小説「モーニングライダー」

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1モーニングライター
小説「モーニングライダー」

モーニングライダー。
陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義の騎士。
ドリームカー、モーニング2000と共に、
法の目を逃れる犯罪者達を追う若きヒーロー。
人は彼女をモーニングライダーと呼ぶ。

巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日、彼女を待ち受けるものは、果たして誰か。
2かおりん命:01/09/18 01:38 ID:5rqMIEcY
がんがれ。期待しとるぞ。さげ。
3モーニングライター:01/09/18 01:38 ID:LK9CegGw
−−プロローグ−−

ナイトライダー誕生は,一発の銃声に始まる.
若き敏腕刑事、マイケル・ロングは、国際的産業スパイ一味を
追跡中、同僚を殺され、自らもその凶弾に倒れた。
だがマイケルは、ナイト財団の総帥、ウィルトン・ナイトにより
辛くも命を救われ、気づいた時、顔は整形手術により別人となり、
その身分もウィルトン・ナイトの養子としてマイケルナイトに変わっていた。
重病で死の床に就いたナイトは、マイケルに対し自分の夢を受け継ぎ
世界の巨大な悪と戦ってくれと言う言葉を残し返らぬ人となった。
 ナイトの遺言を胸に、マイケルは高性能コンピューター組み込み、
ボディも新物質で補強したドリームカー、ナイト2000と共に
度重なる危機を脱し、見事、産業スパイ一味を壊滅したのであった。
4モーニングライター:01/09/18 01:40 ID:LK9CegGw
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これは1980年代に大ヒットしたアメリカのTVドラマの有名なワンシーンらしい。
「らしい」というのも私はそのドラマを良く知らないからだ。
そのドラマの名前は“ナイトライダー”
黒塗りのスーパーカーに乗った主人公が巨大な悪に立ち向かう。という
ストーリーのこのドラマは、1980年代に少年時代を送った子供達を熱狂させた。
そして何よりも、このドラマに出てきた「喋るスーパーカー」ナイト2000は
当時の少年達の憧れの的だった。

80年代に少年時代を送った人達、
そう、丁度この「つんくサン」位の世代の人たちにとって・・・

「俺が今まで必死に働いて、莫大な金ためてきたのも、
みんなこの“ナイトライダー”のためやったんや。」
つんくサンは私に向かってそう言った。
5モーニングライター:01/09/18 01:41 ID:LK9CegGw
--作者よりひとこと--
(前書きに代えて)
小説です。1980年代のテレビドラマ「ナイトライダー」をモーニング娘。でやったとしたら?
という設定ですが、その内容自体は、原作のナイトライダーとはかけ離れた完全オリジナル版です。
ですからナイトライダー自体を知らないという方にも読んで頂けるかな?と思います。
無論、ナイトライダーが大好きだったという作者のような方々にも楽しんでいただけるよう
ナイトライダーの要素も少しずつちりばめていく予定です。
                              モーニングライター
6名無し募集中。。。:01/09/18 03:56 ID:QqGcb8hQ
頑張れ
読んでないけど
7もっつん:01/09/18 04:02 ID:EVCaDu1Y
いいよ!君いいよ!
今の君はとてもとても輝いてるっ!
8ゴマキの近所男。 ◆KcfpA5rE :01/09/18 04:04 ID:q6mkyn42


     ____
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9モーニングライター:01/09/19 01:15 ID:WgYnmgCQ
−−モーニング娘。解散−−

私は2年前まで、あのアイドルグループ「モーニング娘。」のメンバーの一員だった。
そう、突然解散して芸能界から姿を消したあの「モーニング娘。」の・・・

ある日、娘。達は突然つんくサンに全員集合させられて、こう告げられた。
「モーニング娘。解散します。」
「え!」
誰からとも無くそんな叫び声が出ていた。
本当に突然だった。
「嘘でしょ・・・」
そうつぶやいたのは、“なっち”こと安倍なつみだった。
辻加護のすすり泣く声が聞こえる。
「そんな!何でですか!」
圭ちゃんが、つんくサンに食ってかかる。
「急にそんな事言われても私達納得できません。」
普段おとなしい石川も続く。
「私達に納得できるように説明して下さい。」
私も思わず熱くなる。
10モーニングライター:01/09/19 01:17 ID:WgYnmgCQ
「そやな」
一呼吸おいて、ようやくつんくサンが口を開く。
「お前らに説明してやらなあかんよな。」
今まで興奮していたメンバー達も、その言葉の続きをじっと待つ。
「俺なぁ、小さな頃からの夢があるんや。
そして今日までその夢に向かって走ってきた。」
今まで泣いていた辻加護も、つんくサンのその話に黙って耳を傾けている。
「今日まで、その夢を実現させるために働いてきたんや。」

「でな、その夢がようやく自分の手に届くとこまできたんや。
俺の夢を実現させるために、お前らにも迷惑掛けたな。」
「話題作りのための度重なるメンバーの増員や、
ユニットやらシャッフルとか、あとは…、
メンバーの脱退の繰り返しとかな・・・。混乱したやろ。」
「みんな本当にありがとう。」
ここまで話しきると、つんくサンは
涙ぐみながら深々と私達に頭を下げた。
その様子にメンバー達も思わず涙ぐんだ。
11モーニングライター:01/09/19 01:23 ID:WgYnmgCQ
「でな、みんなもう一回俺に協力しては貰えへんかな?」
今まで、涙ぐんでいたとばかり思っていたつんくサンは
こう言って顔を上げるとニヤリと笑った。
「いや、無理にとは言わへん。これは俺の夢や。
もう、これ以上お前らに迷惑は掛けられへん。
お前らはもう自由や。」
つんくサンのその言葉に、メンバー一同、思わず顔を見合わせた。

「で、つんくサン、その夢って一体なんなんですか?」
私は一番気になっていた事をつんくサンに尋ねた。
「おう」
つんくサンは誇らしげにこう答えた。
「ナイトライダーや。」
どうやっ?という感じでメンバー達を見回すつんくサン。
「はぁ???」
メンバーは皆、素っ頓狂な声を上げた。
「何ですか?それ?」
矢口が思わず聞き返す。
12モーニングライター:01/09/19 01:31 ID:WgYnmgCQ
「お前ら知らへんのか。そっか・・・」
期待した反応と違っていてがっかりした様子のつんくサン。
「お前ら人の役に立ちたくないか?」
つんくサンは唐突に、こう言った。
「そういや、昔、モータイカンパニーとか言ってやっとったよな。
人のためになるって言って。」
そう言ってつんくサンは私達の顔を覗き込む。
「ええ、まあ・・・」
話がよく見えてこないので、私の返事も警戒のために
思わず言葉を選んで曖昧なものになってしまう。
「そりゃあ、人の役に立てて喜んで貰えたら嬉しいですけど。」
圭ちゃんがそう答えた。
「よし決まりや。」
つんくサンが手を叩いて立ち上がる。

「ちょっ、なっ、何が決まりなんですか」
余計な事を言ってしまったかもと圭ちゃんが慌てている。
その様子に、メンバー一同不安を隠せない様子だ。
13名無し娘。:01/09/19 02:13 ID:/KfJFzeo
久々の新規小説まんせー
保全sage
14モーニングライター:01/09/20 00:54 ID:dN7z5SEw
「実はな、中澤からはもう了解をとってあんねん。」
とメンバー達の不安そうな様子を察したつんくサンはこう言った。
中澤裕子の名前を出す事でメンバー達の落ち着きを取り戻す事が出来ると
考えたつんくサンの考えは間違っていなかった。
「え、裕ちゃんが?」
案の定、矢口がつんくサンのその言葉に食いつく。
「それって裕ちゃんと一緒にやる企画なんですか?」
嬉しそうな矢口。
「企画ってな・・・」
つんくサンは苦笑いしながら続ける。
「お前ら、芸能界でいろんな企画ばっかやらされてきたから
すぐに企画って言葉が思い浮かぶんやろうけどな、
今回のは、まあ芸能界風に言えば企画っていえば企画なんやけど、
ちょっと違うんや。」
15モーニングライター:01/09/20 00:57 ID:dN7z5SEw

「芸能界風ってどういう事ですか?」
その、つんくサンの言葉のわずかな部分に鋭く反応したのは吉澤だ。
「ええとこ突いてきたな。」
裕ちゃんの名前を出した事で少し落ち着いてきたメンバー達の様子に
ついに観念したという感じでつんくサンはこう切り出した。
「全員、芸能界からも引退して貰う。」
つんくサンの衝撃発表。
「えー!」「そんな!」
もう誰が発したか分からない娘。達の悲鳴に近い声。

その様子に慌てる事も無くつんくサンはこう続けた。
「もちろん完全引退じゃない。俺にだって考えがある。
この仕事が一段落したら、また復活もある。
芸能界に戻りたい奴は俺が全面的にサポートする。これは約束する。
でもなあ、この仕事は今までのような活動と一緒には出来へんのや。」
「なあ、もう一回だけ俺についてきてくれへんかな。中澤と一緒に」
こう言うとつんくサンはもう一度私達に向かって頭を下げた。
深く、深く・・・
16モーニングライター:01/09/20 00:59 ID:dN7z5SEw

思えば、“モーニング娘。”を、ここまでのグループにしてくれたのはつんくサンだ。
いわば、私達、娘。にとっては恩人であると言える。
今までも、つんくサンの考える事に多少の疑問を感じながらも、それに従ってきた私達。
でも、最終的に、CDセールスなどを見るにつけ、
結局つんくサンの考えは正しかったんだと思わせられて来た。
この人には時代の流れを読む力がある!
って、そこまで言うと言い過ぎかも知れないけど、
少なくとも私達には考えもつかない考えを何か持っているに違いない。
そう、つんくサンとはそんな人。
そんなつんくサンが今、私達に向かって頭を下げている。
私達はもう一度、つんくサンについて行ってもいいんじゃないだろうか…?
17モーニングライター:01/09/20 01:01 ID:dN7z5SEw
いや、むしろ私達はつんくサンに恩返ししなきゃならないんだ。
きっと裕ちゃんだってそう思ったに違いない。
そう、むしろこうして深く頭を下げるのは私達の方なんだ。
そう決意した私は、メンバー達の方に顔を向ける。
なっち、圭ちゃん、矢口、後藤、石川、吉澤、辻加護、
そして最後に増員されたいわゆる新メンバー。
きっと全員同じ事を思ったに違いない。
メンバー達はお互いに顔を見合わせて頷く。
「つんくサン・・・」
私はそうつぶやいた。
その声に、じっと頭を下げていたつんくサンが顔を上げる。
「お願いします・・・」
「また、これからもよろしくお願いしますっ。」
何故か、急に緊張してきて思わず声がうわずった。
その私の言葉につんくサンは少し涙ぐみながらこう言ってくれた。
「ありがとう…。みんな本当にありがとう。」
半泣きのつんくサンに一人ずつ握手を求められ、
それにつられるように、メンバー達も泣きだした。
18モーニングライター:01/09/20 01:04 ID:dN7z5SEw

2003年武道館、モーニング娘。最後のコンサート。

そこで、モーニング娘。として最後の記者会見が行われた。
つんくサンと私達全員揃って、解散の会見を行った。

<モーニング娘。リーダーの最後の挨拶。>
「私達、モーニング娘。はデビュー以来、精一杯走り続けてきました。
だから、この数年間というのは、あっという間でした。
ホントに全力疾走って言う感じ。
その間には色々な事がありました。本当に色々な事が・・・
楽しい事もいっぱいあったけど、それだけじゃなくて、
辛い事や苦しい事もたくさんありました。
でも、モーニング娘。で本当によかった。
そんなモーニング娘も今日を限りに解散します。
ちよっと寂しいけど・・・、でも、これからは私達1人1人が
自分の夢に向かって、やっぱり精一杯走っていきます。
今日まで応援して下さったファンの皆さん、本当にありがとう。
そして、今日まで、支え合ってやってきたメンバー。
みんな、最高の仲間でした。
本当に、本当にありがとう!」
19モーニングライター:01/09/20 01:08 ID:dN7z5SEw
本日はここまでです。
20名無しさん:01/09/20 09:03 ID:iPqpZ5oA
これからどんな展開になるのか楽しみです。
21モーニングライター:01/09/21 00:40 ID:ZzlPfZEc

−−それから・・・−−

それから、しばらくして私達は芸能界を引退し、全員、新しい事務所に
(って事務所って言うのかな?まあいいや。事務所みたいなものだ。)
に移籍した。
その名も「モーニング財団」。
つんくサン曰く、
「お前らモーニングにぴったしの名前やろ。モーニング財団や。」
「そもそもな、お前らをモーニング娘って名づけたのもな、
この計画の事を念頭に置いて、モーニングって名前にしたんや。
やっぱり、向こうはナイトやからな。
こっちはモーニングやと思うてな。」
そういって満足げに笑う。
22モーニングライター:01/09/21 00:42 ID:ZzlPfZEc
そんなつんくサンの言葉に、裕ちゃんが誰に言うともなく小声でつぶやく。
「向こうって言ってるのが意味する“ナイト財団”のナイトは
夜のナイト(night)じゃなくて騎士のナイト(Knight)なんだけどなぁ。」
私は、そんな裕ちゃんと目を見合わせた。
「うちら、単純に朝の意味のモーニングやろ?夜の意味のナイトなら
ともかく、騎士のナイトとは、何にもかかってへんのやけどな・・・
何でモーニングやねん?」
今度は裕ちゃん、私の耳元でボソボソとこうつぶやく。
「ひょっとしてつんくサン、夜の方のナイトやと思ってるんやろか?」
そう言った裕ちゃんの言葉と、私も全く同じ事を思っていた。
23モーニングライター:01/09/21 00:45 ID:ZzlPfZEc

そう、あれから私達は山のような本数のビデオテープをつんくサンに渡された。
そこに録画されていたものは“ナイトライダー”というアメリカのアクションドラマ。
「お前ら、これ見て、よーく勉強しときや。」
つんくサンはそう言って、私達に人数分のビデオテープを渡した。

それから、このビデオテープを見て暮らす毎日が続いたわけだが、
このドラマ、予想に反してなかなか面白かった。
特に圭ちゃんなんかは、もう完全にナイトライダーの虜だった。
まず、最初の1本目はメンバー全員でモニターで見たのだが、
小さい辻加護も意外と気に入った様子。
半分予想できた吉澤の反応を伺って見ると、
思ったとおりのセリフが飛び込んできた。
「かっけー。」
やっぱりだ・・・。
後藤は?んー、なんか無反応。
そんなこんなで、私達の頭の中には
ドラマ“ナイトライダー”の知識が、もー、充分に入っていた。
そう、ナイトが「NIGHT」でなく「KNIGHT」であると突っ込めるくらいに。
24モーニングライター:01/09/21 00:48 ID:ZzlPfZEc

最後に私はどうしても我慢できずに、気になっていた事を
つんくサンに聞いてみた。
「つんくサン、ナイトってどんな意味なんですか?」
向こうの方のソファーに移動していた裕ちゃんが、
こちらの方を振り返って、興味深そうにその答えに聞き耳を立てている。
「なんや飯田、今更。夜に決まってるやろ。」
つんくサンは、何の迷いもなく即座にこう答えた。

…この人、ホントにナイトライダーのファンだったのかしら?…
25モーニングライター:01/09/22 00:12 ID:J7a.Ihhc

−−モーニング財団−−

そして現在、西暦2005年。
芸能界を引退した私達は一体何をしているのか?
と言えば実際の所、まだ何もしていなかった。
今では裕ちゃんは30歳を超え、私となっちも23歳に。
裕ちゃんがリーダーだった時代には最年少だった
辻加護でさえも17になっていた。
世の中の人たちの記憶からは、モーニング娘。のことは
消え始めていた。
その間につんくサンの命令で、自動車の運転免許を
持っていなかったメンバー達は皆、教習所に通わされた。
最初に、この教習所の話を聞かされた時に私はピンと来た。
「あー、ついに、あの黒い車に乗れるんだ。」
そう思ってワクワクしていた。
26モーニングライター:01/09/22 00:16 ID:J7a.Ihhc

でも、教習所に通いはじめてから1年経った今でも、
イマイチ運動神経の鈍い石川だけは、まだ免許が取れていない。
ただ、石川本人は
「でも仮免は持ってるんで路上には出れるんですよー」
と、自分の進歩振りをアピールしている。
さすがはポジティブな石川だ。
ちなみに、まだ17である辻加護コンビは、その年齢から
自動車免許を取る権利さえ、まだ与えられていないので
つんくサンの要望で原付免許のみ取得してきた。
しかし、その辺の暴走族のあんちゃんでも取れると
評判の原付免許だったが、それでもアホな2人組は、
一体、何をしてきたのか3回くらい通ってようやく取って来た。
27モーニングライター:01/09/22 00:18 ID:J7a.Ihhc

それから間もなくして、
関東近郊の某所にある「モーニング財団本部」に
10台の“トヨタ カローラランクス”という車が納車された。


--<※トヨタ・カローラランクス/TOYOTA・COROLLA RUNX>--
トヨタ・カローラのハッチバックバージョンとして
2001年1月にカローラランクス/アレックスとしてデビュー。
アウディA3といったヨーロッパ車を少し髣髴とさせるようなデザインの
コンパクトハッチバックは結構評判も高い。
このコンパクトサイズに、190PSを搾り出す1.8VVTL-i DOHCエンジンや
6速マニュアルトランスミッションを搭載したスポーティーバージョンも
用意され、その走行性能も侮れないものを持っている。
これを読んでいる皆さんには、「つんくがCMしていた車」と言えば
分かって頂けるであろうか?
28モーニングライター:01/09/24 01:46 ID:3q5o8zTs

−−カローラランクス−−


ずらーっと並んだ10台の新車を前に、
結構かわいい車じゃない。私はそんな事を思っていた。
しかし、さすがに全く同じ車が10台も並ぶと気持ち悪い。
しかも色まで全部一緒だ。
「ところで、これ何に使うんだろ?」
みんなが新車を前に浮かれている中、相変わらず冷静に吉澤がこう言う。
「確かに・・・」
私も吉澤にそう言われて気づいた。
確かに何に使う車なのか?台数から言って私達全員の分なのか?
でも、何で10台もあるんだろ?
免許取れない人の分まであるよ。
メンバー全員分注文しちゃったのかな?
とにかく謎だらけ。
「ま、いっか。」
私は面倒なので、これ以上深くは考えない事にした。
29モーニングライター:01/09/24 01:50 ID:3q5o8zTs

そこへつんくサンが現れた。
「おー、丁度納車されたとこやな。よしよし。」
満足げに10台の車を見回す。
「よしよしって、つんくサン、何ですかこの車?」
吉澤が尋ねる。
「おう、カローラランクスや。知らんか?
トヨタのカローラなら知ってるやろ。あのカローラをベースにやな…」
勢いよくカローラランクスの解説を始めるつんくサン。
「あのー、これ何ですか?って、
そういう事を言っているんじゃないんですけど…」
その長くなりそうな説明を申し訳なさそうに遮る吉澤。
「なんやねん?そういう事を聞きたいのとちゃうんか?
とりあえずな、これからお前らにはこれに乗って働いてもらうんや。」
何事も無くつんくサンはこう言ってのけた。
「えー、カオリ、あのビデオで見た黒い車に乗りたい!」
ビデオで何度も見ていたあの黒いトランザム“KITT”に乗れると
信じていた私はショックを受けた。
「まー、そう贅沢言わんといてくれよ。
ちょっとな、スポンサーの都合上これになってしまったんや。」
苦笑いしながらつんくサンはこう答えた。
30モーニングライター:01/09/24 01:54 ID:3q5o8zTs

「あ、これってつんくサンがCMやってた車じゃないの?」
急に思い出したように矢口がそう叫んだ。
「そういえば…」
「スポンサーの都合って、実は貰ってきたんじゃないんですか?」
裕ちゃんが突っ込む。
あー、確かに。
そういえば昔、安室ちゃんがCMして「俺の彼女は超アムロ」とか
言ってた車を日産からプレゼントされたって話聞いた事あったっけ。
「まあまあ、あんまり勘ぐりなさんな。」
つんくサンはそう言ったが、裕ちゃんの突っ込みは
まんざら的外れでもなかったようだ。
その後、ホンダのスクーターDioとスクーピーが10台づつ運び込まれてきたのだから…
あっ、これって私達がCMしていたスクーターじゃない。
懐かしいなー。
なーんか、カッパに縛られて「4ストです。」とか言ってたコト思い出すなぁー
31モーニングライター:01/09/24 02:07 ID:3q5o8zTs

--作者よりひとこと--

10台のカローラランクス。なんて所からもお分かりの通り、
この作品の構想を練り始めたのは、まだ新メンバーがいない
2001年7月頃の9人メンバーの時でした。
そのため、新メンバー加入前に何としても発表したいと思っていたのですが
よりによって新メンバー発表前日に2ch閉鎖騒ぎ…
しばらく様子を見守る事にしました。その結果、羊の消滅…
ようやく復活したようなので書かせて貰っていますが
正直、4名ものメンバー追加にどう絡めて行くべきか戸惑っています。
32モーニングライター:01/09/26 00:25 ID:6gAQkIWE

10台もの新車のカローラランクスが並んだ前に立つつんくサン。
「とりあえずや、見ての通り、どれに乗っても全く同じ車や。でもな、」
つんくサンはこう付け加えた。
「外からは同じように見えるけど、この中で5台はオートマで5台はマニュアルや。
まあ、好きなやつを自分用に選んで練習でもしてくれや。」
そういった後、つんくサンは更に思い出したようにこう続けた。
「ただしや…。この車達、まだナンバーついてへんからな、
しばらく練習はこの敷地内のみにしてくれよ。」
そう言うとつんくサンはメンバー達の様子を見まわした。

圭ちゃんと吉澤あたりは
「やっぱり車はマニュアルじゃなきゃ面白くないわよね。」
とか言って、さっさとマニュアルの方に乗り込んだ。
矢口はちっこすぎてクラッチペダルに足が届かないと言う理由でオートマの方に。
裕ちゃんは、「ほんまはオートマの方がええんやけどな、石川が免許とれたら
間違いなくオートマやろ。そしたら数、あわへんようになるやん。」
等とぶつくさ言ってマニュアルの方を選んだ。
私は…、背の高さには問題なかったんだけど面倒だからオートマの方に。
後藤となっちは結構悩んでいた。
33モーニングライター:01/09/26 00:27 ID:6gAQkIWE

「あ、辻と加護はあっちな。」
そう言ってつんくサンは大量のスクーターの方を指差した。
「ふぉーすと?」
多分、絶対に意味は分かっていないと思うのだが
辻がスクーターについて唯一知っている単語をつぶやいている。
そんな辻を置いて加護は既に走り出していた。
「のの行こう。」
「あっ、亜依ぼん待って!」
そう叫びながら辻加護が“とてちて”という感じで走り去る。
その声に、私もその指差された先を見てみる。
20台のスクーターの山は、ランクス10台よりももっと気持ち悪く見えた。
遥遠くのスクーター置き場でまるでチャップリンの無声映画のような動きで
スクーターと格闘する辻加護の姿が少しおかしかった。
34モーニングライター:01/09/26 00:31 ID:6gAQkIWE

マニュアルの方を選んで乗り込んでしばらく練習していた吉澤の
カローラランクスがつんくサンのもとに近寄ってきた。
「あのー、つんくサン!この車、なんかギヤが変なんですけど。」
何故か助手席側の窓を下ろし吉澤が叫ぶ。
「なんやねん?」
「なんか、いっぱいあるんです…。しかも、
バックするギアが変な位置にあって…」
「はぁ?」
つんくサンは開いていた助手席から覗き込んで、
ようやく吉澤の言う事の意味を理解したかのように微笑みながらこう言った。
「おう、このミッションやろ。すごいやろ。6段マニュアルや。」
つんくサンが、嬉しそうに説明しているが、
吉澤にはまるで意味が伝わってない様子が伺える。
「6速マニュアルって言うたら凄いんやで。
国産車には数える程しかないんや。
相当なスポーツカーにしか与えられへん凄い装備なんや。」
つんくサンのそんな説明を聞いて
果たして理解できたのか出来なかったのか?
とにかく吉澤から発せられた言葉はこうだった。
「かっけー」
35モーニングライダー:01/09/27 00:14 ID:Y.SEaO4Q

ビデオで繰り返し見てきたあの黒いアメ車“KITT”に乗れない事に、
ショックを受けていた私だったが、つんくサンの考えがすぐに理解できた。
私の車は、納車の翌日には車庫入れに失敗してベコベコになってしまったのだ。
「んー、最初はやっぱこれくらい小さい車の方がいいのかな?」
最初から大きなアメ車ってのは無理ねと改めて思い直す。
「やっぱ、つんくサンは凄いわ。」
あの人には先見の明がある。

改めて車から降りて自分のカローラランクスを見直す。
これはあまりにも酷い…
私は夜中のうちに、こっそりと矢口の車とすり替えておいた。
36モーニングライター:01/09/27 00:16 ID:Y.SEaO4Q

しかし、朝起きたら、昨晩すりかえた筈の車は、
更にべコべコになって圭織の元に戻されていた。
おのれー、矢口め。
朝食の時に、じっと矢口の方を睨む。
しかし矢口は素知らぬ顔である。
「矢口めー」
思わず声が出る。
「ん、どうしたんですか?」
隣りにいた吉澤が不審そうに覗き込む。
「あ、いや何でもないの。」
私は慌ててこう言った。
「そうですか。」
そういうと吉澤は一心不乱にベーグルを食べ続けた。
37モーニングライター:01/09/27 00:19 ID:Y.SEaO4Q

朝食が済むと辻加護などの学生軍団は学校に出かける。
それ以外のメンバーは皆、学校というものからは卒業したため、
学園生活から離れる事、はや10数年の裕ちゃんを筆頭に
その他の学校卒業組はそれぞれに自由な時間を過ごす。
これが昨日までの私達の生活光景だった。
でも、こんな車が納車されたと言う事はいよいよ何か始まるのか?
私は何とも言えぬ嫌な予感を感じとっていた。
あ、そういえば圭ちゃんだけは最近見かけない。
どこいったんだろう?
そうだ、高橋、紺野、小川、新垣なんかはどうしたって?
なんか、モーニング財団って、ここ本部以外にも
他にも色々な場所に支部があるみたいなの。
あの4人は、今、信越支部だか何だかに派遣されてるみたい。
未だに、そのメンバーで一緒に派遣って、
まあ、同期の絆は固いってとこかな?
38モーニングライター:01/09/29 01:21 ID:Dy1jNqIY


−−嵐の前の…−−

それからしばらくしたある日、ナンバーが付いて車が戻ってきた。
「あれ、ひょっとして、このナンバープレートの番号って
コンサートの時のゼッケンみたいに何か意味があるんじゃない?」
相変わらず吉澤は鋭い。
確かにコンサートや運動会のゼッケンでさえ、何か意味ある番号を
ふってくるつんくサンの事。車のナンバープレートだったら
なおの事、何か意味を持たせてあるに違いない。

中澤:湘南530な・・30
飯田:湘南530た・・11
安倍:湘南530な・723
保田:湘南530け・・・1
矢口:湘南530ま・145
後藤:湘南530ま・510
吉澤:湘南530よ4313
石川:湘南530り・・14
辻 :湘南530の・149
加護:湘南530み・148
39モーニングライター:01/09/29 01:24 ID:Dy1jNqIY

裕ちゃんが1台ずつ分析しながらこう言った。
「えっと、723(なつみ)と510(ゴトー)はすぐに分かるやろ、
あ、ミニモニの3人のは身長やろ。
吉澤のはなんや?「よ43−13」ってこれでヨシザーヒトミか?
石川のは「14CAR(イシカー)」って意味か。くぁー。」
「って、大問題は私の「“な”の30」や。
これってなかざわ三十路って意味かい!ウガー!!」
「こんな恥ずかしいもんさらして表に出れるかいっ!!!」
向こうでそう叫びながら、裕ちゃんが狂ったように暴れている。
この番号をわざわざ選んできたのはつんくサンだろう。
危険を予感したのか今日はつんくサンはいない。やはりあの人には先見の明がある。
さすがは名プロデューサーだ。
私の車は、逆さから読んで「11た(いいた)」なのかしら?んー、わかんない。

「いたいたいた痛い!。」
裕ちゃんが腹いせに矢口のほっぺたをつねっている。
何だか、遊んでいるだけのようなこの楽しい生活。
本当にこれでいいのかなぁ。
40モーニングライター:01/09/29 01:26 ID:Dy1jNqIY

−−指令。−−

その日の晩、ついに私達メンバーはつんくサンに集合させられた。
ここはモーニング財団本部の会議室。
窓際のデスクにつんくサンが座り、その机の周りに私達は集められている。
「お前ら、何度もナイトライダーのビデオを見て分かっている事と思う。」
わ、いよいよね。どんな指令をされるのかドキドキしている私。
「お前らには、法の目を逃れる巨大な悪に立ち向かってもらう。」
「おぉ」とか言って辻はすごいものを見る眼差しでつんくサンを見つめる。
意味わかってんのかしら?
みんな真剣につんくサンの次の言葉を待つ。
「しっかり聞いてくれよ。実はな、最近俺、車盗まれてん。
まずは、車泥棒から俺の車取り返してきてくれや。」
「は?」意外な指令に思わず聞き返した。
「それって巨大な悪なんですか?」
「悪に巨大も何もあるかい!いいから車、取り返してくれや。」
そう言ったつんくサンの言葉を聞き、
巨大なテロ軍団なんかと闘うんだと思っていた私は
何だか、肩透かしを食ったような気がした。
うーん、何か想像してたのと違うなー。
この指令って、私達を利用して完全に公私混同してるような気が…
41モーニングライター:01/09/29 01:29 ID:Dy1jNqIY

「でも、それって警察の仕事じゃないんですか?」
と当然の疑問を後藤が口にする。
普段の後藤だったら、面倒な事はやりたくないという様子が見え見えで、
文句の1つも言ってやろうと思うのだが今日は違う。
まともな事を言っているのだ。
「そやな。俺も最初はそう思った。」
後藤の意見を素直に認めるつんくサン。
「でもな」
しかし、すぐにつんくサンは改まったようにこう言う。
「あいつら、ただの車泥棒やない。多分な、多分やけど、
相当巨大な自動車窃盗団や。裏に大きな力が働いてるな。」
「なんですか?それ、どういう事なんですか?」と後藤。
「警察との癒着や。」
「そんな馬鹿な」思わずつぶやく私。
「俺も最初は信じられなかった。でもな、これを見てくれ。」
「おーい保田!」
突然つんくサンが大声をあげて奥から圭ちゃんを呼ぶ。
つんくサンに呼ばれ、大きなスライドの機械を抱えて圭ちゃんが現れる。
「実はな、この数週間、保田に頼んで調査して貰ってたんや。」
え、何々、圭ちゃんそんなことしてたんだ。私は驚く。
何か探偵っぽくて格好いい。
圭ちゃんは壁に向かってスライドを映し出して説明をはじめた。
42モーニングライター:01/09/29 01:30 ID:Dy1jNqIY

「私はつんくサンに頼まれて、この数週間、
ある1台の車を追い続けて、このカメラで撮り続けたわ。」
さすがカメラマニア圭ちゃん。
むかーし、“ハロモニ”の番組のラストのコーナーでよく見掛けた
何となく見覚えのある一眼レフカメラを片手に説明しだした圭ちゃん。

スライドに映し出されたのはある新聞記事の切り抜きだった。
<高級車、また盗難>
「この1ヶ月間、この付近だけで30件の自動車盗難事件が起こっているわ。
異常よ。一日一件の計算だわ。」
カシャ
「実はね、車が盗まれた現場にかなりの確立で現れる不審な車がいるのよ。」
スライドに1枚の写真が映し出される。
「これが問題の車よ」
スライドには1台の青いスポーツカーが写っている。
「シボレーコルベット、アメリカの車よ」
「付近の目撃者の情報によると、盗難の前後には必ずと言っていいほど
近くでこの車が目撃されているのよ。」
圭ちゃんはそう言って次々と写真の説明をしていった。
43モーニングライター:01/09/29 01:32 ID:Dy1jNqIY

カシャッ・カシャッ。次々にスライドの写真が変わっていく。
そこに映し出されるのは激しく暴走するコルベットの写真。
その運転席をアップで映した写真もあった。
しかし、その運転席には濃いスモークフィルムが貼られていて中は見えない。
カシャッ
スライドは次の写真へと変わる。
暴走中のコルベットを黙認する検問中の警官達の写真。
「えっ」と私「何で、何で捕まえないのよ」
「驚いた?」圭ちゃんがそう尋ねる。
「私はこの時、その一部始終を見ていたわ。
これ一般道だけどね、間違いなく、あの時100キロ以上は出てたわね。
でもね、そこにいた警官達は止めようと動く気配もないのよ。他の車は
次々と捕まってるのに、完全に黙認って感じで素通しよ。」
44モーニングライター:01/09/29 01:35 ID:Dy1jNqIY

「それだけじゃないのよ」
カシャッ 圭ちゃんがスライドを切り替える。
スライドに映されたのは、またしても新聞記事。
<現金輸送車襲撃、9000万円強奪>
−−白昼堂々と。警備員ら2名、重体(神奈川)−−
カシャッ。またスライドが変わる。
「何よっ、これ」
裕ちゃんが驚きの声をあげる。
そこに写っていたのは現金輸送車を襲うコルベット。
その写真には、細い裏路地でコルベットが輸送車の行く手を塞ぎ、
現金輸送車の後ろを黒いセダンが挟み込むようにして
現金輸送車をブロックしている様子が写されている。
「をぉ、強盗銀行。」
と加護。
「もー、銀行強盗でしょ」
と石川が突っ込む。
「これって、自動車泥棒とかいう問題じゃないですか。」
そして石川が素直にその驚きを口にした。
45モーニングライター:01/09/29 01:38 ID:Dy1jNqIY

−−モーニング財団始動−−

ひと通り圭ちゃんの持ってきたスライドを見終わった時、
つんくサンが、皆の目を見ながら、こう口を開いた。
「見てのとおり、やりたい放題や。」
「こういう法の目を逃れる犯罪者達を追うのがお前達の仕事や。
やってくれるな。」
みんなの顔を1人1人見るつんくサン。
「よっしゃー!」
突然、そう叫ぶと、裕ちゃんが中央に向かって右手を差し出す。
その裕ちゃんの手の上に1人ずつ手をおき、円陣を組むメンバー。
「オー!」
その“のり”は、モーニング娘。時代と全く変わっていなかった。

そして、この日、ついに“モーニング財団”が始動した。
46モーニングライター:01/10/02 00:30 ID:VKQ.1fU2
更新します。
47モーニングライター:01/10/02 00:33 ID:VKQ.1fU2

−−ケータイ・コンビニ・スクーピー。−−


「呼んどいて、おせーんだよ」
私と辻加護は、矢口に呼ばれて近所のコンビニの前で待っていた。
「んー、そのセリフどっかできいたようなきがします。」
辻がそういう。
「そうかもね。」

コンビニへは、私は自分のカローラランクスで、
そして辻加護はそれぞれにスクーピーで乗り付けていた。
私達3人は自分達の車とスクーターを、コンビニの駐車場の中でも
一番隅っこの方に停めて矢口がここへ来るのをを待っていた。
なかでも、辻の乗ってきたスクーピーはモーニング財団によって
フルチューンされた、通称「モーニング50」と呼ばれているもので
詳しい事はよく知らないが、その最高速は時速200キロを越え、
その他にも多数の特殊装備が備わっていると言う。
「へー、すごいねー。」
等と言いながら辻の乗って来たスクーピーを見ていたその時だった。
48モーニングライター:01/10/02 00:39 ID:VKQ.1fU2

コンビニの向こうから、ものすごい爆音を立てて暴走してくる青い車が現れた。
とても正気とは思えないスピードだ。
「あ、あれつんくサンが言ってた。」
そう口にしたのは辻だったが私も全く同じ事を考えていた。
…あの例の青いコルベットに違いない…
続いて、今度は激しくタイヤを鳴かせながら黄色い暴走車がかっとんで来た。
そう思っていると、今度は叫び声が。
その声に振り返ってみると
「ドロボー!、自動車泥棒!」
と叫びながら青い顔をして“元シャ乱Q”のまことサン似の男の人が走ってくる。
「どうしたんですかっ」
私は駆け寄る。
「あの車、あの黄色いポルシェ、俺の車や…」
まことサン似の男の人はそう言うと、突然路上に倒れこんで動かなくなった。
「ど、どうしたんですか!」
そう言いながら、ふと後頭部を見ると血が噴出している。
「きゃーーーーーっ!」
私は思わずへたり込んだ。
「い、飯田さんっ」
加護が青い顔で叫んだ。
49モーニングライター:01/10/02 00:40 ID:VKQ.1fU2

「カゴッ救急車っ」
「はっ、はいー!」
いけない、落ち着かなきゃ・・・
私は自分にこう言い聞かせながら、
血が噴き出している男の後頭部をよく見ると、
スパナか何かで思い切り殴られたような傷があった。
「いいらさん…」
そこには涙目の辻がいた。
「追うのよ!」
私はとっさに辻にこう命令していた。

「この先は1本道のはずよ。
辻、あんたのスクーターならこの細い路地を入って先回りできる。」
コンビニの横には、丁度、自転車しか通れないような細い小道が続いていた。
「はいっ」
元気よく辻が答える。
相変わらずかわいい奴だ。
50モーニングライター:01/10/02 00:42 ID:VKQ.1fU2

「私は、このままあの暴走車の後を追うから、辻はその路地から先回りするのよ!」
「りょうかいです。」
と辻は、いつものミニモニポーズで私に応える。
「加護っ」
「はっ、はいー。」
慌てふためいて返事をする加護。
「あんたは早速財団本部に連絡するのよ。」
次々とテキパキ指示していく自分のその姿に、うーん、我ながらリーダーらしい。と感動する。
「んじゃ、早速矢口さんの携帯に…んーと、んーと」
加護は携帯の画面を何だかいじくっている。
少し不安は残るが電話くらいは出来るだろう。
51モーニングライター:01/10/02 00:46 ID:VKQ.1fU2

「あっ、そうだ、亜依ちゃん。今買ったアイス
持ってて欲しいのれすよ。後で一緒に食べようね。」
つい先程、コンビニで買ったばかりのアイスを加護に手渡す辻。
こんな状況でも、相変わらずそんな事を言っている辻を見て、
今まで緊張していた私だったが、思わず笑いそうになってしまった。
かつて、つんくサンが言っていた辻の
「一瞬にして周りの雰囲気を変えてしまう才能」ってこの事なのよねぇ・・・
そんな事を考えている間に、
モーニング財団フルチューンのスクーピー「モーニング50」に
乗った辻は、キーンという凄い音と共に風のように見えなくなった。
さすがはフルチューンスクーター、なんて事を思いながら
私も急いで自分の車に乗り込むと、シートベルトを締め、慌てて後を追った。
52モーニングライター:01/10/04 00:21 ID:zYnBBynU


−−ザ・チェイス−−


「どうしてよ、どうして追いつけないのよ!」
私は、完全に頭に血が上っていた。
暴走車達は全部で2台。
例の青いコルベットとそれに続いて黄色いポルシェ911カレラ。
私1人で追いかけて捕まえた所で何が出来るか分からない。
でも、今の私にそんな事を考えている余裕はなかった。
何しろ、目の前で血だらけの人間が倒れている様を見ているのだから…。
しかし、頑張ってはいるのだが全く追いつかない。
気が付くと、車のスピードメーターは既に振り切れていた。
今まで夢中になっていて気づかなかったが、そのスピードに
急にハンドルを握る私の手からは汗がにじんできた。
うう、手に汗握るとはまさにこの事を言うのね。
53モーニングライター:01/10/04 00:24 ID:zYnBBynU

これは、ほんのちょっとのミスが命取りだ。
と思った瞬間、不意にブルーのコルベットの後ろを走っていた
黄色いポルシェがスピンしだした。
「ちょっとー!何でこっちくんのよー!」
ポルシェは凄い速さで回転しながら、まっすぐこっちへ向かってくる。

「あぶないっ」
私はとっさに思いっきりハンドルを左に切った。
間一髪、私はポルシェを避ける事が出来た。が、
次の瞬間、私のカローラランクスは側面からガードレールに接触し大破した。
一瞬にしてサイドウインドウが吹っ飛ぶ。
割れたサイドウインドウの破片が真っ直ぐ私の体に向かって突き刺さってくる。

「いいらさん!」
54モーニングライター:01/10/04 00:26 ID:zYnBBynU

一方、飯田に指示された通りに矢口の携帯に連絡し、
後から駆け付けた矢口達に道だけ伝えてコンビニで見送った加護。
加護は、たった1人取り残されたコンビニの前でじっと待っていた。

「飯田さん、のの頑張って・・・」

そう呟いた瞬間、辻から渡されていたアイスクリームが
加護の手から、まっさかさまに地面に落ちた。
「あーーあーー」
ベチャッ
「ああぁ、のののアイス…」
無残にも、辺りのアスファルトに飛び散るアイスクリーム。

その時、加護は何故か何ともいえぬ嫌な予感を感じ取っていた。
--ゾクゾク…--
--なんや、この嫌な感じは…。--
「のの…」
「また、一緒にアイス食べれるよね…」
55モーニングライター:01/10/04 00:29 ID:zYnBBynU

「いいらさん!」

完全に直進性を失って、まるでコマのように回る黄色いポルシェ911。
そこには、先程の細い裏路地を先回りして待っていた辻がいた。
「辻!逃げて!」
私は必死に叫んだが、ガラスの破片とヒビの入ったフロントガラスのおかげで
前が良く見えない。
辻が避ける間もなく黄色い暴走車は辻のスクーターにHITした。
いくらモーニング財団フルチューンで、
ミサイルが飛び出すという恐るべき改造スクーターとはいえ、
所詮は体が外部に剥き出しにさらされているバイクである。
そんなスクーターの辻は、
車に直撃されたらひとたまりもなかった。
56モーニングライター:01/10/04 00:31 ID:zYnBBynU

私は、ヒビだらけのフロントウインドウ越しに辻の体が宙を舞うのを見た気がした。
そのあと、だんだん消えゆく視界の中で、ポルシェのテールランプだと思われる
赤い光が走り去っていくのを感じた。

「辻!辻!」「つじー!」
あ、なっちの声だ…。でも目の前は真っ暗で何も見えない。
「か、カオリ!」「カオリッ!カオ!」
矢口の声も聞こえる…。
明かりを失った私の目からは、何故か涙がポロポロとこぼれ落ちてきた。

「カオリ−−−−!」
外から聞こえてくる矢口の声。それはほとんど絶叫に近かった。
「矢口…、呼んどいてホントにおせーんだよ…」
朦朧とする意識の中、私はこれだけを口にするのが精一杯だった。

そして、私は全くの無意識に口からこんな言葉を発していた。
「さよなら…」
私の意識はここで途絶えた。
57モーニングライター:01/10/04 00:32 ID:zYnBBynU

 次回に続く。
58名無し娘。:01/10/06 00:35 ID:6A3gGl/g
つっこみ失礼。
黒いトランザムは「ナイト2000」で積んであるコンピューターが「kitt」。
59モーニングライター:01/10/07 01:46 ID:zuCavNEA
>58
うれしいですねぇ。ナイトライダーに詳しい人からの突っ込み。
ひょっとして古すぎてついて来れる人が居ないかも知れない
という不安もありましたから・・・
次回から、大きく場面転換しまして
若干、様子が変わります。
そうですねぇ。
61名無し娘。:01/10/08 05:36 ID:1r.Q.tzs
62名無しさん:01/10/08 13:04 ID:qzm30ALQ
いいらさん死んじゃったの?
63モーニングライター:01/10/09 01:37 ID:anyilLJ2

更新します。
64モーニングライター:01/10/09 01:40 ID:anyilLJ2

−−悲劇の夜。−−

それから数時間後、
モーニング財団本部の会議室にメンバー全員が集まっていた。
飯田と辻を除いて…。
窓際のデスクに、先程病院から帰ってきたばかりのつんくが黙って腰をおろした。

「それで、圭織と辻はどうなったんですかっ?」
興奮してつんくに詰め寄る中澤。

両手を机の上で組んで、何も言わずにただ黙ったままのつんく。
組んだ両手の親指を立て眉間に当てて、うつむいている。
そのまま長い沈黙の時間が続いた。

その様子に何かを悟ったように、メンバー達はすすり泣きをはじめた。

「私、何も出来なかった…。」
長い沈黙を破って、最初にこう呟いたのは加護だった。
「私、私、一緒にいたのに何にも出来なかった。」
加護はそう言って泣きじゃくった。
65モーニングライター:01/10/09 01:43 ID:anyilLJ2

「私、私、一緒にいたのに。いたのに…。
ののと飯田さんと最後まで一緒に居たのに…」
「でも、何もできなかった。」
泣きながら加護はこう繰り返し続けた。

「加護のせいじゃない。
あの時、私が、私がコンビニ行こうなんて誘わなければ…
私が遅れなければ、コンビニで待っててなんて、先に行って待っててなんて!
あの時誘わなければ良かったんだ!!」
加護を慰めようとして喋り出した矢口だったが、
その矢口の方が、むしろ激しい興奮状態に陥っていた。

「なっちだって、なっちだって…」
ずっと泣き続けている安倍の顔はもう涙でぐちゃぐちゃだった。
「なっちだって、あの時、矢口を引き止めなければ…。なっちも一緒に
連れてってなんて…。ちょっと待っててなんて言わなければ良かったんだ。」
66モーニングライター:01/10/09 01:46 ID:anyilLJ2

「いいかげんにせえよ!」
「誰が悪いわけでもないんや!」
たまらなくなった中澤がそう怒鳴り声をあげた。
しかし、そう怒鳴った中澤の声も涙声で、張りのない情けない声だった。

石川はもう立っていることも出来ない様子で、床にへたり込んで大声で泣いていた。
壁の方を向いて、ただひたすら壁を叩く吉澤。その目からは涙が溢れ出ていた。
後藤は、一番隅の壁際で、目からこぼれ落ちる涙を必死に手で拭おうとしながら
じっと耐えるようにして声も出さずに泣いていた。
後藤の足元にはポタポタと大粒の涙がこぼれ続けた。
いつまでも…
67モーニングライター:01/10/09 01:52 ID:anyilLJ2

「俺が間違ってたんやな…」
急につんくが呟いた。
「つんくサン…」
顔を上げたのは矢口だ。
「そもそも免許とったかとらないかのような、お前らに、
あんな奴らを相手させてたコトが間違いやったんや。」
椅子に座ってうつむいたまま、つんくはこう言った。
「なんで、わかってて、分かっててやらせたんですか!
そんな事、最初からわかってた事じゃないですか!」
泣きながらつんくの机を激しく叩いて興奮する矢口。
「すまん。本当に…すまん」
消え入りそうな声のつんく。
つんくの胸倉に掴み掛かりそうな勢いの矢口に、
中澤と保田が後ろから暴れる矢口を押さえつける。
「全て俺の責任や。この責任は俺が取る。」
そう言うと、椅子から立ち上がるつんく。
68モーニングライター:01/10/09 01:54 ID:anyilLJ2

「責任ってどうするつもりなんですか!」
安倍が尋ねる。
「安心しろ。お前達には迷惑かけんよ。」
そう言って部屋を出て行こうとするつんく。

その時、安倍が、出口のドアの前に両手を大きく広げてつんくの行く手を阻んだ。
「私にも手伝わせてください。私に、私にも敵討ちさせて下さい。」
そこには、必死の形相でつんくに呼びかける安倍の姿があった。
「安倍…」
「私達がこのままの気持ちで終れると思ってるんですか!」
そう叫んだのは矢口だった。
「矢口だけやないで。」
中澤が口を開いた。
「みーんな同じ気持ちや。」
そう言ってメンバー全員を見回す中澤。
そんな中澤の無言の合図に、それぞれに頷くメンバー達。
「ありがとう。」
つんくはそう言って微笑んだ。
69モーニングライター:01/10/10 01:32 ID:Qj9p.Tx.
 
