−− 中澤裕子と矢口真里 −−
「やめろよ、バカ裕子。」
「矢口、ええやん」
相変わらずラウンジには、お茶を片手にくつろいでいる中澤と、
そんな中澤に捕まって逃げようとしている矢口の姿があった。
そんな時だった。
ドカーン
バキバキバキッ
「なにっなにっ?今の音?」
中澤と矢口の元にも響く轟音。
あまりのけたたましい音に、中澤と矢口は驚いて窓から顔を出す。
2人の視界には、先程まで矢口が必死に修理していた
まだ補修途中のガレージの扉を豪快にぶち壊して、
猛スピードで走り去るモーニング2000の後姿が…
「もー!!! いちいち扉壊して行かないでよー!
バカーッ!!」
矢口は走り去るモーニング2000に向かって
そう言って絶叫すると、手に持っていた
缶ジュースの空き缶を思いっきり投げつけた。
“ぼかっ”という鈍い音。
「ん?」
空き缶が地面に当たるカーンという乾いた音を想像していた
矢口と中澤は、予想外のにぶい音にお互いに目を見合わせる。
そして慌てて窓から身を乗り出して音の聞こえた方向を見下ろす。
「ぁ…」
そこには、何故か保田がうつぶせになって倒れていた…。
−− 車中にて −−
モーニング財団本部を出発して以来、
黙々と走り続ける飯田とモーニング2000。
( ´D`)「あの…、いいらさん」
不意に何か思ったのか、飯田に話し掛けるノノ。
「うわっ!何よ突然。驚くじゃない。」
「そ、そんなにおどろかれるとノノもおどろくのれす。」
飯田のあまりの驚きように話し掛けたノノの方も驚く。
「やっぱり車に話し掛けられるなんて、慣れないよ」
飯田はそう言ってバクバクいっている心臓に片手をあてる。
「いいらさん、気分転換にノノが音楽をかけてあげるのれす。」
そう言うとノノは早速カーステレオのスイッチを入れた。
かちゃっ
♪L・O・V・E LOVELY 保田♪
モーニング2000のサラウンドシステムからは軽快な保田のリズムが。
「うるさーい!! しかも、なんでそんな曲なのよ!
ちょっとさぁ、今、考え事してたんだから黙ってて貰える?」
飯田はそう言ってノノを怒鳴りつけた。
「はい… 承知したのれす…」
飯田にそう言われるとノノはおとなしく黙り込んだ。
そして、それからしばらく車を走らせた時だった。
キィィ
突然、飯田は何かを思いついたのか
急に大きなコンビニの駐車場にノノを停めると車から降り立った。
そして真っ直ぐにその前にあった公衆電話に向かって歩いていくと
受話器を取り、モーニング財団本部の番号をダイヤルした。