々に車の運転をした保田は、
緊張のあまり、いつの間にか斜めになって
少しずれかかっていた眼鏡を、もう一度真っ直ぐにかけ直す。
そして、車から降りて辺りをキョロキョロと見回す。
ヒュゥゥゥゥゥ
「誰もいないわ・・・。」
保田はただ呆然とそこに立ち尽くした。
更新おっつー。
ヤッスー放置プレーマンセー
409 :
ほぜん:02/02/02 15:14 ID:y9s5Vva7
ほぜん
( ゜皿 ゜)<セツブンホゼンsage
更新します。
−−矢口・吉澤・加護−−
一方、2ヶ月前に青いコルベットを追跡の末に
ミサイルで撃墜し、崖から転落させたはずの現場に
到着した矢口と吉澤の2台のカローラランクス。
この2ヶ月の間にその場所は雑草に覆われ、
当時の面影はなくなっているように見えた。
しかし大きな松並木のうちの1本が真っ黒に炭のような状態に
なっており、今なお、その時の衝撃の激しさを物語っていた。
そして、あの時の場所に車を停めて降り立つ
矢口、吉澤、加護の3名。
3人は、2ヶ月前のあの日の情景をぼーっと思い出していた。
ぐるーっと辺りを見回す吉澤。
少し離れた先に1軒の古めかしい民家が見えた。
「あ、あそこに人がいます。聞いてみましょう。」
吉澤はその民家の方を指差した。
吉澤が指差したその先には、一人の老人が庭で農作業をしていた。
「よっすぃー、ちょっと待った!」
矢口が慌てたように吉澤を止める。
「ど、どうしたんですか?」
矢口のその慌てぶりに吉澤が何事かと聞き返す。
「さっき車乗る前に靴履き替えた時、
ジャンピングシューズ駐車場に忘れてきた。」
「・・・」
呆れてものが言えない吉澤と加護が口をポカーンと開けていた。
その古い日本家屋に近づいて行く矢口、吉澤、加護の3名。
矢口は車のトランクから積んであったスニーカーを探し出して
それに履き替えていた。
「土禁なんかにしてるからですよー」
「うっさいなぁー、もう乗せてやんないからね!」
そんな事をブツブツ言いあいながら、3人は、
その家の庭で農作業をしていた老人に近寄っていく。
「あのー」
そう話を切り出したのは吉澤だった。
「ん?お嬢さん。なんじゃな?」
吉澤に話し掛けられた老人はそう言って顔を上げて振り返った。
「あのー、向こうの大きな松並木の中に1本だけ燃えて
炭みたいになっている松があるじゃないですか。」
「あぁ、あの松か…。ありゃぁ、わしが若い頃から生えとる
立派な松じゃったんだがな…」
吉澤の突然の質問に嫌な顔一つせずにこやかに応えてくれる老人。
「だが?といいますと?」
「何ヶ月くらい前じゃったかのぉ?何やら大きな音が聞こえてな
それから見に行ってみたらあたりが燃えておってなぁ。
ああなっておったんじゃ」
老人の話に、お互いの顔を見合わせる矢口、吉澤、加護。
「あのー、その事件の前後に何か変わった事ありませんでしたか?」
吉澤に代わって質問する矢口。
「何か変わった事と言われてもな…」
老人はそう言うと困った様子で考え込んだ。
「何でもいいんです。なんか、車を引き上げてるのを見たとか…」
矢口はそう続ける。
1回の更新量が少なくてすみませんが、本日はここまでです。
加護も絡んだ話を上げたらIDの末尾がAiでした。
ただそれだけですが・・・
417 :
:02/02/05 05:02 ID:ifdIYuKF
とりあえずホゼン
更新します。
「車か・・・。そう言えば…」
「え!そういえば?」
何かを思い出したかのような老人の口調に
思わず身を乗り出す矢口。
「ああ、そう言えば、あそこに誰かが捨てていったのか、
ずーっと長い間置いてあった錆付いたライトバンがあったんじゃが
あの日以来、姿を見ないな。」
「えっ?」
「おーい、婆さん!」
老人は家のほうに向かって大声でそう呼びかける。
しばらくして家の奥から1人のお婆さんが顔を出した。
「おやおや、お客さんかい?」
そう言って現れたのは、このお爺さんの奥さんなのだろうか
これまた感じのいいお婆さんだった。
「あ、こんにちは」
そう言って挨拶する吉澤。
その横で矢口と加護がペコリとおじぎをしている。
「おい、婆さん、あの松の木の下にあったライトバン
見なくなったなぁ」
「あぁ、そう言えばあの火事以来見かけませんねぇ」
「済みません、その話、もっと詳しく聞かせてもらえますか?」
お婆さんの出してくれたお茶とお茶菓子に夢中になっている加護を
よそに矢口は、その話に食いついた。
「そのライトバンってどこにあったんですか?」
老人に先導され、松の木の元まで来た矢口と吉澤。
加護はお婆さんと一緒に、先程の家でお茶菓子を御馳走になっていた。
「あぁ、あそこじゃ。あの雑草が生えてない一画があるじゃろう」
老人が指差した先には確かに畳1枚分くらいの大きさで
雑草の生え方が違う部分があった。
「あのー、矢口さんがあの時ミサイルを命中させたのって
そのライトバンで、青いコルベットは普通に逃げちゃってた…
何て事はないですよねぇ」
吉澤が小さな声でそう矢口に耳打ちする。
「じゃ何?私達がこの崖から落ちていくのを見たあの車って
ここにあった放置車両って事?」
矢口がそう言う。
あの時、矢口、吉澤、加護の3人が崖の下に落ちていくのを
見届けた燃え盛る車は、ここに放置されていた
ライトバンだったのだろうか?
「ありがとうございましたっ」
矢口はそう大声で老人に御礼を言って頭を下げると、
松の木のすぐ近くに停めてあった自分の
カローラランクスに走っていき、車に乗り込んだ。
吉澤も慌てて矢口のあとを追う。
「矢口さーん、どうしたんですか?いきなり」
吉澤は矢口の車の運転席のドアを開けて矢口にそう話し掛ける。
「ねぇ、もしよっすぃーがさっき言った事が本当だとしたら…」
「え?」
「圭織が見たって言うのは、私達が追ってた青いコルベットそのものよ」
そして矢口は無線機で、先程の老人の話を財団本部の中澤に報告した。
「あんたら、ちゃんと見届けたって言ってたやろー」
その報告を聞いた中澤は不満そうな口調でそう答えた。
「いやー、あの時、スポーツカーにしては
やけに形が違うなぁっていう気はしたんですよねぇ」
吉澤はそんな事を言い出した。
「何を今更・・・」
そう言う矢口
「矢口さんだって、あの時一緒に見てたじゃないですか」
吉澤がそう返す。
「だって、矢口、リムジンのトランクに
閉じ込められたまま見てたんだもん」
そう責任を擦り付け合うように言い合っている二人に
中澤は痺れを切らしてこう怒鳴った。
「何でもいいから、早く圭織と合流せえや!」
「そうだったよ、よっすぃー!私達も後を追うよ」
そう言ってランクスを発進させようとする矢口。
「ああ、矢口さん。加護!」
「あっ、そうだった。全く」
「カゴー!!行くよー!!」
矢口は大声で加護を呼んだ。
更新乙ー。
盛り上がってきていい感じ。
ベットとライトバン見間違えるメンバーって一体(w
ノノの期待どうりの反応、放置プレーの保田いい感じです!