70モーニングライター:01/10/10 01:34 ID:Qj9p.Tx.

−−報復−−


「まずは、あいつらをおびき出す。」
モーニング財団本部では、緊急作戦会議が行われていた。
「具体的にどうするんですか?」
中澤がつんくに尋ねる。
「奴らは高級車しか狙わない。カローラランクスじゃ見向きもされへんやろう。
そこで、あそこにリムジンを用意した。」
つんくが指差した先にはBMWの750iLをストレッチしたリムジンがあった。
「すごーい」
と真剣に感激する矢口。
「外見だけやないで。あのリムジンな、何年か前にピアース・ブロスナンの
007の映画で見たボンドカーをイメージして作ったんや。」
自慢げにリムジンについて語るつんくの姿はまるで子供のようだった。

「あれを囮にあいつらをおびき寄せる。トゥモロー・ネバー・ダイや。」
何やらよく分からないが、そう言ったつんくの目には闘志がみなぎっていた。
71モーニングライター:01/10/10 01:36 ID:Qj9p.Tx.

その日から「自動車窃盗団おびき寄せ作戦」が始まった。
とりあえずメンバー1、小さい矢口が
BMWのトランクの中に隠れる事になった。

「えー!何で矢口なんですか!」
と最初はそう言って反抗していた矢口。

「んんんー、抜けないー!」
しかし、その時トランクの方向から後藤の苦しそうなうめき声が聞こえた。
「な、何してんのよ!ごっつぁん!」
慌てて後藤の元に走り寄る矢口。
「んー、何かねー、面白そうだったから入ろうと思ったら抜けなくなったの」
焦った様子で、トランクの中でもがいている後藤。
すりむいて手から血まで流しているのを見て、矢口はつんくと顔を見合わせて苦笑する。
メンバーみんなで後藤をBMWのトランクから引っ張り出すと矢口は、
「入り方が違うんだよ。こうやってさ、斜めから入るんだよ。」
と慣れた様子でスルスルと実演してみせる。
どうやら矢口は、中に入れるのは自分しかいない…と観念したようだ。

BMWのトランクには矢口の他に、外部のビデオカメラの
モニターも兼ねたノートパソコンと無線機が設置された。
冷蔵庫も欲しいという矢口の要望によって小型冷蔵庫も設置されたが
ちっちゃな矢口が収まると、それでもまだまだ余裕があった。
「頼むで、矢口」
というつんくに矢口は笑顔で応えた。
72モーニングライター:01/10/12 00:36 ID:C8ez9Y9c

−−作戦1日目−−

吉澤がBMWのリムジンのドライバーを務め、中澤がそのリアシートに納まる。
その姿は、まるでナイトライダーのオープニングの“よき理解者”のようだ。
そして、その周囲を安倍と後藤のランクスがいつでも対応できるように追跡する。
また、どんな細い道や渋滞路にも対応できるように、
フルチューンスクーター“モーニング50”に乗った加護も追跡している。
その他のメンバーは財団本部につんく、石川、保田と待機した。

しかし、1日目は何も起きなかった。
「ま、簡単には事は起きんわな。」
中澤が呟いた。
「矢口、お疲れ。」
そう言って中澤がリアシートのトランクスルー機構を倒してトランクの
矢口を覗き込むと、矢口は気持ちよさそうにクークー寝ていた。
「なんや、気楽なもんやな…」
そんな矢口を見て中澤は苦笑した。
73モーニングライター:01/10/12 00:38 ID:C8ez9Y9c

−−作戦2日目−−

そして2日目も何も起きなかった。
なるべくこのリムジンを目立たせるために吉澤と中澤は、
あちこちを走り回るようにしたが、まだ窃盗団の目には止まらないのだろうか?
運転しながら吉澤はこう言う。
「何だか長くて“うなぎ犬”みたいな車ですね。」
「リムジンは元々長いもんやねん」
2人は車内で、そんな訳の分からない会話を交わしていた。

<<作戦3日目>>
3日目も何も起きなかった。次第にメンバー達に焦りの表情が出始める。
しかし、トランクの矢口は、まるっきり焦った様子等なく
冷蔵庫のジュース片手にクークー寝ていた。

<<作戦7日目>>
作戦開始から早1週間、何も起こらないこの状況に、
メンバー達には疲労の色が見え始めた。
「こんな時こそ、気ぃ引き締めなあかんで。」
つんくはそう言ってメンバー達を激励した。
しかし、そういう気の緩んだ時にこそ物事は起きるものであり、
今回の件に関しても例外ではなかった。
74名無しさん:01/10/13 14:07 ID:b9vi7dWA
( ´D`)ののも死んだのれすか?
75モーニングライター:01/10/14 00:56 ID:erPf61Qg
更新します。
76モーニングライター:01/10/14 00:58 ID:erPf61Qg

−−中澤と吉澤−−

「結局1週間、何もありませんでしたね…。」
それは、中澤と吉澤がリムジンを停めて、
中華ファミリーレストラン“Yummys”で夕食を取っていた時の事だった。
ここは、普段からモーニング財団のメンバー達、言い換えれば
モーニング娘。達なのだが、そんな彼女達が利用している
中華ファミリーレストラン、いわゆる“ファミレス”である。

「すみませーん、飲茶楼くださーい」
「わたしもー」
「しっかし、やっぱり、私達が乗っていたら相手も行動起こしにくいですよね。」
「そうやな。」
吉澤と中澤は、レストラン“Yummys”の中で、こんな呑気な会話を交わしていた。
果たしてその読みは当たっていた。

「裕ちゃん、裕ちゃんっ」
ファミレスで食事中の中澤の腕時計型無線機に、
安倍から連絡が入った。
「なんやっ」
中澤はその声に、ただならぬ様子を感じとる。
「裕ちゃん、やられたよ。車、盗られちゃったよ。」
「え!」
中澤は思わず飲みかけていた飲茶楼をふきだした。
77モーニングライター:01/10/14 01:13 ID:erPf61Qg

腕時計型無線機からの安倍の声に、顔を見合わせる中澤と吉澤。
次の瞬間、吉澤は猛ダッシュしていた。
「ちょっと、待っ…!」
中澤が何か言おうとする間もなく吉澤は店の外へ。
ゲホッ、ゲホッ
吉澤に向かって急に何かを言おうと思って大声をあげた中澤は、
先程ふき出した飲茶楼の残りが逆流して激しくむせた。
「ゼェゼェ。うぇー、
ヘルシーなはずの飲茶楼で危うく死ぬとこやったわ…」
そう言って、次に中澤が顔をあげた時には、
既に吉澤の姿は中澤の視界からは消えてしまっていた。
中澤も急いで立ち上がると後を追った。
しかし、中澤はレジの前で
「お客さん、お会計を。」
と店員に捕まってしまう。
「あー、もー、まどろっこしいなー。
もういい、釣りは取っといて!」
そう言って中澤は1万円札をレジ係に無造作に渡すと
そのまま吉澤のあとを追った。
78モーニングライター:01/10/14 01:20 ID:erPf61Qg

吉澤と中澤がBMWのリムジンを停めたはずの場所に戻ってみると
既に矢口を載せたBMWの姿は影も形もなかった。

「矢口、後は任せたで…。」
中澤はそう呟いて、遠い彼方を見た。

と、格好よくドラマ風に決めてから中澤は気づいた。
「あのリムジン乗ってかれたら、うちら、どうやって帰んねん!」
「あっ」
吉澤も事の重要さに今更ながらに気づく。
「どうしましょう…」
リムジンを見張っていた安倍と後藤の車も、
リムジンを追って行ったようで見当たらない。
「少しぐらい待てやー!」
切れやすい中澤は早くも切れ、道路に向かって石を投げつけた。
「ハッ!、こんな事なら、さっきのお釣り貰ってくるんだった。
今からでも遅くない。あっ領収書も書いて貰おう。
吉澤−!、ちょっとお釣り取り返してくるわー。」
そういうと中澤は走り去っていた。
「はぁ?」
吉澤は訳がわからないまま、1人そこに取り残された。
79モーニングライター:01/10/15 01:03 ID:VN3QVt34

−−後藤真希−−

しばらくたって、ようやく中澤が吉澤の元に戻ってきた。
「中澤さん!」
すると興奮したように吉澤が話し掛けてくる。
吉澤は何かに気づいた様子だ。
「おう、ご免ご免。
ん?なんや、よっすぃー」
中澤が後ろを向くと、そこにはリムジンを追って行ったはずの
後藤のカローラランクスが止まっていた。
「ナンバー、・510。間違いない後藤の車や。」
その車に近寄ってみる2人。
果たして、後藤は車の中で寝ていた。
お互いの顔を見合わせる中澤と吉澤。
「ごっちん、ごっちん!」
中澤と吉澤は、2人して
後藤のランクスの窓ガラスをバンバン叩いた。
「んあ?」
そのけたたましさに、ようやく目覚める後藤。
80モーニングライター:01/10/15 01:05 ID:VN3QVt34

「あれ!裕ちゃん、あ、はっ、リムジンは?」
ようやく我に返る後藤。
「“は”やないわ!。御覧の通り、盗まれたんや。」
としかめっ面で語る中澤。
「いつの間に…」
後藤は驚いた顔でただ呆然と辺りを見まわしている。
「いつの間にやないわ…。まあええ。
あんたが居てくれて助かったわ。吉澤、乗りぃや。」
バタンバタン
後藤のランクスに乗り込む2人。
「ともかく、うちらも後を追うで!」
助手席に乗り込んだ中澤は、吉澤が後部座席に乗り込んで
ドアを閉めたのを確認すると運転席の後藤に向かってこう叫んだ。
ブロロロロロ。
中澤の指示で3人乗せた後藤のランクスが発進した。
81( ´D`):01/10/15 15:32 ID:dUS/27zR
>>62
最初の語り口からしていいらさんが主役のはずなのれす。
だから復活をまつのれす。

で・・・ののはどうなってしまうのれしょう?
82名無しさん:01/10/15 21:42 ID:E66INyUP
>>77
ヘルシーなはずの飲茶楼で危うく死ぬとこやったわ にワラタ
83モーニングライター:01/10/16 00:47 ID:dQoPZxxH
感想など自由に書いて下さって構いませんよ。それでは更新します。
84モーニングライター:01/10/16 00:49 ID:dQoPZxxH

−−安倍と加護−−

安倍・後藤・加護はそれぞれに目立たない場所に車を停めて、
中澤と吉澤がリムジンから離れてファミレスへ入って行く様子を、
じっと見張っていた。
“Yummys”と大きく書かれたそのファミレスのネオン看板の上には、
10人の妖精のマスコットが乗っかっていた。
あの妖精どっかで見た事あるなー・・・
安倍は看板を見上げながらそんな事を思っていた。

「うーん、何だかなっちも、おなか空いちゃったなー」
安倍が、後藤と加護に無線で話し掛ける。
その時だった。
「安倍さん!」
加護の叫び声が無線越しに安倍の車の中に響く。
どこからともなく例の青いコルベットが現れたのだ。
「加護っ、いい?落ち着くのよ!」
加護に向かって言ったつもりのこの言葉だったが、
半分は安倍自分自身に言い聞かせるものだった。
落ち着かなきゃ。
85モーニングライター:01/10/16 00:52 ID:dQoPZxxH

青いコルベットの助手席から、帽子を深く被った明らかに怪しい男が
降り立つと、真っ直ぐに矢口の乗ったリムジンの方に向かう。
きたね。安倍は心の中でそう呟いていた。

何なくリムジンのカギを開けてしまう帽子の男。
そいつは、リムジンに乗り込むと、
程なくしてエンジンを掛けてリムジンをスタートさせた。
その後を青いコルベットが続いて行くが、
その運転席には濃いスモークがかかっていて
残念ながら中の様子を知ることは出来ない。

次の瞬間、安倍の車の横を加護のスクーピーがすごい勢いで駆け抜けて行った。
「加護っ、駄目!待ちなさい!」
慌てて安倍が無線機で加護を止める。
「え、でも、行っちゃいます。」
加護は納得のいかない様子で安倍の無線にこう応える。
「あいつらをゆっくり尾行するの。
あいつらのアジトを突き止めるのよ。いい?」
「いくよ、ごっつぁん、加護っ!」
そう言うと安倍は車をスタートさせた。
加護も慌てて安倍の車に続いて行った。

しかし安倍も加護も、この時、
まさか後藤がすっかり寝入っているとは知る由もなかった…。
86モーニングライター:01/10/16 00:54 ID:dQoPZxxH

安倍はランクスの無線機でモーニング財団本部と中澤を呼び出す。
「なんやっ」
中澤はその呼びかけに何事かと言う感じで応答する。
「裕ちゃん、やられたよ。車、盗られちゃったよ。」
「え!」
慌てる中澤。
「裕ちゃん、任せてよ。私とごっつぁんと加護で追跡してるから。」
その頃、中澤は、安倍の無線もそこそこに、
駐車場に向かって猛ダッシュしていた。

安倍はバックミラーで後の様子をチラッと確認する。
その時、安倍の視界には加護のスクーピーしか入っていなかったが
後藤もその後ろからついてきているものだと確信していた。

しかし、その頃後藤は・・・
「ZZZ…」
まだ眠っていた。
87モーニングライター:01/10/17 01:44 ID:pbfwzvhO

--<※FAMILY RESTAURANT Yummys>--
ひょっとしたら、「中華ファミリーレストランYummys」と言われても、
いまいちピンと来ない方もおられるかも知れませんので補足します。
2000年3月、モーニング娘7人メンバーで出演した飲茶楼の初代CMの
舞台が「中華ファミリーレストランYummys」でした。
このCMでは7人の妖精達が、このファミレスを舞台に飲んだり食べたり大騒ぎ。
最後に、大きな看板の上に乗っかった7人の妖精達が、
飲茶楼片手に「すっきりいけちゃう」と言っているシーンで
「FAMILY RESTAURANT Yummys」の文字がしっかりと確認できます。
そんな訳で>>84の10人は7人の妖精の間違いです。
88モーニングライター:01/10/17 01:45 ID:pbfwzvhO

−−加護亜依−−

「加護、今の帽子の男の顔見た?」
BMWを追跡しながら安倍が加護に向かって尋ねる。
「いえ、よく見えませんでした…。一瞬だったし…」
加護は自信なさげにこう答えた。
その無線のやり取りを財団本部で聞いていた保田が無線に割り込んできた。
「カゴッ。いい?よく聞くのよ。」
保田が呼びかける。
「はい、聞いてます。」
急な保田からの呼びかけに少し驚く加護。
「あの時、圭織と辻を巻き込んだ車の運転手の顔をみてるのはあんただけなの。」
保田は幼い子に諭すようにゆっくりと説明する。
「はい」
「加護だけが犯人の顔を確認できるの。いい?」
89モーニングライター:01/10/17 01:46 ID:pbfwzvhO

保田は更に続ける。
「あんたの乗っているスクーピーのね、
ハンドルのグリップの両端にはデジカメがついてるわ。
相手の車の運転手の横に並んで、その一瞬にばれないように
シャッターのスイッチを押すの。出来る?」
そう言い終えて、保田はふと、加護には少し荷が重いかなと考えていた。

「やってみます」
しかし、保田の問いかけに加護は即答した。
「よーし、シャッターはウインカーのボタンの位置よ。」
保田はいい子だという感じで加護に説明した。
「はいっ」
そう言うと加護は、スピードを上げ、
安倍のランクスの横をすり抜けてリムジンの横に並んだ。
そしてリムジンをすり抜けるほんの一瞬。
加護はシャッターを何度も押した。
90モーニングライター:01/10/17 01:48 ID:pbfwzvhO

加護はリムジンを追い抜いてその前に出ると、怪しまれないように
次の信号をリムジンとは逆の方向に曲がった。
交差点を曲がると、すぐにスクーターを停め、無線で保田を呼び出す。
「保田さん、今のデジカメの画像ってどうやって見るんですか?」
「どう上手く撮れた?」
保田が心配そうに尋ねる。
「うーん、でもいっぱいシャッター押しました。」
加護らしい答えに保田は苦笑する。
「まあいいわ。一枚くらい上手く撮れてるわよ。
写真の出し方はね、メーターのパネル分かる?」
保田は加護に説明をはじめた。
その説明を聞きながら色々といじくる加護。
「あ、出ました。」
「お、いいじゃない。
同じ写真が今、財団本部のパソコンの方にも転送されてきたわ。」

「保田さん、私、思い出しました。」
無線機から、普段とは違う静かな口調の加護の声が聞こえてきた。
「あの日、ののと飯田さんと一緒に見た黄色い車の運転手です。」
加護はそう断言した。
91モーニングライター:01/10/18 01:32 ID:OWkicQbW


−−矢口真里−−

BMWのリムジンのトランクでグーグー眠っていた矢口。
キャキャキャ
急に車が動き出す。
今までの吉澤の運転とは違う荒々しい運転に、隠れていたトランクの
出っ張りに頭をぶつけて、思わずはっとして起きる矢口。
分からないように仕掛けられた何台かの隠しカメラからの映像を
モニターを兼ねたトランク内のノートパソコンの画面で確認する。
運転席を捕らえた映像に写っているのは見知らぬ人物。
(いよいよか…)
矢口は覚悟を決めた。

幸い、このBMW750ILはロングストレッチされたリムジンタイプ。
運転席とこのトランクの距離はかなり離れている。
おまけにリムジンならではのお約束として、フロントシートの後ろには
分厚い遮音ボードがそびえたち、運転席とリアシートは完全に隔離されている。
後席はほぼ密室状態だと言っても過言ではない。
そんな訳で、トランクの物音は運転席には聞こえないようになっている。
矢口はそれでも用心して小声で無線でモーニング財団本部を呼び出した。
92モーニングライター:01/10/18 01:35 ID:OWkicQbW

「本部、本部、聞こえますか?」
不安げに小声で呼びかける矢口。
「感度良好よ、矢口。」
無線の向こうからは保田の声。
「そのリムジンのカーナビからの電波で、きっちりその車の位置情報が分かってるわ。
あとからなっつあんも尾行してるわ。安心して、矢口。」
その保田の言葉に矢口は正直ほっとした。
「うん」
「俺や、つんくや。矢口狭いか?」
無線からは保田に変わってつんくの声が聞こえてきた。
「え、あ、いや。」
本当は狭いに決まっていたが矢口はそう答えた。
それまで狭い閉ざされたトランクの中でただ1人、
不安な気持ちで居た矢口だったが、
今は自分は一人じゃないんだという気持ちになっていた。
そして矢口にはその事が嬉しかった。
「よろしく頼むで」
と言うつんくからの無線の呼びかけに、矢口は
「はいっ」
と元気よく応答した。
93モーニングライター:01/10/20 01:13 ID:zGriUu5+


−−モーニング財団本部(つんくと保田)−−

モーニング財団本部では、つんくと保田、そして石川が、
デスクトップパソコンの液晶モニターの周りに集まって
加護のスクーターから転送されてきた写真を見ていた。
「こいつは・・・」
そう言うとつんくは、突如パソコンのモニターを
両手で掴むと自分の方向に向きを変えた。
「え、何ですかつんくサン、この男知ってるんですか?」
つんくの行動に石川が驚いたように反応する。
「いや、そういう訳やないんやけど…」
そうは言ったが、どうも歯切れが悪い様子のつんく。
そして突然、何かを思いついたようにつんくは立ち上がった。
「保田、後の事は任したで…」
つんくは、保田に向かって、こう言い残して部屋から出て行こうとした。
そんなつんくの様子に何か予感めいたものを感じた保田が、思わず声を掛けた。
「つんくさん、嫌ですよ、ドラマのナイトライダーの
財団総帥みたいに帰らぬ人になっちゃ。」
その声に、つんくは一旦立ち止まり、保田の方を振りかえって微笑んだ。
しかし次の瞬間、つんくはもう部屋の外に飛び出していった。
94モーニングライター:01/10/20 01:15 ID:zGriUu5+

−−安倍なつみ−−

007のボンドカーを意識して作られたと言う
ガンメタリックに近い色のBMWの750iLベースのリムジンが
黒々としたアスファルトの上を疾走してゆく。
そのBMWのリムジンの後ろを数台の車を間に挟んで、
安倍のカローラランクスがしっかりと尾行している。
一応、BMWからは電波が発信され、その位置情報が
財団本部や安倍達のランクスのカーナビに転送されているので
見失う事はないはずであるが万が一という事がある。
そのため安倍はしっかりと追跡していた。

「逃がさないよ。絶対に…」
この尾行がばれれば、矢口の命も危なくなる。
そう思うと安倍は、改めてハンドルを握り直した。
95モーニングライター:01/10/20 01:17 ID:zGriUu5+

−−つんく−−

財団本部の司令室から足早に飛び出してきたつんく。
いざ、自分の車に乗り込んで出発しようと
本部の入り口の長い階段を下りている途中に気づく。
「しまった、俺の車、あらへんやん!」
財団本部の玄関の前で1人大袈裟に驚く。
「そうやった。俺の車、窃盗団に盗られたんやった。
しかも代わりのリムジンは矢口が乗って行ってしもたし…」
そう言ってつんくは辺りを見回す。
すると入り口に近い場所に無造作に置かれたベコベコの
カローラランクスが目に入った。
その車は、割れたガラス類こそ修理されて取り替えられているが、
ボディ自体は、板金途中で、まだベコベコなままの
例の飯田のカローラランクスであった。
つんくはその車に近づいてみる。
御丁寧にキーシリンダーには鍵がついたままだ。
つんくは苦笑いしながらこう呟いた。
「まぁ、これでええか…」
つんくはベコベコのランクスに乗り込むとエンジンをかけ
シートベルトを締めた。
「しゃあない。またトヨタカローラに無理言うて車、
調達してくるしかないな…」
つんくは、そんな独り言を呟くとオートマチックのギアを
ドライブに入れ、ボロボロのカローラランクスを発進させた。
96モーニングライター:01/10/20 01:21 ID:zGriUu5+

−−石川梨華−−

一方その頃、モーニング財団本部にて、
一見、何の仕事もしていないかのように見える石川。

奥の部屋から、保田の元にティーカップに入った紅茶を運んでくる。
カチャカチャ
几帳面に保田の方向に向けて紅茶のカップを揃える石川。
ズズズ…
そして自分が紅茶を飲む。
「あんたが飲むんかい!」
その行動の一部始終を、じーっと見ていた保田が思わず突っ込む。
「へ?」
一見、何もしていないように見えて本当に何もしていなかった石川梨華であった…。
97名無しさん:01/10/21 09:01 ID:dJt/stig
保全
98モーニングライター:01/10/22 01:21 ID:oobyqDma
 
99モーニングライター:01/10/22 01:22 ID:oobyqDma

−−安倍探偵団?−−

しばらく走行した後、大きな工場に入っていくリムジン。
その様子からして、今ではもう使われていない廃工場のように見える。
今まで尾行してきた安倍であったが、流石に工場の敷地内にまでは
目立ってしまい入って行く事は出来ない。
安倍は目立たない位置まで車を移動すると隠すように停めた。

カローラランクスのサンルーフを開けると上半身乗り出し、
双眼鏡で工場内の様子を伺う安倍。
その姿は探偵と言うよりも、まるでアフリカの探検隊のようにも見える。
工場の外には見張りらしき男が2名。
建物は扉が閉まっていて、その中を窺い知る事は出来ない。

しかし、丁度その時、矢口を載せたリムジンと青いコルベットが
工場の入り口に近ずいた。
すると、先程の見張りの男達によって、大きな鉄の扉が
ガラガラという重そうな音を立てて大きく開かれた。
100モーニングライター:01/10/22 01:25 ID:oobyqDma

大きく開かれた工場の扉から、
リムジンとコルベットがゆっくりと中に入って行く。
「おぉ!、チャンス、中が丸見えだべ。」
サンルーフから上半身出して工場の様子を見ていた安倍は、
双眼鏡を握り直し、中の様子を食い入るように見た。
「うー、なんか探偵っぽいべさ」
安倍はそう独り言を言いながら双眼鏡を覗き続ける。
「あ、あれは…」
工場内には、先程の矢口を載せたリムジンや青いコルベットの他に
沢山の高級車が置かれていた。
その中に、安倍もあの時チラッとだけ見た、黄色いポルシェの姿を確認する。
「間違いない…」
安倍はそう確信した。
101モーニングライター:01/10/22 01:28 ID:oobyqDma

そして、安倍のランクスが工場に到着してから遅れる事、約十数分。
後藤のランクスも安倍と同じ場所に到着した。
「もー、ごっつぁん、遅かったじゃない!
あれ、裕ちゃんとよっすぃーも乗ってるの?。」
後藤の車を見つけると、安倍は自分の車から降りて近寄ってくる。
そして後藤のランクスの運転席の窓ガラスを叩いて
不満そうにそう話し掛けてきた。
「ごめん、レストランで裕ちゃんとよっすぃ−拾ってたら出遅れちゃった。
2人とも、あそこから歩いて帰るのは大変でしょ?」
後藤は、運転席のパワーウインドーを開けると、
運転席越しに安倍に向かってこう弁解した。
そして、中澤と吉澤の方を向くと(お願い、そういう事にしといて…)って
目で見つめる。
中澤は苦笑し
「まあまあ、そんなとこや。所で中の様子はどうなってんねん?」
安倍に向かってこう尋ねる。
「間違いないよ、建物の中には高級車がいっぱい見えた。
ここが自動車窃盗団のアジトだよ。絶対!」
安倍は、そう言いきった。
102モーニングライター:01/10/22 01:30 ID:oobyqDma

「相手の人数は分からへんか?」
中澤は探偵?安倍にそう尋ねる。
「うん、外の扉に見張りが2人。
あとは中に何人いるかはちょっと分からないけど、結構大勢いる感じ。」
安倍は、それまでに見た工場の様子を報告した。
「うーん」
考え込む中澤。

丁度その時、工場の扉が開いて3、4人の男が入っていった。
「あっ」と言って安倍は首からぶら下げていた双眼鏡を構えて
覗き込む。
肉眼で見ていた中澤たちにも一応その姿を確認する事が出来た。

一瞬ではあったが、工場の中には安倍が言ったように
結構たくさんの人数の男達が動いている様子が見えた。
103モーニングライター:01/10/22 01:32 ID:oobyqDma

「どうする?」
「結構いたね。」
「あんな人数いたら私達だけじゃ、どうにもならないよ。」
後藤と安倍が中澤に向かって口々にそんな事を言っている。
向こうは腕っぷしの強そうな男達がぞろぞろ。
対して、こちらは小娘が数名。確かに分が悪い。
「結局、決定権は私にあるんか…」
中澤はそう言って苦笑した。
「とにかく、まず相手の人数を正確に把握するんや!」
「どうやって?建物の中に何人もいるかもしれないんだよ」
と後藤。
そんな後藤の言葉に中澤は静かにこう言った。
「矢口や・・・。後は全て矢口に任せるしかない…。頼むで矢口。」
104名無しさん:01/10/22 17:55 ID:gQ897DPz
楽しませてもらってますsage
105モーニングライター:01/10/23 01:38 ID:aMOBAlKY

−− 一方、矢口は…−−

一方、こちらはBMWと共に工場内に格納されてしまった矢口真里。
バタン。
リムジンの運転席のドアが開き、ここまで運転してきた男が
車から降りると工場の奥に入っていった。
矢口はモニターでそれを確認すると静かにヘッドセットに向かって口を開いた。
「圭ちゃん、圭ちゃん」
「何よ?」
無線機からは、そう言う保田の声が。
「良かった、無線の電波が通じる。
何かね、建物の中に入れられちゃってさ、おっきな鉄の扉とかあったからさ
電波圏外だったらどうしようと思ってさ…」
ほとんど聞き取れないほどのヒソヒソ声で矢口が無線に向かって喋る。

「矢口、よく聞いて。あなたの車のカーナビの位置から、
今、その建物の見取り図が入手できたわ。
そこはね、元々、ある食品メーカーの加工工場だったみたいね。
今はもう使われていないようだわ。言わば廃工場よ。」
保田は財団本部で調べていた情報を一気に矢口に伝えた。
106モーニングライター:01/10/23 01:39 ID:aMOBAlKY

「で?」
ようやく自分の置かれている状況を知る矢口。
「で、よ。今から、その工場の見取り図のデータ−をそっちに転送するわ。」
「え、わ、なんかきたよ。」
トランク内のノートパソコンのモニターが突然別の画像に変化する。
驚く矢口。
「その車にはね、微妙な温度の違いを判断できるセンサーが取り付けてあるの。」
「でね、その見取り図と重ね合わせてね、人間の体温で色の変化している所を
探して、今、建物の中に何人いるか調べて欲しいのよ。」
「すごいっ。つんくさんがボンドカーって言ってたのが、だんだん分かってきたよ。
で、どうすればいいの?」
俄然、やる気の矢口。
「今から、教えるわ。言われたとおりにやるのよ!」
107モーニングライター:01/10/23 01:40 ID:aMOBAlKY

ここでちょっと一息。

−−<※BMW750iL のストレッチリムジンの解説>−−
矢口がトランクに載るモーニング財団のBMWリムジンは、
年間300台のみ生産するBMW750iLを更にストレッチした、
完全なショーファードリブンモデル「L7」をベースに作成された。
L7の搭載エンジンは 750iLと同じ V 型 12気筒 SOHC・5.4 Lを搭載。
トランスミッションは電子制御式 5AT、ハンドル位置は左のみとなる。
そもそも、750iLはその"L"が示す通り、ボディの全長が
735i / 740i の 4985 mmから5125 mmへストレッチされているが
そこから更に 750iLの全長 5125mm から 5375mmへとロングボディ化。
リムジンボディながらスポーティな印象を与えるデザインはBMWならでは。
ゆったりとした室内空間とダイナミックな動力性能を両立した
ハイパフォーマンス・リムジン。
モーニング財団では、そのL7をベースに007のボンドカーに倣って
特殊装備を満載。更に特殊強化ボディーや防弾ガラスでボディも
強化し、さながら動くシェルターの様相を呈する。
108モーニングライター:01/10/25 01:08 ID:H/Llu4UN

−−作戦会議−−

「いい、聞いて。矢口に調べさせた所、
現在、建物の中には一階の部分に10人。2階に5人。そして外に2人。
おそらく合計17人がいるはずよ。」
保田が矢口からの調査結果を、工場の外で待機しているメンバー達に伝えた。
「17人か…。何とも言われへん微妙な数字やな…。」
中澤は、多くもあり、そしてもしかしたらどうにか出来そうでもある
17人と言う微妙な相手の人数を聞かされて、どうしたものかと少し戸惑っていた。
「どうしよう…」
こんな言葉が自然と口をついて出てきた。

しかし、そんな中澤の言葉を打ち消すように、
無線から保田の頼もしい声が聞こえてくる。
「いい、こっちでは相手のおおよその位置が把握できてるわ。
そこでね、私に考えがあるの。」
保田は自信たっぷりにこう告げた。
109モーニングライター:01/10/25 01:09 ID:H/Llu4UN

「もうじき、加護が追いつくわ。
裕ちゃんいい?加護が到着したら作戦のスタートよ。
で、その作戦って言うのはね…」
保田は、自ら考えた作戦を話はじめた。
工場内の矢口を始め、外の中澤たちメンバー全員が、
無線から流れてくる保田の作戦説明の一部始終に耳を傾けていた。
そして、一通り説明し終えると
「OKかしら?
どうせ矢口、あんたなんかに考えさせると、変な虫取り網を
持ってきたりとかロクな案がでなさそうだからね。」
と矢口に向けて言う。
「ひどいなぁ」
そう言ったのはもちろん矢口だった。
110モーニングライター:01/10/25 01:11 ID:H/Llu4UN

それから、程なくして、物凄い勢いで1台のスクーターがかっ飛んできた。
加護だ。
「よーし、加護、わかってるな。」
到着した加護に早速、中澤が尋ねる。
「えー、えっとー」
しかし、加護の頼りない返事に中澤が痺れを切らす。
「わかっとらんなー、ええか、このボタンや。
合図したらな、これを押すんや!」
「行くよ!戦闘配置や!」
「はいっ」
そう言って右手を大きく上にあげて元気にこたえる加護。
「うわー、めっちゃ、ドキドキする。」
(こいつ、絶対、この状況を楽しんどるわ…)
加護のその様子を見た中澤はそう思った。
111モーニングライター:01/10/25 01:12 ID:H/Llu4UN

「吉澤、あんた中学時代、ボール投げの記録出した事あるんやったな?」
急に吉澤に向かってこう話し掛ける中澤。
「あっ、はい」
キョトンとした様子でこうこたえる吉澤。
「よっしゃ、よっすぃー、
ここはあんたに決まりや。これ、投げえや。」
そう言って吉澤に手渡されたのは2本の大きな発煙筒だった。
「はい、任せてください。」
そう言うと吉澤は、笑顔で自分の胸をポーンと叩いて見せた。
112モーニングライター:01/10/25 01:14 ID:H/Llu4UN

リムジンのトランクに入れられたまま廃工場内に閉じ込められた矢口。
「外では、もうみんな、戦闘配置についたわ。矢口、あとはあんたの成功次第よ!」
ヘッドホンから保田の声が聞こえてくる。
「うーん、もうちょっと。」
矢口はそう返事しながら、必死にパソコンをいじくる。
<ピー>
「やった、成功!」
矢口の手元のノートパソコンの画面には
<<ロック解除。システムログオン>>
の文字が。
「やったわね、矢口。
これで、その工場のセキュリティシステムは全て乗っ取ったわ。」
無線の向こうから興奮する保田の声が聞こえる。

「矢口いい?あとは裕ちゃんの合図で火災警報機を誤作動させるのよ。」
「OK!」
113名無し娘。:01/10/26 01:08 ID:rEwWaEzy
応援してます
114名無し@1976年生まれ:01/10/27 01:23 ID:PGO53iY0
「ナイトライダー」はリアルタイムで
見てました。
娘。らしいチームプレー、楽しみにしてます。
115モーニングライター:01/10/27 01:43 ID:Q0HMIrlp
みなさんありがとうございます。それでは更新します。
116モーニングライター:01/10/27 01:44 ID:Q0HMIrlp

−−中澤裕子−−

工場の外で待ち受ける中澤・安倍・後藤・吉澤・加護。
既に、それぞれ作戦実行に移れる位置についている。
中澤が全員に聞こえるように無線で指示を出す。
「ええか?みんな、準備は。」
「安倍、OK」
「後藤、OK」
「吉澤、OKです。」
「あ、加護ですっ。えーOKです。」
それぞれがこう答える。
「よっしゃー」
中澤も元気にそう答えた。
(あとは矢口だ…。)
117モーニングライター:01/10/27 01:49 ID:Q0HMIrlp

次の自分の合図ひとつで、いよいよ事が始まるかと思うと、
中澤は緊張で胸が押しつぶされそうになった。
それでも、他のメンバーには余計な心配をかけまいと
わざと中澤は、おどけた感じで無線機に向かってこう言った。
「ハロー、ジェームス矢口。お目覚めかな?」
ただでさえ、リムジンごと工場内に閉じ込められて
外の様子が分からない矢口は、不満そうに
「なんだよ、裕子。」
と答える。
矢口との付き合いの長い中澤には、
そんな矢口の短いたった一言の言葉から
普段通りの元気な矢口の様子を感じ取ることができた。
(よっしゃ、この様子なら大丈夫や…。)
中澤はそう思いながら矢口にこう尋ねた。
「矢口、準備はええか?」
「いいよ」
「よし、矢口頼んだで。みんな、作戦開始や!」
118モーニングライター:01/10/28 00:51 ID:isfuaax3


