小説「モーニングライダー」

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267モーニングライター

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そしてその日の晩。
「飯田にはモーニング2000に乗って貰うしかないな。」
つんくは、中澤と保田の2人を財団本部の会議室に集めてこう言った。
「え、でも今の圭織じゃ、とても無理です。」
保田がそう反論する。
部屋の隅では石黒が、壁に寄りかかりながら
その様子を、腕を組んで静かに伺っている。
「前にも言うたやろ。そもそも免許取ったか取らないかのようなお前らに、
この任務は無理があったんや。そんな未熟なお前らの腕をカバーする
ために開発したんがモーニング2000や。
あのマシンなら、今の飯田でも充分に守ってくれるはずや。」
つんくはきっぱりとこう言い切った
268モーニングライター:01/12/26 01:48 ID:kYi2zLoI

そしてこう続けた。
「中澤から聞いたで。今の飯田を元に戻すには、あいつ自身で
自分の受けたショックを克服していくしかないそうやないか。」
そう言って中澤の方を見る。
「はい、それしかないそうです。」
中澤は精神病院で聞かされた説明をもう1度繰り返した。
「飯田とモーニング2000。
一緒に組ませれば大丈夫や。俺はあいつを信じてる」
つんくは、中澤と保田の方向を向いてこう言った。

「で、圭織に何をさせるおつもりですか?」
つんくの強い決意に諦めたのか、保田がこう尋ねた。