作者さんこれからもガンバです
びみょ〜な時間に保全
ホゼム
あらためて読み直して思ったのだが、この前作の話って
この話につながるための設定のための作品って事になるんだろうか。
あれはあれで楽しめた内容だけど、設定に1作品使ったのかな
と考えるとすごい。結構きちんとした設定が作られていてイイ。
色々と感想を下さっている皆さんにロクにレスも返しておりませんで
申し訳ありません。本編の更新だけで精一杯になっていまして・・・
でも、皆さんの感想は楽しみに読ませて頂いてます。
これからも宜しくお願いしますね。
−− 5期メンテレフォン・リン・リン・リン −−
(高橋愛・紺野あさ美・小川麻琴・新垣里沙)
ジリリリリン
矢口達との無線での交信を終えたと思った直後、
今度は、財団本部の電話機のベルが鳴り出した。
「なんやねん、今度は誰や?」
中澤はそう言いながら、受話器を手にとると
「はい、モーニング財団本部でございます。」
と普段よりも1オクターブ程高い声で電話に出た。
「・・・きしょっ」
それを横で見ていた石川は思わずそう呟いた。
ギロ
「ぶっとばすで!」
受話器の口を手で抑えて中澤は石川を睨みつけた。
「○△ζ@□ק∩∂‰δεξ」
「ハァ?だ、誰やねん?」
「δεξζ○△@∬□ק∩∂‰δ買カξ@!!」
「宇宙人や!宇宙人から電話がかかってきたで!」
中澤はそう言って、自分以外にも聞こえるように
電話のモニタースピーカーのスイッチをONにする。
「そんなバカな・・・」
そんな中澤と同じ部屋にいた石川はそう言って苦笑した。
「□○π△@∬ק∩∂‰∝δεξ刄トΩξ@!!!」
「な、聞いたやろ、今の!」
興奮する中澤。
「今の・・・、何となく愛ちゃんの声に似てる気がします。
高橋愛ちゃんに・・・」
そう言って石川が自信なさげにつぶやく。
「高橋?」
「○.∀Xд皿〜▽^◇#从●!!」
「言われてみれば・・・。
あいつ福井支部やったか北陸支部やったか、あっちの方に
戻って一層、訛りきつくなったんとちゃうんか?」
中澤はブツブツとそう呟く
どうやら電話の主は、つんくに命令されて
モーニング財団、北信越支部に派遣されていた
5期メンバー4人のうちの1人である
高橋愛のようであった。
現在、5期メンバーとして加入してきた
高橋、紺野、小川、新垣の4名は全員一緒に、
モーニング財団の北信越支部と言う所を任されていた。
北信越支部は、北陸・長野・新潟にまたがる範囲を受け持っており
4人のメンバー達は、この地域を飛び回っているはずであった。
高橋と小川に関しては、それぞれ出身地である福井と新潟に
近い場所へ・・・と言うつんくの配慮からの人選であったが
紺野と新垣については、なぜそこに派遣されたのかよく分からない。
「もー、携帯の音質が悪すぎるのと、訛りがきつ過ぎるのとで
何言うてんのか、聞き取れへんやんか!」
中澤はそう言って怒鳴った。
「誰か話の通じる奴出せや!!近くに誰か居るやろ!」
「ボソボソボソ・・・・・・こ・・・ん・・・・・・の・・・・・・で・・・す・・・」
今度は電話の向こうから今にも消え入りそうな
まるで蚊のなくような、か細い声が聞こえてくる。
「はぁ!?」
「今度は誰やねん!」
「ぁ・・・さ・・・・み・・・て゜・・・す・・・・・・。
こ・・ん・・・・の・・・ぁ・・・さ・・・み・・・・・・」
中澤は頭を抱えるとこう叫んだ。
「今度は、声が小さくて聞き取れへんわ!!
誰かまともな奴はおらへんのか!。次ッ!!」
「ボソ・・・ボソ・・・こ・・・ん・・・の・・・で・・・し・・・た・・・・・・」
「中澤さん、小川です!」「新垣です。」
また電話口に出てきた相手が代わった。
「おう、ようやくまともに話できるのが出てきたやんけ。」
中澤は満足気にこたえる。
「中澤さん、お久しぶりです。」「お久しぶりです。」
代わる代わる電話口に出る小川と新垣。
「おう、それで用件は何やねん」
「あ、はい」「それでですね。」「あ、バッテリーが・・・」
「お前ら何やねん!!一緒にしゃべっとったら訳分からんやんか!
1人ずつ喋らんかい!!」
ツー・ツー
「ん?
電話切れとるやん・・・」
思わず握り締めていた受話器を覗き込む中澤。
「そう言えばバッテリーがっとか言ってましたね。」
部屋のモニタースピーカーで一緒に聞いていた石川が横からこう言う。
「・・・充電切れか・・・
しかし、何やねん。あいつら一体何の用やったんや?・・・」
>「○.∀Xд皿〜▽^◇#从●!!」
コレニワラタ
おほほほおもしろいですね
こ…んの…で…す…
439 :
:02/02/11 15:09 ID:tkgBtw+0
ほぜむ
441 :
sage:02/02/13 11:34 ID:Hf4gNujA
ホゼン
442 :
奈々氏さん:02/02/13 11:46 ID:3aRCXzYb
>1
出版社に持ち込めよ。
嫌ならおれが持ち込む。
今回も感想を頂けたみなさん。有難うございます。
今、たまたまテレビつけたらナッチがオリンピック特番の
司会してるんですね。日本勢に期待しながら更新です。
−− 保田圭その後… −−
一方・・・、
「キィィー!!、どう言うことよっ!」
誰もいないコンビニエンスストアの広い駐車場。
未だにコンビニの前には1人文句を言って佇んでいる
保田圭の姿があった。
ひゅうぅぅぅぅ
寒風とともに木の葉が舞う。
「風が冷たいわね!」
ハーックションッ!!!
「ズル…しかも風邪をひいたわ…。」
−− なっちとごっちん −−
ピンチの飯田を救うべく、モーニング財団本部を飛び出し
飯田の元にひた走る安倍と後藤の2台のカローラランクス。
「圭織、待っててね。絶対、無茶しちゃだめだよ…」
飯田の元に急ぐ2人は、まだモーニング2000の存在を知らなかった。
「ちょっと圭織、一体どんなスピードで走ってんのよ?」
カローラランクスのカーナビゲーションシステムで、
飯田の車の位置情報を確認しながら、その方向に向かっている2台。
しかし、そこに表示される飯田の車の位置が
恐ろしい程の速さで移動して行くのを見て安倍はこう叫んだ。
「確かに、凄いスピードだね。もうこんな所まで…」
後藤もそのスピードに驚く。
「ごっつぁん、こっちも負けてらんないよ!」
安倍は、そう言って無線機に向かって叫ぶと
ハンドルをしっかりと握り直しランクスのスピードを
上げていった。
更新おつー。
交信中を聞きながら書き込み中。
補背無
匍全
449 :
:02/02/17 22:02 ID:4R5CY17G
今フット思ったがココって今現在、羊に現存する最古のスレ?