−−決戦−−


ジリリリリリリリリリ−−−
けたたましい火災報知機の音。
「何だ、何だっ!」
工場内では突然の報知器の音に男達が慌てる。
矢口が操作して誤作動させたとは知らず次々に自動車窃盗団たちが
1階に集まってくる。
その様子をBMWのトランクでモニターしている矢口。
「よーし、今の所作戦通り。」

「よっすぃー!今や!」
中澤の次の指令で吉澤が動いた。
「はーいっ」
そう言うと吉澤は工場の窓ガラスに向かって、思いっきり発煙筒を投げた。
ガシャン
見事命中!
ガラスが割れ、工場内に火のついた巨大な発煙筒が入る。
「ナイス、よっすぃー!コントロール抜群!」
遠くから中澤の声。
「もう一丁っ。」
吉澤は続けて火のついた発煙筒をもうひとつ工場に投げ込んだ。
工場の一階には吉澤が投げつけた発煙筒の煙がモクモクと立ち込める。
「うわ−火事だー!!!」
工場内はパニックになっていた。
119モーニングライター:01/10/28 00:58 ID:isfuaax3

そして閉じられていた工場の扉が開かれた。
「うわーっ!」
その大きな鉄の扉が開くのと同時に、
もうもうとした煙と共に数人の男達が工場の中から飛び出してきた。

「なっち、今やで!」
中澤の合図をきっかけに安倍がコンソールボックス上のボタンを押した。
ウィーン
突如、安倍の車のリアバンパーが開き、そこから白い液体が流れ出す。

ベタ。ベタ。
「うわー、何だ?これはー!」
「とりもちだー!」
工場から飛び出してきた男達のうち2〜3人の男が
安倍が流したとりもちに引っかかる。

「やったで、なっち。」
120モーニングライター:01/10/28 01:00 ID:isfuaax3

−−ドリームスクーター“モーニング50”−−

パニックになった工場内。
キャキャキャキャ
そんな工場の奥から、リアのスライドドアを両側とも開け広げたまま
激しいスキール音と共にトヨタのミニバン、エスティマが現れた。
「おい、早く乗れっ!」
エスティマを工場の奥から回してきた男が、逃げ惑う仲間達にこう叫ぶ。
その声に2、3人の男達がミニバンに乗り込もうとする。

(やばい。このままでは逃げられる。)
そう思った中澤は自然と加護に向かって命令していた。
「カゴッ。行けっ!」
「アイ・アイ・サー」
そう答えると、中澤の合図で加護は教えられた通りにボタンを押した。
121モーニングライター:01/10/28 01:02 ID:isfuaax3

“シュドーン”
加護のスクーター“モーニング50”の
フロントカバー部分が開きミサイルが飛び出す。
ヒューン!
ミサイルは一味のエスティマに命中した。
ドカーンッ!
激しく燃えるエスティマ。
「うぎゃー!」
エスティマからは火だるまの男が飛び出してくる。
逃げようとする男達。
「後藤、今だっ!投網!」
「了解。」
さっき保田に教えられて初めて知った、ランクスに隠された捕獲網の存在。
中澤の合図で後藤が
(いまどき投網(とあみ)なんて言葉使わないよね…)
なんて事を思いながらも、カローラランクスの運転席のボタンを押した。
シュルルルルッ
バサッ
後藤の車から巨大なネットが勢いよく飛び出す。
そして逃げようとする男達をまとめて捕らえた。
「やったぜ、ごっちん!」
122モーニングライター:01/10/28 01:03 ID:isfuaax3

その時だった。
ドカーン!
「うわー!」
後方で燃えていた一味のエスティマが爆発した。
「加護ーっ。やりすぎやー!」
あまりの驚きに中澤が怒鳴った。
「知りません−」
中澤に怒鳴られ、ジェット型のヘルメットを被ったまま、
眉毛をハの字にしてこう言い返す加護。
そして、そのエスティマの爆発の火の粉は工場の一部に引火した。
「たいへんや!工場が燃える!」
「火ぃ消さな、何か消すものないか?何かないか?」
慌てる中澤。
「中澤さんっ、中にまだ矢口さんがっ!」
中澤の隣りで吉澤が叫ぶ。
「はっ、矢口逃げて!」
中澤の悲痛な叫びがあたりに響いた。
123ねぇ、名乗って:01/10/30 05:26 ID:Hx5tphw2
驚いた。今日30日の13:30からテレビ東京でナイトライダーやるみたいです。
124モーニングライター:01/10/31 01:39 ID:qWxoAK2l
「ナイトライダー」、確かに放送されたみたいですね。
しかし何故この時期にナイトライダーなのでしょう?
何か妙に因縁めいたものを感じました。では更新します。
125モーニングライター:01/10/31 01:40 ID:qWxoAK2l

−−矢口の危機ーー

工場の中のBMWのトランクのモニターで
中澤達の大捕り物の様子を見ていた矢口。
「やったー」
そう思った次の瞬間、突然、爆発音がして自分の車に向かって炎が迫る。
「うわ!」

「矢口!逃げてーーー」
外からメンバー達の叫び声が聞こえる。
慌ててトランクの蓋を開けようとするが開かない。
「何よー、どうなってるのよーー!」
苛立つ矢口。
「やばいよ、トランク開かないよ」
バンバン叩いてみる矢口。
「圭ちゃん、圭ちゃんっ!」
矢口は焦った様子で無線機に向かって叫んだ。
126モーニングライター:01/10/31 01:42 ID:qWxoAK2l

無線から聞こえてきた矢口の絶叫に驚く保田と石川。
しかし、石川は相変わらず保田の後ろの方で、
ただ驚いているだけで、実際に対応したのは、やはり保田だった。
「圭ちゃん、トランクが開かないよ!出られないよ!」
迫り来る炎に半泣きの矢口。
「そんな馬鹿な…」
保田はそう答えた。
「矢口、いい、落ち着いて。そんなはずは無いわ。もう一回やるのよ。」
「駄目−、どうしても開かない。」
確かに自動車窃盗団から矢口の身を守るために、
外部からは容易にトランクが開けられないよう
特殊な電子ロックが掛けられていた。
それが、こんな時に誤作動するとは・・・
保田は頭を抱えた。
127ねぇ、名乗って:01/10/31 05:18 ID:I86f/SvV
hozenn
128モーニングライター:01/11/01 01:40 ID:lLPLmxWj

「矢口、こうなったらリムジンごと外に脱出よ。」
保田が急に叫んだ。
「ええっ?何?」
保田の言っている事が理解できない矢口。
「その車はね、そのノートパソコンでも運転できるのよ。」
保田の言葉に、手元にあるノートパソコンに目を移す矢口。
「いい、今から言う通りにするのよ。まず、パソコンの
ドライブモードって言うのを立ち上げるのよ!」
矢口はただ、保田の指示に従うしかなかった。
「おとなしく言われたとおりにすんのよ!」
ヘッドセットで、そんな保田の声を聞きながら、
矢口は必死にノートパソコンと格闘していた。
キュルキュルキュル
ブォーン
V型12気筒 5000ccを裕に超える排気量のエンジンが唸る。
「うわっ、エンジンがかかったよ。」
「その調子よ」
うろたえる矢口とは正反対に、無線機からは
保田の弾んだ声が聞こえてきた。
129モーニングライター:01/11/01 01:42 ID:lLPLmxWj

「後は、パソコンのモニターで外の様子を見ながら
普通の車みたいに運転すればいいわ。」
「えー、でも、どうやって?」
戸惑う矢口。
「マウスの操作だけよ。パソコンに出てる画面の指示に従えばいいのよ!」
保田が矢口に説明し始めた。
「まず、モニター上に色々アイコンが出てるでしょ!
その中の前進のアイコンの上にマウスを持っていくのよ。
ブレーキはね、ブレーキのアイコン。あとは左クリックよ。
ハンドルはね、マウス持ってった方に動くから。
そうね、TVゲームの要領と同じよ。適当にやるのよ。」
混乱する矢口にむかって保田はまくし立てるように一気に喋った。
「えええー!、そんな無茶な」
しかし、矢口には迷っている余裕はなかった。
「さあ、キリキリ動くのよ!」
130モーニングライター:01/11/01 01:46 ID:lLPLmxWj

保田の声に押されるままに矢口はイチかバチかマウスをクリックした。
カタカタカタ
オートマチックトランスミッションのシフトレバーが
自動的にパーキングからドライブの位置に変わる。
キュッ
カクン
「ぎゃっ、何!?」
突然、急発進して止まるBMW。
「矢口、駄目よ。クリックするだけじゃなくて、
画面のアイコンにマウス重ねたままずっとボタン押してなくちゃ。」
矢口はだんだん要領をつかんできた。
キャキャキャキャキャッ
激しくホイールスピンしながら発進するBMW。
「すげー」
そう言って矢口はトランクの中でひたすら感激していた。
131モーニングライター:01/11/01 01:50 ID:lLPLmxWj

さあ、いよいよあとは脱出するだけか?という段階になって
「圭ちゃん!圭ちゃん!」
と再び無線機から保田を呼ぶ矢口の叫び声が。
「な、今度は何よ?」
その、あまりの大声に何事かと聞き返す保田。
「あのさァ… 矢口、緊張したらおしっこしたくなっちゃったよ。」
先程の大声とは打って変わった静かな口調で矢口はこう言った。
しかし、その声に混じって聞こえる「キャハッ」という笑い声に
「バカ!、その中でもらしたら承知しないからね!」
保田も笑いながらそう返した。
132モーニングライター:01/11/03 01:36 ID:mWAt0tr6


−−矢口危機一髪!−−

激しく燃える一味のエスティマ。
それがよりによって工場の入り口を塞ぐようにして止まっているために
中澤を始めとしてメンバー達も工場に近づく事が出来ない。
「矢口・・・」

「裕ちゃん!この車なんか消火ってボタンがあるよっ」
隠された捕獲網の存在などを知らされ、ひょっとしたら
まだ隠された機能が色々あるのではないかと
車内を物色していた後藤が何かを発見したらしく大声で叫ぶ。
「何っ?、それや、ごっちん。消火や」
そう叫んだ瞬間、
ブォーン
バキバキバキ
ガシャーン
物凄い車のエンジン音と何かの衝突音が中澤達の後ろから聞こえた。
中澤達が振り向いた先には、エスティマをぶち破って猛スピードで
突進してくるBMWのリムジンの姿があった。
「なんや、なんや、無人の車が向かってくるで!」
右へ左へと異常にフラフラしながら、なおも猛スピードで向かってくるBMW。
BMWは真っ直ぐに中澤と吉澤が立っていた位置に向かって突進してきた。
「逃げろー!!」
133モーニングライター:01/11/03 01:38 ID:mWAt0tr6

「なによー」
悲鳴をあげながら逃げ惑う中澤と吉澤。
「何でこっちくんのよー!!!」
しかし、BMWの中では矢口も悲鳴をあげていた。
「止めて−!!」
もはやパニック状態に陥った矢口はパソコンのマウスを
滅茶苦茶な方向に動かした。
「うわー」
すると、矢口のリムジンは大きく蛇行を繰り返し
工場の入り口の向かい側に積み上げられていた
大きなダンボールの山に激突して止まった。

リムジンが完全に停止したのを確認すると、ヘタヘタと地面に
へたり込む中澤と吉澤。
「矢口のバカー!」
右へ左へと走り回らされて息ゼエゼエの中澤がこう叫んだ。
134モーニングライター:01/11/03 01:40 ID:mWAt0tr6

特殊強化ボディのおかげでBMWのリムジンのボディには傷ひとつ
なかったが、トランク内に居た矢口には激しい衝撃が襲い掛かった。
「うぎゃっ」
その衝撃でトランク内に思いっきり体を打ちつけた矢口であったが
その激しい衝撃を、矢口がトランク内に勝手に持ち込んでいた
巨大な“くまのぷーさん”のぬいぐるみが間に挟まって吸収してくれた。
「ありがと、しげる」
そう言って、そのぬいぐるみに付けられた名前を呼ぶと矢口は、
その“くまのぷーさん しげる”をギューっと抱きしめた。
そして一言、
「ふえー、圭ちゃん。この操作、難しすぎるよー」
135モーニングライター:01/11/05 01:24 ID:6i6dvLS4
136モーニングライター:01/11/05 01:25 ID:6i6dvLS4


−−女火消し後藤真希の巻き−−

矢口の乗ったBMWが、燃え尽きて骨組みのようになった
一味のエスティマをぶち破って工場から出てきたと同時に、
工場内からは炎も一緒に飛び出してきた。
やばい、このままじゃ燃え広がる…
後藤は咄嗟の判断でランクスの消火と書かれたボタンを押した。
ウィーン
「ナンダ?」
突然後方からモーターのような音がしだしたと思うと
後藤の車のリアバンパーから現在のマフラーとは別に、
もう2本マフラーが飛び出てくる。
ブシャー
そして、突然そのマフラーから消火剤が勢い良く飛び出す。
ブシャー
「うわ、後ろから出るんだ!ヤバイ、火の方向と逆だよ!」
後藤は慌ててランクスのお尻を火の方向に向けた。
137モーニングライター:01/11/05 01:26 ID:6i6dvLS4

ズルズルズル
「ウギャー!!」
「ん?」
今度はランクスの頭の方向から妙な叫び声が。
その上、
(なんか車の動きが重い。)
後藤はそう思っていた。
「ごっちーん、ひきずってるよー!」
今まで矢口のBMWに追っかけられて逃げ惑っていたはずの吉澤が叫ぶ。
先程、後藤の車から飛び出した捕獲用ネットは、まだ後藤の車に
くっついたままだったのだ。
当然、後藤の車が動くと一緒に引きずられる捕獲された男達。
「おい、何するんだ!止めろ!」
「バカヤロー」
引きずられながら巨大な網の中の男達はわめく。
「ごめん、ごめん、どうりで重たいと思った。」
後藤はそう言うと黙々と工場内の火を消していった。
138モーニングライター:01/11/05 01:30 ID:6i6dvLS4

後藤の懸命な消火活動によって、工場の火事はボヤ程度で済んだ。
「やったね、ごっちん!」
吉澤の言葉に後藤は
「へへー」
と、照れ臭そうに笑って応えた。

「1、2、3、4・・・9、10」
後藤の車にくっついた網の中に捕らわれた男達の人数を数える中澤。
「あかん、何べん数えても10人や。あと7人足りひん。」
「裕ちゃん、こっちに3人いるよ。」
安倍がそう叫んだ。
安倍の仕掛けたとりもちに身動きの取れなくなった男達が3人いた。
「中澤さーん、こっちに焦げた人が2人倒れてますよー」
そう叫んだのは加護だった。
中澤が近寄ってみると黒焦げになったエスティマの脇に
これまた、やけどを負った男が2人悶絶していた。
「14、15…」
中澤が男達の数を勘定していく。
「やっぱり足らへん。あと2人や…。」
139モーニングライター:01/11/06 01:17 ID:Ok0GYx+Q

−−青いスポーツカー再び−−

「あと2人や、一体どこいったんや…」
中澤がそう言った次の瞬間、トタンで出来た工場の壁を
ぶち破るようにして青いコルベットが飛び出してきた。
「あぶないっ!」
よろけた中澤は、思わず安倍のランクスから流れ出た
とりもちの方に向かって転倒した。
ベチャッ
「うぎゃー!!、なんやねんなっ!」
あっさりと“とりもち”に捕まって身動きが取れなくなった中澤が叫ぶ。
「裕ちゃんっ!」
その様子を見て慌てた安倍が車から降りて中澤の方に駆け寄ろうとした。

その後ろから続けるようにして激しくホイールスピンさせながら
黄色のポルシェ911が飛び出してきた。
「あの車は!」
「なっち!私の事はええから早く追うんや!絶対に逃がしたらあかんで!」
中澤はこう叫んだ。
中澤の言葉に安倍は静かに頷くと、また急いで車に乗り込み
ギヤをドライブに入れランクスを急発進させた。
140モーニングライター:01/11/06 01:20 ID:Ok0GYx+Q

「他のみんなも、全員、あの2台を追うんやっ!」
とりもちで身動きが取れなくなりながらも、
大きく両手を動かしてこう叫んでいる中澤。

その声につられて後藤も自分のカローラランクスを急発進させた。
すると…
「ギャー!!」
またもや悲鳴が。
後藤の急発進で捕獲ネットごと引きずられる男達。
「バカヤロー、殺す気か!」
まるでダチョウ倶楽部のように口々に網の中で叫んでいる窃盗団達。
「ごめん、そうだった、すっかり忘れてたよ。」
その声に慌てて車を停めた後藤は舌を出した。
141モーニングライター:01/11/07 01:42 ID:JlwjG2Rh

−−矢口真里・吉澤ひとみ−−

そんな後藤の様子を見て、後藤のランクスが動かせない状態にある
と判断した吉澤が、矢口のBMWで追跡しようとBMWに駆け寄る。
吉澤はBMWのドアを開けようとしているのだが何故か開かない。
「矢口さん、矢口さん、ドア、開けて下さい。」
吉澤は外からBMWのボディを叩いた。
「ん?わかったよ。」
外で叫んでいる吉澤の無線の声に気づいてトランクの中の矢口が
パソコンを操作する。
キャキャキャキャ
すると、何故かギヤがドライブに入り急発進する。
「うわっ」
矢口と吉澤はほぼ同時に声をあげた。
「もー、何で動き出すのよっ!」
142モーニングライター:01/11/07 01:43 ID:JlwjG2Rh

吉澤はBMWが急発進したために、その場に転倒していた。
「よっすぃー、大丈夫?」
BMWを大きく旋回させると、ゆっくりとしたスピードで
矢口が不安そうに吉澤の元に戻ってきた。
「大丈夫です。それより早くドアを…」
立ち上がった吉澤は、ゆっくり徐行しながらも動いている
BMWのスピードにあわせて並走する。
「そうだった。ちょっと待ってね。」
ウィーン
しかし、開いたのはドアではなくリアのパワーウインドーだった。
「なんだ、このヘボコンピュータ!」
矢口は自分の操作のミスを全てコンピューターのせいにして文句を言った。
143モーニングライター:01/11/07 01:49 ID:JlwjG2Rh

吉澤は、全開になった後部座席のウインドウガラスに向かって
ジャンプすると、火の輪くぐりのライオンのように
BMWのリアシートに滑り込んだ。
「すげー、よっすぃー。ちゅきー!」
トランクの中から歓喜の声を上げる矢口。
吉澤はBMWリムジンの広い本革張りリアシートの上で、
でんぐり返しのような格好になったまま、
腕時計型無線機のマイクに向かってこう叫んだ。
「矢口さん!いいから追って下さい。」
「おーし任せるのだぞ」
そう言ってケラケラ笑うと
矢口は元気よくパソコンを操作してBMWを発進させた。
144ねぇ、名乗って:01/11/07 17:28 ID:SFk9tqAE
わくわく
145モーニングライター:01/11/08 01:28 ID:WScBKqqc

−−大追跡−−

矢口と吉澤の乗ったBMWが出発する少し前に、
工場を飛び出して行った加護のスクーターを追うように
BMWも大きく蛇行しながら工場を飛び出していく。
ふらふらと蛇行するBMWのリアシートには、右に左にと、
あちこちを車内にぶつけながら必死にふんばる吉澤がいた。
「矢口さーん!しっかり運転してくださーい!!」

青いコルベット、黄色いポルシェ。
そして、その2台を追いかけるように安倍のランクスが続く。
その安倍の車から少し遅れるようにして加護のスクーター、
そして、そんな加護のスクーターから更に遅れるように
明らかに挙動のおかしい、よろよろとした
矢口と吉澤のBMWが続いていた。
146モーニングライター:01/11/08 01:30 ID:WScBKqqc

すると前方の交差点でコルベットとポルシェは、突如
別々の方向に向かって分かれて進みだした。
ポルシェのすぐ後ろまで追いついて追跡していた安倍は
何も考えず、ただポルシェに吸い寄せられるように
その後ろを追いかけていく。
(しまった…)
そう思った安倍はバックミラーを見る。
100mくらい後ろに、ジェット型ヘルメットを被り
スクーピーに乗って猛追してくる加護の姿が見える。
ただ安倍のバックミラーでは矢口と吉澤の車までは確認できなかった。
「加護ッ、青い方頼んだよっ」
安倍は加護の無線機に向かってこう叫んだ。
147モーニングライター:01/11/08 01:32 ID:WScBKqqc

「はいっ!」
加護は元気良くそう答えると、交差点を安倍とは逆の方向に
曲がっていった。
「矢口ッ、加護だけじゃ不安だから矢口も加護をサポートして
青い方を追って!」
安倍は黄色いポルシェを追跡しながら矢口にもこう呼びかける。
「でも…なっち、1人で大丈夫?」
矢口が心配げに尋ねる。
「分からないけど…。」
正直、不安そうな安倍の声。
その時、加護からさらに200〜300m程後ろを走行していた
BMWも、交差点の直前まで来ていた。
既に2人の視界からは青いコルベットも黄色いポルシェの姿も
消えて見えなくなっている。
そして矢口はどちらに進むべきか迷っていた。
148モーニングライター:01/11/08 01:33 ID:WScBKqqc

さっきの無線での会話の声の感じから、安倍だって本当は
1人では不安で仕方ないという事が、矢口には痛いほど伝わってきた。
しかし、確かに青いコルベットを加護1人に任せるのはもっと不安だ。
矢口はそう悩んでいた。
「矢口さん…。どうします?」
トランクの矢口に向かって呼びかける吉澤。
「…」
無言の矢口。
吉澤の元にも、先程の安倍と矢口の無線でのやり取りが
聞こえていただけに矢口が迷っている気持ちも良く分かった。

しかし、2人には考えている余裕などなかった。
チラッと確認できた加護の後姿に、吸い寄せられるように
そのまま加護と同じ方向にBMWを進めていた。
149モーニングライター:01/11/08 01:38 ID:WScBKqqc

「なっち、青い方は任せて!
だから、だからくれぐれも気をつけてね…」
矢口は安倍の無線機に向かってこう呼びかけた。
そして、思い出したようにこう付け加えた。
「あ、そうだ、なっち!この事件が解決したらみんなで焼肉食べに行こうよ。
よっすぃーとさ、3人で。」
「もー、こんな時になに言ってんのよ」
無線機の向こうからは思わず吹き出した感じの安倍が笑いながらこう答える。
「絶対!絶対だよ!嘘ついたら針千本飲ますからね。
だから…、だから絶対また会おうよ!」
矢口は普段とは違う妙に真剣な様子でこう安倍に呼びかけた。
妙にしんみりした様子の双方の車内。
そして安倍は繰り返すようにこう言った。
「大丈夫だよ。なっちは大丈夫だから…」
150ねぇ、名乗って:01/11/08 17:57 ID:7yQrojOF
ガンガレ
151名無しさん:01/11/08 23:42 ID:FI/xR8it
続きがんばりや
152ねぇ、名乗って:01/11/10 01:26 ID:SRSZAwcI
をぉ〜い 落ちちゃうぞ〜
153ねぇ、名乗って:01/11/11 00:49 ID:wRc2V7JA
ホゼン
154モーニングライター:01/11/11 01:36 ID:lX7BGK1E

−−加護と矢口とよっすぃーと…−−

安倍の指令で、交差点を安倍とは逆の方向に曲がって
青いコルベットを追跡中の加護。
しかし、その距離はじわじわと引き離されていく。
「あっかん…」
加護の口からは使い慣れた関西弁が飛び出る。
「絶対に逃がさへんねん!ののと飯田さんの為にも」
加護の目からは、自然と涙が溢れ出ていた。
(…駄目や、どんどん引き離されてく…)
「のの、こんな時、一体どうしたらええんや…」
ふと、加護の見つめていた空の雲が辻の顔のように見えてきた。

( ´D`)「てへへ、ミサイルれすよ」

加護には、その辻の形をした雲がそう言ったように見えた。
「せや、ミサイルや!」
加護はそう言うとミサイルの照準を青いコルベットに定めた。

「加護亜依は、辻希美のことが大好きでした!」

加護はそう呟くとミサイルの発射ボタンを押した。
シュポッ
が、しかし、空砲の音がするだけでミサイルは発射されなかった。
「ありゃぁー?」
155モーニングライター:01/11/11 01:39 ID:lX7BGK1E

加護は1秒間に16連射位したのではないかと思われる程の
速さで、ミサイルの発射ボタンを連射し続けた。
しかし、加護のスクーター、モーニング50からは空砲が聞こえるだけで
ミサイルは飛び出す事がなかった。
「やっぱり一発だけなんかー?」
ボディの小さなスクーターには先程、窃盗団一味のエスティマに放った
一発分しかミサイルの弾は搭載されていなかったらしい。
加護は悔しがった。

そんな加護の横に、猛追してきた矢口と吉澤のBMWが並んだ。
リアシートの吉澤が横を見ると、唇をとがらせて情けない顔で
こちらを見ている加護と目が合う。
「うー」
小動物のように唸る加護。
そんな加護に吉澤は、
「おまえー!なんて顔してんだよー!」
と、横に並んだBMWのリアウインドウから少し身を乗り出し、
笑いながらそう言った。
156モーニングライター:01/11/11 01:45 ID:lX7BGK1E

「矢口さーん、ミサイル!ミサイルないんですかー?」
加護は自分の横に矢口達のリムジンが追いついてきたと分かると
矢口達に向かってこんな事を言ってきた。
その言葉にリムジンの後部座席から身を乗り出して、
半分箱乗り状態のようになっていた吉澤も
思わず矢口の入ったトランクの方に目をやる。
「矢口さーん、どんどん離されちゃうから最後の手段でミサイルで
撃墜しようとしたら、もう弾がないんですぅー」
そんな加護の言葉を聞いた矢口は本部の保田にたずねる。
「ねぇ、圭ちゃん。このリムジンにはミサイルついてないの?」
それを聞いた財団本部の保田はこう答えた。
「ついてるわよ。ランクスにはついてなかったけど。」
その答えを聞いて
「さっすが、ボンドカー!」
矢口と吉澤は喜びの声をあげた。
157モーニングライター:01/11/12 02:20 ID:yiZ6H2eo

−−追跡の果てに…−−

これ以上コルベットから引き離されると、
追いつく事が不可能になるどころか
もはやミサイルの射程距離からも外れてしまう。
矢口のBMWにとっても、
これがミサイルの照準に入るぎりぎりの距離であった。
「迷ってられない、圭ちゃん、行くよっ!」
矢口はそう言うと、先程、保田に教えられた通りに
青いコルベットに照準を合わせた。
「ロックオン!」
矢口はそう言うとミサイル発射ボタンを押した。

ウィーン
普段は横方向にスライドして開くサンルーフが、
天の方向に向かって垂直にせり上がる。
その薄い鉄板の下から小型のミサイルが5発並んで現れた。
シュボーン
そして轟音を立てて、そのうちの一発が発射された。
「うぉお」
横で見ていて驚く加護。

ミサイル弾は凄い勢いで青いコルベットの方を目掛けてすっ飛んで行った。
158モーニングライター:01/11/12 02:24 ID:yiZ6H2eo

青いコルベットを追う矢口と吉澤のBMW。
しかし、その距離は500m近くも引き離されていた。
長い直線道路のおかげで、かろうじて先程までは、
コルベットのテールランプだけは確認できていたのだが、
途中から大きな松並木が現れ、その視界を遮り始めた。
「ミサイルの照準、ちゃんとあってんのかなぁ?」
矢口がそんな不安気な言葉を漏らす。
「えー?」
吉澤がそう言って矢口に何かを言おうとした瞬間
遠くで何かが光り、爆音が聞こえた。
「やった?」
矢口がそう叫んだ。
159モーニングライター:01/11/12 02:28 ID:yiZ6H2eo

矢口、吉澤のBMWが先程光ったと思われる辺りに到着すると
そこに生えていた松並木のうちの大きな1本が激しく燃えていた。

キャキャキャッ

矢口は、その路肩にあった砂利のスペースにBMWのリムジンを寄せると
そこに車を急停車させた。
吉澤はリアウインドウから身を乗り出して崖から海の方を見下ろす。
何故か電磁ロックの不調で外に出られなくなった矢口も
車内のモニターでその様子を確認している。
スクーターの加護もほんの少し遅れて追いついてきた。
そして丁度、その松の隙間に当たる部分から下を覗き込んでみると
高い断崖絶壁を燃えながら転がり落ちていく車のようなものが
確認できた。

3人は、炎上しながら崖から落ちていく車をただ黙って見つめていた。
160ねぇ、名乗って:01/11/12 11:58 ID:QPufVK9D
高橋名人sage
161ねぇ、名乗って:01/11/12 23:06 ID:s9qdAT8H
おもろい
162モーニングライター:01/11/14 01:32 ID:IzIyP4ua
 
163モーニングライター:01/11/14 01:34 ID:IzIyP4ua


 −− 最期の闘い −−


一方、
矢口・加護から分かれて、ただ1人黄色いポルシェを追跡していた安倍。
やはり3600ccのポルシェ911に対して、1800ccという
その丁度半分の排気量しかないカローラランクスでは、
少しずつその差を広げられて行く。
「もう!」
安倍はイライラしながらそう叫んだ。
とは言え、ここは高速道路でもサーキットでもない一般道。
いくら大排気量のポルシェと言えども、サーキットとは違い
コーナーでは減速しなければならない。
その隙を突いて、どうにか追いつこうとする安倍。
しかし、安倍のそんな頑張りもむなしく、
その差はどんどん広がっていくばかりであった。
164モーニングライター:01/11/14 01:37 ID:IzIyP4ua

「このままだと逃げられちゃうよ…」
安倍はそう泣き言をつぶやいた。
そんな時だった…
突然、安倍の目の前に、もう一台カローラランクスが
現れたかと思うと、安倍のランクスを追い抜いて行く。

ベコベコのカローラランクス…
安倍にはその車に見覚えがあった。

−−湘南530た・・11−−

「えっ、圭織っ?」
そう思った瞬間、不意に無線機からつんくの声が聞こえた。
「安倍、俺や。」
「えっ、つんくサン?圭織じゃないの?」
安倍は驚きの声を上げた。
165モーニングライター:01/11/14 01:38 ID:IzIyP4ua
ちょっと一息

−−<※ポルシェ911カレラ/Porsche 911 Carrera>−−

一口にポルシェ911と言っても恐ろしい程の歴史を持つ為に色々とありますが、
この話に登場するのは水冷エンジンを搭載した911(タイプ996)2002年モデルを意識。
コードナンバー「996」の最新型ポルシェ911は、世界屈指のピュアスポーツモデル。
エンジンこそ空冷方式から水冷方式に変更されたものの、水平対向6気筒エンジンと
リアエンジン・リアドライブの基本コンセプトは1963年のデビュー以来不変。
2002モデルのエンジンの排気量は3.6リッターに拡大され、
235kW(320PS)/6,800rpm の最高出力と 370N・m/4,250rpmの最大トルクを発生。
その結果、最高速度 285km/h を叩き出し、0−100km/hへは5.0秒で到達する。

カローラランクスと唯一共通点があるとしたら6速MTと言う事位だろうか?
なお、あえてカレラ4にしなかったのはRRならではのトリッキーな動きによっての
作品中のスピンを狙った為。やはりトルクスプリット4WDではスピンしにくいでしょう。
さて、本来、カローラシリーズが最新の高性能スポーツカーを打ち負かす等と言う
「イニシャルD」のような話は本当にあるのでしょうか?
166名無しでごめんね:01/11/14 23:04 ID:8F3c9Wdo
面白いね。頑張ってね
167モーニングライター:01/11/15 01:09 ID:POPbDx14


「相手はな…、プロや。」
突然、何の脈絡も無いように、こう話し出すつんく。
「え?プロって何のですか?」
安倍はつんくの予期せぬ言葉にこう尋ねた。

「加護がデジカメで撮って送ってきた画像見てな、
どっかで見た事ある顔やなって、ずうっと思うとったんや。」
つんくは解説し始める。
「でな、思いだしたんや。
奴は数年前まで第一線のレーサーとして活躍してた男やねん。」
「え?」
先程から驚きどうしの安倍。
「それが数年前にテスト走行中に事故して、表舞台からは姿を消したんや。
それがどういう経緯で自動車窃盗団の仲間なんかにいるのかは分からへん。
ただひとつ言えるのは、これはお前らが太刀打ちできる相手やない!」
つんくはここまで一気に喋る終えると一呼吸置いて、こう付け加えた。
「とは言え、俺かてプロのレーサーに勝てる技量はない…」

「つんくサン?」
一体、つんくが何を伝えたいのかイマイチよく分からずに
混乱する安倍であった。
168モーニングライター:01/11/15 01:10 ID:POPbDx14

「でもな、こう見えてもお前らよりは運転歴長いんや!」

そう怒鳴るように言いながら、つんくはランクスのメーターパネルに目をやった。
そして、あるスイッチを発見し、こうつぶやいた。
「フッ、保田の奴、面白いもんつけてくれるやないか…」
つんくは今、自らが面白いと表現したスイッチに手を伸ばした。
<--NITRO-->
そのスイッチには、そう書かれている。
「ニトロパワーON!」
つんくはそう言うと、迷う事無くそのスイッチのレバーをONにした。
ドゴォー
つんくがニトロスイッチをONにすると、ランクスのマフラーからは
炎があがり、突如、弾かれたかのように猛加速しだした。
「ポルシェかてな、一般道でフルに性能を出し切れなければ
1800CCと同じや!」
つんくはそう言ってベコベコのランクスをフル加速させた。
169モーニングライター:01/11/15 01:12 ID:POPbDx14

「えっ、なに何なにッ?」
マフラーから炎を出しながらかっ飛んで行くランクスを見て
目を大きく見開いて驚きの声をあげる安倍。
「驚いたか?ニトロいうてな、100気圧、−170度で圧縮された
特殊な気体でな、これを送り込んで、ガソリンと混合させることで
大幅なパワーアップができんねん」
と、満足げに語ったつんくであったが…
「はぁ?えー、よく分かりませんよ。」
つんくの説明に余計に混乱する安倍。
「まあ、簡単に言うとやな、NAのランクスでもブーストがかかってるのと
似た状態になんねん。ターボって言葉くらい聞いた事あるやろ?
ノーマルやったら190PSの、このランクスも推定、約400PSや。」
そう言うとつんくは信じられないほどの勢いで
カローラランクスを猛加速させて行った。
170モーニングライター:01/11/15 01:14 ID:POPbDx14

−−<※ニトロ/NITRO>−−

正式名、亜酸化窒素(N2O)ナイトロとも呼ばれる。
作品中でつんくが語っているように100気圧、−170度で圧縮された特殊な気体。
これを送り込んで、ガソリンと混合させる事で、ニトロ内の酸素がエンジン燃焼を
助長して大幅なパワーアップができる。
ナイトライダー世代の読者なら、同じく80年代の代表的?アニメ
「よろしくメカドック」のセリカXXでおなじみか?
171モーニングライター:01/11/17 01:33 ID:akOXAnu2


−− ラスト −−


ニトロの力を借り、黄色いポルシェの横にまで並んだ
ベコベコのカローラランクス。
「残念ながらニトロを使う事で物凄くエンジンには負担がかかんねん。
この状態で長い事走っとったらオーバーヒート確実や…」
そう小声で呟いたこのつんくの言葉は、
果たして誰に向けて発せられたのかは分からない。
「せやから、俺にはもう時間がないねん。
飯田も…よーく見とけや…。」
つんくはもう一度、誰にともなくつぶやくように言うと、
ハンドルをしっかりと握り直した。
「400PSをなめんなよ!」
そして、そう叫ぶと、妙に先のとんがったブーツで
アクセルペダルを底いっぱいまで踏みつけた。

そして、その直後の事であった。
ボーンッ!
つんくの駆るベコベコのカローラランクスは
ついにエンジンルームから火を噴いた。
その激しい衝撃に、つんくのランクスのボンネットは
まるで紙屑のように空中に舞って行った。
172モーニングライター:01/11/17 01:35 ID:akOXAnu2

「あかん、この車はもう駄目や…
俺が、今、お前らにしてやれる事はこれだけや!」

つんくはそう叫び声をあげると、思いっきりハンドルを切り
エンジンルームから炎をあげたまま、自らの車を
相手のポルシェにぶつけていった。
いくら、プロのレーサーと言えども180kmのスピードから
体当たりされたらどうしようもない。
たちまち体勢を崩し、スピンする。
つんくも大きく体勢を崩しながらも、ポルシェの前に出ると
思いっきりブレーキを踏み、更にサイドブレーキを一杯に引いた。
ギャッギャッギャッキャキャキャキャキャ
つんくのランクスは、物凄い白煙を上げながら道路の車線一杯に
立ち塞がるようにして止まり、ポルシェの行く手を阻んだ。
体勢を崩してフラフラしたポルシェは、
そのままつんくの乗ったランクスに突っ込んだ。

「来いっ!」

次の瞬間、激しい爆音と共に
つんくの乗ったランクスが宙を舞った…。
173モーニングライター:01/11/17 01:37 ID:akOXAnu2

 ※
174モーニングライター:01/11/17 01:38 ID:akOXAnu2


「つんくサンっ!」
辺り一面、もうもうと白い煙に包まれる中
慌ててつんくのもとに駆け寄る安倍。
そんな安倍に向かって、なんとか必死に笑顔を作ろうとするつんく。
そしてひきつった笑いを浮かべた顔で安倍にこう言った。
「すまんな、迷惑ばっかかけて…」
安倍は黙って首を横に振る。

「あとの事は、中澤と保田に任せてある…。」
つんくは苦しそうにこう言う。
「駄目ですっ!喋っちゃ…。駄目…」
安倍は目に涙を一杯にためながら、
苦しそうに何か言おうとするつんくを制止する。

「中澤、保田と一緒に、みんなと一緒に…、この街を頼んだで…」
そこまで言ったあと、つんくは動かなくなった。

「イヤァァァァーーーーーーー!!!」
それまで静かだった街に、安倍の絶叫が轟いた。
175モーニングライター:01/11/17 01:39 ID:akOXAnu2




176モーニングライター:01/11/17 01:41 ID:akOXAnu2



177モーニングライター:01/11/17 01:42 ID:akOXAnu2


−−エピローグ−−−


遥か向こうまで真っ直ぐに海沿いを走る直線道路。

ザザー

道路脇のガードレールのすぐ向こう側からは波の音が聞こえてくる。
そして良く晴れた青い空には、数羽のカモメが飛んでいた。
ここは、黄色いポルシェに巻き込まれて倒れた飯田の事故現場。
そのガードレール沿いの路肩に、ハザードランプを点滅させて
1台の黒いカローラランクスが停車している。

--湘南530 な・723--

激しく傷ついたガードレールの脇には大きな花束を持った安倍が立っていた。
「圭織、辻…。来たよ。」
強い海風に安倍の髪がなびく。

(※「トウモロコシと空と風 」のイントロが流れ始める。)

「圭織達のね、敵討ちしてきたよ。
辻もね、もう心配しなくていいんだよ。
だから…
だからね、
辻も圭織もね、ゆっくり休んでいいんだよ…。」

「けどね…」
海に向かって語りかけるように喋る安倍。

「なっちはね、これからも頑張り続けるよ。」
「圭織と辻の分まで…。」
そう言いながら頬には大粒の涙が伝う。
178モーニングライター:01/11/17 01:44 ID:akOXAnu2

そこには海風に髪の毛をなびかせて
遠い目で海を見ながら頬を涙で濡らし、
ただじっとそこに立ち続ける安倍の姿があった。
いつまでも、いつまでも…。

♪トウモロコシ
♪トウモロコシ

まぶしい光が めざまし時計がわり
おねぼう娘を 起こしてくれました

南の海と空 ムードいっぱい(でもね)
なぜか トウモロコシが 食べたい!

BLUE SKY 美しい風が 髪と無邪気に遊んでる
BLUE SKY この風に乗せて 想いを運んで・・・

トウモロコシ トウモロコシ

やさしい香りが 波の音と一緒に
おねぼう娘に 勇気をくれました

南の白い雲 じっと見てたら(あれ?)
やっぱトウモロコシを 連想!

BLUE SKY サラサラな風が 心の中でささやいた
BLUE SKY その想いきっと 彼まで運ぶと・・・

BLUE SKY 美しい風が 髪と無邪気に遊んでる
BLUE SKY この風に乗せて 想いを運んで・・・

BLUE SKY サラサラな風が 心の中でささやいた
BLUE SKY その想いきっと 彼まで運ぶと・・・

BLUE SKY サラサラな風が 心の中でささやいた
BLUE SKY その想いきっと 彼まで運ぶと・・・

BLUE SKY La La La、、、


  −−− 完 −−− 2001年11月
179モーニングライター:01/11/17 01:44 ID:akOXAnu2

出演:
安倍なつみ(23)    :安倍なつみ
中澤裕子(31)     :中澤裕子
保田圭(24)      :保田圭
矢口真里(22)     :矢口真里
後藤真希(19)     :後藤真希
吉澤ひとみ(19)    :吉澤ひとみ
加護亜依(17)     :加護亜依
石川梨華(20)     :石川梨華
 ・ ・
飯田圭織(23)     :飯田圭織
辻希美(17)      :辻希美
 ・           ・
モーニング財団総帥  :つんく (ナイト財団総帥ウィルトン・ナイト役)
 ・           ・
 ・           ・
高橋愛(18) :高橋愛
紺野あさ美(17)    :紺野あさ美
小川麻琴(17)     :小川麻琴
新垣里沙(16)     :新垣里沙      
180モーニングライター:01/11/17 01:46 ID:akOXAnu2

ここまで読んで下さった方、ありがとうございました。
そして、これまで書き込んで下さった全ての方々や、
保全して下さった方、本当にありがとうございました。
果たして、これを読んでくれた方は、どれ位いたのでしょうか?
これを読んで何か感想などあれば書き込んでいただければ幸いです。
             
181名無しさん:01/11/17 02:00 ID:MG8NHcea
面白かったよ。マジでナイトライダーとは異質な作りだったけど(w
続編期待しているよ
182ヽ(゜皿゜)ヽ:01/11/17 03:26 ID:Edqh1RHk
いいらさんとののたんが戻ってくることをひそかに期待してたのでちょっとだけ鬱。
だけど面白かったよ。原作見たくなりました。レンタル屋にあるのかな?
183ねぇ、名乗って:01/11/17 14:07 ID:eaCsUg+b
感動的なラストではありました。
184ねぇ、名乗って:01/11/18 12:46 ID:iML2FcxR
結局、主人公は誰だったのかな。
185ねぇ、名乗って:01/11/18 18:13 ID:gfaPFNiR
面白い。つんくタウンで映画化して欲しい、、、
186ねぇ、名乗って:01/11/19 20:31 ID:WoMgkkgo
なっちのこれからも頑張り続けるという言葉に続編を期待
187モーニングライター:01/11/20 01:40 ID:eV+EkUdN
ご意見、ご感想ありがとうございます。
もしこの作品が好評なら、次回作を書こうかと思っていました。
それまでこのスレッドが残っていれば、またこちらに書きたいと
考えております。
それではまた、このスレッドでお会いしましょう。
188ねぇ、名乗って:01/11/21 03:11 ID:TUV2uLD8
よろしくお願いします
189ねぇ、名乗って:01/11/22 20:41 ID:u+kB9Vng
次回作にむけてホゼン
190ねぇ、名乗って:01/11/23 22:31 ID:DqC/ZYTt
街でカローラランクスを見かけるとなぜか見てしまいます。
191ねぇ、名乗って:01/11/24 21:40 ID:ivXCKQi5
週末保全sage
192ねぇ、名乗って:01/11/27 01:22 ID:bcOz+DJF
保全しときます
193ねぇ、名乗って:01/11/27 16:12 ID:z2YtbPsp
モーヲタ。車ヲタ、ナイトライダーは消防のとき見ていた漏れには
面白かったよ。車の描写が性格なのが良いね。次回作期待。
194ねぇ、名乗って:01/11/28 21:34 ID:uENbwSwa
そう言えば娘。と車の話って見ないな。他にもあるのかな?
195名無しさん:01/11/29 01:28 ID:9PHXkpg9
>>194
俺、昨日から某所で書いている…
196ねぇ、名乗って:01/11/29 09:11 ID:g8Saw7A4
>>195
宣伝しなって!
197ねぇ、名乗って:01/11/29 10:32 ID:CY1QA5md
>194
こんなのを発見しました。
「漂う者たち」@920ch
ttp://920ch.conte.ne.jp/musume/readres.cgi?bo=morning&vi=0293&rm=20
198ねぇ、名乗って:01/11/30 20:53 ID:hAHM7B/t
>>194
Thanks.でも、長い...
199195:01/11/30 22:57 ID:jRxCsOR9
>>196
いや、あの…まだ出だししか書いていないんで…
しかも車関連の話はもうちょいしないと出てこない設定で書いてしまった(鬱
それでも良いなら宣伝させてください。

>>197
おもろい!ホントはこういう路線で書こうともおもったんだけどな…
なんとなくラブコメに走りそうな自分が嫌い
200198:01/11/30 23:44 ID:BHgO7o4Q
198のものです。
すんません
>>194
>>197の間違いでした。
201197:01/12/01 01:11 ID:rRYlSV6p
>>195
blue?
202名無しさん:01/12/01 05:02 ID:zOnRX1Wh
>>201
ずばりビンゴ…
203名無しライダー:01/12/01 14:18 ID:Jj4OqkGC
今日の話は「背が低いけど助けたい」だよ。
主役は矢口真里・加護亜衣・辻希美の
ミニモニメンバー!ずっと悪投から逃げ回っていた
矢口・加護・辻。でもリーダーの飯田が悪投に人質にされて、
何をすればいいかわからなくなったメンバーたちに、勇気のある
矢口・辻・加護が助ける用に言われた・・。
どんな小説になるかな??
204ねぇ、名乗って:01/12/01 14:21 ID:MU6jpq1T
処刑ライダー、知ってる?
205 :01/12/01 18:20 ID:0BK/RwGw
>>1
車の話は全くわからないけど、おもしろかったっす
206ねぇ、名乗って:01/12/01 23:20 ID:HFy8XKME
>>195にも>>197にも期待。でもやっぱり、ここの先生の新作が読みたい!
207ねぇ、名乗って:01/12/02 02:27 ID:gU1ovZ91
↑同意
208ねぇ、名乗って:01/12/02 21:14 ID:u5MKnvtg
先生はお元気ですか?
209名無し批評:01/12/02 22:04 ID:LEEDh0N0
まじめに書かせてもらうと、
最初の方は自分は誰かとハッキリとは書かれていないが
恐らく飯田視点と飯田の語り口で書かれていたので
てっきり飯田主役で物語は進んでいくんだと思っていたら
主人公だと思ってた飯田があっさり死亡??という裏切りに驚かされるも
それが中盤から文体もガラっと変わって第三者の視点に移って話はさらに展開。
飯田の語り口には無かった妙な緊張感ある世界に引き込まれる。
いい意味で、この手法は成功していたと思う。
210ねぇ、名乗って:01/12/04 20:37 ID:vGh4/3Y1
80年代テイストに溢れてますね
211ねぇ、名乗って:01/12/05 14:26 ID:AhkxDRn5
>>195
ヒントを元に探したらそれらしいのがあったんだけど、これでしょ?
ttp://mseek.obi.ne.jp/cgi/hilight.cgi?dir=blue&thp=1006870435
あーゆうのも面白いね。
頑張ってくださいな。

>>1
ここの作者さん、次回作出るまで待っていますからぜひぜひ書いてください。
ナイトライダーを元にしてこれだけ全然違う方向に話し進めるとはなかなかですよ。
犯人が誰だったかが非常に気になるけど。
できれば旧メンも登場させてもらいたかったから犯人=旧メンでもよかったのでは?
と思ったんですよ。

ナイトライダーのパロディーだったから、次は特攻野郎Aチームとか?
自分で言っていて面白そうとか思っちゃった(藁
212名無し募集中。。。:01/12/05 23:47 ID:PWxtAZwI
もうじきお祭り、だ
213名無し募集中。。。:01/12/05 23:48 ID:PWxtAZwI
スレ違い。しかもageちまった。スマソ
214名無しさん:01/12/06 00:27 ID:wIHv8aEP
保全・・・ しなくても大丈夫、か
作者さ〜ん、生きていますか?

>>197
正解です。

>>206
あんまり期待しないで下さいね、文章力ないんで…

>>211
こちらも正解。お褒めの言葉サンキュ!
特攻野郎Aチームって、これまたレアな(w
誰がコングやるんだ?
215名無しさん:01/12/07 00:28 ID:+/97Fhes
保全ついでに…
ここでのファミレスネタ使っちゃいました。作者様、スンマセン…
実は飲茶楼のあのキャラ好きなんですよね〜
216ねぇ、名乗って:01/12/08 20:06 ID:Qk1FHXfF
>>197のところなかなか更新されないね…
面白いんだから頑張ってほしいYo!
217モーニングライター:01/12/09 01:54 ID:9NYTQ2mI

みなさん御無沙汰しております。モーニングライダーの作者です。
倉庫逝きスレッドも多い中で、ここまで残して頂けて感動です。
色々と感想を下さった方はもちろんの事、
保全して下さった方々もありがとうございます。
しかし、随分たくさんの方が読んでくれていたんですね。
色々な感想が読めて楽しかったです。
これは、ますます次回作は頑張らねばと思いました。
ただ、その次回作ですが私の頭の中には構想が出来上がって
いるのですが、まだ文字と言う形になっていません。
決して放置した訳ではありませんので、もう少しお待ち下さい。

それから>>182に書かれてましたレンタルビデオの件ですが
私の知る限り、日曜洋画劇場で放送された話と
1988年頃、水曜夜8時のゴールデンタイムに放送されていた
ドラマ版の最終回の話の2話がビデオで出ていたと思います。
その他にも知っているという方がいたら御一報を。
当時は「エアーウルフ」と一緒によくビデオ屋の目立つ所に並んで
いたのですが、めっきり見かけなくなりましたね。
最近だと、余程でっかいビデオ屋か、もしくはあまりに寂れて昔の
ビデオがずーっと置いてあるような店を探すしかないのかも。

最後に、車がらみの小説を書いている方がおられるようですが、
私も当然、車が好きでこのような作品を書き上げました。頑張って下さい。
218ねぇ、名乗って:01/12/09 03:46 ID:2gTisHAy
落っこってた羊が復活したと思ったら先生も復活してた。
219ねぇ、名乗って:01/12/10 02:39 ID:NNWn7Yh1
わーい!新作期待しています<作者様
220ねぇ、名乗って:01/12/11 22:48 ID:8YaevIZc
隠れた名作発掘スレ@愛の種からきました。確かに隠れた名作でした。
最後のエンディング、あれだけ数あるモー娘。の曲の中から何故トウモロコシと
空と風なのか。まあ私は好きだから久々にこの曲が出てきて嬉しかった。
で久々にトウモロコシ聞いてみたけどやっぱこの曲はイイね。小説のラストに合わせて聞いたら結構ハマッタ。
221名無しさん:01/12/13 10:43 ID:vzjYscgS
お約束の保全で
222ねぇ、名乗って:01/12/14 05:21 ID:eex7rH4e
落ちそう…作者さん〜はよしとくれやす〜
223ねぇ、名乗って:01/12/14 23:39 ID:aXT/l48y
224ねぇ、名乗って:01/12/15 03:20 ID:nxXLxBXT
なんかこのスレだけ妙に時間の流れがのんびりしてていいすね。
とはいえ、そろそろ新作が読みたいっす
225ねぇ、名乗って:01/12/15 20:47 ID:sa7n+Nd5
ここには車好きの人達がいるみたいなんでちょっと。
今売られてるdriver誌にたまたま「クルマ好きにはたまらない映画」っつう特集があって
もしやと思って見てたらナイトライダーも紹介されてた。やっぱビデオ出てるみたい。
226ねぇ、名乗って:01/12/16 18:10 ID:R1f4+JCJ
今日もまったりしているね(w

>>225
ビデオにはなっているけど、なかなかお目にかかる機会がないね…
今日TUTAYAに逝ったら続編のナイトライダー2001しかなかった。
これはこれで楽しめるけど。
そんな俺はRC3が出てくる話までは持っている<テレビ版の録画

ヤバイ、濃すぎ?
227ねぇ、名乗って:01/12/17 03:02 ID:GxGmgVJ0
>>226
確か新ナイトライダー2000だったような気もするがナイトライダー2001?だったか
タイトルは忘れたが、とにかくナイトライダーの続編って奴を俺も見たが
あれは見るべきではなかった。見たことを後悔したよ。
特にナイトライダーシリーズはじめてみる人は絶対見るべきではない。
228ねぇ、名乗って:01/12/17 20:56 ID:v5nog4fP
なにやらchocoサーバは356超えたら256スレッドに圧縮されるように
なったみたいです。と言う訳で基準変更に危機感感じて保全
229ねぇ、名乗って:01/12/17 23:21 ID:ol1Oqua3
>>227
新ナイトライダー2000だね。スマソ
はじめてじゃ見ちゃ逝けないとは俺も思う。
でもあれはあれで楽しめたってのもマジ。
固定観念無しで見れば結構面白いのかも…

何いっているかわかんなくなってきた…
230ねぇ、名乗って:01/12/18 20:45 ID:KzyMhfFg
ついにひと月。先生いかがお過ごしですか?
231モーニングライター:01/12/19 00:56 ID:4dwflluh
 
232モーニングライター:01/12/19 00:58 ID:4dwflluh


「モーニングライダー再び」
帰ってきたモーニングライダー
--(モーニングライダー誕生編)--


モーニングライダー。
陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義の騎士。
ドリームカー、モーニング2000と共に
法の目を逃れる犯罪者達を追う若きヒーロー、
人は彼女をモーニングライダーと呼ぶ。

巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日、彼女を待ち受けるものは、果たして誰か。
233モーニングライター:01/12/19 00:59 ID:4dwflluh

−−モーニングライダー誕生−−

ナイトライダー誕生は,一発の銃声に始まる.
若き敏腕刑事、マイケル・ロングは、国際的産業スパイ一味を
追跡中、同僚を殺され、自らもその凶弾に倒れた。
だがマイケルは、ナイト財団の総帥、ウィルトン・ナイトにより
辛くも命を救われ、気づいた時、顔は整形手術により別人となり、
その身分もウィルトン・ナイトの養子としてマイケルナイトに変わっていた。
重病で死の床に就いたナイトは、マイケルに対し自分の夢を受け継ぎ
世界の巨大な悪と戦ってくれと言う言葉を残し返らぬ人となった。
 ナイトの遺言を胸に、マイケルは高性能コンピューター組み込み、
ボディも新物質で補強したドリームカー、ナイト2000と共に
度重なる危機を脱し、見事、産業スパイ一味を壊滅したのであった。

――――――――――――――――――――――――――――――

モーニングライダー誕生は、黄色い暴走車の一撃に始まる。
“元モーニング娘。”の飯田圭織と辻希美は、
目の前で起こった自動車窃盗事件の犯人一味の車を追跡中、
体勢を崩した一味の車の巻き添えとなり倒れた。
残されたメンバー達は、飯田と辻の敵を討つべく
自動車窃盗団の本拠地に潜入し、見事、自動車窃盗団一味を
壊滅に追い込んだ。
234モーニングライター:01/12/19 01:02 ID:4dwflluh

--作者よりひとこと--
みなさんお待たせして申し訳ありませんでした。

実は前回の話は「プロローグ編」という事で、今回のこの話を書くための話でした。
それが思いのほか長くなってしまって…。
でも、個人的には前回の話はとても気に入った作品に仕上がりました。
今回の「モーニングライダー誕生編」は内容的には続編は続編なんですが、
一応、前作の「プロローグ編」は、あれで完結と言う事にしまして
この話だけ読んだ人にも分かるような話にしていきたいと思います。
そのために若干くどい言い回しもあるかもしれませんがご勘弁を。
もちろん前作と合わせて読んで貰えば、なお分かりやすいかと思います。

それでは「モーニングライダ−誕生編」始めて行きます。
また、しばしお付き合い下さい。        モーニングライター
235モーニングライター:01/12/19 01:03 ID:4dwflluh


<モーニングライダー誕生編>
−−帰ってきたモーニングライダー−−


ワサワサワサワサ…
草木も眠る丑三つ時。
この時刻になると、何故か頭に白いハチマキを巻きつけて
その間にロウソクと釘を挟み込み、
さらに右手には藁人形、左手には金槌をしっかりと握り
夜な夜な、どこかに出かけて行く全身、白装束姿の石川梨華。

「あんた、何て格好してるんや。」
そんな石川と偶然すれ違い、ギョッとする酔っ払い中澤裕子。
「あ、飯田さんとののの無念を晴らすため、ちょっと丑の刻参りに。」
「ハァ??・・・。」

「ザザッザザッ…ジジー、ピー、ガガガー……
腕を前から上に上げてー、おーきく背伸びの運動ー。」
今度は、その奥から何やら妙な声が聞こえてくる。
「おい、加護、あんたは何やっとんねん?」
「はっ中澤さん!はい、朝のラジオ体操です。」
元気にそう答えたのは加護亜依であった。
「朝って・・・あんた、まだ丑の刻やで・・・。」
「へ?」
236モーニングライター:01/12/19 01:06 ID:4dwflluh

ビヨーン、ビヨーン
そんな中澤達の横を、たった今、妙な音を立てながら
何か小さな影が横切ったような気がして中澤が振り向く。
が、そこには誰もいない。
「おかしいな…」
そう言って更に首をひねると、そこには“ジャンピングシューズ”を履いて
廊下を駆け抜けて行く矢口真里の後姿があった。
そう、ドクター中松博士の開発した靴の底にバネのついた例の靴だ。
(何や・・・あれは・・・)
「矢口!」
中澤は大声をあげ矢口を呼び止める。

びよーん、びよーん
ドクター中松開発のジャンピングシューズを履いた矢口が
方向転換して中澤の方に向かって戻ってくる。
「裕ちゃん、何か用なりかー?」
237モーニングライター:01/12/19 01:09 ID:4dwflluh

びよーん、びよーん
「何やねん。その格好…」
呆れ返っている中澤。
「あ、これねー。いいでしょー。
これでおいらも背高のっぽの仲間入りだよー」
びよーん、びよーん。
その場でばねを伸び縮みさせて上下しながら
中澤に向かってこう言う矢口。
「て言うか、どこに売っとったん、そんな靴…」
ばねでビヨンビヨン上下する矢口に視線を合わせようとして、
首を上下に動かしながら中澤がこう尋ねる。
「これねー、東急ハンズで買ったの。2万5000円位だったかなー」
「なにー、裕ちゃんも欲しいなりかー?」
そう言ってキャハハハハと笑う矢口。
「・・・・」
相変わらず矢口の動きに合わせて上に下にと、首を上下させながら
言葉もでない中澤と、口を大きく開けてそんな矢口を見ている加護の2人。

「飲み過ぎで頭痛いわ…。あんたらもはよ寝えや。」
中澤は、もうこれ以上は相手に出来ないと言う感じで
自分の部屋へと戻って行った。
238モーニングライター:01/12/19 01:14 ID:4dwflluh
今日はここまでです。倉庫逝きにさせられないように頑張ります。
出来れば、これを読んでいる方にも保全に協力して頂けたら嬉しいかと思います。
239名無しさん:01/12/19 01:20 ID:M1FuppUL
おぉ、作者さん登場!!
今回も期待してまっせぇ
240モーニングライター:01/12/20 00:37 ID:r9gkMfvv

前作の「プロローグ編」で何人かの方が期待されていたように、
今回は前回あまり活躍できなかった「あの人」が主役です。
241モーニングライター:01/12/20 00:42 ID:r9gkMfvv

−−あれから2ヶ月−−

ここは関東近郊の某所に広大な面積を誇るモーニング財団本部。
その建物は、まるで中世ヨーロッパの古城を彷彿とさせるような
立派なつくりになっていた。
あたりを高い塀でぐるーっと囲まれたその内側には、
きれいに整備された芝生が敷き詰められた
巨大な庭が広がっている。

中澤は、大きな窓ガラス越しに、その芝生の庭を見ながら
「全くどいつもコイツも…。アホばかっや…。」
そう吐き捨てるように呟く。
きれいに手入れされたその芝生は、庭に設置された
水銀灯の灯りに照らされて、青々と輝いて見えた。
(ハァ、こんなきれいな庭見てたら心がなごむな・・・)
そんな事を思いながらボンヤリと窓の外を見ていた中澤の視界の片隅に、
何故か巨人軍3番のユニホームを着てバットを素振りする吉澤ひとみの姿が・・・
「・・・・」
中澤は片手で額を抱えると、とにかく誰の相手もしないように
足早に自分の部屋に戻った。
242モーニングライター:01/12/20 00:45 ID:r9gkMfvv

プロデューサーつんくに召集されて、“元モーニング娘。”
のメンバー達で結成された「モーニング財団」。
しかし、ある事件で飯田と辻が、ここから居なくなってから
残されたメンバー達の様子は少しずつおかしくなっていき
奇行が目立つようになってきた。
そう、飯田と辻の存在は、娘達にとってはとても大きなものだったのだ。

(このままだと、みんな駄目になってしまう…)
そう思いながらも中澤も酒におぼれる日々。
確実にメンバー達の歯車は狂いだしていた。
そんな事を思いながらも、中澤はいつしか眠っていた。
243モーニングライター:01/12/20 00:46 ID:r9gkMfvv

  ※

<<「腕を前から上に上げてー、大きく背伸びのうんどー。」>>
ようやく寝付いた中澤の枕元に響き渡る轟音。
「うるさーい!」
叫ぶ中澤。
「はっ、中澤さん」
そこに居たのは加護だった。
「早く寝ろ言うたやろ!!」
中澤は怒鳴る。
「で、でも、もう朝になりましたよ。」
明らかに不機嫌そうな中澤の様子に、少し震えながらこう答える加護。
「何?じゃあ、さっきのラジオ体操は何やったんや?」
「はいっ、加護の物まねラジオ体操です。
限りなくそっくりに出来るようになったんですよ。
ジーガー。まずはラジオをあわせる所からですよ!」

(あほや…これは何とかしないと真剣にヤバイ。)
中澤はそう思った。
が、二日酔い状態の中澤はそのまま、また眠りについた。

あの事件から2ヶ月。
モーニング財団のメンバー達の様子は完全におかしくなっていた。
244モーニングライター:01/12/20 00:48 ID:r9gkMfvv

----

2ヶ月前のあの事件…

そう、それは2ヶ月前のある晩のこと・・・
“元モーニング娘。”の飯田圭織と辻希美は、
目の前で目撃した自動車窃盗事件の犯人一味の車を追跡中、
体勢を崩した黄色い暴走車の巻き添えとなり倒れた。
この事故により病院に搬送された飯田は、
モーニング財団総帥・プロデューサーつんくにより
ロボに改造された…

と思いきや、その直前に奇跡的に一命を取り留めた。
そう、ジョンソン・・・いや、飯田圭織は生きていた。
では、その飯田は一体どうなったのだろうか?
245モーニングライター:01/12/20 00:49 ID:r9gkMfvv

今回はここまでです。
246ねぇ、名乗って:01/12/20 09:00 ID:ukEN68p/
保全
247ねぇ、名乗って:01/12/21 05:01 ID:q5SyE9ay
ホゼン
248モーニングライター:01/12/22 01:43 ID:jtV5RRPF

−−復活!飯田圭織−−

事故から2ヶ月。
奇跡的に一命を取りとめて退院した飯田が、
モーニング財団本部に帰ってきた。

「やあ、やあ、君達。」
異様に明るい飯田が、突如モーニング財団本部に現れた。
何も聞かされていなかったメンバー達。

「か、かおり!?」
「ホントに圭織なの?」

その、軽い調子の飯田とは打って変わって
メンバー達の驚き様といったら尋常ではなかった。

「何よ、みんなそんなに驚いちゃって。」
周りのみんなの、まるで死人をでも見るかのような
その驚愕振りに少し戸惑う飯田。

「だって…」
無理も無い。
メンバー達は皆、飯田は死んだと思い込んでいたのだ。
249モーニングライター:01/12/22 01:45 ID:jtV5RRPF

「飯田さん、死んだんじゃ…」
誰もが言いにくいと思っていた事を、加護がズケズケと言ってのけた。
「・・・」
この加護の言葉に、
中澤、安倍、矢口、後藤、吉澤、石川・・・
この時周りにいた全てのメンバーが凍りついた。

その重い沈黙を最初に破ったのは飯田だった。
「僕は死にましぇん!」

「・・・」
さらに凍りつくメンバー達
(それって・・・、90年代に一世を風靡したトレンディドラマ
“101回目のプロポーズ”の武田鉄也の物真似なのか?。)
(寒い…。しかも古い…。
間違いない。間違いなく圭織だ。…)
なっちこと安倍なつみはそう確信した。
250ねぇ、名乗って:01/12/22 23:05 ID:nnQschJY
一応保全
251モーニングライター:01/12/23 00:53 ID:otXt1dww
 
252モーニングライター:01/12/23 00:56 ID:otXt1dww

----

「ねぇ、ところで、辻は?」
ひと通り周囲を見回した後、突然こう尋ねる飯田。
その質問に、中澤や安倍をはじめとしたメンバー達は
思わず目をそらした。
その話題だけには触れてはいけないという感じで
メンバーそれぞれがそっぽを向く。
「え、何?どうしたのよ?」
その妙な雰囲気を微妙に感じ取る飯田。
「・・・・・」
長い沈黙が続く。
「実はな、圭織…」
ついに、観念したように中澤が切り出した。

      ※

「・・・嫌ぁぁぁーーーーーー!」
中澤の話を聞いた瞬間、飯田は突然立ちあがり
半狂乱になりながら部屋を出て行った。
「カオリッ!」
安倍と中澤が急いで後を追ったが追いつけない。
2人は、そのまま飯田の姿を見失ってしまった。
253モーニングライター:01/12/23 00:58 ID:otXt1dww

無我夢中で走りながら飯田の頭の中には、
「モーニング娘。」時代の番組の中での辻との思い出が
まるでテレビドラマの回想シーンのように思い出されていた。

<<−−某番組スタッフ「中澤ちゃんの事好きなの?」
<<−−辻      「だいすきれす。」
<<−−中澤     「でも、ホントは私より飯田さんのほうが好きなの。」
<<−−辻      「てへへ。」照れる辻。     

「そんな、そんな・・・」
ちょっぴり泣き虫で焼きそばが食べられなかっただけで悔し泣きする辻。
あげぱんをねだる辻。
辻との色々な思い出が走馬灯のように思い出され
飯田の目には自然に涙が溢れ出て止まらなかった。

そして飯田は、そのままモーニング財団から姿を消した。
254モーニングライター:01/12/24 01:23 ID:C/pt5N17

−− 圭織の行方 −−

飯田圭織を追うように、モーニング財団本部から
5台のトヨタ・カローラランクスが一斉に飛び出して行く。
このカローラランクスは、モーニング財団の機動車として
財団総帥のつんくが調達してきた特殊車両である。
モーニング財団本部のガレージには、何故か全く同じ
このカローラランクスがメンバー全員分揃えられている。
このクルマの発売直後のCMのキャラクターがつんくだった事もあり
メンバー達はタダでトヨタから貰って来たのでは?と
密かに思ってはいたが、車に乗れるだけで充分満足であると考える
メンバー達は特に何も言わなかった。

中澤、安倍、矢口、後藤、吉澤…。
失踪した飯田を探して、メンバー達の
カローラランクスが街中を駆け回る。
「どや、なんか情報あったか?」
「だめだよー、全然見つからないよ。」
カローラランクスの無線機を使って情報交換するメンバー達。
「ほんま、どこ行ったんや・・・」
メンバー達は必死に飯田を捜索した。
255モーニングライター:01/12/24 01:25 ID:C/pt5N17

しかし、そんなメンバー達の必死の捜索にもかかわらず
飯田の姿は見つけられなかった。
数日後、とある精神科の病院に
飯田に良く似た娘がいるという情報をつかむまで…。

そんな聞き込みの情報を元に、中澤と安倍の2人が
その精神科の病院に向かった。
安倍と中澤の2台のカローラランクスが病院の入り口に到着する。
中澤は車から降りると、何階か建ての病院をまぶしそうに見上げた。
中澤は病院の雰囲気が苦手だった。
「裕ちゃん、行くよ」
しかし、後ろから、安倍に声を掛けられ中澤も後に続いた。
256モーニングライター:01/12/24 01:27 ID:C/pt5N17

受付けで、それらしい人物が入院していると聞かされて、
お世辞にも若いとは言えぬ年輩の看護婦さんに案内されるままに、
長い廊下を歩いて行く中澤と安倍。
建てられてからかなりの年数が経っていると思われるその病院は
雰囲気も暗く、正直、中澤には耐えられない雰囲気だった。
長い廊下の突き当たりの部屋まで案内すると
看護婦さんは、2人をその部屋の中へと招き入れた。

果たして、そこにいたのは飯田圭織本人だった。
「お友達の方ですかな?」
不意に、後ろから長い白衣をきた初老の医師が安倍に話し掛けてきた。
「え?あ、はい。ずっと、ずっと彼女の事探してたんです。」
急に話し掛けられて慌てながらも、安倍はそう答えた。
「そうですか。実は数日前ですが、街で訳のわからない事を
口走りながら大暴れしている大女がいる。と
警察の方達に連れて来られましてな…」
「・・・・・」
中澤と安倍は無言でお互いの顔を見合わせた。
257モーニングライター:01/12/24 01:33 ID:C/pt5N17

精神病院の医師は、なおも続ける。
「彼女が最初にここに連れられてきた時には
興奮して手がつけられなかったんじゃが
鎮静剤と精神安定剤を投薬したら随分落ち着いてくれましてな。」
「ただ、それから、ずっとあの調子じゃ」
その医師は飯田の方を指差した。

中澤と安倍は医師の指差した方を見る。
そこにはただ一点をじっと見つめたまま口をぽかんと開けて
ボーッとしている飯田の姿があった。
「圭織!圭織っ!」
中澤が飯田の体を揺さぶりながら呼びかける。
「ん?あ、裕ちゃん…」
中澤の呼びかけに驚いたように応じる飯田であったが、
目はうつろで相変わらずボーっとしたままであった。
初老の医師はこう言った
「何かこの娘は心に相当大きなショックを受けたのじゃないのかな?」
その医師の言葉に中澤と安倍は、
再びお互いの顔をじっと見つめあった。
258モーニングライター:01/12/24 01:38 ID:C/pt5N17

「実は…」
中澤が事の顛末を精神病院の医師に話し始めた。
         ・
         ・
「そうでしたか…。そんな事があったのですか。」
中澤の話を聞き終えたその医師は、全てを悟ったかのようにこう言った。
「彼女、圭織君にとって、その娘さんの存在はかけがえのない物だったんじゃな。」
「・・・」
中澤と安倍は何も答える事が出来なかった。
「焦らずに、ゆっくりと圭織君の傷が癒えるのを待つしかないじゃろうな。」
先生は静かにこう言った。
思わず涙がこみ上げてきそうになる中澤。
「あの、彼女、これからもずっとこのままなんですか・・・?
彼女、どうしたら元に戻るんですか?」
たまらなくなった中澤が、こう医師に尋ねる。
「彼女が受けたショックを自分自身で克服する。それしかないじゃろうな。
そして、それを克服した時に彼女は元のようになるだろう。」

そう言った先生は、付け加えるようにこう続けた。
「でもな、彼女なら大丈夫じゃ。きっと、この境遇を乗り越えて
一回りも二周りも大きな人間になれるじゃろう。」
初老の医師はそう言いきった。
「はぁ・・・」
中澤と安倍は、2人して、ただボケ−ッとしている飯田を見つめていた。
259ねぇ、名乗って:01/12/24 22:07 ID:Zgg0CG5k
ああ、辻は逝きっぱなしですか・・・・。
飯田さんが復活したのは良いけど、ののかおヲタとしては・・・。
260モーニングライター:01/12/25 01:32 ID:zQQpWFXH
更新していきます。
261モーニングライター:01/12/25 01:34 ID:zQQpWFXH

−− 復活!つんく総帥 −−

それから数週間。
モーニング財団本部には、中澤と安倍によって
精神病院から引き取られてきたものの、
廃人同様の飯田の姿があった。
そんな飯田の目の前に"ねこじゃらし"のようなおもちゃを
ちらつかせて遊ぶ加護。
「コラーッ!加護っ。駄目でしょ、そんな事したら!」
安倍が走ってきて加護から、そのおもちゃを取り上げる。
しかし、そんな加護のちょっかいにも飯田は
ただボーッと宙を見つめたまま微動だにしなかった。
「もー、犬猫じゃあるまいし。何するべさ!」
「えへへ」
ここはモーニング財団本部のラウンジ。
「ハァ−」
そんな飯田の様子を見て中澤が溜息をつく。
その横で、ちっちゃな矢口がソファーの背もたれにあごを
乗せてじっと飯田の様子を見ていた。
262モーニングライター:01/12/25 01:36 ID:zQQpWFXH

カラカラカラカラ
それまで静かだった財団本部のラウンジに
不意に車輪が回転するような音が聞こえてきた。
と思ったとたん
「このままやと完全に飯田はあかんようになってしまう」
と背後から唐突に人の声が・・・。
その声の主は、モーニング財団総帥つんくだった。

「つんくサンっ!」
「大丈夫なんですか?」
予期せぬ人物の登場に驚いたメンバー達の声。
そこには付添い人に車椅子を押されて現れたつんくの姿があった。
先程のカラカラという音は車椅子の音だったのだ。
「すまんなぁ、心配掛けて。」
飯田同様、自動車窃盗団との対決の末に病院に搬送されて以来
初めて、メンバー達の前に姿を現すつんくにメンバー達は
皆、歓喜の声を上げた。
263モーニングライター:01/12/25 01:40 ID:zQQpWFXH

−− もう1人の財団メンバー ー−−

それ以上にメンバー達が驚いたのは、
つんくの車椅子を押してきた付添い人の姿だった。

「彩っぺ・・・」
中澤はそう呟いていた。
「何で・・・、なんで彩っぺがここに居るん?」
つんくに付き添って車椅子を押してきたのは、中澤と同じく
元モーニング娘。メンバーの石黒彩その人であった。
「みんな・・・久しぶりだね。
なんかさ、つんくサンに頭下げて頼まれちゃってさ、
モーニング財団を手伝ってくれって・・・」
石黒は、少し照れ臭そうに、こう口を開いた。
「今はね、つんくサンの秘書と
財団の経理担当みたいな事やってんの」
石黒はこう続ける。
「せや、その通りや。石黒には別の事務所で財団の
財務担当をやって貰っとったんや。」
石黒の言葉に続けてつんくがこう付け加えた。
264モーニングライター:01/12/25 01:42 ID:zQQpWFXH

「しっかし、あやっぺ・・・。あんた、全然変わってへんなぁ。
相変わらず夜の蛾みたいな格好して。」
きらきらした装飾品で身を固めた石黒の格好を見た中澤は苦笑しながらこう言う。
「あんた、財団の財務担当とか言うて自分の宝石なんか買うてるんとちゃうんやろな?」
「失礼ね、違うわよっ。この指輪やネックレスはダーリンが買ってくれたのよっ。ふふ」
「くぅぁー!それ私に対するあてつけかっ!」
中澤はそう言って石黒に怒鳴った。

ワハハハハハ
そんな2人のやり取りを見て思わず笑い出す、つんくをはじめとした
中澤以外のメンバー達。
久しぶりに財団本部に明るい笑い声が響き渡った。

しかし、飯田だけは笑っていなかった・・・
265ねぇ、名乗って:01/12/25 19:31 ID:+0yCOXgs
( ゜皿 ゜)<メリークリスマス
266モーニングライター:01/12/26 01:44 ID:kYi2zLoI
いつの間にか移転してたんですね。
267モーニングライター:01/12/26 01:47 ID:kYi2zLoI

  ・
そしてその日の晩。
「飯田にはモーニング2000に乗って貰うしかないな。」
つんくは、中澤と保田の2人を財団本部の会議室に集めてこう言った。
「え、でも今の圭織じゃ、とても無理です。」
保田がそう反論する。
部屋の隅では石黒が、壁に寄りかかりながら
その様子を、腕を組んで静かに伺っている。
「前にも言うたやろ。そもそも免許取ったか取らないかのようなお前らに、
この任務は無理があったんや。そんな未熟なお前らの腕をカバーする
ために開発したんがモーニング2000や。
あのマシンなら、今の飯田でも充分に守ってくれるはずや。」
つんくはきっぱりとこう言い切った
268モーニングライター:01/12/26 01:48 ID:kYi2zLoI

そしてこう続けた。
「中澤から聞いたで。今の飯田を元に戻すには、あいつ自身で
自分の受けたショックを克服していくしかないそうやないか。」
そう言って中澤の方を見る。
「はい、それしかないそうです。」
中澤は精神病院で聞かされた説明をもう1度繰り返した。
「飯田とモーニング2000。
一緒に組ませれば大丈夫や。俺はあいつを信じてる」
つんくは、中澤と保田の方向を向いてこう言った。

「で、圭織に何をさせるおつもりですか?」
つんくの強い決意に諦めたのか、保田がこう尋ねた。
269アルマーニ濱口 ◆2ggkL5EU :01/12/26 02:54 ID:a4IWy3DN
保全SAGE
270ねぇ、名乗って:01/12/26 05:22 ID:5y7M6IBi
保全
271ねぇ、名乗って:01/12/26 07:17 ID:PYzWleeW
まさか・・・。
272ねぇ、名乗って:01/12/26 22:16 ID:2i4dFowW
>>1からずっと書いてあったモーニング2000てまだ登場してなかったんだ。
273モーニングライター:01/12/27 01:13 ID:BjJzoGoE
更新します。
274モーニングライター:01/12/27 01:14 ID:BjJzoGoE


−− ドリームカー・モーニング2000開発秘話 −−

モーニング財団の切り札、
モーニング2000の開発には混迷を深め、紆余曲折の道を辿った。
そもそも、つんくが少年時代に見ていたアメリカのTVドラマ
“ナイトライダー”に憧れ、あんな車を作りたいと言う発想から
始まったモーニング2000の開発。

その後、芸能界で巨額の富を得たつんくは
“モーニング財団”なる組織を設立し、その財団職員に
芸能界を引退させた“モーニング娘。”を据えた。
そして、海に程近い関東近郊の某所に、
広大な土地にテストコースまでをも持つ
モーニング財団本部を建設し、
そこの代表として中澤裕子を任命したのだった。
周りを高い塀で囲まれたヨーロッパの古城のような
雰囲気を持つその大きな建物は、
普通は一般人がおよそ近寄らないような
崖っぷちに近い場所に建てられていたため、
この巨大な建物の存在を知る者はほとんどなかった。

そして、そこからドリームカー、
モーニング2000の開発が始まったのだった。
275モーニングライター:01/12/27 01:17 ID:BjJzoGoE

モーニング2000の開発初期メンバーは、
発案者である財団総帥つんく
財団本部代表の中澤裕子
コンピューターに詳しい保田圭
作業に強そうな?矢口真里
この4名から始まった。

この4名によって企画会議プロジェクトは進められていった。
その後、その道の専門家や学者などを招いて、
何ヶ月間も会議を繰り返していったが、
その中でも
ボディ素材として使用する鋼鉄をも跳ね返す新物質の開発。
人工知能を持ったモーニング2000の中枢コンピュータの開発。
この2点の開発は混迷を深めた。
276モーニングライター:01/12/27 01:18 ID:BjJzoGoE

プロジェクト第2段階となり、
いよいよ実際にモーニング2000の開発作業が始まった。
しかし、多数のメカニックや技術者が開発に参加しだした段階で
開発途中の車が、自動車窃盗団に盗まれると言う
予期せぬトラブルに遭遇したのだ。

中澤、安倍、矢口をはじめとしたモーニング財団のメンバー達全員の
活躍により自動車窃盗団から見事、車を取り戻す事が出来たが、
その後もモーニング2000の完成にはかなりの時間とスタッフを要した。

しかし、2005年の現在から
20年以上も前に描かれた「夢の技術」は、
近年の科学技術の進歩の前には、ほとんど夢ではなくなっていた。

あらゆる衝撃をも跳ね返すと言うボディの構想も、
「分子結合殻」という技術の開発により、
ダイヤモンドよりも硬いボディの実現にこぎつけた。

そして、完成は後一歩のところまで近づいた。
ただ、1点を除いて・・・。
277ねぇ、名乗って:01/12/28 02:48 ID:NDeN+J0U
一応、保全
278モーニングライター:01/12/29 00:26 ID:jn2Batyh


その1点とは、やはりモーニング2000の中枢部にあたる
コンピューターの部分であった。
いくら技術が日進月歩で進歩しているとは言え、
思考能力を持った人工知能コンピューターの開発は困難であった。
そして、もはやこの計画は絶望的かと思われた時、
保田達開発陣は、ついにある方法によってモーニング2000の
人工知能を完成させる事に成功した。

その方法とは・・・
人間の脳を利用した言わば“車型サイボーグ”を
作り出すことであった。
現代風に言えば、
「人間の脳とコンピューターのコラボレーション」
とでも言うのか?
279モーニングライター:01/12/29 00:28 ID:jn2Batyh

しかし、さすがに生きている人間を改造して
「車型人間」を作る訳にはいかないため、
ある心停止患者の脳に白羽の矢が立てられた。

脳死状態とは逆で、脳はしっかりしていたのだが、
外傷が激しく心臓が停止してしまったある患者の脳を、
つんくが金には糸目をつけずに集めた
日本医学界の第一人者達、医療スタッフによって
モーニング2000の頭脳として利用する事に成功したのだった。

こうして人間の脳とコンピューターを融合させた、
最強のドリームカー、モーニング2000はこの世に生を受けた。
280モーニングライター:01/12/29 00:30 ID:jn2Batyh


−−つんくと飯田−−

「飯田、ちょっとこい。」
そう言ってつんくは飯田を呼び出した。
飯田は相変わらず定まらない視点でボケ−ッと宙を見つめていた。

「今夜も交信中か・・・」
つんくは彼女達メンバーに負い目を感じていた。
自分がもう少し早くにドリームカー、モーニング2000を
開発し終えていれば、彼女達をこんな危険な目に
合わせる事もなかったのではなかろうか?
つんくは今まで常にその事を考え続けていた。
特に痛々しい程の飯田の姿を見るにつけ、
つんくは耐えられない気持ちになっていた。
281モーニングライター:01/12/29 00:32 ID:jn2Batyh

つんくが先導して、飯田をモーニング2000が格納されている
ガレージに連れて行く。
まだ放心状態に近い飯田は、つんくに言われるままにフラフラと
その後についてきた。
つんくは電子ロックを解除しガレージに通じるドアを開けた。
「なに、ここ・・・」
そこには今まで飯田が見た事のないような装置が色々と並んでいた。
「ようこそ、カオリ」
そして、そこには何故か長い白衣を着た保田がいた。
「圭…ちゃん…?」
パチッ
保田は、今まで明かりがついていなくて真っ暗だったガレージの
奥のほうのライトのスイッチをONにした。
282モーニングライター:01/12/29 00:35 ID:jn2Batyh

すると、明るいライトの下に光り輝くように、
真っ黒な1台のファイヤーバード・トランザムが姿を現した。
「ああっ!これって!!」
今まで放心状態だった飯田は、まるで何かのスイッチが
入ったかのように生き生きとした表情になった。