450 :
_:02/02/18 12:28 ID:XGH7/JAC
hozen
更新します。
−−ノノと飯田の大追跡−−
猛スピードで走り去る青いコルベットを追跡中のノノと
それに乗っかる飯田。
「ひゃぁー」
まるでジェットコースターのようなスリルとスピードに、
飯田はたまらず悲鳴を上げる。
完全な調子のモーニング2000に対して、
相手の青いコルベットは、かなりのダメージを負っていた。
そのためか時折、挙動も不安定になりカーブを大きく
膨らみながら、どうにか曲がって行く。
あれだけ派手に路肩に乗りあがっていれば、
もはや4輪のホイールアライメントも滅茶苦茶であろう。
しかし、青いコルベットは更にスピードを上げると、
市街地から峠道へと進んで行き、坂道を猛然と登って行った。
−−青いスポーツカーの男の最期−−
険しいカーブの続く峠道を相変わらずのハイペースで
進んで行く青いスポーツカー、コルベット。
ノノはGPS衛星から受信した電波で、その先のカーブの
大きさをあらかじめ知った上で直ちにコンピューターで分析し、
そのカーブを曲がりきる事の出来る最大限の速度を割り出し、
そして、全く不安のない動きでカーブを高速で曲がっていく。
しかしコルベットは、恐らく人間による勘とテクニックだけで
走っている筈なのだが、それでも訪れるカーブに対して
ノノも驚く程の猛スピードで突っ込んでいった。
ガードレールに激しくその車体をこすりつけ、
弾かれたように何とか曲がって行くコルベット。
その白いガードレールには青い塗料がはっきりと残されていた。
「や、やるわね・・・」
そんなコルベットの様子を見た飯田は
モーニング2000の中で素直にそう感想を漏らした。
「ノノはすごくないんれすか?」
何故か悲しそうな口調でノノがこう尋ねる。
「お前も凄いよ」
飯田が優しくこう語りかけると
「わーい」
ノノはまるで感情を持った小さな子供のように素直に喜んだ。
しかし、無茶としか言い様のない青いコルベットの暴走も
長くは続かなかった。
ノノの激しい追い上げに益々そのスピードを上げていくコルベット。
だが、いくらテクニックの優れたドライバーといえども
やはり人間の操る事の出来るスピードには限界があった。
「あぶないっ」
飯田は、何度もコルベットがカーブを膨らみすぎて
岩の壁に激突しそうになる姿を見た。
その度に飯田は声を上げた。
そして、ついにコルベットは、その次の急カーブを
曲がりきる事が出来ずに、真っ直ぐにガードレールに
突っ込んで行った。
ガシャンッ!!
ガードレールに激しく激突するコルベット。
次の瞬間、ガードレールはぐんにゃりと曲がり
その衝撃でコルベットはテールゲートを上に向けて宙を舞った・・・。
「やった…」
その様子を見てそう言う飯田。
しかし、何故かそのまま速度を緩めないノノ。
ガードレールは目前に迫っていた。
飯田は、反射的にブレーキを踏むが、
自動操縦モードになっており、その操作には何の意味もなかった。
「あんたはもうこれ以上は追わなくてもいいのよ!!!」
飯田の悲鳴。
だが、そんな飯田の言葉を無視するかのように
ノノはスピードを緩めるどころか、むしろ加速して
ぐにゃぐにゃに変形したガードレールに向かって直進していく。
「ちょっと!おまえ!!なに考えてんのよーっ!!」
モーニング2000の車内に飯田の断末魔のような叫びが響き渡った。
更新お疲れ。
やっぱ,ののの頭脳じゃ・・・・
458 :
:02/02/22 22:17 ID:CSy+2s15
ほZEン
>>458 惜しいな。あと5分後に書き込めば2222だったのに(w
保全っ!
皆さんの保全に感謝いたします。
では更新します。
「ノノできるんれすよ。」
ノノはそう言うと ピッー と言う音を立てて車内の
<TURBO BOOST>というボタンを点灯させた。
「何ができるのよーッっ!!!!」
そんな飯田の絶叫とともにモーニング2000は
まるで弾かれたようにグニャグニャのガードレールを
飛び越え、宙を飛んだ。
バシューッッ
「はうっ」
そして情けない程の飯田の言葉。
ガードレールを乗り越えて空高くジャンプしたノノは
そのすぐ下に走っていた道路の脇に作られた
砂利の敷き詰められた広いスペースに着地した。
ボウンッ
そのボディと同様に特殊な素材で作られたタイヤが
着地の激しい衝撃でバウンドする。
「おうぅっ」
これまた情けない飯田の声。
無事に着地したモーニング2000であったが
車の中の飯田は完全に放心状態であった。
そして、青いコルベットは・・・
テールゲートから地面に叩きつけられたかと思うと、
くの字状に変形したまま砂利の上を滑走し、
中にいたドライバーが脱出する間もなく
数十秒後に爆発した・・・・・・。
−− ノノかお −−
「・・・・・・・」
モーニング2000の車内には、口を大きく開け、
目も大きく見開いたまま微動だにしない飯田の姿があった。
「…やったね・・・。ノノ・・・」
着地してからしばらくたった後、しばらく放心状態にあった飯田は
ようやく我に返ると、こう言葉を漏らした。
「いいらさん…」
飯田の言葉を受けてノノがこう呼びかけた。
「何?ノノ」
「はじめてノノって呼んでくれましたね。」
「エッ・・・」
ノノからの思いがけない言葉に思わずこう答える飯田
「そうだったかな…?」
飯田は小さな声でそう呟いた。
「あのれすね…。何かノノはすごく変な気分なのれす。」
「・・・?」
ノノの言葉に困惑する飯田。
「ノノは、ずーっと昔からいいらさんに“ノノ”って
呼んで貰いたいと思ってたような気がするのれす。
うーん…うまく言えないんれすが、ノノが製造されるより、
ずーっとずーっと前から呼ばれたかったような気がするのれす。」
「・・・」
それを聞いて飯田は思わず涙ぐんだ。
「ノノはね、余計な事は思い出さなくていいんだよ。」
ノノの記憶回路には、あの事故を含め、それ以前の記憶は
一切残されていない。…はずであった。
しかし、今ノノの頭脳に確実に変化が起こっている。
何かを思い出そうとしているのだ。
「そうなのれすか。うーん、何か残念れす。」
「あれ?いいらさん、どうしたのれすか?泣いているのれすか?」
さすが高性能コンピューターというだけに主人の体調の変化に敏感だ。
まあ、そのようにプログラミングされているので当然だが。
「違うよ、バカ。目にね、目にごみが入っただけ。」
飯田は両手で目を拭って必死にごまかそうとする。
「ほぉ、人間も大変れすねぇ」
つい先程まで人間の感情を敏感に感じ取っていたノノとは
うってかわって、相変わらず呑気なノノに戻っていた。
「…ほんとはこういうロボットの役はいいらさんの役なのれすがねぇ」
「ん?何か言った?」
「いえ」
466 :
:02/02/25 06:52 ID:T8jDhZwK
−− 初対面、安倍・矢口・後藤・吉澤・加護 −−
パチッパチッ
時折、そんな音を上げながら燃え盛る青いコルベット。