−−<※ポンティアック・ファイヤーバード・トランザム
/PONTIAC Firebird Trans-Am>−−

アメリカ、ゼネラルモータース社ポンティアック部門の誇る
アメリカの代表的なスポーティーカー。
車名は「Firebird」で「Trans-Am」はグレード名。
初代のデビューは1962年で現行モデルは4代目。
モーニング2000はその3代目にあたる。
本家ナイトライダーの"ナイト2000"は1982年式らしいが
モーニング2000はそれより10年新しい3rd最終型の92年モデル。
92年モデル基準車の主要諸元は(モーニング2000は若干違いあり)
全長 4.790mm/全幅 1.880mm/全高 1.300mm/重量 1.580kgで
駆動方式はFR。当時日本では、V8OHV5700cc 240ps/47.0kgの
エンジンを搭載した最上級モデルのGTAが505.0万円で販売された。

なお、残念なことに米GM社は米国の景気減速と
テロによる景気後退への懸念を強め、「シボレー・カマロ」と
「ポンティアック・ファイヤーバード」の生産を
2002年中に打ち切る事にしたそうである。
283モーニングライター:01/12/30 02:10 ID:6i6Uboqk

−−ねぇ笑って−−

そんな飯田の変化に驚いて目を大きく見開く保田とつんく。
つんくは嬉しそうに
「やったな、保田」
と保田の肩を叩いた。
そう言われた保田も
「久しぶりにカオリの笑顔見たよ。」
そう言って笑った。
ただ、飯田だけが皆、何が嬉しいのか分からず
ただボケ−ッとしていた。
284モーニングライター:01/12/30 02:14 ID:6i6Uboqk

「これって、ビデオで見たナイト2000でしょ?」
飯田は嬉しそうに、まるでピアノの塗装のようにぴかぴかに輝く
漆黒のトランザムのボディを触りまくる。
「でも、これはモーニング2000なの。」
と保田。
「モーニング2000んん?」
とそんな保田の言葉に怪訝そうな声をあげる飯田。
「飯田、よく聞いてくれ。」
つんくは改まったように飯田にこう話し掛けた。
「はい。」
「今日から、お前にこの車に乗って働いて貰う。」
「えーー!!。いいんですか!!」
つんくのその言葉を聞き、嬉しそうにジャンプする飯田。
飯田はモーニング2000の運転席のドアを開けると
早速、車に乗り込んだ。
285モーニングライター:01/12/30 02:16 ID:6i6Uboqk

そんな飯田に、つんくと保田は
モーニング2000の使い方について説明し始めた。
しかし、電脳装備満載のスーパーマシン、
その説明も難解でリハビリ状態に近かった飯田の頭は
早くもパニック状態に陥ってしまった。
まだ説明の10分の1にも達していない段階であったが
「もう分かったよ。私だって車の動かし方くらい覚えてるんですからね!」
と、今まで、まるで廃人のようにボーっとしていた人物とは思えぬ
元気な様子で、飯田はこう言い放った。
そして、そう言い放った飯田は突然、オートマチックトランスミッションの
ギアをドライブの位置に動かすと、いきなり車のアクセルを踏みこんだ。
286モーニングライター:01/12/30 02:23 ID:6i6Uboqk

「あっ」と驚きの声を上げる保田。
が、既に遅かった。
キャキャキャキャキャッ
キィィィー
ドカーン!
モーニング2000は激しいスキール音をたてて
猛烈に加速していき、モーニング2000の格納されていた
ガレージの大きな頑丈な鉄の扉をぶち破って停まった。

そして…
ハンドルに突っ伏していた飯田がおそるおそる顔を上げる。
飯田の車を囲むように、もうもうとあたりに埃が舞っているのが見えた。
そして後ろを振り返ってみると、ガレージの奥には
呆然と立ち尽くしているつんくと保田がいた。
飯田は2人と目があうと、はにかんだように笑って見せた。
287モーニングライター:01/12/30 02:26 ID:6i6Uboqk

「あの・・・。凄いですね・・・。」
飯田は申し訳なさそうにつんくに向かってこう言った。
そして、そう言われたつんくは
「まあ…、ご覧のように色々な事故から、
お前らを守ってくれる世界一安全な車や。」
と、ボロボロになったガレージの入り口の扉を片手で叩きながら
少し顔をひきつらせてこう答えた。

「確かに、ボディに傷ひとつない…塗装さえ傷ついてないよ!」
飯田はモーニング2000のドアを開けて車から降りると、
先程衝突したフロント部分に回り、あれだけぶつかってもなお、
まるで鏡のような光沢を放つそのボディをなでながらこう言った。
「でも世界一安全って…、今ぶつかったじゃないですか。
圭織はー、ぶつかる前に止まる方が安全だと思うんですけど−」
飯田はボロボロになったガレージの扉を指差す。
「それはメインスイッチを入れてからの話よ。
圭織、スイッチ入れて起動させる前に飛び出したんじゃない。」
保田は呆れ返ったようにこう言った。
288モーニングライター:01/12/30 02:27 ID:6i6Uboqk

「そもそも、この車は塗装されてないんや。」
つんくはそう言った。
「はぁ?だって、こうやってちゃんと黒く塗装が…」
飯田はもう訳が分からなかった。

「この車は無塗装なんや。塗装のように見えるけどな、
このボディの表面は分子結合殻と言う特殊な物質で補強されててな、
その強度はダイヤモンドよりも硬いと言われてんねん。
いかなる衝撃にも傷ひとつ付かへんのや。」

「それでな、その分子の配列を変化させてやる事で
表面の色も変化させる事が出きんねん。」
飯田は、またまた、よく分からない事を言い出した
という感じの眼差しでつんくを見つめた。
289モーニングライター:01/12/30 02:31 ID:6i6Uboqk

「今の状態は黒やけどな、その表面の分子配列によって
ボディの色を黒にしたり違う色にさせたりする事もできるんや。」
「もちろんこのガラス部分にも同じ技術を応用してある。」
そう言ってモーニング2000の窓ガラスを叩く。
「つんくさん!」
まるでどこかのセールスマンのように饒舌なつんくの説明を
突然、保田が遮るようにこう叫ぶ。
「圭織が、またショートしてます」
保田の言葉で我に返って飯田の方を見ると
飯田はまたしても宙を見つめ交信状態に陥っていた。
290モーニングライター:01/12/30 02:36 ID:6i6Uboqk

保田は運転席と言うよりも飛行機のコックピットに近いような
モーニング2000のドライビングシートに乗り込むと
メインコンピューターのスイッチをONにした。
<<ピピッ、ピーピピピ>>
コンピューターが起動し、モーニング2000のフロント部分に
埋め込まれていた赤いスキャナーが点灯し左右に往復しだした。

「おおっ、すげー、ナイト2000そのものだよー」
飯田はその様子を見て、ふっと我に返り、子供のようにはしゃぐと
運転席の保田をひきずりおろして運転席に乗り込んだ。
「ちゃんと光るんだ−、ダミーだと思ってたよ」と
まるでクリスマスツリーのようにぴかぴかと光っている
車内のあちこちのボタンをペタペタ触ってみる。
「ギャー!カオリッ!!。余計なボタン押しちゃ駄目よッ」
横で保田が叫ぶ。
「なによー、分かったよ。うん、絶対押さない。」
そう言うと飯田は両手を胸の上に固く押し当てた。
291モーニングライター:01/12/30 02:38 ID:6i6Uboqk

「カオリ、この車さ、時速100キロに達するのに
1秒かからないんだよ。
だからさ、ほんのちょっとアクセル踏むだけですっ飛んでくから
気をつけるのよ…」
横で保田が小姑のように口うるさく何かを言っている。
しかし、飯田は少しもこたえた様子はなく
「あとは、実際に使ってみながら覚えるよ。」
そう言って再びモーニング2000を発進させた。
「ちょっと!どこ行くつもりよ!まだ、重要な説明が残ってんのよ!!」
そう言ってむなしく叫ぶ保田の声がガレージ内にこだました。
292モーニングライター:01/12/30 02:39 ID:6i6Uboqk
本日はここまでです。
293ねぇ、名乗って:01/12/30 10:02 ID:3zLhsAT4
いよいよナイトライダーっぽくなってきた
294ねぇ、名乗って:01/12/30 17:30 ID:z2Y9wyj4
>>282 の解説。ちとカコイイと思っている
295未成年:01/12/30 22:02 ID:ZsBS+0za
3代目のファイアーバードってことは
見た目はナイト2000よりナイト4000に近いイメージだね。
296モーニングライター:01/12/31 01:18 ID:iCiOJKrC
どうも、作者です。
>>295
一応ナイト2000もモーニング2000も、同じ3代目のトランザムです。
途中マイナーチェンジで少し変化もありましたが3代目のファイヤーバード・
トランザムは11年間作られました。ですから見た目はナイト2000よりと言う事で。
確か上の方で書いてる方がいましたが、私もナイト4000の出てきた
あの作品はちょっと納得いきませんね。
297モーニングライター:01/12/31 01:20 ID:iCiOJKrC
更新します。
298モーニングライター:01/12/31 01:21 ID:iCiOJKrC


−− 驚異のスーパーコンピューター登場! −−


大声で叫ぶ保田の声を無視してガレージから飛び出した
飯田とモーニング2000。
海岸沿いの長い直線道路を黒塗りのトランザムが疾走して行く。

「これが、あのナイト2000と同じだとすると喋ったりして…」
「へいキット!って、さすがにそこまでは無理だよね。」
いくら技術が進歩したとは言え、流石にまだ自分で喋る車など
実現できていない事くらいは分かっている飯田は、
「ふっ、まさかね。」
と自分のバカな考えに思わず苦笑する。

「いいらさん」

「え?」
そんな飯田の耳に、今、明らかに辻の声が。
「辻!、辻なの?」
キャキャキャキャキャ
飯田は急ブレーキをかけると、モーニング2000の車内を
キョロキョロと見回した。
299モーニングライター:01/12/31 01:26 ID:iCiOJKrC

「えーっと。わたしのなまえは、Morning Indust…えー、
あのー忘れてしまいました。」
「こんなことならアヤカとかいう女の英語を
もっとまじめに聞いておけばよかったのれす。」
ブツブツ。
声の主は飯田にお構いなく独り言を続ける。

「ちょっと誰よっ?」
焦る飯田。
「あ、はい。私はれすね、モーニング インダ…うーん、
何とか…と言うれすね、もーにんぐ2000の
コンピューターの一部なのれすが、先程れすね、
アヤカとか言う人が私の名前を教えてくれたのれすが
忘れてしまったのれす。」
どうやら今飯田に向かって喋っているのはコンピューターらしい。
「辻…じゃないの…?」
恐る恐ると言う感じで、飯田はコンピューターに尋ねる。
「はい、れすから私はれふね、モーニング インダ…えー、
やっぱり思い出せないれす。
略して“のの”って呼んでくらさい。」
飯田に話し掛けてきた奇妙な声の主はこう言った。
300モーニングライター:01/12/31 01:28 ID:iCiOJKrC

すると突如、モーニング2000内のモニター画面のスイッチが入り
そこに何か文字が現れた。
--<<Hello! Morning Industry Two Thousand>>--
「ん?モーニング インダストリー トゥー サウザンド?」
飯田がそこに表示された文字を読みあげる。
「あっ!、ひょとしてお前が言いたかったのって…」
「そう、それれす!」
ノノと名乗ったコンピューターが、嬉しそうにそう答える。
「じゃ、お前が呼んでくれって言ってた“のの”って、
どこを略したのよ!」
「え?…。てへへ…」
飯田に突っ込まれて、声の主はコンピューターの癖に
恥ずかしそうにそう笑った。
301モーニングライター:01/12/31 01:29 ID:iCiOJKrC

「よく覚えていないのれすが、昔、
ノノと呼ばれていた記憶がかすかにあるのれす。」
とりあえず、モーニング2000のコンピューターだと言い張る
自称ノノはこう答えた。
「そうなの…。でも、何の略にもなってないじゃない。」
飯田はそういい返す。
「開発段階のコードネームか何かれすかね。
何の略かは分からないれす。」
「ふーん…」
よく分からないが飯田はとりあえず納得することにした。
302モーニングライター:01/12/31 01:31 ID:iCiOJKrC

「しかし、なによ、このコンピューター。
ぎこちない喋りのコンピューターは聞いた事あるけど
舌ったらずのコンピューターなんて始めて聞いたわ…」
飯田はこの奇妙なコンピューターの登場に目を丸くしていた。

「戻るよ」
飯田はモーニング2000を一気にスピンターンさせた…と
言いたい所であったが、運転技術の未熟な飯田は
一度ハンドルを一杯に切ると、ギコギコと小刻みに方向転換し
モーニング財団本部へと戻って行った。
303モーニングライター:01/12/31 01:38 ID:iCiOJKrC
ようやく、ここまで漕ぎ着ける事が出来ました。
本日はここまでですが、この先の展開に御期待ください。
304ねぇ、名乗って:01/12/31 22:23 ID:rps1D6zN
これってののかお?
305( ゜皿 ゜)イイラー:02/01/01 14:50 ID:HjpMLzbH
( ゜皿 ゜)<アケマシテオメデトウ
306ねぇ、名乗って:02/01/03 02:57 ID:fEVghGzq
一応、保全しておきましょう
307ねぇ、名乗って:02/01/03 22:56 ID:yYd0Uu45
ののかお期待保全
308モーニングライター:02/01/04 01:01 ID:VosUqVtC
新年、明けましておめでとうございます。
今年も頑張っていきます。それでは続きです。
309モーニングライター:02/01/04 01:05 ID:VosUqVtC

−− 矢口真里 −−

「もー、何でこんな事しなきゃなんないのよー!」
そう言って大声で文句を言っているのは矢口だった。
「うるさい、働かざるもの食うべからず」
矢口は、つんくにそう命令されて、
飯田がモーニング2000でぶち破った
ガレージのドアの修復をさせられていた。

「矢口、ドア作るの好きやろ。昔テレビで見たで。
矢口工務店とか言ってやっとるの。」
つんくはそう言って矢口を冷やかす。
「別に好きな訳じゃありませんっ」
矢口は甲高い声でそう言ってつんくに反抗した。
「しかもテレビで見たって、一視聴者と同じじゃないですか」
ブツブツ…
今度は、つんくには聞こえないくらいの
ちっちゃな声でそう呟いていた。
310モーニングライター:02/01/04 01:08 ID:VosUqVtC

−−モーニング財団本部−−

ここはモーニング財団本部のラウンジ。
中では、石川の運んできたお茶を飲みながら中澤が、
飯田の壊したドアを直している途中の矢口を捕まえて絡んでいた。
その奥はロフト状に中2階のようになっており
そこには無言でパソコンの画面を見ている保田の姿があった。
バタン
そこに荒々しく入ってくる飯田。
「何や、何や」
乱暴に開けられたドアの音に中澤が振り向く。
そこには仁王立ちになった飯田の姿があった。
311モーニングライター:02/01/04 01:10 ID:VosUqVtC

「何で教えてくれなかったのよ!」
突然入ってきたかと思うと今度は怒鳴りだす飯田
「何をや?」
あっけにとられたように中澤がこう聞き返す。
「あれが喋れるって事をよ!」
「喋ったんか?」
「喋ったんかじゃないわよ!」
少し怒った様子の飯田。
「何をそんなに怒ってんねん。」
片手で髪の毛を掻きながらそう尋ねる中澤。
中澤からのその問いかけに、飯田は大きな瞳を潤ませ
ヒステリックな調子でこう叫んだ。
「何で私に黙ってたのよ!
しかもさ、何で辻そっくりな声なのよ!
私の…、私のあの辛い記憶をまた呼び戻そうって事なの?」
312モーニングライター:02/01/04 01:12 ID:VosUqVtC

中澤は知っていた。
中澤、保田、矢口の3人は、つんくサンの指示の元、
特殊車両「モーニング2000」の開発に携わってきた。
特に保田、矢口は開発メンバーの一員として、
この数ヶ月睡眠時間を削ってきた。
当然、このモーニング2000については知らない訳がないのだ。
しかし、中澤は“つじ”という言葉が怖くて口に出せなかった。
そもそも前回の飯田の失踪の原因は、
中澤が不意に口にした辻の一件が原因なのだ。
それ以来、中澤は飯田に辻の話題どころか辻を連想させる事さえも
口に出来なかった。それは中澤だけでなくメンバー全員同じだった。
(つんくサンの言う通り、後はあの車に任せるしかない。)
そう思っていた。
313モーニングライター:02/01/04 01:14 ID:VosUqVtC

しかし、飯田に問い詰められて困っている中澤を
見かねて保田がついに重い口を開いた。
保田は、それまで見ていたパソコンのモニターから静かに
顔を上げると、かけていた眼鏡を外しながらこう言った。
「実は、あのモーニング2000は辻なのよ」
「えっ!」
保田の意外な言葉に驚きを隠せない飯田。
「何よ、それ。訳わかんないよ!
何処が辻なのよ。車じゃない。」
混乱したように飯田がこう怒鳴る。
「正確に言うとね、あの車のコンピューターの中枢部分は
全て辻の脳を基に作られているの。」
「それでね、ただのコンピューターの人工知能を遥かに上回る
頭脳を持ったスーパーマシンが完成できたわ」
314モーニングライター:02/01/04 01:18 ID:VosUqVtC

「・・・・・」
飯田は言葉が出なかった。
あの機械とは思えない舌ったらずの喋り。
コンピューターなのに教えられた自分の名前をも忘れてしまう
低性能ぶり。
それより何より飯田も間違えたほどの辻そっくりな声。
飯田は先程までの事を思い出してみる。
成る程、中身が辻だと思うと全て納得できる。

「でも…」
飯田がある疑問を口にする。
「圭ちゃん、普通のコンピューターを遥かに上回る頭脳って、
中身が辻だったら普通のパソコンの方が賢いんじゃないの?」
「・・・」
それに対して、何故か、何も答えない保田であった。

「昔、ノノと呼ばれていた記憶がかすかにあるのれす。」
という、あの車の言っていた事もこれで説明がつく。
あれは、開発段階のコードネームでも何でもない。
それ以前の辻の時代の脳の奥底に眠っていた
“辻希美”自身の記憶だったのだ。
そう考えていたら飯田はまた少し涙ぐんだ。
315ねぇ、名乗って:02/01/04 22:22 ID:EZ5L/R1C
ののかおマンセー。
いや、よかったほんと。
いいらさんがロボじゃなくて、辻がロボというか
車っすか。
316ねぇ、名乗って:02/01/05 16:19 ID:c2WuxsXo
面白くなりそうな予感
317モーニングライター:02/01/06 01:40 ID:Xkz7tCRj


−− 保田博士と飯田とノノ −−

モーニング2000の停めてあるガレージに向かって
飯田と保田の2人が財団本部の廊下を歩いている。
「圭織、まだまだ説明しなきゃならない事がこんなにあるのよ!」
そう言って保田は歩きながら、手に持った書類の山を飯田に見せる。
「何よこれ?」
「何をじゃないわよ。」
そんな事を言い合いながら2人はガレージの中に入っていった。

飯田はもう一度、モーニング2000に近づいてみる。
車庫には黒いボディのトランザムが先程と同じように佇んでいた。
318モーニングライター:02/01/06 01:42 ID:Xkz7tCRj

ふぉうふぉう
フロントバンパーに埋め込まれた赤いLEDのスキャナーが
右に左に点滅を繰り返している。
飯田が近寄ると、その赤いスキャナーの往復が急に早くなった。
ふぉうふぉうふぉうふぉう
飯田には、その様子が、まるで飼い犬が喜んで
尻尾を振っているように見えた。
(つじ…)
そんな健気な様子を見ていたら飯田は、
また辻希美の事を思い出して目頭が熱くなった。
319モーニングライター:02/01/06 01:46 ID:Xkz7tCRj

飯田は、左ハンドル車であるモーニング2000の
左側の大きな扉を開けると静かに車に乗り込んだ。
そして賑やかに電飾の光る室内を改めて見回す。
「おでかけれすか。」
突然ノノがそう言って話しかけてくる。
しかし飯田は、そんなノノの言葉には答えず
保田の方を向いてこう尋ねる。
「ねえ、圭ちゃん。ひとつ聞いていい?」
「何でも答えるわよ」
眼鏡のツルに手を当てながら保田がこう言う。
320モーニングライター:02/01/06 01:48 ID:Xkz7tCRj

「このさぁ、今みたいにこの車が喋る度に
( ´D`)こう言うマークが出るんだけど何よこれ?」
飯田が、オーディオのグラッフィックイコライザーのように
パカパカと点滅している部分を指差す。
「その部分がノノの中枢部よ。」
「これが?」
怪訝そうにそのグライコのような部分に顔を近づける飯田。
( ´D`)「てへへ」
そういって笑うノノ。
「こうやって、ノノがしゃべる度にLEDに表示が出るのよ。」
保田が説明を続ける。
「ねえ、でも、なんでこんなマークなのよ。なんか気が抜けるよ。」
飯田は、そう言って納得の行かない様子で、
あらためて、そのLED部分をじっと見つめていた。
321モーニングライター:02/01/06 01:50 ID:Xkz7tCRj

「圭織、そんな事はいいから他に説明しなきゃならない
部分を説明するとね…」
「行くよ」
突然、飯田は保田の説明を無視するかのようにこう言うと
モーニング2000のアクセルを踏み込んだ。
「あっ、カオリッ、話がまだ…」
急いで飯田の後を追う保田。
保田の話など全く聞かぬままに再び飯田は飛び出した。

ドカーン
バキバキバキッ

またもやガレージの扉は無残にもぶち破られた。
322モーニングライター:02/01/06 01:53 ID:Xkz7tCRj

--作者よりひとこと--

前作の「プロローグ編」の時から
「いいらさんは?」「ののはどうなるの?」
と言うような書き込みあって、こちらとしては
「飯田も辻も帰ってきます。安心して下さい。」と
書きたかった所でしたが、ネタバレになるといけないと思い
今までずっと書けないでいました。
>>315の方や>>259の方。
あと遡って行くと>>182の方なんかの意見もそうでしょうか?
他にも抜けている方がいらっしゃると思いますがすみません。
飯田さんもののもようやく帰って来ました。
辻の帰り方には疑問を感じる人もいるかもしれませんが・・・

しかし、やはりネタバレになってしまうのは私の望む所ではないので
今後、もしもこの作品の事を他人に語るような事がありましたら
「辻も飯田も途中で居なくなってしまう。しかし最高にののかおだった。」
なんて言う風にはぐらかして伝えて頂けたら嬉しいかと思います。
323ねぇ、名乗って:02/01/06 09:38 ID:kDoJdymn
>>322
了解でーっす。
ちなみに、>>259>>315は私だったりします。
ナイトライダーを見てた世代だから、懐かしいです。
324ねぇ、名乗って:02/01/07 16:05 ID:2RLcIZis
落ちそう…
面白いから続き期待だよん<作者殿
325ねぇ、名乗って:02/01/08 02:09 ID:7PsD1HBj
さがりまくってますね、、、
326ねぇ、名乗って:02/01/08 19:23 ID:H+AoMJLE
ヨッシャ!ホゼム
327モーニングライター:02/01/09 01:36 ID:uT7qC9er
確かにさがってますが今日もsageでいきます。
328モーニングライター:02/01/09 01:39 ID:uT7qC9er


−− 中澤裕子と矢口真里 −−

「やめろよ、バカ裕子。」
「矢口、ええやん」
相変わらずラウンジには、お茶を片手にくつろいでいる中澤と、
そんな中澤に捕まって逃げようとしている矢口の姿があった。
そんな時だった。

ドカーン
バキバキバキッ

「なにっなにっ?今の音?」
中澤と矢口の元にも響く轟音。
あまりのけたたましい音に、中澤と矢口は驚いて窓から顔を出す。
2人の視界には、先程まで矢口が必死に修理していた
まだ補修途中のガレージの扉を豪快にぶち壊して、
猛スピードで走り去るモーニング2000の後姿が…

「もー!!! いちいち扉壊して行かないでよー!
バカーッ!!」
329モーニングライター:02/01/09 01:41 ID:uT7qC9er

矢口は走り去るモーニング2000に向かって
そう言って絶叫すると、手に持っていた
缶ジュースの空き缶を思いっきり投げつけた。

“ぼかっ”という鈍い音。
「ん?」
空き缶が地面に当たるカーンという乾いた音を想像していた
矢口と中澤は、予想外のにぶい音にお互いに目を見合わせる。
そして慌てて窓から身を乗り出して音の聞こえた方向を見下ろす。
「ぁ…」
そこには、何故か保田がうつぶせになって倒れていた…。
330モーニングライター:02/01/09 01:44 ID:uT7qC9er

−− 車中にて −−
 
モーニング財団本部を出発して以来、
黙々と走り続ける飯田とモーニング2000。
( ´D`)「あの…、いいらさん」
不意に何か思ったのか、飯田に話し掛けるノノ。
「うわっ!何よ突然。驚くじゃない。」
「そ、そんなにおどろかれるとノノもおどろくのれす。」
飯田のあまりの驚きように話し掛けたノノの方も驚く。
「やっぱり車に話し掛けられるなんて、慣れないよ」
飯田はそう言ってバクバクいっている心臓に片手をあてる。

「いいらさん、気分転換にノノが音楽をかけてあげるのれす。」
そう言うとノノは早速カーステレオのスイッチを入れた。
331モーニングライター:02/01/09 01:47 ID:uT7qC9er

かちゃっ
♪L・O・V・E LOVELY 保田♪
モーニング2000のサラウンドシステムからは軽快な保田のリズムが。
「うるさーい!! しかも、なんでそんな曲なのよ!
ちょっとさぁ、今、考え事してたんだから黙ってて貰える?」
飯田はそう言ってノノを怒鳴りつけた。
「はい… 承知したのれす…」
飯田にそう言われるとノノはおとなしく黙り込んだ。

そして、それからしばらく車を走らせた時だった。
キィィ
突然、飯田は何かを思いついたのか
急に大きなコンビニの駐車場にノノを停めると車から降り立った。

そして真っ直ぐにその前にあった公衆電話に向かって歩いていくと
受話器を取り、モーニング財団本部の番号をダイヤルした。
332ねぇ、名乗って:02/01/09 16:39 ID:IdBtY9HW
こねたのプッチにちょいワラタ
おもろいよ、うん
333ねぇ、名乗って:02/01/10 03:07 ID:TAwbKnog
ののが出てきてからなんか雰囲気が変わったような気がします。つんくが言ってた
「場の空気を一瞬にして変えてしまう才能」というのを思い出しました
334ラウンジャー葱:02/01/10 21:45 ID:yyYLeTl5
          o       o         o          。
                                             。


                     〇

       o
 
335モーニングライダー:02/01/12 01:55 ID:LnyNT2DQ
更新します。
336モーニングライター:02/01/12 01:58 ID:LnyNT2DQ


−− 中澤と飯田 −−

「保田さん、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないわよっ」
先程、矢口が思いっきり投げた空き缶が命中し、
後頭部に出来た見事な“たんこぶ”を
石川に介抱して貰っている保田。
「イタタタタ!もっと優しくしなさいよ!」
「すっ、すみません」

トゥルゥルゥルゥルゥ
その時、モーニング財団本部の電話機が鳴った。

「はいはいはいはいはい」
扉を修理しようとしている22歳の矢口真里を
捕まえてじゃれ合っていた中澤裕子31歳は、
そう言いながら受話器を取った。
「はい、モーニング財団です。」
337モーニングライター:02/01/12 02:01 ID:LnyNT2DQ

飯田の受話器からは中澤の声が聞こえてきた。
「あのー、裕ちゃん?」
電話に出たのが中澤だと分かると飯田はこう言った。
「何や、圭織…。どしたん?」
突然、電話してきた飯田に対して
一体、何事かと不安そうな様子の中澤の声が聞こえる。

「あのー、ごめん、さっきは…。そのー、言い過ぎた…。」
思い切って飯田は中澤に向かってそう言った。
「え?なんや、カオリ。そのためにわざわざ電話してきたんか?」
なんだか、ほっとしたようにも感じられる中澤の声。
「え、うん、そうだけど…。あの、さっきの事、
気にしてるかなって思って…」
妙にしんみょうな飯田。
「ヌハハハハ、全然、何にも思ってへんよ。」
そんな飯田の様子がおかしくて、中澤はいつもの
“主”みたいな笑い声を立てながら飯田にこう言った。
338モーニングライター:02/01/12 02:05 ID:LnyNT2DQ

「それからな、圭織。わざわざ電話して来なくても
モーニング2000の通信システム使ったら、ここと
テレビ電話みたいに連絡できたのに…」
中澤はそう言う。
「え?」
驚く飯田。
「カオリ、さっき慌てて飛び出したから携帯も持ってなくて
わざわざコンビニから電話してたのに・・・」
飯田はそう言って嘆く。
「なんや、知らんかったんか?
モーニング2000は、ノノは何にも案内してくれへんかったのか?」
中澤は飯田にそう尋ねた。
「え、あ、そう言えば、カオリが少し黙っててって黙らせたかも…」
飯田は思い出そうとしてみる。
「それや。ノノは主人には忠実やねん。」
339モーニングライター:02/01/12 02:12 ID:LnyNT2DQ

「あぁーー!」
突然、電話の向こうから飯田の叫び声が響いてきた。
ガタンッ
受話器が壁か何かにぶつかるような音・・・
「おい、待てー!」
受話器から遠い所で飯田の叫ぶ声が聞こえる。

「なんや、どないした圭織!どうしたんや!」
飯田のただ事でない叫び声に、
中澤も大声で受話器に向かって叫ぶ。
しかし、それっきり飯田の声は聞こえなくなった。
340モーニングライター:02/01/12 02:16 ID:LnyNT2DQ

そんな中澤の様子に、矢口と保田も
慌てて電話の元に近寄ってきた。
「カオリッ、どないしたんや!なんか返事せえやっ!」
だが、中澤の必死の呼びかけにも飯田は応答しない。

ガチャガチャガチャ
しばらくして、受話器を拾いあげるような音が聞こえる。
そして
「裕ちゃん、大変だよ、ノノが誰かに盗まれて乗ってかれちゃったよ」
飯田がおろおろした声でそう言った。
341モーニングライター:02/01/12 02:25 ID:LnyNT2DQ
仕事上の都合でしばらく家を留守にする事になりました。(1週間程)
戻りしだい、また続けていきますので宜しくお願いします。
では、戻ってくるまでこのスレッドが残っている事を祈って・・・
342ねえ名乗って:02/01/12 02:33 ID:ZTfUdhUF
>>341
もちろん、保全しますよ。
シアターの様に。(あれはやり過ぎかもしれないけど)
34312時間たったので保全:02/01/12 15:18 ID:hwi5PMhM
保全は12〜24時間ごとに行ってください
344ねえ名乗って:02/01/13 09:25 ID:3HP0Ruul
Hozen
345ねえ名乗って:02/01/14 01:01 ID:GHwlVD1C
小説「モーニングライダー再び」 保全中
346ねえ名乗って:02/01/14 22:07 ID:3he6fDEN
作者さん仕事中。
漏れも今日仕事。
Hozen
347ねえ名乗って:02/01/15 23:19 ID:sSoH9qmQ
ほぜん
348名乗るほどのものでなし:02/01/16 04:26 ID:3b5a7PJN
続きに期待ですよ
349ねえ名乗って:02/01/16 08:26 ID:oF9TIBy0
今日は出張
ほぜむ
350 ◆KOSINeo. :02/01/16 17:51 ID:e6o2YIdf
>モーニングライターさん
小説総合スレッドで紹介&更新情報掲載しても良いですか?
http://tv.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1000493808/
351ねえ名乗って:02/01/16 22:29 ID:YnNCOOAr
>>350
作者さんはしばらくかえってこれない模様。

Hozen
352名無しさん:02/01/17 22:09 ID:wsXFANL7
作者さんはいつご帰還されるんだろう?
とりあえず保全
353ねえ名乗って:02/01/18 07:59 ID:FML5n5EH
一週間くらいって書いてあったから、そろそろかな。
ほぜん
354名無し募集中。。。:02/01/18 21:20 ID:39u6Q18N
うぅ〜ん続きが気になるねぇ。。。保全
355ねぇ、名乗って:02/01/19 22:41 ID:Uyfp1oAR
そろそろ復帰?
ほぜむ
356読者:02/01/20 05:36 ID:h8ntyA0/
某スレで紹介されていたのを見て最初から全部読んでみたのですが。かなり
はまりました。最初の方の話はカオリン口調で始まって最後はナッチでのシメ。
てっきり、ああ主役はナッチだったんだと思ってたら大きく裏切られて(悪い意味
じゃないですよ)今回の話にはナッチはあまり出てきませんね。主役はナッチじゃ
なかったという理由はここまで読んでわかりましたけど。この先たのしみです。
357ねぇ、名乗って:02/01/20 23:12 ID:1qExXpcv
長引いているのかな?、仕事。
ガンガレ
保全
358ねぇ、名乗って:02/01/21 23:11 ID:UF7qMMvU
作者、仕事カ中?
ほぜむ
359モーニングライター:02/01/22 00:13 ID:mimp2TiN

モーニングライダーの作者です。
ようやく戻って参りました。ここ数日の保全書き込み読ませて
頂きましたが、とても嬉しくなりました。
いやー、これだけ保全していただけたのを見たら
それだけで、とてもやる気が出てきました。
また、この話を読んでくれている方がいたという事も分かって嬉しいです。
保全して下さった皆さん有難うございました。この先、頑張ります。

>>350
更新情報の◆KOSINeo.様
いつも更新情報へ掲載して頂き大変感謝しております。
これからも引き続き宜しくお願い致します。
と、ここで書いても見て頂けてないですかね?
後で改めて小説総合スレッドの方にも書き込ませて頂きます。
360モーニングライター:02/01/22 00:18 ID:mimp2TiN


−− ケータイ・コンビニ・イイダカオリ −−

飯田は、道路沿いに大きな駐車場を備えたコンビニを発見すると、
その駐車場にモーニング2000を乗り入れた。
その大きな駐車場の中の、公衆電話に比較的近い位置に
ノノを停めた飯田は、車から降りたつと
真っ直ぐに公衆電話に向かって歩いて行った。
すぐに戻ってくるつもりであったため、
モーニング2000の運転席の窓は開けっ放しのままになっていた。

しかし、その時、駐車場の奥からモーニング2000の姿を
じっと監視する不気味な青いコルベットの姿があることに
飯田は全く気づいていなかった・・・。
361モーニングライター:02/01/22 00:21 ID:mimp2TiN

「あー。ケータイくらい持ってくればよかったよ。」
慌わただしく飛び出してきたために、携帯も財布も持たずに
出てきてしまった飯田であったが、着ていた革のジャケットを
必死で探ると、かろうじてジャケットのポケットの奥から、
食べ終わったアメの包み紙や、街頭で貰ったサラ金会社の
ポケットティッシュに混じって、モーニング娘。時代に
大量に貰ったまま、未だに使っていなかったモーニング娘。の
テレホンカードが2枚程発見された。
「ラッキー」
飯田はそう独り言を呟くと、マニアが見たら涎を流して
欲しがりそうなそのテレホンカードを惜しげもなく公衆電話に入れ、
モーニング財団本部の電話番号をプッシュした。

362モーニングライター:02/01/22 00:24 ID:mimp2TiN

「はい、モーニング財団です。」
そう言って電話口に出てきた中澤と2〜3分程話した時であった。
不意に、飯田の後ろから車のドアが閉まる音が聞こえた。
「ん?」
その気配に気づいて、飯田が振り返った瞬間
何物かがモーニング2000に乗り込んで発進させるのが見えた。
「あぁーー!」
飯田は持っていた受話器を投げ捨て、慌ててモーニング2000を追った。
ガタッ
飯田の投げ捨てた受話器は激しく壁に打ちつけられた。

「おい、待てー!」
しかし、2〜3歩足を踏み出したところで飯田は、
猛スピードで発進して逃げていくモーニング2000には、
とても追いつけないと判断し、すぐさま電話機の方に引き返す。
そしてブラブラとぶら下がっていた公衆電話の受話器を掴むと
受話器の向こう側の中澤に向かってこう叫んだ。
「裕ちゃん、大変だよ、ノノが誰かに盗まれて乗ってかれちゃったよ」
363モーニングライター:02/01/22 00:27 ID:mimp2TiN

更にそんなモーニング2000の後を追うように
青いコルベットが一緒に駐車場から走り去って行った。
「あ、あの青い車は…」
飯田にはその青いコルベットには見覚えがあった。
そう、それは2ヶ月前に飯田と辻を瀕死の状態にまで追い込んだ
忘れたくても忘れられない自動車窃盗団の主犯格の車であった。
「まだ居たんだ・・・。」
飯田は、そう独り言を呟くと受話器に向かって叫んだ。
「裕ちゃん、例の青いコルベットだよ!
コルベットに2人で乗って来て、1人はノノに乗って行ったの!
あいつら窃盗団にノノを持ってかれたのよ!」
飯田は激しく興奮しながら中澤にこう告げた。
364モーニングライター:02/01/22 00:29 ID:mimp2TiN
本日はここまでです。また続けていきます。
365 :02/01/22 04:23 ID:7kVK4Z0i
OH!復帰
366ねぇ、名乗って:02/01/22 08:24 ID:LJm8YIvg
>>365
お仕事お疲れー。
367茨大で文句ある?:02/01/22 16:52 ID:LgKmQaMI
おっつー。がんばりやー
368366:02/01/22 23:11 ID:1pYX6uYa
間違い。>>364でした。
369モーニングライター:02/01/23 00:59 ID:3pBjtsGn
皆さん、ご愛読感謝いたします。
370モーニングライター:02/01/23 01:03 ID:3pBjtsGn

−−中澤・保田・矢口−−

その間に、全てを察した保田は、電話している中澤と
目で合図すると、きびきびと動き部屋から飛び出して行った。
財団本部の玄関を飛び出した保田は、3段抜かしで長い階段を
駈け降りると、階段の脇に停めていた保田用の
カローラランクスに飛び乗り急発進させていった。

「カオリッ、いい?そこを動かないで。」
電話の向こうで激しく興奮している飯田に中澤はこう言った。

「圭織!今、そっちへ圭坊が向かったから!そこで待ってるんやで!」
中澤は、もう一度電話の向こうの飯田に向かってこう念を押す。

飯田は中澤の言葉を聞いているのかいないのか、走り去って
徐々に小さくなって行く青いコルベットの後姿をじっと見つめていた。
371モーニングライター:02/01/23 01:07 ID:3pBjtsGn

「青いコルベットって…。そんなの、ありえないよ!」
財団本部の中澤の横で、飯田からの電話を聞いていた矢口がこう叫ぶ。
「だって、だって、あの青いコルベットは矢口とよっすぃーが…」
相変わらずドクター中松氏開発のジャンピングシューズを
履いたままの矢口がこう続ける。
「あの時、矢口とよっすぃーがやっつけた筈だよ!」

そう。飯田と辻の敵を討つべく自動車窃盗団の本拠地に潜入し
そして最終的に矢口、吉澤、加護の3人が追い詰めて
ミサイルによって撃墜した青いコルベット…。

「見たんか?」
中澤が静かな口調でこう言う。
「え?」
「最後まで、そのコルベットの最後まで見届けたんか?」
「え、あ、うん…」
中澤が問い詰めると、自信なさげな返事を返す矢口。
372モーニングライター:02/01/23 01:10 ID:3pBjtsGn

「ヨッスィー、呼んでくるっ!」
ビヨーン、ビヨーン
そう言うと矢口は、吉澤の部屋に向かって、
ジャンピングシューズのバネの力を利用して
凄い速さですっ飛んで行った。

「石川、吉澤だけでなくメンバー全員、この部屋に集めるんや!」
「はいっ」
中澤はそう言って石川に命令すると、無線機のマイクを取り
メンバー各自が腕にはめている腕時計型無線機に向けて
召集命令を発信した。

「ん?石川、そこで何してんねん?」
中澤が無線機でメンバー達を呼び出している様子を
その横で直立不動の姿勢でじっと見ている石川。
「え、石川は何をすれば…」
「1人ずつ捜し出して、捕まえて連れて来いや!」
「えー、それじゃ、その無線機の意味って?」
「うっさい、ボケ。つべこべ言わんと行って来いや!」
「ひぇーー」
373ねぇ、名乗って:02/01/23 07:34 ID:K8Pt6zgB
>>372
更新お疲れ。
名作集&(狩)でいろいろゴタゴタがあったから
安心するね。ちゃんとしたのは。
374名無し募集中。。。:02/01/23 10:37 ID:1nvO3G2C
>>372
お疲れ。ベット復活ですか。。。
何気に楽しくなりそうな予感〜

>>373
狩の一件は正直むかついたけど笑っちまった俺もいるな(w
まぁ小説はマターリが一番ってこっちゃな
375名無しさん:02/01/24 08:04 ID:nEYmFbOv
およ?保全
376モーニングライター:02/01/25 01:16 ID:M/FqiKu4
更新です。
377モーニングライター:02/01/25 01:18 ID:M/FqiKu4

−− ノノ −−

ふぉうふぉう
フロントグリルに埋め込まれたスキャナーの音が聞こえる。

ノノはコンビニの駐車場で、公衆電話から
どこかに電話を掛けている飯田の姿を見ていた。
「電話ならノノにも内蔵されているのれすが、
しばらく黙ってろと言うので黙っていたのれす。
それで、よかったのれすかねぇ?」
そんな事を言いながらスキャナーで辺りの様子を
検知していると不審な青いコルベットが
ノノの方に向かってゆっくりと近づいてきた。
378モーニングライター:02/01/25 01:22 ID:M/FqiKu4

ふぉうふぉう
ノノのセンサーでは2名の人間の生体反応が出た。
そのうちの1人がコルベットの助手席の扉を開けて
車から降りると、ノノに向かって近づいてきた。
ゆっくりと、窓が開いたままのノノの運転席に歩み寄って
その内部を確認すると、不審な男は、持っていた無線機に
向かってこう喋りだした。
「御丁寧にキーまで刺さったままだ。」
男はその他にも二言、三言何かを喋った後、
突然ノノに乗り込み車を急発進させた。
そしてノノにあわせるように、その後ろから
先程の青いコルベットがくっついてきた。
勝手にノノに乗り込んできた男は、運転しながら、
自分の持っていた無線機に向かって話始めた。
「おい、コイツはすげえぞ、中はコンピューターだらけだ。
こりゃあ、高く売れるぜ!」
379モーニングライター:02/01/25 01:35 ID:M/FqiKu4