飯田はモーニング2000の扉を静かに開けると車から降り立った。
辺りにはゴムの焼けた嫌な臭いが立ち込めており、飯田は
その臭いに思わず顔をしかめた。
激しい炎に包まれたそのコルベットは既に黒く変色し、もはや
元が青かったかどうかさえ判別できない程の状態になっていた。
飯田はノノの脇に佇んだまま、
目を細めて眩しそうにその炎をじっと見つめていた。
キャキャキャキャ
キィィィ
バタン・バタン
そんな時であった。後から追いかけてきた
安倍、後藤、矢口、吉澤のカローラランクスが
次々と飯田の元に到着した。
「カオリッ!」
「カオリっ、大丈夫!」
車から降りるなり駆けつけたメンバー達は
皆、口々にそう叫ぶ。
「おう、みんな」
そんなメンバー達の声に振り返ってこう答える飯田。
「大丈夫だった?カオリ」
という安倍の問いかけに飯田は、
モーニング2000のボディを軽く叩きながらこう言う。
「コイツのおかげでね。」
「すごーい、いつの間にこんな車を…」
安倍が驚きの表情で、恐る恐るモーニング2000に近寄ってくる。
「ほーら、挨拶しな」
飯田がノノに向かって挨拶を促す。
ふぉうふぉう
「こんにちは、ノノれす。」
「うをー!!!喋ったよ!車が喋ったよっ!!」
ノノが発した一言に早くもパニック状態の安倍。
そんな安倍の様子に飯田は苦笑しながらこう答えた。
「ちょっと、なっち落ち着いてよ。
実は圭織も最初はすごく驚いたけどね。
喋るんだよ、ノノは。」
「ノノって言うんだ・・・」
多少カタコトな日本語ではあったが、そんな飯田の説明に
安倍も少しずつ落ち着きを取り戻していった。
「はじめまして」
安倍がニコッと笑いながら優しくノノに向かって話し掛ける。
「安倍さん?れすか?」
「をぉー、なんでなっちの名前知ってるっしょ!?」
目を大きく見開いて驚く安倍。
「モーニング財団のメンバーの情報は全てインプットされてるんだよねー」
そう横から答えたのは矢口だった。
「何?やぐっつぁん、この車の事知ってたの?」
怪訝そうにそう尋ねたのは後藤だった。
「まあね・・・」
「ずるーい、こんな車の事黙ってるなんて!」
そう言って吉澤がふくれる。
「うーん、みんなに隠すつもりはなかったんだけどね・・・」
矢口はすまなそうに口ごもりながら答えた。
「じゃ、うちの事は?」
モーニング2000の後ろでしゃがみ込んで、リアバンパーあたりを
ペタペタ触っていた加護が突然首を伸ばしてこう叫ぶ。
「あいぼん、くすぐったいれすよ。」
ノノは迷う事無く加護に向かってこう答えた。
すると加護は
「ぐすん・・・
ひっく、ひっく・・・ののー!!」
目に一杯の涙をためながら両手を大きく広げて
ノノのボンネットに覆い被さる。
「おいおい、何も車相手に泣く事ないやろー」
矢口がそう言って笑う。
「ふえーん、だってー。もうののに会えないと思ってたから・・・うえーん」
そう言って泣きじゃくる加護の様子に、一同笑い出した。
・ ・
安倍、矢口、後藤、吉澤、加護に取り囲まれているノノ。
飯田は、そんなノノから離れ、一人、100m程先に見える
崖ッぷちに向かって歩き出した。
歩き出した飯田の背中からは、メンバー達とノノの
楽しそうな笑い声が聞こえてきていた。
先端に辿り着いた飯田は、そこから下に広がる風景を見下ろした。
その崖の下には幾重にも道路が走り、遥か下方には青い海が拡がっていた。
飯田は、しばらくの間、そこから見える風景を眺めていた。
そして長い髪の毛を掻きあげながらこう呟いた。
「結局、あの青いコルベットの運転手って誰だったのかしら・・・」
飯田は遠い目で、その丘の上から遥か下に見える海をじっと見つめていた。
473 :
名無し:02/02/26 01:19 ID:bE3fMhpe
ホゼム
474 :
名無し募集中。。。 :02/02/26 01:20 ID:HgBcflBP
意ydtknydグtィ
475 :
ひみつ:02/02/28 02:37 ID:9xeHJ9I8
ホセ``ン
476 :
ななし:02/02/28 18:08 ID:JPMNj1BT
これでおしまいって事はないよね。
477 :
:02/03/02 10:28 ID:wVkSvgQp
続きに期待ホゼン
道産子です。
「なんでなっちの名前知ってるんだべさ」
あるいは
「ののはなっちの名前知ってるっしょ?」
が正しい。
初めて会うなら上が正しいか。
>>478〜480
御指摘有難うございます。
御察しのとおり、私は北海道の人間ではありませんので
北海道弁は、正直、全く分かりません。
でもなっちの雰囲気を出すために是非、北海道の訛りは入れたい。
とは言え、私の周囲には北海道出身の知人は一人もおりません。
そんな訳で、たまにテレビで聞く北海道の人の言葉を
なんとなく真似て、どうにかこうにか書くしかありませんでした。
ですから、こういう指摘は大変ありがたいです。
勉強になりました。今後の参考にさせて頂きます。
でも、以前に書いた部分でも、きっと気づかないだけで、
地元の方が見たらおかしい表現ってあったんでしょうね。
また、そう言う部分があったらご指摘ください。
それでは更新します。
※
※
※
※
−−エピローグ−−
ここはモーニング財団本部。
中澤は、安倍・後藤を自分の元に呼びつけた。
「実はな・・・」
2人を前にして改まったように、こう言う中澤。
「あんた達に、あのアホコンビのサポート役になってもらいたいんや。」
「え、なに?どういうこと?」
中澤の言っている事が良く理解できずにキョトンとしている安倍。
「私がモーニングをやめる時、リーダー圭織だけでなく
サブリーダーつけた理由わかっとるやろ。
これはつんくサンの意向でもあるんや」
戸惑う安倍と後藤にお構いなく中澤は喋り続ける。
「圭織1人じゃ心配だって事?」
後藤がようやく少し理解したらしく、こう尋ねる。
「まあな。」
「確かに圭織も辻も、何考えてるのか私達には全く理解できない
娘だったもんねぇ・・・。それがよりによってそのコンビだもんね・・・」
そう言って深いため息をつく安倍。
「やろ」
中澤もそう言ってため息をつく。
「でも何であたしたちが」
そう言って後藤が尋ねた。
「圭坊と矢口は、モーニング2000の開発段階から関わってるから
メカニック専門役として仕事してもらってるんやけど、
それでてんてこ舞いや。
まあ、矢口はずっとドア作ってるようにしか見えへんけどな。」
中澤は、そう言って部屋の窓を開けて外を見る。
そこには相変わらずジャンピングシューズを履いた矢口が、
ガレージの前にちょこんと停まっているノノに向かって
何かガミガミ言いながら、ノノが破ったガレージの扉を
必死に削っている所だった。
そんな矢口とノノの様子を見て、中澤は苦笑した。
「で、裕ちゃん、なんなの?」
「ああ、そうやった。」
後藤の言葉に中澤は我に返ると、改めて2人の方に向き直し
先程の話の続きをはじめた。
「あと、メカニックやるには力仕事の出来る男前なのが1人は必要やろ?
それが吉澤や。あと頼りになるのは、あんたらしか居らへんやんか。」
「えー、そういわれるとなぁ。」
長年の付き合いから、安倍がおだてに弱い事を中澤は知っていた。
「逆にあんた達にメカニックやコンピューター操作は無理やろ?」
「確かに…」
後藤は素直に認めた。
「しかし、問題が1つあんねん。」
「何?」
「あの2代目リーダーだった彼女、妙にプライド高いやろ。
自分が信頼されてないと分かるとまた何をしでかすか…」
中澤が頭を抱えながらこう言う。
「うーん、確かにそういう所あるかもね。」
と安倍。
「そこでや、あのアホ達には分からないように
こっそりと見張って欲しいんや。」
2人のほうに向かって両手を合わせてこう言う中澤。
「難しい注文だね。」
後藤がそう言った。
「はい」
そう言って中澤が差し出したのは変な眼鏡に大きなスカーフだった。
「なにこれー?」
「何?って変装道具やん」
「はぁ???」
安倍と後藤は、ほぼ同時にこう声を発した。
「はぁって、ばれたらあかんやろー」
そう言って、さも当然かのように眼鏡とスカーフを2人の
前に差し出す中澤。
「しかし、何!?このメガネー」
まるでスーパーマンのクラークケントのような
黒いセルロイドの縁の眼鏡を手にとって、そう言う安倍。
「なかなか似合ってるやん、昔やってた“ハロモニ劇場”とか
言うの思い出すわ。」
「ははは」
愛想笑いで返す安倍。
「で、このスカーフは?」
スカーフの端を持ってブラブラさせながら今度は後藤がこう尋ねた。
「顔がバレんように被るに気まっとるやろ」
そういって中澤が実演してみせる。
「えー、やだよ、そんなのおばあちゃんっぽい!」
そう言った安倍の胸倉を掴みながら中澤がこう言う。
「なんや!え、私がババアだって言いたいんか?コラ!」
「いや、違うよ。そんな、そう言う意味じゃなくて…」
中澤にメンチをきられてしどろもどろの安倍。
「じゃあ、これ被りいや」
「はぃ」
中澤に押し切られる形で無理やり承知させられた安倍と後藤。
頭からスカーフを被った安倍をみた後藤は…
「てゆうか、絶対、このほうが怪しいよ。」
中澤には聞こえないようにこう言う。
ヒソヒソ
「そんなにおかしいべ?」
「うん。ちょー変」
「行くよ!ノノっ」
「いえっさー」
飯田の呼びかけに応えるモーニング2000“ノノ”。
(“ザ☆ピース!”のイントロ部分が流れ出す。)
※HO〜ほら行こうぜ そうだ みんな行こうぜ
さ〜ほら歌おうぜ そうだ みんな歌おうぜ
HO〜ほら誓おうぜ そうだ みんな誓おうぜ
さ〜ほら愛そうぜ 最高級で愛そうぜ※
「おっ、ほら、あっちで行くって言っとるで!」
中澤が向こうの方で話している飯田とノノの
大声に気づいて安倍と後藤にこう言った。
「へ?」
黒ぶちの眼鏡を掛け、頬被りのように頭から大きなスカーフを
被って鏡の前で衣装合わせのような事をしていた安倍と後藤が
中澤に声をかけられて振り返る。
「何っ、ちょっと待ってよ!」
「どこ行くつもりなのよ!?」
安倍と後藤は、こんな事を口々に言いながら
慌てて飯田を追うように部屋から飛び出して行った。
もちろん、黒ぶち眼鏡に頭にはスカーフと言ういでたちで…
※
こうしてモーニングライダーはこの世に誕生した。
巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か?
♪
EVERYBODY GET UP ウチらが住む 未来だぜ LET'S GET UP
EVERYBODY SCREAM 意味ないけど コンビニが好き HA HA HA HA
ヒサブリだぜ ふるさとには 再来週帰ろう
英会話スクール 入ったきり いけてないぜ HA HA HA HA HA
選挙の日って ウチじゃなぜか 投票行って 外食するんだ
(奇跡見たい すてきな未来 意外な位 すごい恋愛)
LET'S GO!(LET'S GO!×3 LET'PEACE! PEACE!)
好きな人が 優しかった(PEACE!) うれしい出来事が 増えました
大事な人が わかってくれた(PEACE!) 感動的な出来事と なりました
THAT'S ALL RIGHT!
Wow Wo… PEACE!×2
Wow Wo…Hah
デリバリピザ いつも悩む LかMか ピザ
盛り上がり 長電話は 切りにくいね HA HA HA HA HA
多数決じゃ 決めらんないのは 恋愛のエトセトラ
(個性を出す 異性を奪取 普通をWASH 速攻でDASH)
LET'S GO!(LET'S GO!×3 LET'S…PEACE! PEACE!)
☆道行く人が 親切だった(PEACE!) うれしい出来事が 増えました
愛しい人が 正直でした(PEACE!) 全てを受け止めようと 感じました
THAT'S ALL RIGHT!☆
Wow Wo… PEACE!×2
Wow Wo…Hah
青春の1ページって 地球の歴史からすると どれくらいなんだろう?
あ〜 いとしいあの人 お昼ごはん なに食べたんだろう?
※HO〜ほら行こうぜ そうだ みんな行こうぜ
さ〜ほら歌おうぜ そうだ みんな歌おうぜ
HO〜ほら誓おうぜ そうだ みんな誓おうぜ
さ〜ほら愛そうぜ 最高級で愛そうぜ※
☆道行く人が 親切だった(PEACE!) うれしい出来事が 増えました
愛しい人が 正直でした(PEACE!) 全てを受け止めようと 感じました
THAT'S ALL RIGHT!☆
Wow Wo… PEACE!×2
Wow Wo…Hah
−− モーニングライダー(誕生編)完 2002年3月3日 −−
出演:
モーニングライダー :飯田圭織(マイケル・ナイト役)
ノノ(モーニング2000) :辻希美(KITT役)
モーニング財団本部代表 :中澤裕子(デボン・シャイアー役)
モーニング財団本部秘書 :石川梨華
メカニック担当 :保田圭(ボニ−・バストー役)
メカニック担当 :矢口真里(エイプリル・カーチス役)
メカニック担当 :吉澤ひとみ(RC3役)
ドライバー2 :安倍なつみ
ドライバー3 :後藤真希
バイク隊長 :加護亜依
モーニング財団北信越支部 :高橋愛
モーニング財団北信越支部 :紺野あさ美
モーニング財団北信越支部 :小川麻琴
モーニング財団北信越支部 :新垣里沙
・ ・
モーニング財団総帥 :つんく(ナイト財団総帥ウィルトン・ナイト役)
・ ・
モーニング財団経理担当 :石黒彩
モーニング財団外交部員 :アヤカ
「モーニングライダー(誕生編)」完結です。
ここまでお付き合い頂いた皆様、本当に有難うございました。
これで、ようやく小説「モーニングライダー」の世界観を
完成できたと思っています。
「プロローグ編」「誕生編」ときましたから
ひょっとしたら「活躍編」なんてものがあるかもしれません。
また、お会いしましょう。
その日が来るまで、ノノも飯田も、きっと忙しく
あちこちを走り回っている事でしょう。
作者:モーニングライター
道産子。
「そんなにおかしいべ?」言わないよ。
「そんなにおかしいかい?」
「そんなにおかしいべか」ですね。
「それはおかしいべ?」は言う。
北海道弁変換フィルターなるものもあります。
つっこみもここまで!
モーニングライダー追記
>>498 早速のご指摘有難うございます。
なっちの北海道弁は498さんの書き込みに置き換えてご覧下さい。
500 :
:02/03/04 15:28 ID:BING/oXN
500get
501 :
かんそう:02/03/04 18:09 ID:wuvNF79j
おもろかった。ハッピーエンドとは言えないながらも楽しげな終わり方でよかったヨ。暗い話も多い中こういうほのぼの?するのはいいネ
502 :
:02/03/08 00:15 ID:EaJI6fH2
test
面白いって、マジで。いい感じでしたぜー
続き期待しちゃってよいのかな?