−− 緊急集会 −−

例の飯田と辻の自動車窃盗団との対決以来、約2ヶ月間
別段、何をするでもなく怠惰に過ごして来たメンバー達が
1人そして2人と、だらだらと財団本部内のロビーに集まってきた。
まず一番初めに矢口に引っ張られるようにして
やってきたのは吉澤ひとみであった。
「おはようございます。テメーら」
「・・・」
「吉澤あんた別に帰国子女でも何でもないやろ…」

いくら無線で呼んでも最後まで起きてこなかった安倍は、
石川が直接、部屋まで呼びに行って連れてきた。
「ごめん、裕ちゃん、すっかり寝込んじゃって。」
安倍は中澤の顔を見るなり開口一番こう言った。
380モーニングライター:02/01/25 01:37 ID:M/FqiKu4

そして最後に石川が、息も絶え絶えでゼエゼエ言いながら
加護を引き連れて戻ってきた。
「おう、石川。ご苦労」
中澤はそんな石川を見て苦笑しながら、ねぎらいの言葉をかけた。
そんな中澤の言葉に、石川は半泣きになりながらこう訴えた。
「もー!。みんな、ひどいですょぉー。
ごっちんは2度起こしても3度寝しちゃうし、安倍さんは
何回起こしても起きてもくれないしドアノブには高圧電流仕掛けてるし
あいぼんなんかは、かくれんぼと勘違いして逃げ回るし…。うぇーん」
381モーニングライター:02/01/25 01:42 ID:M/FqiKu4

「なぁ、石川。みんな言う事聞かへんやろ。
私が娘。のリーダーをやっとった時、みんなをまとめるのが
どれだけ大変やったかこれで分かったやろう。」
そう言って中澤は石川の肩をポンと叩く。
「はい、中澤さん、こんなに苦労してたんですね…
石川、感動しました。」
まるで少女漫画のように、目を潤ませながら
中澤の目を真っ直ぐに見つめる石川。そして見つめ合う2人。
「そうか。最初から
こうやって大変な目にあう事が分かってたから、あんたをみんなの
所に行かせたんやけどな。感動してくれるとは、そりゃよかった。」
「えーー、中澤さん。ひどいですよー。」
石川と中澤の会話に、迷惑をかけっぱなしと言われた張本人達
後藤、安倍、加護の3人はお互いの顔を見合わせて苦笑いしていた。

全員が集まったと判断した中澤は、重々しくこう口を開いた。
「実はな、モーニング2000が盗まれた。」
382ねぇ、名乗って:02/01/25 07:15 ID:er1aLGBc
>>381
更新おつかれ。
ツジは、キットみたいにいたずらしてくんないのね。
盗まれても。
383名無し募集中。。。:02/01/25 20:06 ID:g2qyaUyY
>>382
うぷぷ。第一話だな(w


384ななし:02/01/25 20:18 ID:FpO7da4F
盗られっぱなしって意味ないじゃん
385モーニングライター:02/01/26 01:41 ID:5dyLS0It
短いですが更新します。
386モーニングライター:02/01/26 01:44 ID:5dyLS0It

しかし、緊張した口調の中澤の言葉に対して
「何ぃ?モーニング2000ってー?」
後藤がダルな雰囲気でそう答える。
無理も無い。
開発に携わった保田、中澤、矢口以外のメンバーには
モーニング2000開発の件は一切秘密にされていたのだ。
「あっ・・・」
今更ながらそれに気づいた中澤はそう声をあげたが
「まあ、ええ。とにかくモーニング財団が
新しく開発した車を盗まれたんや。」
詳しく説明している時間もないと判断した中澤は、そう言い直した。
「それもな…、盗んだのは例の青いコルベットやって圭織は言うねん。」
387モーニングライター:02/01/26 01:46 ID:5dyLS0It

「吉澤、加護、矢口、あんたらはコルベットが
崖から落ちて行くとこ見たんやろ?」
先程、矢口から例の件の一部始終を聞かされていた中澤が
こう尋ねる。
「はい」
吉澤がはっきりとこう答える。
「確かに3人で見ました」
加護もそう答えた。
「だとすると、圭織が見たって言う
その青いコルベットは一体なんなんや・・・」
中澤はそう言って頭を抱えた。

「まさか、ぼーれー?」
そう言った加護に
「こわーい」
と吉澤が続く。
「そんなアホな事があるかい!」
中澤はそう言って2人を睨みつけた。
「絶対に何か“からくり”があるはずや…」
中澤はそう言った。
388モーニングライター:02/01/27 01:40 ID:yjQVUM+J

−− 出動カローラランクス −−

「矢口と吉澤、そして加護っ!あんた達は
責任持って、もう一回、2ヶ月前の青いコルベットの現場の調査っ!」
「後のみんなは圭織の所に急行して!」
中澤はメンバー達にこう命じた。
「了解っ」
そう言うと中澤、石川以外の全員が一斉に財団本部の玄関を
飛び出し、長い階段を、まるでザ・ピースのイントロの
登場シーンのように並んで駆け降りて行った。

そして、その階段の脇に並べて停めてあった
安倍・後藤・吉澤・矢口
各々のカローラランクスに飛び乗った。
389モーニングライター:02/01/27 01:43 ID:yjQVUM+J

免許のない加護だけは、矢口の車の助手席の扉に飛びついた。
しかし、加護はイザ乗り込もうとして思わずこう言って顔をしかめた。
「矢口さーん、なんですかー?このくるまー」
そのシートには白いフワフワしたムートンのようなシートカバーが
被せられ、ルームミラーには大きな花輪がかけられている。
そして更にダッシュボードにもシートと同様に白いフワフワの
ムートンが掛けられていた。
いわゆる完璧なコギャル仕様である。
その上、加護の乗り込もうとした助手席には
巨大なクマのぷーさんのぬいぐるみが・・・
「なにー、文句言うならおいてくよー!」
ジャンピングシューズを脱いで、室内用の
スリッパに履き替えながら矢口はこう言う。
「あ、加護っ。あんたも靴脱いでね。この車、土足厳禁だから。」
よく見るとフロアマットも白いムートン調の素材で統一されていた。
「はぁ・・・」
渋々、加護も靴を脱ぐとクマのぬいぐるみを
抱き抱えるように矢口の車の助手席に乗り込んだ。
390モーニングライター:02/01/27 01:49 ID:yjQVUM+J

安倍・後藤・吉澤・矢口4台のカローラランクスが
モーニング財団本部から、一斉に飛び出して行った。

その様子を本部の窓から見ていた、未だ車の免許を取れない石川は
「うわー、カッコいいー!」
と両手を胸の前で組んで潤んだ目つきで、じっと見つめていた。

「あの−、ひとつ質問があるんですけど・・・」
妙なドレスを来た石川が、くるっと中澤の方に向きを変え、こう尋ねる。
「なんや?石川。」
「中澤さんは出動しないんですか?」
「財団の規則でな、本部には必ず誰か残らんとならん事になってんねん。」
「チャーミーがいるじゃないですかー」
そう言ってエッヘンと言う感じで自分の胸を叩く石川。
「アホか。お前の事なんか、元々、頭数に入っとらんねん。」
「そ、そんなーーー」
391ねぇ、名乗って:02/01/27 08:35 ID:6Wdo0B3v
更新お疲れー。
矢口の車にしげるが乗ってる(w
392ねぇ、名乗って:02/01/28 08:04 ID:wI0B1NR5
ほぜーん
393名無し募集中。。。:02/01/28 19:59 ID:iqZ7VdpA
知らしいランクスぢゃ(w
394モーニングライター:02/01/29 00:46 ID:sIGflJtz
更新していきます。
395モーニングライター:02/01/29 00:48 ID:sIGflJtz


−−乗り逃げNONO−−

一方、こちらは、コンビニで飯田を待っている最中に、
何物かに勝手に乗り込まれて乗り逃げされたノノ。

今まで黙って相手の様子を伺っていたのだが
「自分を売る」と言う話になっているのを聞き
ついに声を発した。

「なんれすか!私を売るとはとんでもないのれす!」

「うわ、な、何だ?」
自動車泥棒は急に発せられた声に激しく驚く。
「か、カーナビか?あぁレーダーか。」
男は自分なりの解答を得て納得している。
「私は、かーなびでも、れーだーでもないのれすよ。
今すぐ私から降りてくらさい。」
「だ、誰だ?どこから送信している!」
男は怒鳴る。
「送信ではないのれす。
どこからも何も私はあなたの目の前にいるのれすよ。」
396モーニングライター:02/01/29 00:50 ID:sIGflJtz

「な、なんだー?」
さすがの自動車泥棒も目を丸くする。
「あなたの目の前って・・・、車が喋ってんのか!?」
「失礼れすね、私は高性能こんぴゅーたーなのれすよ。」
「なにー?」
「最後警告れす。今すぐに車を停めなさい。」
「うるせえ、車に命令されるほど、まだ落ちぶれちゃぁいねえぞ!」
男はそう毒づくとアクセルを更に強く踏み込んだ。

「仕方ないれすね。」
ノノはそう言うと、全ての操作系をロックし自動操縦に切り替えた。
「なんだ、なんだ!」
突如、ハンドルの自由が利かなくなって焦る男。
「そっちがその気ならこっちにも考えがあるのれす。」
自動操縦に切り替えたノノは、そう言うと
スピードを思いっきりあげていった。
「うわ」
男は悲鳴をあげた。
397モーニングライター:02/01/29 00:54 ID:sIGflJtz

急にスピードが上がったノノに、慌ててスピードを上げて
離されまいと追跡してくる青いコルベット。
「おい!どうした?」
男の持っていた無線機からは青いコルベットに乗った仲間からの
無線の声が聞こえてくる。
「わー」
前方に交差点が見えてくると男は体を硬直させた。
猛スピードのまま、少しも速度を落とさずに交差点を
見事に曲がっていくノノ。
激しい白煙を上げながら次の交差点も猛スピードでクリアする。
人間の腕では神業であるが、ノノには何の事もなかった。
398モーニングライター:02/01/29 00:56 ID:sIGflJtz

「うわー、止めてくれー!降ろしてくれー!」
猛スピードで疾走するノノに恐れをなした男が叫ぶ。
「そうれすか。」
2つ目の交差点を曲がりきった所で突如ノノは
サイドブレーキを掛けるように後輪をロックさせると、
スピンターンするような形で車を急停止させた。
バン
「うぎゃっ」
男は激しくシートに叩きつけられた。
「お望みどうり降ろしてあげましょう。」
ウィーン
ノノはそういうと男が乗った運転席側のTバールーフを開いた。
「何する気だ…」
男が震える声でノノにたずねた。
399モーニングライター:02/01/29 01:00 ID:sIGflJtz

次の瞬間、先程の交差点の角を、大きくテールスライドさせながら
猛スピードで青いコルベットが曲がってきた。
交差点を曲がったとたんに、先程まで向かっていたのとは
逆の方向である自分の方向に頭を向けて停まっているノノに
気づいて、少し怯んだ様子の青いコルベット。
ノノとの衝突を避けようと急ブレーキを踏む。
キャァアアア
激しいスキール音と白煙。

「ぐっど らっく」
ノノはそう言うと、緊急脱出ボタンをONにした。
400モーニングライター:02/01/29 01:04 ID:sIGflJtz

バシュッ
「ぐわー!!!」
運転席シートの座面が天井方向に向かって発射され
男はTバールーフから空中に放り出された。
そして、次の瞬間
ガシャン
男は向かってくるコルベットのフロントガラスに
頭から突っ込んでいった。
青いコルベットは男に突っ込まれてフロントウインドウが
割れ、その衝撃からかハンドル操作を誤って、
豪快に歩道に乗りあがって停車した。
401モーニングライター:02/01/29 01:09 ID:sIGflJtz
前作があまりにもナイトライダーとかけ離れていたので
今回はナイトライダーっぽい場面も入れてみました。
402ねぇ、名乗って:02/01/29 23:16 ID:MEDXIHgK
更新乙カレー。
おー、ナイトライダーを読んでる感じ。
403モーニングライター:02/01/31 01:19 ID:E/Kkn217
更新です。
404モーニングライター:02/01/31 01:20 ID:E/Kkn217

しかし、その青いコルベットはしぶとかった。

フロントウインドウに、まるで大砲の弾のように
人間に突っ込まれ、その運転手も
相当なダメージを負ったかと思われた。

が、コルベットのドライバーは、すぐに車をバックさせると
ノノ同様に車をスピンターンさせ
リアタイヤから激しく白煙を巻き上げながら、
元来た道を戻るように、猛スピードで走り去って行った。
「やれやれ、世話が焼けますねぇ
中澤さんは、お魚が焼けるのれす。」
そう意味不明な事を呟くと、ノノもそのまま急発進し
青いコルベットを追跡して行った。
405モーニングライター:02/01/31 01:22 ID:E/Kkn217


平和な街の普通の道路を、恐ろしい程の勢いで
かっとんで行く青いコルベット。
そのフロントガラスからは先程の男の足が2本飛び出ている。

およそコメディー映画の車にしか見えない、
その足の飛び出たコルベットと黒いトランザムの2台は、
元居たコンビニのすぐそばまで戻ってきていた。
その間わずか2分30秒。

コンビニの前の公衆電話の前で、先程と同じ格好で
ボーっと遠くを見つめている飯田。
その飯田の視界に、向こうから足が2本飛び出た
妙な青い車がやってくるのが見えた。
「あ、あれ…」
飯田はハッとする。
406モーニングライター:02/01/31 01:26 ID:E/Kkn217

そして、そのすぐ後ろには猛スピードでこちらに向かってくる
ノノの姿があった。
「わぁー、戻ってきたー!」
飯田はコンビニの前を走っている通りまで飛び出して行った。
そんな飯田の脇をかすめるように青いコルベットが
猛スピードで走り抜けていく。

ふぉうふぉう
「いいらさーん!」
ノノはタクシーのように運転席のドアを自動で開きながら
飯田の元に近づいて来ると急ブレーキを掛けた。
「乗ってくらさい!」
飯田はノノに言われるままに飛び乗った。
飯田が飛び乗るとドアは自動的に閉まり、物凄い白煙と共に
コルベットを追跡して行った。
407モーニングライター:02/01/31 01:28 ID:E/Kkn217

−− 保田圭 −−

あれから5分後
コンビニの前に到着した保田。
「はぁはぁ…、ようやく着いたわ…」
そう言って右手の甲で額の汗を拭う。
普段、財団本部にこもりっきりで、久々に車の運転をした保田は、
緊張のあまり、いつの間にか斜めになって
少しずれかかっていた眼鏡を、もう一度真っ直ぐにかけ直す。
そして、車から降りて辺りをキョロキョロと見回す。

ヒュゥゥゥゥゥ

「誰もいないわ・・・。」
保田はただ呆然とそこに立ち尽くした。
408ねぇ、名乗って:02/01/31 23:05 ID:Ek3tBTy6
更新おっつー。
ヤッスー放置プレーマンセー
409ほぜん:02/02/02 15:14 ID:y9s5Vva7
ほぜん
410( ゜皿 ゜):02/02/03 15:09 ID:mRcF6mx1
( ゜皿 ゜)<セツブンホゼンsage
411モーニングライター:02/02/04 00:56 ID:HRYQetAi
更新します。
412モーニングライター:02/02/04 01:01 ID:HRYQetAi


−−矢口・吉澤・加護−−

一方、2ヶ月前に青いコルベットを追跡の末に
ミサイルで撃墜し、崖から転落させたはずの現場に
到着した矢口と吉澤の2台のカローラランクス。

この2ヶ月の間にその場所は雑草に覆われ、
当時の面影はなくなっているように見えた。
しかし大きな松並木のうちの1本が真っ黒に炭のような状態に
なっており、今なお、その時の衝撃の激しさを物語っていた。
そして、あの時の場所に車を停めて降り立つ
矢口、吉澤、加護の3名。
3人は、2ヶ月前のあの日の情景をぼーっと思い出していた。
413モーニングライター:02/02/04 01:07 ID:HRYQetAi

ぐるーっと辺りを見回す吉澤。
少し離れた先に1軒の古めかしい民家が見えた。
「あ、あそこに人がいます。聞いてみましょう。」
吉澤はその民家の方を指差した。
吉澤が指差したその先には、一人の老人が庭で農作業をしていた。

「よっすぃー、ちょっと待った!」
矢口が慌てたように吉澤を止める。
「ど、どうしたんですか?」
矢口のその慌てぶりに吉澤が何事かと聞き返す。
「さっき車乗る前に靴履き替えた時、
ジャンピングシューズ駐車場に忘れてきた。」
「・・・」
呆れてものが言えない吉澤と加護が口をポカーンと開けていた。
414モーニングライター:02/02/04 01:09 ID:HRYQetAi

その古い日本家屋に近づいて行く矢口、吉澤、加護の3名。
矢口は車のトランクから積んであったスニーカーを探し出して
それに履き替えていた。
「土禁なんかにしてるからですよー」
「うっさいなぁー、もう乗せてやんないからね!」
そんな事をブツブツ言いあいながら、3人は、
その家の庭で農作業をしていた老人に近寄っていく。
「あのー」
そう話を切り出したのは吉澤だった。
「ん?お嬢さん。なんじゃな?」
吉澤に話し掛けられた老人はそう言って顔を上げて振り返った。
415モーニングライター:02/02/04 01:11 ID:HRYQetAi

「あのー、向こうの大きな松並木の中に1本だけ燃えて
炭みたいになっている松があるじゃないですか。」
「あぁ、あの松か…。ありゃぁ、わしが若い頃から生えとる
立派な松じゃったんだがな…」
吉澤の突然の質問に嫌な顔一つせずにこやかに応えてくれる老人。
「だが?といいますと?」
「何ヶ月くらい前じゃったかのぉ?何やら大きな音が聞こえてな
それから見に行ってみたらあたりが燃えておってなぁ。
ああなっておったんじゃ」
老人の話に、お互いの顔を見合わせる矢口、吉澤、加護。

「あのー、その事件の前後に何か変わった事ありませんでしたか?」
吉澤に代わって質問する矢口。
「何か変わった事と言われてもな…」
老人はそう言うと困った様子で考え込んだ。
「何でもいいんです。なんか、車を引き上げてるのを見たとか…」
矢口はそう続ける。
416モーニングライター:02/02/04 01:17 ID:HRYQetAi
1回の更新量が少なくてすみませんが、本日はここまでです。
加護も絡んだ話を上げたらIDの末尾がAiでした。
ただそれだけですが・・・
417 :02/02/05 05:02 ID:ifdIYuKF
とりあえずホゼン
418モーニングライター:02/02/06 01:25 ID:0omi0F3o
更新します。
419モーニングライター:02/02/06 01:29 ID:0omi0F3o

「車か・・・。そう言えば…」
「え!そういえば?」
何かを思い出したかのような老人の口調に
思わず身を乗り出す矢口。
「ああ、そう言えば、あそこに誰かが捨てていったのか、
ずーっと長い間置いてあった錆付いたライトバンがあったんじゃが
あの日以来、姿を見ないな。」
「えっ?」

「おーい、婆さん!」
老人は家のほうに向かって大声でそう呼びかける。
しばらくして家の奥から1人のお婆さんが顔を出した。
420モーニングライター:02/02/06 01:32 ID:0omi0F3o

「おやおや、お客さんかい?」
そう言って現れたのは、このお爺さんの奥さんなのだろうか
これまた感じのいいお婆さんだった。
「あ、こんにちは」
そう言って挨拶する吉澤。
その横で矢口と加護がペコリとおじぎをしている。
「おい、婆さん、あの松の木の下にあったライトバン
見なくなったなぁ」
「あぁ、そう言えばあの火事以来見かけませんねぇ」

「済みません、その話、もっと詳しく聞かせてもらえますか?」
お婆さんの出してくれたお茶とお茶菓子に夢中になっている加護を
よそに矢口は、その話に食いついた。
421モーニングライター:02/02/06 01:35 ID:0omi0F3o

「そのライトバンってどこにあったんですか?」
老人に先導され、松の木の元まで来た矢口と吉澤。
加護はお婆さんと一緒に、先程の家でお茶菓子を御馳走になっていた。
「あぁ、あそこじゃ。あの雑草が生えてない一画があるじゃろう」
老人が指差した先には確かに畳1枚分くらいの大きさで
雑草の生え方が違う部分があった。

「あのー、矢口さんがあの時ミサイルを命中させたのって
そのライトバンで、青いコルベットは普通に逃げちゃってた…
何て事はないですよねぇ」
吉澤が小さな声でそう矢口に耳打ちする。
「じゃ何?私達がこの崖から落ちていくのを見たあの車って
ここにあった放置車両って事?」
矢口がそう言う。

あの時、矢口、吉澤、加護の3人が崖の下に落ちていくのを
見届けた燃え盛る車は、ここに放置されていた
ライトバンだったのだろうか?
422モーニングライター:02/02/06 01:37 ID:0omi0F3o

「ありがとうございましたっ」
矢口はそう大声で老人に御礼を言って頭を下げると、
松の木のすぐ近くに停めてあった自分の
カローラランクスに走っていき、車に乗り込んだ。
吉澤も慌てて矢口のあとを追う。
「矢口さーん、どうしたんですか?いきなり」
吉澤は矢口の車の運転席のドアを開けて矢口にそう話し掛ける。
「ねぇ、もしよっすぃーがさっき言った事が本当だとしたら…」
「え?」
「圭織が見たって言うのは、私達が追ってた青いコルベットそのものよ」

そして矢口は無線機で、先程の老人の話を財団本部の中澤に報告した。
「あんたら、ちゃんと見届けたって言ってたやろー」
その報告を聞いた中澤は不満そうな口調でそう答えた。
423モーニングライター:02/02/06 01:41 ID:0omi0F3o

「いやー、あの時、スポーツカーにしては
 やけに形が違うなぁっていう気はしたんですよねぇ」
吉澤はそんな事を言い出した。
「何を今更・・・」
そう言う矢口
「矢口さんだって、あの時一緒に見てたじゃないですか」
吉澤がそう返す。
「だって、矢口、リムジンのトランクに
 閉じ込められたまま見てたんだもん」
そう責任を擦り付け合うように言い合っている二人に
中澤は痺れを切らしてこう怒鳴った。
「何でもいいから、早く圭織と合流せえや!」

「そうだったよ、よっすぃー!私達も後を追うよ」
そう言ってランクスを発進させようとする矢口。
「ああ、矢口さん。加護!」
「あっ、そうだった。全く」
「カゴー!!行くよー!!」
矢口は大声で加護を呼んだ。
424ねぇ、名乗って:02/02/06 23:30 ID:VSq+zBd7
更新乙ー。
盛り上がってきていい感じ。
425名無しでごめんね:02/02/07 13:27 ID:Ov8XMoZ6
ベットとライトバン見間違えるメンバーって一体(w
ノノの期待どうりの反応、放置プレーの保田いい感じです!
作者さんこれからもガンバです
426名無し募集中。。。 :02/02/08 03:34 ID:7Ii/83cQ
びみょ〜な時間に保全
427ねぇ,名乗って:02/02/08 17:59 ID:iafr96yc
ホゼム
428名無しです。:02/02/09 13:07 ID:GFASk9Cg
あらためて読み直して思ったのだが、この前作の話って
この話につながるための設定のための作品って事になるんだろうか。
あれはあれで楽しめた内容だけど、設定に1作品使ったのかな
と考えるとすごい。結構きちんとした設定が作られていてイイ。

429モーニングライター:02/02/10 01:36 ID:XDZnJASj

色々と感想を下さっている皆さんにロクにレスも返しておりませんで
申し訳ありません。本編の更新だけで精一杯になっていまして・・・
でも、皆さんの感想は楽しみに読ませて頂いてます。
これからも宜しくお願いしますね。
430モーニングライター:02/02/10 01:40 ID:XDZnJASj


−− 5期メンテレフォン・リン・リン・リン  −−
  (高橋愛・紺野あさ美・小川麻琴・新垣里沙)

ジリリリリン
矢口達との無線での交信を終えたと思った直後、
今度は、財団本部の電話機のベルが鳴り出した。
「なんやねん、今度は誰や?」
中澤はそう言いながら、受話器を手にとると
「はい、モーニング財団本部でございます。」
と普段よりも1オクターブ程高い声で電話に出た。

「・・・きしょっ」
それを横で見ていた石川は思わずそう呟いた。
ギロ
「ぶっとばすで!」
受話器の口を手で抑えて中澤は石川を睨みつけた。
431モーニングライター:02/02/10 01:44 ID:XDZnJASj

「○△ζ@□ק∩∂‰δεξ」
「ハァ?だ、誰やねん?」
「δεξζ○△@∬□ק∩∂‰δ買カξ@!!」

「宇宙人や!宇宙人から電話がかかってきたで!」
中澤はそう言って、自分以外にも聞こえるように
電話のモニタースピーカーのスイッチをONにする。
「そんなバカな・・・」
そんな中澤と同じ部屋にいた石川はそう言って苦笑した。

「□○π△@∬ק∩∂‰∝δεξ刄トΩξ@!!!」

「な、聞いたやろ、今の!」
興奮する中澤。
432モーニングライター:02/02/10 01:59 ID:XDZnJASj

「今の・・・、何となく愛ちゃんの声に似てる気がします。
 高橋愛ちゃんに・・・」
そう言って石川が自信なさげにつぶやく。
「高橋?」
「○.∀Xд皿〜▽^◇#从●!!」

「言われてみれば・・・。
 あいつ福井支部やったか北陸支部やったか、あっちの方に
 戻って一層、訛りきつくなったんとちゃうんか?」
中澤はブツブツとそう呟く

どうやら電話の主は、つんくに命令されて
モーニング財団、北信越支部に派遣されていた
5期メンバー4人のうちの1人である
高橋愛のようであった。
433モーニングライター:02/02/10 02:02 ID:XDZnJASj

現在、5期メンバーとして加入してきた
高橋、紺野、小川、新垣の4名は全員一緒に、
モーニング財団の北信越支部と言う所を任されていた。
北信越支部は、北陸・長野・新潟にまたがる範囲を受け持っており
4人のメンバー達は、この地域を飛び回っているはずであった。

高橋と小川に関しては、それぞれ出身地である福井と新潟に
近い場所へ・・・と言うつんくの配慮からの人選であったが
紺野と新垣については、なぜそこに派遣されたのかよく分からない。

「もー、携帯の音質が悪すぎるのと、訛りがきつ過ぎるのとで
何言うてんのか、聞き取れへんやんか!」
中澤はそう言って怒鳴った。
「誰か話の通じる奴出せや!!近くに誰か居るやろ!」
434モーニングライター:02/02/10 02:08 ID:XDZnJASj


「ボソボソボソ・・・・・・こ・・・ん・・・・・・の・・・・・・で・・・す・・・」
今度は電話の向こうから今にも消え入りそうな
まるで蚊のなくような、か細い声が聞こえてくる。
「はぁ!?」
「今度は誰やねん!」
「ぁ・・・さ・・・・み・・・て゜・・・す・・・・・・。
こ・・ん・・・・の・・・ぁ・・・さ・・・み・・・・・・」

中澤は頭を抱えるとこう叫んだ。
「今度は、声が小さくて聞き取れへんわ!!
 誰かまともな奴はおらへんのか!。次ッ!!」

「ボソ・・・ボソ・・・こ・・・ん・・・の・・・で・・・し・・・た・・・・・・」
435モーニングライター:02/02/10 02:12 ID:XDZnJASj

「中澤さん、小川です!」「新垣です。」
また電話口に出てきた相手が代わった。
「おう、ようやくまともに話できるのが出てきたやんけ。」
中澤は満足気にこたえる。
「中澤さん、お久しぶりです。」「お久しぶりです。」
代わる代わる電話口に出る小川と新垣。
「おう、それで用件は何やねん」
「あ、はい」「それでですね。」「あ、バッテリーが・・・」
「お前ら何やねん!!一緒にしゃべっとったら訳分からんやんか!
1人ずつ喋らんかい!!」
ツー・ツー
「ん?
電話切れとるやん・・・」
思わず握り締めていた受話器を覗き込む中澤。
「そう言えばバッテリーがっとか言ってましたね。」
部屋のモニタースピーカーで一緒に聞いていた石川が横からこう言う。
「・・・充電切れか・・・
しかし、何やねん。あいつら一体何の用やったんや?・・・」
436モーニングライター:02/02/10 02:16 ID:XDZnJASj

>>431
>>432
あたりの会話の部分は文字化けではありません。
一応念のため・・・
437名無し募集中。。。:02/02/10 06:58 ID:VreZFMTI
>「○.∀Xд皿〜▽^◇#从●!!」
コレニワラタ
438名無し募集中。。。:02/02/10 07:06 ID:yJdkInjG
おほほほおもしろいですね
こ…んの…で…す…
439 :02/02/11 15:09 ID:tkgBtw+0
>>437
これってみんなの顔文字なのね。
440ねぇ、名乗って:02/02/12 23:34 ID:SH/71U8Y
ほぜむ
441sage:02/02/13 11:34 ID:Hf4gNujA
ホゼン
442奈々氏さん:02/02/13 11:46 ID:3aRCXzYb
>1
出版社に持ち込めよ。
嫌ならおれが持ち込む。
443モーニングライター:02/02/14 01:19 ID:2RZ4XK2y
今回も感想を頂けたみなさん。有難うございます。
今、たまたまテレビつけたらナッチがオリンピック特番の
司会してるんですね。日本勢に期待しながら更新です。
444モーニングライター:02/02/14 01:23 ID:2RZ4XK2y


−− 保田圭その後… −−

一方・・・、

「キィィー!!、どう言うことよっ!」
誰もいないコンビニエンスストアの広い駐車場。
未だにコンビニの前には1人文句を言って佇んでいる
保田圭の姿があった。

ひゅうぅぅぅぅ
寒風とともに木の葉が舞う。
「風が冷たいわね!」
ハーックションッ!!!
「ズル…しかも風邪をひいたわ…。」
445モーニングライター:02/02/14 01:27 ID:2RZ4XK2y

−− なっちとごっちん −−

ピンチの飯田を救うべく、モーニング財団本部を飛び出し
飯田の元にひた走る安倍と後藤の2台のカローラランクス。

「圭織、待っててね。絶対、無茶しちゃだめだよ…」
飯田の元に急ぐ2人は、まだモーニング2000の存在を知らなかった。

「ちょっと圭織、一体どんなスピードで走ってんのよ?」
カローラランクスのカーナビゲーションシステムで、
飯田の車の位置情報を確認しながら、その方向に向かっている2台。
しかし、そこに表示される飯田の車の位置が
恐ろしい程の速さで移動して行くのを見て安倍はこう叫んだ。
「確かに、凄いスピードだね。もうこんな所まで…」
後藤もそのスピードに驚く。
「ごっつぁん、こっちも負けてらんないよ!」
安倍は、そう言って無線機に向かって叫ぶと
ハンドルをしっかりと握り直しランクスのスピードを
上げていった。
446ねぇ、名乗って:02/02/14 23:01 ID:CVdsVgMj
更新おつー。
交信中を聞きながら書き込み中。
447ねぇ、名乗って:02/02/16 14:25 ID:KEMKla7m
補背無
448ねぇ、名乗って:02/02/17 21:08 ID:6MIC/S5s
匍全
449 :02/02/17 22:02 ID:4R5CY17G
今フット思ったがココって今現在、羊に現存する最古のスレ?
450_:02/02/18 12:28 ID:XGH7/JAC
hozen
451モーニングライター:02/02/19 01:45 ID:EtcQl6EQ
更新します。
452モーニングライター:02/02/19 01:47 ID:EtcQl6EQ

−−ノノと飯田の大追跡−−

猛スピードで走り去る青いコルベットを追跡中のノノと
それに乗っかる飯田。
「ひゃぁー」
まるでジェットコースターのようなスリルとスピードに、
飯田はたまらず悲鳴を上げる。

完全な調子のモーニング2000に対して、
相手の青いコルベットは、かなりのダメージを負っていた。
そのためか時折、挙動も不安定になりカーブを大きく
膨らみながら、どうにか曲がって行く。
あれだけ派手に路肩に乗りあがっていれば、
もはや4輪のホイールアライメントも滅茶苦茶であろう。

しかし、青いコルベットは更にスピードを上げると、
市街地から峠道へと進んで行き、坂道を猛然と登って行った。
453モーニングライター:02/02/19 01:56 ID:EtcQl6EQ

−−青いスポーツカーの男の最期−−

険しいカーブの続く峠道を相変わらずのハイペースで
進んで行く青いスポーツカー、コルベット。

ノノはGPS衛星から受信した電波で、その先のカーブの
大きさをあらかじめ知った上で直ちにコンピューターで分析し、
そのカーブを曲がりきる事の出来る最大限の速度を割り出し、
そして、全く不安のない動きでカーブを高速で曲がっていく。

しかしコルベットは、恐らく人間による勘とテクニックだけで
走っている筈なのだが、それでも訪れるカーブに対して
ノノも驚く程の猛スピードで突っ込んでいった。

454モーニングライター:02/02/19 01:59 ID:EtcQl6EQ

ガードレールに激しくその車体をこすりつけ、
弾かれたように何とか曲がって行くコルベット。
その白いガードレールには青い塗料がはっきりと残されていた。
「や、やるわね・・・」
そんなコルベットの様子を見た飯田は
モーニング2000の中で素直にそう感想を漏らした。

「ノノはすごくないんれすか?」
何故か悲しそうな口調でノノがこう尋ねる。
「お前も凄いよ」
飯田が優しくこう語りかけると
「わーい」
ノノはまるで感情を持った小さな子供のように素直に喜んだ。
455モーニングライター:02/02/19 02:04 ID:EtcQl6EQ

しかし、無茶としか言い様のない青いコルベットの暴走も
長くは続かなかった。
ノノの激しい追い上げに益々そのスピードを上げていくコルベット。
だが、いくらテクニックの優れたドライバーといえども
やはり人間の操る事の出来るスピードには限界があった。

「あぶないっ」
飯田は、何度もコルベットがカーブを膨らみすぎて
岩の壁に激突しそうになる姿を見た。
その度に飯田は声を上げた。

そして、ついにコルベットは、その次の急カーブを
曲がりきる事が出来ずに、真っ直ぐにガードレールに
突っ込んで行った。
ガシャンッ!!
ガードレールに激しく激突するコルベット。
次の瞬間、ガードレールはぐんにゃりと曲がり
その衝撃でコルベットはテールゲートを上に向けて宙を舞った・・・。
456モーニングライター:02/02/19 02:09 ID:EtcQl6EQ

「やった…」
その様子を見てそう言う飯田。
しかし、何故かそのまま速度を緩めないノノ。
ガードレールは目前に迫っていた。
飯田は、反射的にブレーキを踏むが、
自動操縦モードになっており、その操作には何の意味もなかった。
「あんたはもうこれ以上は追わなくてもいいのよ!!!」
飯田の悲鳴。

だが、そんな飯田の言葉を無視するかのように
ノノはスピードを緩めるどころか、むしろ加速して
ぐにゃぐにゃに変形したガードレールに向かって直進していく。
「ちょっと!おまえ!!なに考えてんのよーっ!!」
モーニング2000の車内に飯田の断末魔のような叫びが響き渡った。
457ねぇ、名乗って:02/02/20 23:46 ID:f+2Ah55R
更新お疲れ。
やっぱ,ののの頭脳じゃ・・・・
458 :02/02/22 22:17 ID:CSy+2s15
ほZEン
459ねぇ,名乗って:02/02/23 23:20 ID:et5z1Rj4
>>458
惜しいな。あと5分後に書き込めば2222だったのに(w

保全っ!
460モーニングライター:02/02/24 01:10 ID:pAucuvvn
皆さんの保全に感謝いたします。
では更新します。
461モーニングライター:02/02/24 01:14 ID:pAucuvvn

「ノノできるんれすよ。」
ノノはそう言うと ピッー と言う音を立てて車内の
<TURBO BOOST>というボタンを点灯させた。
「何ができるのよーッっ!!!!」
そんな飯田の絶叫とともにモーニング2000は
まるで弾かれたようにグニャグニャのガードレールを
飛び越え、宙を飛んだ。
バシューッッ
「はうっ」
そして情けない程の飯田の言葉。

ガードレールを乗り越えて空高くジャンプしたノノは
そのすぐ下に走っていた道路の脇に作られた
砂利の敷き詰められた広いスペースに着地した。
462モーニングライター:02/02/24 01:16 ID:pAucuvvn

ボウンッ
そのボディと同様に特殊な素材で作られたタイヤが
着地の激しい衝撃でバウンドする。
「おうぅっ」
これまた情けない飯田の声。
無事に着地したモーニング2000であったが
車の中の飯田は完全に放心状態であった。

そして、青いコルベットは・・・
テールゲートから地面に叩きつけられたかと思うと、
くの字状に変形したまま砂利の上を滑走し、
中にいたドライバーが脱出する間もなく
数十秒後に爆発した・・・・・・。
463モーニングライター:02/02/24 01:22 ID:pAucuvvn

−− ノノかお −−

「・・・・・・・」
モーニング2000の車内には、口を大きく開け、
目も大きく見開いたまま微動だにしない飯田の姿があった。
「…やったね・・・。ノノ・・・」
着地してからしばらくたった後、しばらく放心状態にあった飯田は
ようやく我に返ると、こう言葉を漏らした。

「いいらさん…」
飯田の言葉を受けてノノがこう呼びかけた。
「何?ノノ」
「はじめてノノって呼んでくれましたね。」
「エッ・・・」
ノノからの思いがけない言葉に思わずこう答える飯田
「そうだったかな…?」
飯田は小さな声でそう呟いた。

464モーニングライター:02/02/24 01:24 ID:pAucuvvn

「あのれすね…。何かノノはすごく変な気分なのれす。」
「・・・?」
ノノの言葉に困惑する飯田。
「ノノは、ずーっと昔からいいらさんに“ノノ”って
呼んで貰いたいと思ってたような気がするのれす。
うーん…うまく言えないんれすが、ノノが製造されるより、
ずーっとずーっと前から呼ばれたかったような気がするのれす。」
「・・・」
それを聞いて飯田は思わず涙ぐんだ。
「ノノはね、余計な事は思い出さなくていいんだよ。」
ノノの記憶回路には、あの事故を含め、それ以前の記憶は
一切残されていない。…はずであった。

しかし、今ノノの頭脳に確実に変化が起こっている。
何かを思い出そうとしているのだ。
465モーニングライター:02/02/24 01:25 ID:pAucuvvn

「そうなのれすか。うーん、何か残念れす。」
「あれ?いいらさん、どうしたのれすか?泣いているのれすか?」
さすが高性能コンピューターというだけに主人の体調の変化に敏感だ。
まあ、そのようにプログラミングされているので当然だが。
「違うよ、バカ。目にね、目にごみが入っただけ。」
飯田は両手で目を拭って必死にごまかそうとする。

「ほぉ、人間も大変れすねぇ」
つい先程まで人間の感情を敏感に感じ取っていたノノとは
うってかわって、相変わらず呑気なノノに戻っていた。

「…ほんとはこういうロボットの役はいいらさんの役なのれすがねぇ」
「ん?何か言った?」
「いえ」
466 :02/02/25 06:52 ID:T8jDhZwK
467モーニングライター:02/02/26 00:57 ID:OJxj3y9K


−− 初対面、安倍・矢口・後藤・吉澤・加護 −−

パチッパチッ
時折、そんな音を上げながら燃え盛る青いコルベット。
飯田はモーニング2000の扉を静かに開けると車から降り立った。
辺りにはゴムの焼けた嫌な臭いが立ち込めており、飯田は
その臭いに思わず顔をしかめた。

激しい炎に包まれたそのコルベットは既に黒く変色し、もはや
元が青かったかどうかさえ判別できない程の状態になっていた。
飯田はノノの脇に佇んだまま、
目を細めて眩しそうにその炎をじっと見つめていた。
468モーニングライター:02/02/26 01:00 ID:OJxj3y9K

キャキャキャキャ
キィィィ
バタン・バタン

そんな時であった。後から追いかけてきた
安倍、後藤、矢口、吉澤のカローラランクスが
次々と飯田の元に到着した。
「カオリッ!」
「カオリっ、大丈夫!」
車から降りるなり駆けつけたメンバー達は
皆、口々にそう叫ぶ。

「おう、みんな」
そんなメンバー達の声に振り返ってこう答える飯田。
「大丈夫だった?カオリ」
という安倍の問いかけに飯田は、
モーニング2000のボディを軽く叩きながらこう言う。
「コイツのおかげでね。」
469モーニングライター:02/02/26 01:01 ID:OJxj3y9K

「すごーい、いつの間にこんな車を…」
安倍が驚きの表情で、恐る恐るモーニング2000に近寄ってくる。
「ほーら、挨拶しな」
飯田がノノに向かって挨拶を促す。
ふぉうふぉう
「こんにちは、ノノれす。」
「うをー!!!喋ったよ!車が喋ったよっ!!」
ノノが発した一言に早くもパニック状態の安倍。
そんな安倍の様子に飯田は苦笑しながらこう答えた。
「ちょっと、なっち落ち着いてよ。
実は圭織も最初はすごく驚いたけどね。
喋るんだよ、ノノは。」
「ノノって言うんだ・・・」
多少カタコトな日本語ではあったが、そんな飯田の説明に
安倍も少しずつ落ち着きを取り戻していった。
470モーニングライター:02/02/26 01:03 ID:OJxj3y9K