あー、終わっちまいましたかー。
お疲れさんでした。
せっかく、ののが復活したのにねー。
続くと良いのですが。
505 :
:02/03/09 22:12 ID:zOzKJhwD
保全age
緩急がうまく付けられていて、面白かった。続編期待。
>>505 保全目的ならageる必要は全くない。
期待保全
保
全
510 :
:02/03/18 18:41 ID:8wipHVpE
511 :
:02/03/20 06:36 ID:ERfYmFjm
保全しとこっと
作者の続編読みたいんでホゼムします
514 :
:02/03/28 11:31 ID:o3YVPPnz
初めから読みました・・・・
とても感動しました期待ageします
>>515 ageちゃうのはまずいかと。とりあえずホゼソ
おいらも保全
保全
保全
田て
のは
為
520 :
名無し:02/04/09 21:19 ID:pipJKOhn
このスレすごいな。いくら羊とは言え、この長寿っぷりは素晴らしい。
長寿スレに乾杯BABY!
確かに羊としては異例な息の長いスレだよな
大変、御無沙汰しておりました。モーニングライダーの作者です。
まさか、ここまでこのスレッドを残して貰えるとは・・・ 嬉しいです。
地道に保全して下さった皆さん、ありがとうございます。
ここまで残して貰ったら次回作、書かないわけにはいきません。
ただ、その次回作なんですが、相変わらず私の頭の中で
構想を組み立てている段階で、まだ文字と言う形にまではなっていません。
決して放置する事はありませんので、これからまだ何ヶ月?待ってでも
読みたいと言ってくれる方がいらっしゃいましたら、
首を長くして待っていて下さい。
たとえこのスレッドが倉庫逝きになったとしても、
また、どこかに新しくスレッドを立ててでも続編を書く決意であります。
523 :
:02/04/14 12:10 ID:Lno1A+XD
>522
わかりました!いつまでも待ちます!!
まだかな?保全
うずうず
保全
530 :
:02/04/25 18:45 ID:6rfLK5Q1
ナイトライダーは懐かしい。保全。
続き
保田待ち
保全
田て
のは
為
534 :
:02/05/04 13:45 ID:mBhRsEUP
まさかまだ残ってたとは・・・、驚愕保全。
2ヶ月もつなんてすごい…保全。
出社保全
保全します。もうすぐdat逝きになりそうなので。
ほーぜんです
保全しちゃいます。
ばかかよ
542 :
名無し募集中。。。:02/05/14 00:48 ID:64ukxOtU
保全
作者〜 はよしてくれ〜(w
保全
一回上げた方がいいのでは?
546 :
age:02/05/18 09:31 ID:SzQnmcdd
あげときましょ!!
現在の羊最長寿スレを保全
保全気味
ソロソロシンサクキボンヌ
552 :
:02/05/28 20:41 ID:boY8T4QV
そろそろな
555 :
名無し募集中:02/06/03 17:33 ID:MEZ2LA+X
ここの作者、スゲーナ。
を(略
皆さん、ここまでもの保全ありがとうございます。
モーニングライダーの作者です。
密かに"保田保全"なんてものにも憧れてもいたのですが、
ここに念願かないました(w
でも、あまりに長い間、何にも書かないと保全してくれていた
方々に申し訳ないので、ここでひとつ超短編行きます。
超短編
「いいらさん。つぎつぎと難事件をかいけつしてすごかったれすね。」
「そうね。」
街を疾走する1台の黒塗りのトランザム。
その車内で、そう言って話しあっているのは、
プロデューサーつんくによって巨大な悪と闘うために開発された
ドリームカー、モーニング2000のコンピューター部ノノと
それを駆る飯田圭織であった。
一方、中澤裕子に命令され、飯田とノノの行動を
ずっと監視し続けてきた、安倍なつみと後藤真希は・・・
「もー、何考えてんのよー!あのコンビ。
この1ヶ月間もの間、ただ10円拾って警察に届けようとして
道に迷ってウロウロしてただけじゃない。」
「一応、さっきようやく交番に届けたみたいだけどね・・・」
「なっち、もう疲れたよ・・・。」
巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か?
いかがでしたか?
とは言っても、こんなので納得して頂けるとは思っていませんが・・・
また、お会いしましょう。
作者カモーーーーーーーーーーーーー(^▽^)ーーーーーーーーーーーーーーンナ!!!!!
ワラタ
本編もなるべく早く頼むわ
あまりの短編っぷりにワロタ
しかし作者がココ見捨ててないって事が解って安心したよ。
本編も楽しみに待ってるよ。
作者来てくれて嬉し(・∀・)イイ
けど超x3短編だね(w
本編は今度はどんな風にするんでげしょ?青いベットも気になるとこりょ
超短編、短く感じたけどそれでも数えて見たら400字詰め原稿用紙1枚分
はあるんだね。小学生の時なんてその原稿用紙1枚分の作文が書けなくて
居残りさせられたりしたけど(w)パソコン上だとナゼかすごく短く感じるね。
それとも長い文でも短く感じさせる作者の技術力か?という保全。
?
保守
現在このスレが、羊板の中で最も古いスレです。
ということで保全。
ほぜん
hozen
サクシャコウリンキボン
とりあえず保全
578 :
:02/07/13 14:54 ID:CnlYfEg9
保全
テスト運用中 1026703384
580 :
名無し募集中。。。:02/07/16 01:27 ID:PkXYnmFS
ageてみる。
ナイトライダーなつかすぃ
582 :
:02/07/18 01:35 ID:zgQ3As/k
長寿スレ保全
583 :
:02/07/20 12:35 ID:ilPHdgIV
夏厨期間対策保全
584 :
ホゼン:02/07/21 02:40 ID:dqWWlEdb
ここまできたら、もはやこのスレがなくなる事はないんだろうなあ
という気がしてきた
585 :
:02/07/22 01:51 ID:x7mGwaPN
総スレ数が600超えたので保全
586 :
:02/07/24 00:20 ID:IGppPmP8
意地でも保全
587 :
:02/07/25 01:03 ID:zef5H/4W
作者さんはもう居ないの?
588 :
:02/07/26 04:09 ID:k5Q/jZBe
hozen
hoze
保守sage
591 :
名無し募集中。。。:02/07/29 23:40 ID:KopPfKFB
保全書き込みを行います. 1028047326
hozen
594 :
:02/08/02 12:36 ID:GiTAB/KI
595 :
:02/08/03 22:02 ID:C4TN5fMu
作者さ〜ん!居ないの〜〜〜!!
596 :
:02/08/04 22:22 ID:sS6ABygl
hozen
597 :
:02/08/05 01:40 ID:1Q4+jf1T
この長寿スレはじまって以来の脱退騒動
この一件でこのスレも一体どうなってしまうのでしょうか
>597
ストーリー上、辻と飯田が残っていれば、メイン骨格は揺るがないんじゃないの。
599 :
:02/08/06 00:09 ID:R8pFsaik
それより作者がこのスレを覚えているかどうかの方が問題だ・・・
600 :
名無し募集中。。。:02/08/06 21:48 ID:t/f7Hv3B
そろそろあげないと消えます
601 :
:02/08/07 15:14 ID:K8D9bXYp
>>600 保全お疲れ。
だが2chの場合スレ位置ではなく、最終書き込みの古い順
に消されるのでわざわざageる必要は無いよ。
603 :
:02/08/08 23:46 ID:6KGCrPWj
・・・という訳で保全
604 :
:02/08/10 02:42 ID:CJrB22B3
HOZEN!