「はじめまして」
安倍がニコッと笑いながら優しくノノに向かって話し掛ける。
「安倍さん?れすか?」
「をぉー、なんでなっちの名前知ってるっしょ!?」
目を大きく見開いて驚く安倍。
「モーニング財団のメンバーの情報は全てインプットされてるんだよねー」
そう横から答えたのは矢口だった。
「何?やぐっつぁん、この車の事知ってたの?」
怪訝そうにそう尋ねたのは後藤だった。
「まあね・・・」
「ずるーい、こんな車の事黙ってるなんて!」
そう言って吉澤がふくれる。
「うーん、みんなに隠すつもりはなかったんだけどね・・・」
矢口はすまなそうに口ごもりながら答えた。
471モーニングライター:02/02/26 01:05 ID:OJxj3y9K

「じゃ、うちの事は?」
モーニング2000の後ろでしゃがみ込んで、リアバンパーあたりを
ペタペタ触っていた加護が突然首を伸ばしてこう叫ぶ。
「あいぼん、くすぐったいれすよ。」
ノノは迷う事無く加護に向かってこう答えた。
すると加護は
「ぐすん・・・
ひっく、ひっく・・・ののー!!」
目に一杯の涙をためながら両手を大きく広げて
ノノのボンネットに覆い被さる。
「おいおい、何も車相手に泣く事ないやろー」
矢口がそう言って笑う。
「ふえーん、だってー。もうののに会えないと思ってたから・・・うえーん」
そう言って泣きじゃくる加護の様子に、一同笑い出した。
472モーニングライター:02/02/26 01:15 ID:OJxj3y9K
 
 ・                   ・

安倍、矢口、後藤、吉澤、加護に取り囲まれているノノ。
飯田は、そんなノノから離れ、一人、100m程先に見える
崖ッぷちに向かって歩き出した。
歩き出した飯田の背中からは、メンバー達とノノの
楽しそうな笑い声が聞こえてきていた。

先端に辿り着いた飯田は、そこから下に広がる風景を見下ろした。
その崖の下には幾重にも道路が走り、遥か下方には青い海が拡がっていた。
飯田は、しばらくの間、そこから見える風景を眺めていた。
そして長い髪の毛を掻きあげながらこう呟いた。
「結局、あの青いコルベットの運転手って誰だったのかしら・・・」
飯田は遠い目で、その丘の上から遥か下に見える海をじっと見つめていた。
473名無し:02/02/26 01:19 ID:bE3fMhpe
ホゼム
474名無し募集中。。。 :02/02/26 01:20 ID:HgBcflBP
意ydtknydグtィ
475ひみつ:02/02/28 02:37 ID:9xeHJ9I8
ホセ``ン
476ななし:02/02/28 18:08 ID:JPMNj1BT
これでおしまいって事はないよね。
477 :02/03/02 10:28 ID:wVkSvgQp
続きに期待ホゼン
478hozenkun:02/03/02 11:16 ID:MqviACA5
>>470
「〜〜っしょ」の使い方間違えてる。
479名無し募集中。。。:02/03/02 18:23 ID:PKumKC+1
道産子です。

「なんでなっちの名前知ってるんだべさ」
あるいは
「ののはなっちの名前知ってるっしょ?」

が正しい。
480名無し募集中。。。:02/03/02 18:24 ID:PKumKC+1
初めて会うなら上が正しいか。
481モーニングライター:02/03/03 02:04 ID:JwlO8k9u

>>478〜480
御指摘有難うございます。
御察しのとおり、私は北海道の人間ではありませんので
北海道弁は、正直、全く分かりません。
でもなっちの雰囲気を出すために是非、北海道の訛りは入れたい。
とは言え、私の周囲には北海道出身の知人は一人もおりません。
そんな訳で、たまにテレビで聞く北海道の人の言葉を
なんとなく真似て、どうにかこうにか書くしかありませんでした。
ですから、こういう指摘は大変ありがたいです。
勉強になりました。今後の参考にさせて頂きます。
でも、以前に書いた部分でも、きっと気づかないだけで、
地元の方が見たらおかしい表現ってあったんでしょうね。
また、そう言う部分があったらご指摘ください。
482モーニングライター:02/03/03 02:06 ID:JwlO8k9u
それでは更新します。
483モーニングライター:02/03/03 02:07 ID:JwlO8k9u



484モーニングライター:02/03/03 02:10 ID:JwlO8k9u






−−エピローグ−−


ここはモーニング財団本部。
中澤は、安倍・後藤を自分の元に呼びつけた。
「実はな・・・」
2人を前にして改まったように、こう言う中澤。
「あんた達に、あのアホコンビのサポート役になってもらいたいんや。」
「え、なに?どういうこと?」
中澤の言っている事が良く理解できずにキョトンとしている安倍。
「私がモーニングをやめる時、リーダー圭織だけでなく
 サブリーダーつけた理由わかっとるやろ。
 これはつんくサンの意向でもあるんや」
戸惑う安倍と後藤にお構いなく中澤は喋り続ける。
485モーニングライター:02/03/03 02:12 ID:JwlO8k9u

「圭織1人じゃ心配だって事?」
後藤がようやく少し理解したらしく、こう尋ねる。
「まあな。」
「確かに圭織も辻も、何考えてるのか私達には全く理解できない
 娘だったもんねぇ・・・。それがよりによってそのコンビだもんね・・・」
そう言って深いため息をつく安倍。
「やろ」
中澤もそう言ってため息をつく。
「でも何であたしたちが」
そう言って後藤が尋ねた。
486モーニングライター:02/03/03 02:18 ID:JwlO8k9u

「圭坊と矢口は、モーニング2000の開発段階から関わってるから
 メカニック専門役として仕事してもらってるんやけど、
 それでてんてこ舞いや。
 まあ、矢口はずっとドア作ってるようにしか見えへんけどな。」
中澤は、そう言って部屋の窓を開けて外を見る。
そこには相変わらずジャンピングシューズを履いた矢口が、
ガレージの前にちょこんと停まっているノノに向かって
何かガミガミ言いながら、ノノが破ったガレージの扉を
必死に削っている所だった。
そんな矢口とノノの様子を見て、中澤は苦笑した。
487モーニングライター:02/03/03 02:19 ID:JwlO8k9u

「で、裕ちゃん、なんなの?」
「ああ、そうやった。」
後藤の言葉に中澤は我に返ると、改めて2人の方に向き直し
先程の話の続きをはじめた。
「あと、メカニックやるには力仕事の出来る男前なのが1人は必要やろ?
 それが吉澤や。あと頼りになるのは、あんたらしか居らへんやんか。」
「えー、そういわれるとなぁ。」
長年の付き合いから、安倍がおだてに弱い事を中澤は知っていた。
「逆にあんた達にメカニックやコンピューター操作は無理やろ?」
「確かに…」
後藤は素直に認めた。
488モーニングライター:02/03/03 02:22 ID:JwlO8k9u

「しかし、問題が1つあんねん。」
「何?」
「あの2代目リーダーだった彼女、妙にプライド高いやろ。
 自分が信頼されてないと分かるとまた何をしでかすか…」
中澤が頭を抱えながらこう言う。
「うーん、確かにそういう所あるかもね。」
と安倍。
「そこでや、あのアホ達には分からないように
 こっそりと見張って欲しいんや。」
2人のほうに向かって両手を合わせてこう言う中澤。
「難しい注文だね。」
後藤がそう言った。
489モーニングライター:02/03/03 02:24 ID:JwlO8k9u

「はい」
そう言って中澤が差し出したのは変な眼鏡に大きなスカーフだった。
「なにこれー?」
「何?って変装道具やん」
「はぁ???」
安倍と後藤は、ほぼ同時にこう声を発した。
「はぁって、ばれたらあかんやろー」
そう言って、さも当然かのように眼鏡とスカーフを2人の
前に差し出す中澤。
「しかし、何!?このメガネー」
まるでスーパーマンのクラークケントのような
黒いセルロイドの縁の眼鏡を手にとって、そう言う安倍。
「なかなか似合ってるやん、昔やってた“ハロモニ劇場”とか
 言うの思い出すわ。」
「ははは」
愛想笑いで返す安倍。
490モーニングライター:02/03/03 02:26 ID:JwlO8k9u

「で、このスカーフは?」
スカーフの端を持ってブラブラさせながら今度は後藤がこう尋ねた。
「顔がバレんように被るに気まっとるやろ」
そういって中澤が実演してみせる。
「えー、やだよ、そんなのおばあちゃんっぽい!」
そう言った安倍の胸倉を掴みながら中澤がこう言う。
「なんや!え、私がババアだって言いたいんか?コラ!」
「いや、違うよ。そんな、そう言う意味じゃなくて…」
中澤にメンチをきられてしどろもどろの安倍。
「じゃあ、これ被りいや」
「はぃ」
中澤に押し切られる形で無理やり承知させられた安倍と後藤。
頭からスカーフを被った安倍をみた後藤は…
「てゆうか、絶対、このほうが怪しいよ。」
中澤には聞こえないようにこう言う。
ヒソヒソ
「そんなにおかしいべ?」
「うん。ちょー変」
491モーニングライター:02/03/03 02:32 ID:JwlO8k9u

「行くよ!ノノっ」
「いえっさー」
飯田の呼びかけに応えるモーニング2000“ノノ”。


(“ザ☆ピース!”のイントロ部分が流れ出す。)

※HO〜ほら行こうぜ そうだ みんな行こうぜ
 さ〜ほら歌おうぜ そうだ みんな歌おうぜ
 HO〜ほら誓おうぜ そうだ みんな誓おうぜ
 さ〜ほら愛そうぜ 最高級で愛そうぜ※


「おっ、ほら、あっちで行くって言っとるで!」
中澤が向こうの方で話している飯田とノノの
大声に気づいて安倍と後藤にこう言った。
492モーニングライター:02/03/03 02:34 ID:JwlO8k9u

「へ?」
黒ぶちの眼鏡を掛け、頬被りのように頭から大きなスカーフを
被って鏡の前で衣装合わせのような事をしていた安倍と後藤が
中澤に声をかけられて振り返る。

「何っ、ちょっと待ってよ!」
「どこ行くつもりなのよ!?」
安倍と後藤は、こんな事を口々に言いながら
慌てて飯田を追うように部屋から飛び出して行った。
もちろん、黒ぶち眼鏡に頭にはスカーフと言ういでたちで…

     ※

こうしてモーニングライダーはこの世に誕生した。
巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か?
493モーニングライター:02/03/03 02:37 ID:JwlO8k9u


EVERYBODY GET UP ウチらが住む 未来だぜ LET'S GET UP
EVERYBODY SCREAM 意味ないけど コンビニが好き HA HA HA HA

ヒサブリだぜ  ふるさとには 再来週帰ろう
英会話スクール 入ったきり いけてないぜ HA HA HA HA HA

選挙の日って ウチじゃなぜか 投票行って 外食するんだ
(奇跡見たい すてきな未来 意外な位 すごい恋愛)
LET'S GO!(LET'S GO!×3 LET'PEACE! PEACE!)

好きな人が 優しかった(PEACE!) うれしい出来事が 増えました
大事な人が わかってくれた(PEACE!) 感動的な出来事と なりました
THAT'S ALL RIGHT!

Wow Wo… PEACE!×2
Wow Wo…Hah
494モーニングライター:02/03/03 02:38 ID:JwlO8k9u

デリバリピザ いつも悩む LかMか ピザ
盛り上がり 長電話は 切りにくいね HA HA HA HA HA

多数決じゃ 決めらんないのは 恋愛のエトセトラ
(個性を出す 異性を奪取 普通をWASH 速攻でDASH)
LET'S GO!(LET'S GO!×3 LET'S…PEACE! PEACE!)

☆道行く人が 親切だった(PEACE!) うれしい出来事が 増えました
 愛しい人が 正直でした(PEACE!) 全てを受け止めようと 感じました
 THAT'S ALL RIGHT!☆

Wow Wo… PEACE!×2
Wow Wo…Hah

青春の1ページって 地球の歴史からすると どれくらいなんだろう?
あ〜 いとしいあの人 お昼ごはん なに食べたんだろう?

※HO〜ほら行こうぜ そうだ みんな行こうぜ
 さ〜ほら歌おうぜ そうだ みんな歌おうぜ
 HO〜ほら誓おうぜ そうだ みんな誓おうぜ
 さ〜ほら愛そうぜ 最高級で愛そうぜ※

☆道行く人が 親切だった(PEACE!) うれしい出来事が 増えました
 愛しい人が 正直でした(PEACE!) 全てを受け止めようと 感じました
 THAT'S ALL RIGHT!☆

Wow Wo… PEACE!×2
Wow Wo…Hah


−− モーニングライダー(誕生編)完 2002年3月3日 −−
495モーニングライター:02/03/03 02:40 ID:JwlO8k9u

出演:
モーニングライダー    :飯田圭織(マイケル・ナイト役)
ノノ(モーニング2000) :辻希美(KITT役)
モーニング財団本部代表  :中澤裕子(デボン・シャイアー役)
モーニング財団本部秘書  :石川梨華
メカニック担当      :保田圭(ボニ−・バストー役)
メカニック担当      :矢口真里(エイプリル・カーチス役)
メカニック担当      :吉澤ひとみ(RC3役)
ドライバー2       :安倍なつみ
ドライバー3       :後藤真希
バイク隊長  :加護亜依

モーニング財団北信越支部 :高橋愛
モーニング財団北信越支部 :紺野あさ美
モーニング財団北信越支部 :小川麻琴
モーニング財団北信越支部 :新垣里沙
 ・  ・
モーニング財団総帥    :つんく(ナイト財団総帥ウィルトン・ナイト役)
 ・  ・
モーニング財団経理担当  :石黒彩
モーニング財団外交部員  :アヤカ
496モーニングライター:02/03/03 02:44 ID:JwlO8k9u

プロローグ編:>>1〜179
誕生編   :>>231〜495
497モーニングライター:02/03/03 02:48 ID:JwlO8k9u

「モーニングライダー(誕生編)」完結です。
ここまでお付き合い頂いた皆様、本当に有難うございました。
これで、ようやく小説「モーニングライダー」の世界観を
完成できたと思っています。
「プロローグ編」「誕生編」ときましたから
ひょっとしたら「活躍編」なんてものがあるかもしれません。
また、お会いしましょう。
その日が来るまで、ノノも飯田も、きっと忙しく
あちこちを走り回っている事でしょう。 
                   作者:モーニングライター
498名無し募集中。。。:02/03/03 02:50 ID:MbbDKfTT
道産子。
「そんなにおかしいべ?」言わないよ。
「そんなにおかしいかい?」
「そんなにおかしいべか」ですね。
「それはおかしいべ?」は言う。
北海道弁変換フィルターなるものもあります。
つっこみもここまで!


499モーニングライター:02/03/03 03:03 ID:JwlO8k9u
モーニングライダー追記
>>498
早速のご指摘有難うございます。
なっちの北海道弁は498さんの書き込みに置き換えてご覧下さい。
500 :02/03/04 15:28 ID:BING/oXN
500get
501かんそう:02/03/04 18:09 ID:wuvNF79j
おもろかった。ハッピーエンドとは言えないながらも楽しげな終わり方でよかったヨ。暗い話も多い中こういうほのぼの?するのはいいネ
502 :02/03/08 00:15 ID:EaJI6fH2
test
503ねぇ,名乗って:02/03/08 21:26 ID:ahMSuaKc
面白いって、マジで。いい感じでしたぜー
続き期待しちゃってよいのかな?
504ねぇ、名乗って:02/03/08 23:19 ID:QExSt9R3
あー、終わっちまいましたかー。
お疲れさんでした。
せっかく、ののが復活したのにねー。
続くと良いのですが。
505 :02/03/09 22:12 ID:zOzKJhwD
保全age
506名無し娘。:02/03/10 14:47 ID:hjB+Clo+
緩急がうまく付けられていて、面白かった。続編期待。

>>505 保全目的ならageる必要は全くない。
507名無し娘。:02/03/15 17:10 ID:A3nMs+kl
期待保全
508名無し娘。:02/03/16 22:20 ID:WlDuJxVQ
509ねぇ,名乗って:02/03/17 23:13 ID:FhuL7iRb
510 :02/03/18 18:41 ID:8wipHVpE
511 :02/03/20 06:36 ID:ERfYmFjm
512ねぇ,名乗って:02/03/25 17:27 ID:AKqm5QhN
保全しとこっと
513名無しでごめんね:02/03/28 00:47 ID:F4IhRFXq
作者の続編読みたいんでホゼムします
514 :02/03/28 11:31 ID:o3YVPPnz
>>513
禿同
515daiki:02/03/30 02:58 ID:UcGvy8Cd
初めから読みました・・・・
とても感動しました期待ageします
516名無し募集中。。。 :02/04/01 03:55 ID:4jT+udV+
>>515
ageちゃうのはまずいかと。とりあえずホゼソ
517ねぇ名乗って:02/04/03 16:51 ID:sCCmIgfY
おいらも保全
518名無し募集中。。。:02/04/08 04:49 ID:bz7obIVT
保全
519名無し娘。:02/04/09 02:21 ID:Sc/DO3OW
保全
田て
のは
520名無し:02/04/09 21:19 ID:pipJKOhn
このスレすごいな。いくら羊とは言え、この長寿っぷりは素晴らしい。
長寿スレに乾杯BABY!
521名無し募集中。。。 :02/04/12 04:46 ID:a6nN03kg
確かに羊としては異例な息の長いスレだよな
522モーニングライター:02/04/14 02:33 ID:9CkGAV/C

大変、御無沙汰しておりました。モーニングライダーの作者です。
まさか、ここまでこのスレッドを残して貰えるとは・・・ 嬉しいです。
地道に保全して下さった皆さん、ありがとうございます。
ここまで残して貰ったら次回作、書かないわけにはいきません。
ただ、その次回作なんですが、相変わらず私の頭の中で
構想を組み立てている段階で、まだ文字と言う形にまではなっていません。
決して放置する事はありませんので、これからまだ何ヶ月?待ってでも
読みたいと言ってくれる方がいらっしゃいましたら、
首を長くして待っていて下さい。
たとえこのスレッドが倉庫逝きになったとしても、
また、どこかに新しくスレッドを立ててでも続編を書く決意であります。
523 :02/04/14 12:10 ID:Lno1A+XD
>522
わかりました!いつまでも待ちます!!
524名無し募集中。。。 :02/04/15 00:03 ID:vcIQw8kq
>>522
御意。きたいしているze!
525ねぇ,名乗って:02/04/16 04:03 ID:culFMLUS
>>522
待っているからね〜。頑張りぃ
526名無し募集中。。。 :02/04/18 06:09 ID:2VuMvtKV
527名無し募集中。。。 :02/04/20 02:00 ID:9fmJq/sF
まだかな?保全
528ねぇ,名乗って:02/04/21 04:39 ID:q/8TPAyr
うずうず
529名無し募集中。。。 :02/04/24 09:48 ID:8hL9ksdf
保全
530 :02/04/25 18:45 ID:6rfLK5Q1
ナイトライダーは懐かしい。保全。
531名無し募集中。。。 :02/04/27 01:34 ID:l1LF5n/7
続き
532名無し募集中。。。:02/04/30 02:01 ID:tl+BCi3J
保田待ち
533名無し募集中。。。 :02/05/02 17:16 ID:bIJGHOM4
保全
田て
のは
534 :02/05/04 13:45 ID:mBhRsEUP
535名無し募集中。。。:02/05/06 20:03 ID:kmhCMEg6
まさかまだ残ってたとは・・・、驚愕保全。
536名無し募集中。。。:02/05/06 20:21 ID:0XOsME1g
2ヶ月もつなんてすごい…保全。
537名無し募集中。。。 :02/05/08 08:36 ID:mJOGo4kk
出社保全
538名無し募集中。。。:02/05/10 00:41 ID:LPOENQje
保全します。もうすぐdat逝きになりそうなので。
539名無し募集中。。。:02/05/11 00:04 ID:YsyNukoq
 ほーぜんです
540名無し募集中。。。:02/05/12 03:08 ID:WDlpbdtS
保全しちゃいます。
541名無し募集中。。。:02/05/13 12:08 ID:bgfk6HCH
ばかかよ
542名無し募集中。。。:02/05/14 00:48 ID:64ukxOtU
保全
543名無し募集中。。。 :02/05/15 04:34 ID:FS2lCtwX
作者〜 はよしてくれ〜(w
544名無し募集中。。。 :02/05/17 13:16 ID:o8cm/v1S
保全
545名無し募集中。。。:02/05/17 17:48 ID:jdLmnJ22
一回上げた方がいいのでは?
546age:02/05/18 09:31 ID:SzQnmcdd
あげときましょ!!
547 ◆HOzenvy2 :02/05/21 00:34 ID:NwROPf7C
 
548 ◆HOzENDAE :02/05/22 12:44 ID:UT7mqSgg
 
549名無し募集中。。。:02/05/23 06:37 ID:ndQ3GJU1
現在の羊最長寿スレを保全
550名無し募集中。。。:02/05/25 04:47 ID:TrdQL7IR
保全気味
551名無し募集中。。。 :02/05/28 13:00 ID:+FifxZnn
ソロソロシンサクキボンヌ
552 :02/05/28 20:41 ID:boY8T4QV
1<
逝ってよし     


来いよ
http://www.hpfree.com/nori/gazou/gaki.html










553名無し募集中。。。 :02/05/31 17:29 ID:wq9GkDfz
そろそろな
554 ◆HOzENDAE :02/06/01 16:12 ID:PfTyqGgs
 
555名無し募集中:02/06/03 17:33 ID:MEZ2LA+X
ここの作者、スゲーナ。
556名無し募集中。。。:02/06/03 17:37 ID:VpfZy7fE
>>555
愚者
557名無し募集中。。。 :02/06/08 11:41 ID:nyFeFu7Y
を(略
558モーニングライター:02/06/09 00:41 ID:3CY3U6vR
皆さん、ここまでもの保全ありがとうございます。
モーニングライダーの作者です。
密かに"保田保全"なんてものにも憧れてもいたのですが、
ここに念願かないました(w
でも、あまりに長い間、何にも書かないと保全してくれていた
方々に申し訳ないので、ここでひとつ超短編行きます。
559モーニングライター:02/06/09 00:47 ID:3CY3U6vR

超短編

「いいらさん。つぎつぎと難事件をかいけつしてすごかったれすね。」
「そうね。」
街を疾走する1台の黒塗りのトランザム。
その車内で、そう言って話しあっているのは、
プロデューサーつんくによって巨大な悪と闘うために開発された
ドリームカー、モーニング2000のコンピューター部ノノと
それを駆る飯田圭織であった。

一方、中澤裕子に命令され、飯田とノノの行動を
ずっと監視し続けてきた、安倍なつみと後藤真希は・・・
「もー、何考えてんのよー!あのコンビ。
この1ヶ月間もの間、ただ10円拾って警察に届けようとして
道に迷ってウロウロしてただけじゃない。」
「一応、さっきようやく交番に届けたみたいだけどね・・・」
「なっち、もう疲れたよ・・・。」

巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か?

560モーニングライター:02/06/09 00:54 ID:3CY3U6vR
いかがでしたか?
とは言っても、こんなので納得して頂けるとは思っていませんが・・・
また、お会いしましょう。

561名無し募集中。。。:02/06/09 00:57 ID:n4MaYvy2
作者カモーーーーーーーーーーーーー(^▽^)ーーーーーーーーーーーーーーンナ!!!!!
562名無し募集中。。。 :02/06/09 03:26 ID:RwXZfkLE
ワラタ

本編もなるべく早く頼むわ
563名無し募集中。。。:02/06/09 19:08 ID:i1vHcYOD
あまりの短編っぷりにワロタ

しかし作者がココ見捨ててないって事が解って安心したよ。
本編も楽しみに待ってるよ。
564名無し募集中。。。 :02/06/12 12:21 ID:qPvJxrjD
作者来てくれて嬉し(・∀・)イイ
けど超x3短編だね(w
本編は今度はどんな風にするんでげしょ?青いベットも気になるとこりょ
565 ◆HOzENDAE :02/06/15 18:06 ID:GboxI8VN
 
566名前いれてちょ。。。になた:02/06/16 01:01 ID:Z9o2U+WW
超短編、短く感じたけどそれでも数えて見たら400字詰め原稿用紙1枚分
はあるんだね。小学生の時なんてその原稿用紙1枚分の作文が書けなくて
居残りさせられたりしたけど(w)パソコン上だとナゼかすごく短く感じるね。
それとも長い文でも短く感じさせる作者の技術力か?という保全。
567名無し募集中。。。 :02/06/18 19:14 ID:x1I+kk1L
?
568名無し募集中。。。 :02/06/22 03:51 ID:TLOd/NPV
保守
569名無し募集中。。。 :02/06/23 13:51 ID:HfXe2x4v
現在このスレが、羊板の中で最も古いスレです。
ということで保全。
570とりあえず:02/06/26 18:27 ID:+tEzl8Ui
ほぜん
571名無し娘。:02/06/29 10:47 ID:QMaa47E7
hozen
572ねぇ、名乗って :02/06/30 01:46 ID:ctM1UwAu
>>569
へーそうなんですか?保全
573名無し娘。:02/06/30 22:56 ID:LUMcLP8T
>>572
えーそうなんですよ保全
574名無し募集中。。。 :02/07/05 09:17 ID:K0EDi+V5
サクシャコウリンキボン
575 ◆HOzENDAE :02/07/06 12:45 ID:zZqUejsH
 
576名無し募集中。。。:02/07/08 12:02 ID:H8/J67Rn
とりあえず保全
577 ◆HOzENDAE :02/07/10 11:12 ID:0wTrC2XN
 
578 :02/07/13 14:54 ID:CnlYfEg9
保全
579半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/15 12:24 ID:Z8s8Oj9a
テスト運用中 1026703384
580名無し募集中。。。:02/07/16 01:27 ID:PkXYnmFS
ageてみる。
581名無し募集中。。。:02/07/16 01:48 ID:RyaOAF/J
ナイトライダーなつかすぃ
582 :02/07/18 01:35 ID:zgQ3As/k
長寿スレ保全
583 :02/07/20 12:35 ID:ilPHdgIV
夏厨期間対策保全
584ホゼン:02/07/21 02:40 ID:dqWWlEdb
ここまできたら、もはやこのスレがなくなる事はないんだろうなあ
という気がしてきた
585 :02/07/22 01:51 ID:x7mGwaPN
総スレ数が600超えたので保全
586 :02/07/24 00:20 ID:IGppPmP8
意地でも保全
587 :02/07/25 01:03 ID:zef5H/4W
作者さんはもう居ないの?
588 :02/07/26 04:09 ID:k5Q/jZBe
hozen
589名無し募集中。。。:02/07/28 19:27 ID:KDnP+RH/
hoze
590名無し募集中。。。 :02/07/29 01:09 ID:I4/c+hxu
保守sage
591名無し募集中。。。:02/07/29 23:40 ID:KopPfKFB
592半自動保全エージェント ◆HOzENDAE :02/07/31 01:42 ID:bTHHE94X
保全書き込みを行います. 1028047326
593名無し募集中。。。:02/08/01 02:13 ID:ksatV7iX
hozen
594 :02/08/02 12:36 ID:GiTAB/KI
595 :02/08/03 22:02 ID:C4TN5fMu
作者さ〜ん!居ないの〜〜〜!!
596 :02/08/04 22:22 ID:sS6ABygl
hozen
597 :02/08/05 01:40 ID:1Q4+jf1T
この長寿スレはじまって以来の脱退騒動
この一件でこのスレも一体どうなってしまうのでしょうか
598名無し募集中。。。:02/08/05 07:26 ID:XMZQrJ7C
>597
ストーリー上、辻と飯田が残っていれば、メイン骨格は揺るがないんじゃないの。
599 :02/08/06 00:09 ID:R8pFsaik
それより作者がこのスレを覚えているかどうかの方が問題だ・・・
600名無し募集中。。。:02/08/06 21:48 ID:t/f7Hv3B
そろそろあげないと消えます
601 :02/08/07 15:14 ID:K8D9bXYp
>>600
保全お疲れ。
だが2chの場合スレ位置ではなく、最終書き込みの古い順
に消されるのでわざわざageる必要は無いよ。
602名無し募集中。。。 :02/08/07 22:25 ID:LQ4An70R
601に追加
最終書きこみ順は次のURLで確認できます。
http://tv2.2ch.net/ainotane/dat/?M=A
603 :02/08/08 23:46 ID:6KGCrPWj
・・・という訳で保全
604 :02/08/10 02:42 ID:CJrB22B3
HOZEN!
605 :02/08/10 16:33 ID:iU6qkKgd
お盆帰省保全
606 :02/08/11 20:49 ID:5jf9QNX+
hozen
607 :02/08/13 00:25 ID:hoNwpWfT
作者が来るまで保全!
608 :02/08/14 00:12 ID:mwj0PpV5
保全します
609_:02/08/14 06:15 ID:R3F2/WrO
hozen
610 :02/08/15 00:05 ID:odZJ4dAx
日替わり保全
611 :02/08/16 00:07 ID:49zPBnT7
hozen
612名無し募集中。。。:02/08/17 00:03 ID:xhRgzZB8
ほぜん
613 :02/08/18 01:06 ID:nTUnBqJc
そろそろ保全ですね
614 :02/08/19 01:26 ID:hwamy4lX
hozen
615ほぜんじゃないけど・・:02/08/19 02:27 ID:nZxYWVNd
今日はじめてこの小説を読みました。
すげー、おもしろいっす!
作者さんがんばって!待ちますから。
616名無し募集中。。。 :02/08/20 01:30 ID:2TGO0nZ+
作者さん、早く来てぇ〜!
617 :02/08/21 00:45 ID:XMHXmC4k
保全
618名無し募集中。。。 :02/08/22 01:13 ID:DtqP/ZK6
総スレ数が600超えたので保全
619 :02/08/23 01:18 ID:en0717Vf
hozen
620名無し募集中。。。 :02/08/24 01:20 ID:bbzWja2A
保全じゃ〜!
621名無し募集中。。。 :02/08/25 09:22 ID:/NhTq8hq
保全
622名無し募集中。。。:02/08/27 00:10 ID:MmFYg2vM
hozenning
623名無しちゃんいい子なのにね:02/08/28 01:00 ID:BmWhxkw2
ところで漂う者たちのその後知っている奴いるか?
ここの最初の頃の保全で話出ていたけど920ch自体が行方不明なんだよな…


たまには保全以外もしてみるテスト
624名無し募集中。。。 :02/08/29 01:38 ID:bpP8F/Bq
>>623
すまん、タイトル自体初めて見た・・・
625 :02/08/29 16:29 ID:x1Q49dsM
hozen
626名無し募集中。。。 :02/08/30 17:41 ID:wXcqoaaH
hoz
627名無し募集中。。。:02/09/01 00:01 ID:tFCEG6J4
en
628 :02/09/02 00:59 ID:jbJvWO6R
定期保全
629名無し募集中。。。 :02/09/03 00:32 ID:9SPA+0Qh
スレ数600超えてるので保全
630名無しちゃんいい子なのにね:02/09/04 05:03 ID:+GTTdzct
>>524
最初の頃来ていた人は読んでいる(た?)と思うんですけどね。スマソ
とりあえずありがd&保全
631名無し募集中。。。:02/09/05 06:21 ID:cNJm/JnO
保全
632名無し募集中。。。:02/09/06 07:44 ID:coSmmI0f
保全
633名無し募集中。。。:02/09/07 08:04 ID:sqYNrw4A
保全
634名無し募集中。。。:02/09/08 09:22 ID:mVpJ4i2W
保全
635名無し募集中。。。:02/09/09 16:51 ID:Lvzy/YEY
保田
全勝
636名無し募集中。。。:02/09/11 22:41 ID:ZIhkhejZ
保全
637名無し募集中。。。:02/09/14 03:10 ID:NzI8tqB4
保全
638名無し募集中。。。 :02/09/14 21:45 ID:PVssJVZ3
ほぜpo
639名無し募集中。。。:02/09/15 22:11 ID:bsOnYxpw
保全
640:02/09/16 22:14 ID:pNnhPbEt
保全
641 :02/09/17 12:42 ID:dXu0Jja1
ホゼン!
642名無し募集中。。。:02/09/18 01:37 ID:2wnJ/S69
一周年おめでとう保全。
643一周年おめでとう!:02/09/18 01:51 ID:lTHZBfwp
作者さん降臨キボン!
644名無し募集中。。。:02/09/19 01:59 ID:q6tWGuh2
保全
645名無し募集中。。。:02/09/21 20:02 ID:kYa5s4k/
保全
646モーニングライター:02/09/22 23:59 ID:j9Y1Tr5K

--作者より挨拶--
皆様、物凄い保全ありがとうございました。
「1周年記念保全」とてもうれしかったです。もうそんなになるんですね。
言い訳するわけではないのですが、実は3月から配置転換で移動
させられた部署が大変な所でとても小説どころではなくなってしまって…

その上、後藤真希、保田圭の卒業報道。
相次ぐメンバーの脱退に、途中、何だか書く気を失いかけましたが
今まで保全して下さった皆さんの事が頭によぎり再び書き始めました。
今回、これから書き込みする話は、まだ途中までしか頭の中でも
整理がついていない作品なのですが、でも、何かどうしても今日
UPしたい気分になって、構想途中なのですが無理に書き込みます。
今日は12chの後藤真希卒業特番も見ました。いよいよ23日なんですね。
ごっちん今までありがとう。

では、半年のブランクを越えて気分も新たに
「モーニングライダー2」という事でスタートします。
647モーニングライター:02/09/23 00:01 ID:uwm/1rjF


――小説モーニングライダー2――
「爆走、キャノンボールレース編」


モーニングライダー。陰謀と破壊と犯罪の渦巻く現代に蘇る正義の騎士。
ドリームカー、モーニング2000と共に法の目を逃れる犯罪者達を追う
若きヒーロー飯田圭織。人は彼女をモーニングライダーと呼ぶ?
中澤裕子。飯田圭織のよき理解者。
保田圭。ドリームカー、モーニング2000のメカニック担当。

巨大な悪に立ち向かう現代の騎士、モーニングライダー。
今日,彼女を待ち受けるものは,果たして誰か.
648モーニングライター:02/09/23 00:03 ID:uwm/1rjF

ナイトライダー誕生は,一発の銃声に始まる.
若き敏腕刑事,マイケル・ロングは,国際的産業スパイ一味を追跡中、
同僚を殺され、自らもその凶弾に倒れた。
だがマイケルは、ナイト財団の総帥,ウィルトン・ナイトにより辛くも命を救われ、
気づいた時、顔は整形手術により別人となり、その身分も
ウィルトン・ナイトの養子としてマイケルナイトに変わっていた。
重病で死の床に就いたナイトは、マイケルに対し自分の夢を受け継ぎ
世界の巨大な悪と戦ってくれと言う言葉を残し返らぬ人となった。
 ナイトの遺言を胸に、マイケルは高性能コンピューター組み込み、
ボディも新物質で補強したドリームカー、ナイト2000とともに
度重なる危機を脱し、見事、産業スパイ一味を壊滅したのであった。
649モーニングライター:02/09/23 00:04 ID:uwm/1rjF
――――――――――――――――――――――――――――――

モーニングライダー誕生は、黄色い暴走車の一撃に始まる。
プロデューサーつんくの希望によって巨大な悪と闘う事になった
“元モーニング娘。”の飯田圭織と辻希美は、
目の前で起こった自動車窃盗事件の犯人一味の車を追跡中、
体勢を崩した一味の車の巻き添えとなり、そこに倒れた。
しかし、モーニング財団総帥プロデューサーつんくにより
辛くも命を救われた飯田圭織。
彼女は辻希美の脳を移植された電子頭脳スーパーカー、
モーニング2000とともに巨大な悪と闘うために今日も走る。
650モーニングライター:02/09/23 00:06 ID:uwm/1rjF
 
 ※
 ※
651モーニングライター:02/09/23 00:08 ID:uwm/1rjF

小説モーニングライダー2
「爆走、キャノンボールレース編」

――モーニング2000、三度――

「ちょっと!ノノどうしたのよ?スキャナーが青いよ!」
普段、赤く光って左右に往復しているはずの
ノノのフロント部のスキャナーが、青く往復しているのに気づいた
モーニング2000のドライバー、飯田圭織が驚きの声を発した。

「ふぇぇぇぇ・・・おなかがすいて、もう動けないのれす。」

「はぁ?お腹って…??あんた車でしょ」
そう言いながら首をひねる飯田。
そして、しばらく真剣に考えていた飯田は
ようやくノノの言わんとしている事に気づいてこう言った。
「ああ、燃料の事ね!」
「そう言えば、ちょっとあんた、一体何で動いてんのよ?」
今更ながら、ノノの燃料について疑問を抱く飯田。
「まさか、きゅうりじゃあるまいし・・・」
「きゅうりくれー」
「はぁ?」
652モーニングライター:02/09/23 00:11 ID:uwm/1rjF

バタン
慌ててモーニング2000に乗り込む飯田。

「ねぇ、圭ちゃん。一体ノノって何で動いてるのよ?」
と車内の通信システムのモニターに向かってこう喋り掛けて、
モーニング財団本部に居る保田を呼び出す。

「はぁ?何よ、イキナリ?」
急に呼び出されて不機嫌そうな顔をした保田の顔が
モーニング2000のモニターに映し出される。
「ノノがね、ノノが燃料切れで動かないのよ」
そんな不愉快そうな保田に、こう言って説明する飯田。
「ねぇ、圭ちゃん。ノノの燃料って一体何なのよ?」
「え?あれ、説明してなかった?」
飯田の言葉に意外そうに保田が答えた。
653モーニングライター:02/09/23 00:14 ID:uwm/1rjF

「これからの環境問題を考えて、貴重なエネルギー資源の
リサイクルを実現させて何ででも動くようにしたのよ。」
自慢げにそう言って話す保田
「何それ?どう言う事?」
イマイチ保田の言っている事が理解できない様子の飯田。
「まあ、簡単に言い換えれば、ガソリンなんかのエネルギーで
なくても、例えば、人が食べ残した残飯でも動くようにしたの。
その辺に捨ててあるような。」
保田は改めて噛み砕いたように説明し直す。
「へ? じゃあ、人間の食べる食べ物でも動くって事?」
「そう言う事になるわね。」
「例えばきゅうりでも・・・」
飯田がそう言った途端、再びノノが反応した。
「きゅうりくれー」

654モーニングライター:02/09/23 00:17 ID:uwm/1rjF

――所変わって・・・――

「もう、一体どんだけ燃料がいるのよ。底なしじゃない・・・」
ここは、近くのスーパーの大きな駐車場。
保田の説明を受けて、早速近所のスーパーに急行した飯田。

スーパーで抱え切れないほどの食料品を買い込んできたのだが
その大量の食料もノノの前に、殆どなくなって行った。

「あんたのせいでお金なくなっちゃったじゃないの。」
飯田は空っぽになった財布をひっくり返して振りながらこう言う。
「ふえ?」
不満を漏らす飯田にはお構いなしに
自らのアームで食料を、自分の燃料タンクに入れていくノノ。

「燃料を食うとはまさにこの事ね・・・」
そんなノノの様子を見ていた飯田は
やれやれと言う感じでそう呟いた。

655モーニングライター:02/09/23 00:20 ID:uwm/1rjF

すっかり元気の回復したノノのフロントのスキャナー部分は
いつもの通り赤く点滅して右に左にと往復を繰り返している。

「しかし、あんたのこのセンサーって、
ノノ自身の体の調子も表してんだね。」
飯田は完全に元に戻ったノノを見てこう感想を言った。
「そうなのれすよ。いじわるすぎると泣きまふよ。めぇー」
「何よそれ?」
飯田は呆れ顔でそうつぶやいた。
「よし、行くよ。」
すっかり元気の回復したノノに乗り込むと飯田はこう言って
ノノのアクセルを踏み込んだ。

656モーニングライター:02/09/23 00:27 ID:uwm/1rjF

本日はここまでとさせて頂きます。
657名無し募集中。。。:02/09/23 00:27 ID:4tVNUBoS
キキキキキキキキキキキキ、キタヨォ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ッッ!!!!
658祝・作者降臨!:02/09/23 02:52 ID:zYkJXUuK
バンザーイ!新シリーズだー!!!
659 :02/09/25 00:15 ID:lOA/2KW2
保全です
660 :02/09/27 19:28 ID:w5lrpY9N
スレ数が600超えたので保全!
661モーニングライター:02/09/28 06:33 ID:M8LHZY+y

早速の反応ありがとうございます。
今まで待って下さっていた方々、
スローペースですが時間の取れる時には
更新していきます。
662モーニングライター:02/09/28 06:34 ID:M8LHZY+y

――さらに飯田とノノ――

「はぁ、それにしてもどうすんのよ。
お金なくなっちゃって・・・これからどう生きてくのよ」
モーニング2000のドライバーズシートに収まりながら
恨めしそうな声でノノに文句を言う飯田。

「ん?何よこれ?」

ふと飯田は、ノノのフロントガラスとワイパーの間に
何か紙が挟まっているのを発見した。
飯田は車を停めるとパワーウインドーを開けると
身をよじりながら乗り出して、
ワイパーに挟まっている紙を取ってみる。

飯田が手に取ったその一枚の紙には
"キャノンボールレース 優勝賞金1000万円”
の文字が。

「すごいよ、ノノ!!一千万円だって。」
「一千万円って言ったら何でも買えるよ。」
「8段アイスなら30000個はかえるのれす」
「あんた、一体、何買うつもりよ・・・」

663モーニングライター:02/09/28 06:38 ID:M8LHZY+y

「ところで、レースに出るためにはどうしたらいいんだろう?」
先程のワイパーに挟まっていた紙を改めて見直す飯田。
「なになに?とりあえず来るようにって書いてあるよ。」

「で、どこよ場所は?東京都板橋区・・・って、
ふーん、ぜんぜん分かんないや。ノノ、この場所分かる?」
そう言ってノノのカメラに向けて紙を向ける飯田。
「ノノのカーナビに死角はないのれす。」
ノノはそう言うと車内のカーナビゲションのモニターに
地図を示して見せた。
664モーニングライター:02/09/28 06:44 ID:M8LHZY+y