605 :
:02/08/10 16:33 ID:iU6qkKgd
お盆帰省保全
606 :
:02/08/11 20:49 ID:5jf9QNX+
hozen
607 :
:02/08/13 00:25 ID:hoNwpWfT
作者が来るまで保全!
608 :
:02/08/14 00:12 ID:mwj0PpV5
保全します
609 :
_:02/08/14 06:15 ID:R3F2/WrO
hozen
610 :
:02/08/15 00:05 ID:odZJ4dAx
日替わり保全
611 :
:02/08/16 00:07 ID:49zPBnT7
hozen
ほぜん
613 :
:02/08/18 01:06 ID:nTUnBqJc
そろそろ保全ですね
614 :
:02/08/19 01:26 ID:hwamy4lX
hozen
今日はじめてこの小説を読みました。
すげー、おもしろいっす!
作者さんがんばって!待ちますから。
作者さん、早く来てぇ〜!
617 :
:02/08/21 00:45 ID:XMHXmC4k
保全
総スレ数が600超えたので保全
619 :
:02/08/23 01:18 ID:en0717Vf
hozen
保全じゃ〜!
保全
hozenning
ところで漂う者たちのその後知っている奴いるか?
ここの最初の頃の保全で話出ていたけど920ch自体が行方不明なんだよな…
たまには保全以外もしてみるテスト
625 :
:02/08/29 16:29 ID:x1Q49dsM
hozen
hoz
en
628 :
:02/09/02 00:59 ID:jbJvWO6R
定期保全
スレ数600超えてるので保全
>>524 最初の頃来ていた人は読んでいる(た?)と思うんですけどね。スマソ
とりあえずありがd&保全
保全
保全
保全
保全
保田
全勝
保全
保全
ほぜpo
保全
640 :
s:02/09/16 22:14 ID:pNnhPbEt
保全
641 :
:02/09/17 12:42 ID:dXu0Jja1
ホゼン!
一周年おめでとう保全。
作者さん降臨キボン!
保全
保全
--作者より挨拶--
皆様、物凄い保全ありがとうございました。
「1周年記念保全」とてもうれしかったです。もうそんなになるんですね。
言い訳するわけではないのですが、実は3月から配置転換で移動
させられた部署が大変な所でとても小説どころではなくなってしまって…
その上、後藤真希、保田圭の卒業報道。
相次ぐメンバーの脱退に、途中、何だか書く気を失いかけましたが
今まで保全して下さった皆さんの事が頭によぎり再び書き始めました。
今回、これから書き込みする話は、まだ途中までしか頭の中でも
整理がついていない作品なのですが、でも、何かどうしても今日
UPしたい気分になって、構想途中なのですが無理に書き込みます。
今日は12chの後藤真希卒業特番も見ました。いよいよ23日なんですね。
ごっちん今までありがとう。
では、半年のブランクを越えて気分も新たに
「モーニングライダー2」という事でスタートします。
――小説モーニングライダー2――
「爆走、キャノンボールレース編」
モーニングライダー。陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義の騎士。
ドリームカー、モーニング2000と共に法の目を逃れる犯罪者達を追う
若きヒーロー飯田圭織。人は彼女をモーニングライダーと呼ぶ?
中澤裕子。飯田圭織のよき理解者。
保田圭。ドリームカー、モーニング2000のメカニック担当。
巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か.
ナイトライダー誕生は,一発の銃声に始まる.
若き敏腕刑事,マイケル・ロングは,国際的産業スパイ一味を追跡中、
同僚を殺され、自らもその凶弾に倒れた。
だがマイケルは、ナイト財団の総帥,ウィルトン・ナイトにより辛くも命を救われ、
気づいた時、顔は整形手術により別人となり、その身分も
ウィルトン・ナイトの養子としてマイケルナイトに変わっていた。
重病で死の床に就いたナイトは、マイケルに対し自分の夢を受け継ぎ
世界の巨大な悪と戦ってくれと言う言葉を残し返らぬ人となった。
ナイトの遺言を胸に、マイケルは高性能コンピューター組み込み、
ボディも新物質で補強したドリームカー、ナイト2000とともに
度重なる危機を脱し、見事、産業スパイ一味を壊滅したのであった。
――――――――――――――――――――――――――――――
モーニングライダー誕生は、黄色い暴走車の一撃に始まる。
プロデューサーつんくの希望によって巨大な悪と闘う事になった
“元モーニング娘。”の飯田圭織と辻希美は、
目の前で起こった自動車窃盗事件の犯人一味の車を追跡中、
体勢を崩した一味の車の巻き添えとなり、そこに倒れた。
しかし、モーニング財団総帥プロデューサーつんくにより
辛くも命を救われた飯田圭織。
彼女は辻希美の脳を移植された電子頭脳スーパーカー、
モーニング2000とともに巨大な悪と闘うために今日も走る。
※
※
小説モーニングライダー2
「爆走、キャノンボールレース編」
――モーニング2000、三度――
「ちょっと!ノノどうしたのよ?スキャナーが青いよ!」
普段、赤く光って左右に往復しているはずの
ノノのフロント部のスキャナーが、青く往復しているのに気づいた
モーニング2000のドライバー、飯田圭織が驚きの声を発した。
「ふぇぇぇぇ・・・おなかがすいて、もう動けないのれす。」
「はぁ?お腹って…??あんた車でしょ」
そう言いながら首をひねる飯田。
そして、しばらく真剣に考えていた飯田は
ようやくノノの言わんとしている事に気づいてこう言った。
「ああ、燃料の事ね!」
「そう言えば、ちょっとあんた、一体何で動いてんのよ?」
今更ながら、ノノの燃料について疑問を抱く飯田。
「まさか、きゅうりじゃあるまいし・・・」
「きゅうりくれー」
「はぁ?」
バタン
慌ててモーニング2000に乗り込む飯田。
「ねぇ、圭ちゃん。一体ノノって何で動いてるのよ?」
と車内の通信システムのモニターに向かってこう喋り掛けて、
モーニング財団本部に居る保田を呼び出す。
「はぁ?何よ、イキナリ?」
急に呼び出されて不機嫌そうな顔をした保田の顔が
モーニング2000のモニターに映し出される。
「ノノがね、ノノが燃料切れで動かないのよ」
そんな不愉快そうな保田に、こう言って説明する飯田。
「ねぇ、圭ちゃん。ノノの燃料って一体何なのよ?」
「え?あれ、説明してなかった?」
飯田の言葉に意外そうに保田が答えた。
「これからの環境問題を考えて、貴重なエネルギー資源の
リサイクルを実現させて何ででも動くようにしたのよ。」
自慢げにそう言って話す保田
「何それ?どう言う事?」
イマイチ保田の言っている事が理解できない様子の飯田。
「まあ、簡単に言い換えれば、ガソリンなんかのエネルギーで
なくても、例えば、人が食べ残した残飯でも動くようにしたの。
その辺に捨ててあるような。」
保田は改めて噛み砕いたように説明し直す。
「へ? じゃあ、人間の食べる食べ物でも動くって事?」
「そう言う事になるわね。」
「例えばきゅうりでも・・・」
飯田がそう言った途端、再びノノが反応した。
「きゅうりくれー」
――所変わって・・・――
「もう、一体どんだけ燃料がいるのよ。底なしじゃない・・・」
ここは、近くのスーパーの大きな駐車場。
保田の説明を受けて、早速近所のスーパーに急行した飯田。
スーパーで抱え切れないほどの食料品を買い込んできたのだが
その大量の食料もノノの前に、殆どなくなって行った。
「あんたのせいでお金なくなっちゃったじゃないの。」
飯田は空っぽになった財布をひっくり返して振りながらこう言う。
「ふえ?」
不満を漏らす飯田にはお構いなしに
自らのアームで食料を、自分の燃料タンクに入れていくノノ。
「燃料を食うとはまさにこの事ね・・・」
そんなノノの様子を見ていた飯田は
やれやれと言う感じでそう呟いた。
すっかり元気の回復したノノのフロントのスキャナー部分は
いつもの通り赤く点滅して右に左にと往復を繰り返している。
「しかし、あんたのこのセンサーって、
ノノ自身の体の調子も表してんだね。」
飯田は完全に元に戻ったノノを見てこう感想を言った。
「そうなのれすよ。いじわるすぎると泣きまふよ。めぇー」
「何よそれ?」
飯田は呆れ顔でそうつぶやいた。
「よし、行くよ。」
すっかり元気の回復したノノに乗り込むと飯田はこう言って
ノノのアクセルを踏み込んだ。
本日はここまでとさせて頂きます。
キキキキキキキキキキキキ、キタヨォ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ッッ!!!!
バンザーイ!新シリーズだー!!!
659 :
:02/09/25 00:15 ID:lOA/2KW2
保全です
660 :
:02/09/27 19:28 ID:w5lrpY9N
スレ数が600超えたので保全!
早速の反応ありがとうございます。
今まで待って下さっていた方々、
スローペースですが時間の取れる時には
更新していきます。
――さらに飯田とノノ――
「はぁ、それにしてもどうすんのよ。
お金なくなっちゃって・・・これからどう生きてくのよ」
モーニング2000のドライバーズシートに収まりながら
恨めしそうな声でノノに文句を言う飯田。
「ん?何よこれ?」
ふと飯田は、ノノのフロントガラスとワイパーの間に
何か紙が挟まっているのを発見した。
飯田は車を停めるとパワーウインドーを開けると
身をよじりながら乗り出して、
ワイパーに挟まっている紙を取ってみる。
飯田が手に取ったその一枚の紙には
"キャノンボールレース 優勝賞金1000万円”
の文字が。
「すごいよ、ノノ!!一千万円だって。」
「一千万円って言ったら何でも買えるよ。」
「8段アイスなら30000個はかえるのれす」
「あんた、一体、何買うつもりよ・・・」
「ところで、レースに出るためにはどうしたらいいんだろう?」
先程のワイパーに挟まっていた紙を改めて見直す飯田。
「なになに?とりあえず来るようにって書いてあるよ。」
「で、どこよ場所は?東京都板橋区・・・って、
ふーん、ぜんぜん分かんないや。ノノ、この場所分かる?」
そう言ってノノのカメラに向けて紙を向ける飯田。
「ノノのカーナビに死角はないのれす。」
ノノはそう言うと車内のカーナビゲションのモニターに
地図を示して見せた。
「この場所か・・・」
飯田はカーナビの地図を見ながらそうつぶやくと、
何かを決心したように、片手をギュッと固く握り締めた。
そして窓から手を出すと、固く握り締められた手を開いて
くしゃくしゃに丸められた先程の紙を放り投げると、
意を決したように、大声でこう叫んだ。
「よーし、行くよー」
そんな飯田の声に応えるようにノノもこう叫んだ。
「レッツゴー」
かくして飯田とノノは出発した。
訂正
>>662 9行目
×飯田は車を停めるとパワーウインドーを開けると
○飯田は車を停めてパワーウインドーを開けると
666 :
:02/09/30 01:32 ID:i/KjZPUE
保全
ほぜむ
更新期待♪
保全。
保全。。。
保全します
ほ
保全。
折れの車にも「ノノナビ」つけてみたい・・・。
保全
>>672 燃費が極端に悪化すると思われ(r
保全
短くて恐縮ですが更新します。
――なっちとごっちん――
そんな飯田とノノの様子を、じーっと見張って来た
安倍なつみと後藤真希の両名。
その2人が運転するカローラランクスの前に
モーニング2000の運転席から、
急に飯田の手がニョキニョキと出てきたかと思うと、
そこからホイと何かが投げ捨てられた。
「ん?」
キィィ
それに気づいた安倍は、
慌てて自分のカローラランクスを停めると
路上に捨てられたその紙切れを拾いあげた。
安倍が拾い上げたその紙には
“キャノンボールレース”
の文字が大きく書かれていた。
「何それ?」
あとから車を停めて降りてきた後藤が安倍に声をかける。
「圭織とノノ、きっとこれに参加するつもりなのよ。」
安倍は、拾い上げた紙を後藤にむかって見せる。
そして
「ごっつぁん!裕ちゃんに報告。なっちはノノ達を追っかける」
そう叫ぶと、再び自分のカローラランクスに乗り込んだ。
「OK!」
後藤もそう言うと車をスピンターンさせ、
モーニング財団本部へとカッ飛んで行った。
678 :
672:02/10/11 23:36 ID:/BbvZyUV
>>作者
更新乙です。
いつも楽しんで読ませてもらってます。
>>673 しかし代わりに馬力が極端に上がると思われ(w
保全
>>678 でも夜9時過ぎたらナビが寝てしまうと思われ(W
保全
ホゼン
hozen
更新です。
――モーニング財団本部――
ここは、関東近郊の海に面した場所に建てられたモーニング財団本部。
現在、その会議室には、つんくによって、
飯田とその監視をしている安倍と後藤以外の
中澤をはじめとしたモーニング財団のメンバー達が集められていた。
「今日、集まって貰ったのは他でもない。」
つんくはメンバー達を前にそう言うと、液晶プロジェクターの装置を操作する。
「最近、外国製スポーツカーばかりが不自然な事故を起こしている」
壁にかけられた大型液晶モニターに最近の新聞記事が映し出される。
「それらの全ての車には共通点があんねん」
そう言って一通りメンバー全員の顔を見回すと、
つんくは更に言葉を続けた。
「それは全員、事故直前まで何か謎のレースに
参加してたんやないかという噂なんや。」
「謎のレース?」
つんくの言葉にそう反応したのは矢口真里だった。
「そうや。だけどな、そのレースの詳細は
残念ながら誰にもわからへんのや」
つんくはそう言って話を続けた。
「と言いますと?」
中澤がつんくに尋ねる。
「その参加者は全て死亡しているからや」
「・・・」
つんくのその言葉に、メンバー全員、思わず黙り込んだ。
「で、その手口というのがやな。」
その沈黙を破るようにつんくが再び話し始めた。
「公には知られへんように、これはと思った車のワイパーの間に
紙を挟んでおくらしいんや。」
「ワイパーに紙って・・・、ずいぶん古典的な方法なんですね」
つんくの説明に矢口が苦笑いしながらこう言う。
「まあな。方法は金かかってへんけど
ターゲットは全て高級外国スポーツカーばかりや」
矢口の言葉につんくがそう付け加える。
「で、そのおとりに掛かって来た者は・・・」
「死あるのみ・・・」
その言葉に室内は静寂に包まれた。
バタン
「大変だよ、裕ちゃん!!」
急に扉が開いたと思うと、息を切らしながら
後藤が財団本部のラウンジに飛び込んできた
「なんや?そんなに息切らせて。どした、ごっつぁん」
「ノノが何か変な自動車レースに」
ブホッ
中澤は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「裕ちゃん、汚い!」
中澤の吹き出したコーヒーの直撃を受けた矢口が叫び声をあげた。