「この場所か・・・」
飯田はカーナビの地図を見ながらそうつぶやくと、
何かを決心したように、片手をギュッと固く握り締めた。

そして窓から手を出すと、固く握り締められた手を開いて
くしゃくしゃに丸められた先程の紙を放り投げると、
意を決したように、大声でこう叫んだ。
「よーし、行くよー」
そんな飯田の声に応えるようにノノもこう叫んだ。
「レッツゴー」

かくして飯田とノノは出発した。
665モーニングライター:02/09/28 06:49 ID:M8LHZY+y

訂正
>>662
9行目
×飯田は車を停めるとパワーウインドーを開けると
○飯田は車を停めてパワーウインドーを開けると
666 :02/09/30 01:32 ID:i/KjZPUE
保全
667K.A.R.R.:02/09/30 22:22 ID:XTR4m+a/
ほぜむ
668名無しrom。:02/10/01 10:27 ID:VU606+lu
更新期待♪
保全。
669名無し募集中。。。:02/10/02 22:06 ID:qzq2VnZ7
保全。。。
670名無し募集中。。。:02/10/04 12:24 ID:frNhD7Fa
保全します
671名無し募集中。。。:02/10/05 21:01 ID:/3kZoWdH
672名無し募集中。。。:02/10/07 20:41 ID:ksdDG8Fn
保全。
折れの車にも「ノノナビ」つけてみたい・・・。
673名無し募集中。。。:02/10/09 00:39 ID:Fp4Q7qSE
保全
>>672
燃費が極端に悪化すると思われ(r
674名無し募集中。。。:02/10/09 22:52 ID:pq0xybZ9
保全
675モーニングライター:02/10/11 01:24 ID:uwgrxdLe
短くて恐縮ですが更新します。
676モーニングライター:02/10/11 01:28 ID:uwgrxdLe

――なっちとごっちん――

そんな飯田とノノの様子を、じーっと見張って来た
安倍なつみと後藤真希の両名。

その2人が運転するカローラランクスの前に
モーニング2000の運転席から、
急に飯田の手がニョキニョキと出てきたかと思うと、
そこからホイと何かが投げ捨てられた。

「ん?」
キィィ
それに気づいた安倍は、
慌てて自分のカローラランクスを停めると
路上に捨てられたその紙切れを拾いあげた。
677モーニングライター:02/10/11 01:30 ID:uwgrxdLe

安倍が拾い上げたその紙には
“キャノンボールレース”
の文字が大きく書かれていた。

「何それ?」
あとから車を停めて降りてきた後藤が安倍に声をかける。
「圭織とノノ、きっとこれに参加するつもりなのよ。」
安倍は、拾い上げた紙を後藤にむかって見せる。
そして
「ごっつぁん!裕ちゃんに報告。なっちはノノ達を追っかける」
そう叫ぶと、再び自分のカローラランクスに乗り込んだ。

「OK!」
後藤もそう言うと車をスピンターンさせ、
モーニング財団本部へとカッ飛んで行った。

678672:02/10/11 23:36 ID:/BbvZyUV
>>作者
更新乙です。
いつも楽しんで読ませてもらってます。

>>673
しかし代わりに馬力が極端に上がると思われ(w
679名無し募集中。。。:02/10/13 01:45 ID:k6gbc3wC
保全

>>678
でも夜9時過ぎたらナビが寝てしまうと思われ(W
680名無し募集中。。。:02/10/15 00:12 ID:mB5zmodb
保全
681名無し募集中。。。:02/10/17 02:06 ID:YiEgjsQN
ホゼン
682名無し募集中。。。:02/10/20 01:40 ID:mOGqj5g0
hozen
683モーニングライター:02/10/21 00:56 ID:UQt1IohT
更新です。
684モーニングライター:02/10/21 00:59 ID:UQt1IohT

――モーニング財団本部――

ここは、関東近郊の海に面した場所に建てられたモーニング財団本部。
現在、その会議室には、つんくによって、
飯田とその監視をしている安倍と後藤以外の
中澤をはじめとしたモーニング財団のメンバー達が集められていた。

「今日、集まって貰ったのは他でもない。」
つんくはメンバー達を前にそう言うと、液晶プロジェクターの装置を操作する。
「最近、外国製スポーツカーばかりが不自然な事故を起こしている」
壁にかけられた大型液晶モニターに最近の新聞記事が映し出される。
「それらの全ての車には共通点があんねん」
そう言って一通りメンバー全員の顔を見回すと、
つんくは更に言葉を続けた。
「それは全員、事故直前まで何か謎のレースに
参加してたんやないかという噂なんや。」
685モーニングライター:02/10/21 01:01 ID:UQt1IohT

「謎のレース?」
つんくの言葉にそう反応したのは矢口真里だった。
「そうや。だけどな、そのレースの詳細は
残念ながら誰にもわからへんのや」
つんくはそう言って話を続けた。

「と言いますと?」
中澤がつんくに尋ねる。
「その参加者は全て死亡しているからや」
「・・・」
つんくのその言葉に、メンバー全員、思わず黙り込んだ。

686モーニングライター:02/10/21 01:03 ID:UQt1IohT

「で、その手口というのがやな。」
その沈黙を破るようにつんくが再び話し始めた。
「公には知られへんように、これはと思った車のワイパーの間に
紙を挟んでおくらしいんや。」
「ワイパーに紙って・・・、ずいぶん古典的な方法なんですね」
つんくの説明に矢口が苦笑いしながらこう言う。
「まあな。方法は金かかってへんけど
ターゲットは全て高級外国スポーツカーばかりや」
矢口の言葉につんくがそう付け加える。
「で、そのおとりに掛かって来た者は・・・」
「死あるのみ・・・」
その言葉に室内は静寂に包まれた。
687モーニングライター:02/10/21 01:05 ID:UQt1IohT


バタン

「大変だよ、裕ちゃん!!」
急に扉が開いたと思うと、息を切らしながら
後藤が財団本部のラウンジに飛び込んできた
「なんや?そんなに息切らせて。どした、ごっつぁん」
「ノノが何か変な自動車レースに」
ブホッ
中澤は飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「裕ちゃん、汚い!」
中澤の吹き出したコーヒーの直撃を受けた矢口が叫び声をあげた。
688モーニングライター:02/10/21 01:06 ID:UQt1IohT
次回をお楽しみに
689名無し募集中。。。:02/10/21 01:33 ID:9APRUJaq
更新キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━ッ!!!!
690名無し募集中。。。:02/10/22 12:42 ID:TG63rpRD
hoz
691名無し:02/10/22 23:20 ID:3Fu3hzv5
失礼ながら、今日初めて読ませていただきました。
モーニングライダーですか。めちゃくちゃおもしろいです。
参考になるなー。
ナイトライダー世代としては、懐かしいかぎりです。
692名無し募集中。。。:02/10/24 01:52 ID:CwFzhV4X
保全します
693 :02/10/25 21:39 ID:2RmuEQBi
ホゼン
694名無し募集中。。。:02/10/27 23:01 ID:+GDSIOXP
保全
695名無し募集中。。。:02/10/28 17:13 ID:Dfoc0S4W
保全
696名無し:02/10/30 01:02 ID:0aOyhM7b
保全
697名無し募集中。。。:02/10/30 22:49 ID:hqVQlZlF
hozen
698名無し募金中。。。:02/11/02 10:38 ID:sFlEG5Vn
保全
699 :02/11/03 03:32 ID:bJAOhoHl
hozen
700名無し募集中。。。:02/11/04 00:16 ID:z8y+EfZV
700
701 :02/11/04 23:49 ID:3AGiazyZ
忙しいんだろうね、作者さん。
オイラもこの4月からメッチャ忙しい部署に回されて、毎日午前様&土日出勤だからよくわかるよ。
あんまり忙しすぎると、仕事以外何にもする気がなくなっちゃうんだよね。

でも、この手のパロディ小説(しかも秀作)は最近貴重だから頑張って続けてほしいね。
昔は「大戦隊モーニングファイブ」とか「モーニング署物語」とか面白い作品がいっぱいあったけど・・・
702名無し募集中。。。:02/11/04 23:53 ID:kFqfiyjx
>>701
感想だけなら上げるなよ・・・
703名無し募集中。。。:02/11/06 19:41 ID:KwVXGZtq
保全
704名無し募集中。。。 :02/11/07 06:14 ID:hYu7dbAt
>>702
いやでも俺は701に感謝。おかげでこのスレに
今ごろ気が付いた。
作者さん、おもしれーよ、これ。
ナイトライダーのファンの俺にはたまらん。
実際、アメリカにはこっちにきてないけど
チームナイトライダーって続編があるんだよね。
忙しくて大変だと思うけど、がんばってくり。
705 :02/11/08 22:18 ID:AJQO5ULy
hozen
706_:02/11/09 23:08 ID:xE0gjPDS
hozen
707 :02/11/10 22:03 ID:EXE78Fen
保全
708 :02/11/12 02:01 ID:E0OtHQji
作者さんまだかな・・・
709 :02/11/13 08:33 ID:nkT4bKFq
hozen
710 :02/11/14 02:27 ID:8XIFZYni
虚しく保全・・・
711 :02/11/15 11:34 ID:HN3IoIo+
ホゼン
712 :02/11/16 00:44 ID:xorGrMJV
もうすぐ1ヵ月経つよ・・・
713モーニングライター:02/11/18 00:15 ID:QofNmUbU

長らくお待たせして申し訳ありませんでした。
なるべく進めて行きたいのですが、この所、週末の度に
地方へ出張にかりだされて、なかなか書き進められなくて・・・
とりあえず久々の更新です。
714モーニングライター:02/11/18 00:17 ID:QofNmUbU

――

「後藤、どう言う事やねん?」
コーヒーでむせかえっていた中澤だったが
ようやく落ち着きを取り戻して改めて尋ね直す。
「こんな紙がノノのワイパーにはさんであって・・・」
後藤は先程飯田が投げ捨てた紙をみんなに向かって見せた。
そして、たった今見てきた経緯をかいつまんで説明しはじめる。

「それって、今話しとった殺人レースそのものやん」
後藤の説明を聞き終わった中澤はそうつぶやく。
「え?」
と言う後藤の言葉を遮るように中澤が質問する。
「それで圭織は?」
「んー、わかんない。今なっちがついてる」
後藤は、そう言って答えた。

715モーニングライター:02/11/18 00:22 ID:QofNmUbU

「しかし、今話し合ってたレースにもう既に
出ようとしてるとは・・・。ものすごい早い展開やな・・・」
「ハァ?」
中澤のその言葉に後藤が不思議そうにそうつぶやく。

そんな何か聞きたそうな顔の後藤と目が合う中澤。
「まあええわ」
一瞬、後藤に説明しようとした中澤であったが
途中で面倒になってやめた。そして
「ごっつぁん!あんたはすぐになっちの所に戻って。
それから矢口と吉澤は、その怪しげなレースについての聞き込み調査!」
そう言って中澤はテキパキと次の指令を出した。
716モーニングライター:02/11/18 00:24 ID:QofNmUbU

「だめよ、よっすぃーは」
ここで奥から保田が口を挟んだ。
「何でよー」
と不満を漏らす矢口
「よっすぃーには、私と一緒に来てアシスタントして貰うんだから」
「えぇー」
矢口は、そう言う保田の言葉に不満げな声を上げた。
そして、更にその奥には2人の会話から一体何をさせられるんだろう
と不安そうな顔で見守っている吉澤ひとみの姿があった。

717モーニングライター:02/11/18 00:26 ID:QofNmUbU

「まあ、しゃあないな。そうすると
あと、ここに残っとんのは誰や?」
中澤が振りかえる。
「加護だけか。」
「あ、あの石川もいます」
そう言って奥で石川が手をあげる。
「なんやねん、お前はココでお茶くみや!」
「はーい・・・」
中澤にそう言われて石川は渋々と奥に引っ込んだ。

「じゃ、矢口と加護で」
中澤がそう言った瞬間
「えー」
と言う加護の声
「何でお前がえーって言うんだよ」
と、それはこっちのセリフだと言わんばかりの矢口
「え?いや・・・何か言いたい気分だった」
「相変わらず訳わかんねえよ」
矢口、加護。そして後藤の3名はそんな事を言いながら
部屋を飛び出して行った。

718モーニングライター:02/11/18 00:30 ID:QofNmUbU

――キャノンボールへの道――

一方、ノノと飯田。
とある大きなオフィスビルの前に居た。
モーニング2000の全面ガラスでできた大きなルーフ越しに、
その巨大なビルを見上げる飯田。
「高いねー」
「たかいれすね」
そして先ほどワイパーアームに挟まれていた紙からカーナビに
インプットされた住所を確認する。
「間違いないわ。ここよ」

そう言うと飯田は、ノノをその大きなビルの地下駐車場に
続くスロープへとゆっくりと進めて行った。
安倍も飯田とノノに続くように、
ゆっくりと自分のカローラランクスを発進させていった。
719モーニングライター:02/11/18 00:33 ID:QofNmUbU

バタン
「あんたは、おとなしくココで待ってるのよ」
地下駐車場に車を停めた飯田は、ノノにこう言い残すと
エレベーターの方向に向かって歩いていった。
ふぉうふぉう
ノノはそんな飯田の後姿を言われた通りにおとなしく見守っていた。

そして、そんなノノの更に後方で
飯田の様子をひっそりと見守る安倍の姿がある事に、
ノノは全く感づいていなかった。

「あぁあぁ、圭織。こんな怪しげなビルに1人で入ってっちゃったよ。
大丈夫だべか?」
安倍は不安げに飯田の後姿をただただ見守っていた。
720モーニングライター:02/11/18 00:37 ID:QofNmUbU

ビルに入って地下駐車場からエレベーターを上ると
ロビーと書かれた階に受付係がいた。
「あのー、この紙を見てきたんですけど・・・」
と、飯田はそう言ってワイパーに挟んであった紙を見せようとして
途中で捨ててしまった事に気づいて慌てふためいた。
「あれー、どこやったかなぁ?」
しかし、捨ててしまったとも言えず飯田はジャケットのポケットを
必死で捜す振りをする。
「あのーレースの件なんですけど」
飯田がそう言うと受付係は心得たようにどこかに電話をかけた。
しばらくすると、黒の上下のスーツを着た大きな男がロビーに現れた。

721モーニングライター:02/11/18 00:41 ID:QofNmUbU

黒スーツの大男は、飯田の前に現れたかと思うと
飯田が何も言う前から
「こちらへ」
と言って、飯田を奥のほうへと案内した。
エレベーターを20階あたりまで昇り、それから長い廊下を歩く。
そしてその突き当たった先が目的の部屋のようであった。

「どうぞ」
スーツの大男に案内されるままに、その部屋に通される飯田。
一歩足を踏み入れた瞬間、昼間なのに薄暗い
その怪しい雰囲気の部屋に、飯田は
(うわっ、明らかに怪しいよ、ヤバイとこ来ちゃったかな)
と少し後悔し始めた。
そして念のために腕時計型の無線機のスイッチをONにした。
ザザッ
「おや?なんだべ」
その電波は地下で待機するノノのみでなく安倍の元にも届いていた。

722モーニングライター:02/11/18 00:42 ID:QofNmUbU

「よく来てくれた。」
薄暗い部屋を更に仕切る半透明のパーテーション板の向こうから
男の声が聞こえた。
(うわっ、私の前に顔を見せないんだ。益々怪しいよ)
飯田はそう思ったが
「はぁ、どうも」
と適当な相槌を打っておいた。

そしてその声は、当然地下の安倍のもとにも届いていた。

「君の車は何だ?」
「モ、いやファイヤーバード トランザムだけど」
モーニング2000と言いかけて慌てて言い直す飯田。
「いい車だ」
奥の男は静かな口調でそう言うと
「例のキャノンボールレースに参加したいんだな」
と念を押した。
 
723モーニングライター:02/11/18 00:45 ID:QofNmUbU

「え?ええ。まぁ」
飯田がそう返事し終わるか終わらないかのうちに
男は一方的にしゃべり始めた。

「出発は明朝、夜明け前の午前4時30分。
道が混み出したらレースにならないからな。
スタート地点は新宿都庁前。
コースはそこから中央高速を名古屋まで進み
名古屋から折り返す形で東名高速を東京方面に進んでもらう。
そして最終的に、ゴールは富士スピードウェイ。
急げば午前中にはレースが終わるだろう。
OKかな?」

男はそこまで一気に喋り終えると、飯田に同意を求めた。
「え、あ、はい」
いきなり色々と言われて飯田はそう答えるのがやっとだった。
724モーニングライター:02/11/18 00:51 ID:QofNmUbU

「それから、事前に公道レースが行われると言う情報が警察に知れると
取締りのための検問を敷かれたりして厄介な事になる。
このレースの事はくれぐれも内密にしてくれたまえ。
約束して貰えるか?」
男は更にこう言って飯田に尋ねる
「なるほどね。分かったよ。」
男の言葉に飯田も納得したように返事をする。

「ああ、それから言っておくが、このレースはあくまでも非公認の
公道レースだ。もしも、レース中に事故を起こしたり
警察のスピード取り締まりにあったりして捕まっても、
当方は一切関知しないからそのつもりで。」
顔の見えない男は更にそう付け加えた。

「もしも、その内容で納得して貰えるならば、そこにある
書類にサインして行ってくれ。」
暗い部屋のつい立の奥で男は静かにこう言った。
725モーニングライター:02/11/18 00:52 ID:QofNmUbU

「OK。ところでひとつ質問があるんだけどさ
優勝賞金の1000万っていつ貰えんのさ?」
飯田はそう言って顔も見せぬ奥の男に尋ねる。
「ハハハ、君は優勝するつもりか?」
男がそう言って笑う。
「もちろんよ」
と言う飯田の言葉に男は
「まあ、ゴールに1番に着いたなら、その場ですぐに渡してやろう」
そう言ってまた笑う。
「やったー」
飯田はそう言うと、言われた通りにそこにある書類に署名し、
案内役のスーツの大男に案内されるままに、その部屋を後にした。

ニヤリ
飯田の立ち去った後の部屋で、男は飯田がサインした署名を見て
静かに不穏な笑みを漏らしていた。

726モーニングライター:02/11/18 00:55 ID:QofNmUbU

今回はここまでです。
次回をお楽しみに
727名無し募集中。。。 :02/11/18 08:16 ID:TUkmduxB
キタ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゚゚・*!!!!!
続きが気になる〜
728祝・更新!:02/11/18 21:49 ID:tun6tq5l
よっしゃ〜〜〜〜!!!
これで後1ヶ月我慢できるぞ(w
729(*゚Д゚)さん :02/11/19 08:06 ID:LB5Dw3G/
やるっきゃない!
730なっちゃん ◆zBkmzINLDs :02/11/21 17:07 ID:KiqDUXH3
初めて読ましていただきました。
すごく躍動感があって一気に読んでしまいました。
プロローグはなっちの所で泣いてしまいました。
これからもずっと読ましていただきたいです。

ps.北海道弁は『いいひと。』か
『最終兵器彼女』というマンガがおススメですよ。
作者さんが北海道出身なので正確に書かれているので。
731 かーる:02/11/22 16:10 ID:lsYzh+mP
ほぜーんっと
732をを!:02/11/23 14:44 ID:A4xseCPb
更新されてる。
作者さんお疲れ様。
これからも気長に待ち続けます。
733名無し募金中。。。:02/11/26 01:13 ID:U2yij9D5
保全
734 :02/11/28 06:20 ID:LtN5xuno
ホゼン
735なっつぁん ◆uwi/fWtAsA :02/11/30 00:19 ID:IDE1Zr5l
ほぜん
736 :02/12/01 05:19 ID:GwhACOa3
hozen
737 :02/12/02 07:23 ID:Zd/Fst2y
保全します
738 :02/12/03 07:24 ID:kQME8G2d
ホゼン
739 :02/12/04 10:41 ID:lj30QZJx
作者さ〜ん
740名無し募集中。。。:02/12/05 12:59 ID:jT4K5bYw
保全
741保全:02/12/06 15:44 ID:I8EUsMnJ
現在dat数594・・・
742 :02/12/07 13:51 ID:qlpjWUQS
保全
743名無し募集中。。。:02/12/08 19:26 ID:U4EvF1Kd
hozen
744名無し募集中。。。:02/12/09 16:42 ID:DFEDnzgR
保全
田て
のは

745名無し募集中。。:02/12/13 00:24 ID:rGTehsIv
746名無し募集中。。。:02/12/15 17:36 ID:WKeBAU62
保田は
全知全能
747 :02/12/19 14:46 ID:56Ouj8Mg
う〜ん、作者も年末進行で忙しいのかなぁ・・・
748名無し募集中。。。:02/12/20 20:44 ID:tdPgVKah
羊で最も古いこのスレをホぜん
749デドアラ信者:02/12/25 17:15 ID:PBtQMu1a
パクリうぜぇ
750名無し募集中。。。:02/12/28 10:38 ID:PG2gxG+u
保全
751デルスウザーラ:02/12/29 13:16 ID:dM0cdlZx
保全
752 :02/12/30 16:27 ID:hHDh+iWA
hozen
753名無し募集中。。。:03/01/01 00:23 ID:TQC59pLW
>>作者さん
二度目の新年おめでとうございます!
754名無し募集中。。。:03/01/02 14:43 ID:EAyJUx2C
保全
755名無し募集中。。。 :03/01/02 20:45 ID:qML0UVhK
>>750-751.754
保全のやり方、間違ってますよ
756 :03/01/02 20:46 ID:zqTRkp0M
パクリうぜぇ
757名無し募集中。。。:03/01/05 18:21 ID:i5fqbLgi
>>755
釣りのつもりだったの?
758名無し募集中。。。:03/01/06 20:49 ID:nH1V2zMc
そろそろ保全だな・・・
759せんとういん:03/01/07 17:03 ID:y4iWQ6wa
戦闘員VS柴田あゆみ
760山崎渉:03/01/10 04:36 ID:4v/SGyEY
(^^)
761山崎渉:03/01/10 16:55 ID:jP7jQFjA
(^^)
762モーニングライター:03/01/11 01:21 ID:MPwkLuQ9
モーニングライダーを読んで下さっている皆様、新年明けましておめでとうございます。
前回からの更新間隔が随分とあいてしまっているので、何をのんきなと思われるかもしれませんが
やはり年末は色々とバタバタとしまして更新できませんでした。
どうにか少しずつでも更新していきますので今年も宜しくお願いいたします。
平成15年初春 作者モーニングライター
763モーニングライター:03/01/11 01:23 ID:MPwkLuQ9

―― 一方その頃 ――

一方その頃、モーニング財団本部では。

「あの、あほコンビ。絶対これ見て参加するつもりになったんやわ」
中澤が、後藤が置いて行ったメモ用紙の
“優勝賞金1000万円”と書かれた所を指差して
ピラピラと保田に見せていた。

その時だった。
ピー
ピュルルルルー
「あ、この音は」
そう言って中澤が部屋の壁にかかったプラズマディスプレイ
の方を振り返って手元の通信装置のボタンを押した。
すると、壁の画面いっぱいに飯田の顔が映し出された。

764モーニングライター:03/01/11 01:26 ID:MPwkLuQ9

「裕ちゃん、裕ちゃん!今度ねカオリとノノ
レースに出る事になったから」
通信システムがつながるなり、唐突にそう言い出す飯田。
「今、何処にいるんや?」
思わず声が大きくなる中澤。
そんな何故か焦った様子の中澤に飯田は少し困惑する。
「え?それはね、レースの主催者との約束があって今は言えない
でもね優勝賞金1000万円だよ。
優勝したら裕ちゃんにも何か買ってあげるね」
「何を呑気な・・・
なぁ圭織。そのレースはなぁ・・・まぁええわ。とにかく至急戻ってきいや。
圭織にやってもらいたい重要な仕事について話があんねん」
中澤は必死の形相で飯田にそう伝えた。
765モーニングライター:03/01/11 01:28 ID:MPwkLuQ9

「ふーん、あ、ゴメン裕ちゃん今忙しいんだ。
その仕事の話はレース終わって戻ったら聞くから
それじゃまたね」
プチッ
「チョッ、圭織っ!圭織もっと重要な話があんねん!!」
通信システムに向かって大声で怒鳴る中澤。
「クソッ、あいつら、メインスイッチ切りやがった。
まあ、いいわ。どうせ圭織とノノには囮になって
潜入捜査して貰う予定だったし・・・」
そう言って中澤は諦め顔でつぶやいた。
「ただ、相手の目的が何なのか分からない以上、圭織達が危険よ」
保田のその言葉に、中澤も何か嫌な胸騒ぎを覚えた。
766モーニングライター:03/01/11 01:30 ID:MPwkLuQ9

「ふー危ない、危ない。
せっかくこれからレースに出ようって言うのに
なんか仕事を言いつけられる所だったよ」
飯田はノノに向かってそう言う。
「あ、裕ちゃん、1000万円って聞いて妬んでるのかも」
「なかざわさんも、きっと8段アイス食べたいのれすね」
「1000万円貰ったら裕ちゃんにも買ってやるといいわ」

中澤と保田が2人を真剣に心配している頃
飯田とノノは相変わらず呑気な事を言い合っていた。
767モーニングライター:03/01/11 01:33 ID:MPwkLuQ9

―― AM4:00新宿都庁前 ――

ブオン、ブオン
ボボボボボ
静かな街に野太いエンジンサウンドがこだまする。
ここはまだ薄暗い午前4時頃の新宿都庁前。
既に、キャノンボールレースに参加する参加車両が
路肩に集まり始めていた。
非公式な裏レースであったが既に20台以上の車が集まっていた。
集まっている車はフェラーリー360モデナ、
ランボルギーニムルシエラゴ、
ジャガーXKR、マセラティクーペGT等など
世界に名だたるスポーツモデルばかりだ。
それはある種、異常な光景であった。
「凄いよ、ノノ」
その光景を見た飯田は、そう感想を漏らした。

「凄いね・・・」
そして、ここにも飯田と同じ感想を持った人達がいた。
「ここにカローラなんかで乗りつけたら逆に目立っちゃうよ」
安倍と後藤は、無線でそう連絡をとりあうと、かなり離れた場所に
自分達のカローラランクスを停車させた。
768モーニングライター:03/01/11 01:35 ID:MPwkLuQ9

そしてスタートの午前4時半が近づいた時であった。
1台のベントレーが姿を現した。
飯田をはじめとした、そこに集まっていた皆が、
およそレース車両とは思えぬ、そのベントレーに注目した。
そして、そのベントレーはウインカーを出しながら
静かに路肩に車を寄せると、そこに停車した。

「ホホウ、いい車が揃っているじゃないか」
フルスモークのベントレーのリアシートに座った男が
部下に向かって嬉しそうに、そう話しかける。
「はい、先生」
先生と呼ばれたその男こそ
先程、飯田が尋ねたビルのついたての奥に居た男であった。

769モーニングライター:03/01/11 01:37 ID:MPwkLuQ9

しばらくすると停車したベントレーの助手席から
大きな旗を持った1人の男が降り立った。
そこに居た皆の視線が一斉にその男に集まる

「この旗が振られたらスタートして下さい!」
男は大声でそう叫んだ。

周りの車のドライバー達が自分の車の運転席に戻る中、
飯田も急いでモーニング2000の運転席に戻って準備する。
「なんか、ドキドキするね」
飯田はノノに向かってそう言った。

ブオーン、ブオーン
バリバリバリバリ
午前4時40分、予定よりも10分遅れて、大きな旗が振られ、
激しい爆音と共にキャノンボールレースはスタートした。
770モーニングライター:03/01/11 01:38 ID:MPwkLuQ9

各車、一斉に首都高の入り口に向かって発車した。
もちろんノノも。
しかし、ノノは・・・
「何よ、ここ。新宿駅じゃん」
「あれ?間違えたのれす・・・」
「ちょっとー、しっかりしてよー!」
飯田はそう言ってハンドルをバンバン叩いた。

新宿西口の首都高入り口を目指したノノは
何故か逆側の東口にあるスタジオアルタ前を通り、
そして再び都庁の前を通り過ぎ、
グルーっと回ってようやく首都高に入る。
その時間、AM5:00。
もはや、他の参加車もベントレーの姿もどこにもなかった。
「もー、出遅れちゃったじゃない」
飯田はそう言って嘆いた。
771モーニングライター:03/01/11 01:54 ID:MPwkLuQ9

今回の更新はここまでです。
何だかまた娘。のメンバーに大きな変動があるようで…
2005年と言う設定上、大変に気になる所です。
772なっつぁん ◆uwi/fWtAsA :03/01/11 11:38 ID:YF5GfFTR
更新お疲れさまです!待ってました!次回更新楽しみにしてますね
773祝・更新!:03/01/11 15:21 ID:5T4zfmiQ
約2ヶ月ぶりにキター!!!
これで3月まで耐えられるよ・・・
774ななし:03/01/13 20:28 ID:8xIdeY/J
775:03/01/16 07:07 ID:Z1K94Sby
776名無し募集中。。。:03/01/18 11:27 ID:xrlZSsGk
777名無し募集中。。。:03/01/19 01:44 ID:tpXKmUT0
そろそろスレ数が600近い、
明日はクソスレ乱立しそうなので
注意が必要と思われる・・・
778名無し募集中。。。:03/01/19 21:04 ID:44UI8nb6
保全!
779名無し募集中。。。:03/01/23 20:33 ID:kcocldHb
保全
780名無し募集中。。。:03/01/25 21:43 ID:W+ipQEwq
まだ更新から2週間しか経ってないのに
もうはや禁断症状が出て来た・・・
781山崎渉:03/01/28 13:47 ID:3mTZ7UF2
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉 
782:03/01/29 21:23 ID:sQBZlFby
ほぜん
783名無し募集中。。。:03/01/31 01:19 ID:dhXm8pUD
hozen
784名無しの数10000人:03/01/31 20:47 ID:InHdJaj3
保全
785名無し募集中。。。:03/01/31 21:37 ID:kpWPKVJL
モーニング・ライダー。じゃなくてモーニン・グライダーだった!
786名無し募集中。。。:03/02/02 00:14 ID:NR/V1MX1
hozen
787名無し募集中。。。:03/02/05 06:50 ID:GbdQNcv+
保全
788nanashi:03/02/08 00:31 ID:gxgkVnQB
ho
789名無し募集中。。。:03/02/11 23:37 ID:w8oGgGJF
羊最古のスレ保ぜん
790名無し募集中。。。:03/02/13 14:49 ID:lsgHoGdo
保全
791名無し募集中。。。:03/02/14 03:20 ID:8eRDcnrZ
ほんまかいな
ぜんぜんあかんわ
んあ〜もぉいいわ…
792名無し:03/02/14 08:17 ID:1fOODecj
初めて第一話からよみました
感動しました
構成もさることながら、ノノと飯田の哀愁は漂うけど絆のふかさはいい
後、メンバーの個性をよく把握してうまく話ができています
やっぱり娘は10人が最高最強という事を実感しました
実際、私も五期メン加入から娘に関心がなくなりましたから
子犬映画よりこちらを映画化してほしいと思いました
これからも頑張ってください
793名無し募集中。。。:03/02/15 01:57 ID:6RjNl/lm
ho
794 :03/02/15 16:59 ID:qX6aetwn
保全します
795モーニングライター:03/02/15 23:55 ID:EYNj+1le
モーニングライダーの作者です。
感想を書いてくれた皆さん、ありがとうございます。
ロクに更新もしないでこんな事を言うのも何ですが、
色々と意見を頂けると励みになります。
これからも頑張りますので宜しくお願いします。
796モーニングライター:03/02/15 23:57 ID:EYNj+1le

――矢口と加護――

一方、こちらは中澤から怪しげなレースについての調査を
依頼された矢口と加護。
「ここがその怪しげなレースの主催者のビルだよ」
そう言って飯田がしたように、やはり大きなビルを見上げる小さな2人
「どうします?」
「どうしよう」
主催者のアジトに到着した2人は
そう言って途方に暮れていた。

ピーピーピー
その時だった。
矢口のカローラランクスの通信システムから呼び出し音が鳴りだした。
797モーニングライター:03/02/15 23:59 ID:EYNj+1le

「なんなりか?」
外に出てビルを見上げていた矢口が、その音に
慌ててカローラランクスの運転席に戻る。
つられて加護も助手席に乗り込む。
「矢口、分かったわよ」
通信システムのモニターに顔を現わしたのは保田であった。
「分かったって、何が?」
「そのビルの見取り図よ」
矢口の問いかけに対してちょっと得意げにそう答える保田。
「やったぜ!けめこ」
そう言って喜ぶ矢口に保田は
「今データーを転送するわ」
と相変わらず得意げにコンピューターを操作した。
798モーニングライター:03/02/16 00:01 ID:LPhNSVGH

それから数分後・・・
「ねえ、圭ちゃん。ちっとも終わらないんだけど」
しばらくデーターが転送されてくるのをじっと待っていた矢口であったが
待ちきれなくなって保田を呼ぶ。
「はぁ?そりゃそうよ。そのビル35階分のデーターを全部転送してんだから」
「えー?」

「お、そろそろ終わるんじゃない」
「終わった所で作戦会議よ」
矢口・加護・保田の3名はモニターを介して作戦会議を始めた。
799モーニングライター:03/02/16 00:04 ID:LPhNSVGH

――迷走・飯田とノノ――

新宿で散々迷った飯田とノノであったが
一旦、首都高に乗ってしまったら後は早かった。
早朝の首都高をあっという間に走り抜け、
モーニング2000は、一路、中央高速道路へ。

すっかり運転をノノに任せた飯田は
「ねえ、ノノ。なんか音楽かけてよ」
ヘッドレストの後ろで両手を組んでくつろぎながら、
ノノに向かってそう言う。
「へい、じゃあ今のじょうきょうにぴったりの1番あった曲をかけるのれす」
そう言ってノノは、モーニング2000の
ミュージックサーバーシステムを検索した。
800モーニングライター:03/02/16 00:06 ID:LPhNSVGH

♪中央フリーウェイ 調布基地を追い越し ♪

モーニング2000のカーオーディオから流れてきたのは
ユーミンの「中央フリーウェイ」

♪中央フリーウェイ、右に見える競馬場
左はビール工場、この道はまるで滑走路♪

「あ、ここ!右に競馬場。あ、ビール工場も!丁度この場所だよ」
歌の歌詞とのタイミングぴったりで
東京競馬場の前を通り過ぎるモーニング2000。

「うわー、この歌の道ってホントにあるんだね」
「あるのれすよ」
「カオリ、ちょっと感動したよ」
飯田はレースの事はすっかり忘れて、窓ガラスにへばりついて感激していた。
801モーニングラita- :03/02/16 00:07 ID:LPhNSVGH

ブチッ
「あれ?途中で切れたよ?」
「あれ?なんかおかしいのれす」
カチャッ
「あ、直った」

♪L・O・V・E ラヴリー保田♪

「何で毎回この曲なのよっ!!」
「や、やすださんに言って直してもらうのれす・・・」
「圭ちゃんに頼むからこんな風になるんじゃないの?」

 ・
「ヘークションっ!!ヘークションッッ!!」
「どした?圭ちゃん」
突然、大きなくしゃみを繰り返す保田に驚いて声をかける矢口。
「へーっく。きっと誰かが私の美貌に噂してるんだわ」
「・・・」
802モーニングライター:03/02/16 00:11 ID:LPhNSVGH

それから10分後。
時速200キロ近いスピードで中央高速を爆走するモーニング2000は
あっという間に八王子・相模湖と超え、山梨県に突入していた。
「えーと、さっき上野原インターを越えたから次は大月ね」
モーニング2000のカーナビを見ながら飯田がそう言う。

「ちょっと、ノノ!何でスピード緩めるのよ」
「あの。おなかがすいたんで、次の談合坂サービスエリアでごはん食べようと
おもったのれすが・・・」
「ダメ!」
飯田の厳しい口調にノノは談合坂行きを断念し、再び時速200kmへと
スピードを上げていった。
803モーニングライター:03/02/16 00:13 ID:LPhNSVGH

飯田を乗せたモーニング2000は、早くも
大月ジャンクションを越えようとしていた。
「あー!!駄目だよノノ。そっち行ったら河口湖だよ」
何故かフラフラと中央高速を河口湖方面へと行きそうになる
モーニング2000に慌てて飯田が大声をあげた。
「あぶない所れした」
「もー、頼むよノノ。しっかりしてよ。」
「河口湖と見たらそっちの方に行きたくなったのれす」
「もー、初日の出暴走の暴走族じゃないんだから・・・」

飯田とノノの迷走は、まだ始まったばかりであった。
804モーニングライター :03/02/16 00:16 ID:LPhNSVGH

―― 最初の敵 ――

「しかし、1台も他の参加車を見ないね」
「なんかこうねー、もっとデッドヒートみたいのが
したいんだよねー」
相変わらず運転をノノに任せヘッドレストの後ろで
両手を組んでくつろぎながら、そう言う飯田。

その頃、
飯田とノノを見張るためにずっと後を尾行していた安倍と後藤は。
「うわー、やっぱり私達の車じゃ駄目だ。
どんどん引き離されてくよー」
「さすが、ドリームカーね」
そんな事を言い合っている安倍と後藤の2台の
カローラランクスは、益々、ノノとのその差を広げられていった。
805モーニングライター :03/02/16 00:18 ID:LPhNSVGH

「ねえ、さっきトンネルを抜けた瞬間、なんかものすごいフラッシュが
光ったような気がしたんだけど・・・」
「ああ、ここのオービスれすね」
ノノは車内のモニターにオービスマップを映し出して飯田に見せる。
「え!じゃあさっきのスピード取締りのカメラだったんじゃない
やばいなぁ、映っちゃったよ」
そう言っておろおろとする飯田にノノはこう答える。
「だいじょうぶれすよ」
「え?」
「この車のガラスは特殊なのでカメラに映らないようにできまふから」
そう言うとノノは透明だった全てのウィンドウガラスを
一瞬にして真っ黒なスモークガラスに変えて見せた。
「あんたやっぱり凄いよ」
飯田はノノの説明に心底感心してそう言った。

※「オービス」・・・速度自動取り締まり機。
806モーニングライター :03/02/16 00:20 ID:LPhNSVGH

そして相変わらず物凄い勢いでかっ飛ばすモーニング2000は
そろそろ甲府へと差し掛かっていた。

「あ、あれ!都庁の前で見た1台じゃない?」
前方に参加車の1台と見られるマスタングを発見する飯田。
「やったー!1台事故ってるよ。よーし」

「わ、また事故ってる。これでまた順位アップだ」
と最初は無邪気に喜んでいた飯田であったが
次々にキャノンボールレースの参加車両が
クラッシュしているのを見て、次第に不審に思い始める。

「何か、レースの参加車ばっかりが事故ってるね」
そうノノに向かって感想を漏らす飯田。
「やっぱりレースって危険と隣りあわせなのね」
その時の飯田は、そう言って納得した。
807モーニングライター :03/02/16 00:22 ID:LPhNSVGH

しかし、その後、事故の理由が分かる事になった。

飯田の前を行く1台のダッジバイパー。
「やった!やっと普通に走る参加車に追いついたよ
これで、ようやくレースっぽくなってきたよ。」
と喜ぶ飯田。
しかし、そのバイパーを追い抜こうとしたその時であった。
バイパーのホイールからドリルが飛び出してきたのだ。
「な、何よ!」
チュイーン
バイパーはドリルを回転させながらモーニング2000に向けて近寄ってきた。
「分かったよ、今までの事故の理由が。全部、あの車が事故らせてたのよ!」
飯田はそう言って悲鳴を上げた。

なおも幅寄せしてくるバイパー。
「みんな、あの車にパンクさせられて、事故らされたんだわ。」
808モーニングライター :03/02/16 00:23 ID:LPhNSVGH

「許せない!来るんだったら来なさいよ!」
飯田はそう言って怒りをあらわにした。

バイパーのホイールから伸びたドリルがついに
ノノのタイヤに接触した。
ガリッガリガリガリ
バーン
しかし、ノノの特殊タイヤの前にはバイパーのドリルは
意味をなさなかった。
バイパーのドリルは逆にひん曲がり、その衝撃で
車体自体も吹っ飛ばされた。
ドーン
バイパーは、そのままガードレールに激突した。
809モーニングライター :03/02/16 00:24 ID:LPhNSVGH

「ノノっ、車停めて!」
キィィ
飯田はモーニング2000を路肩に寄せて停めると
バイパーに駆け寄る。
その時だった。
「いいらさん、逃げてください!ばくはつします」
衝突の衝撃で漏れ出しているガソリンを感知したノノが
飯田に向かって叫んだ。
「ええ!?」
たった今、バイパーに向かって駆け寄った飯田は
今度は逆方向に向かって走り出した。
「いいらさん、飛び込んでくらさい!」
ノノがそう言ってトランクのハッチバックを開く。
「え、何?トランクに飛び込めって言うの?無理よ。」
飯田はそう言ったものの、もう時間がないと判断し
ノノの言うままにトランクに向かって飛び込んだ。
810モーニングライター :03/02/16 00:26 ID:LPhNSVGH

ウィイイイイン
トランクハッチが閉まったその時だった。
ドカーン
ノノの後方で先程のバイパーが爆発した。

爆風をモロに受けたモーニング2000であったが
その特殊ボディには、無論傷ひとつつかなかった。
「うううー」
しかし、そんなモーニング2000のトランクの中で飯田がうめく。
「どうしました?いいらさん」
「ノノ狭いよー」
長身の飯田はモーニング2000の狭いトランクに
無理やりな体勢で閉じ込められて苦しそうにもがいていた。
811モーニングライター :03/02/16 00:27 ID:LPhNSVGH

たった今のその光景は、本部のビルにいるレースの主催者の
男たちの元にも届けられていた。
今までの映像は、先程のバイパーに取り付けられていた
車載カメラの映像によって全て主催者たちに筒抜けになっていたのだ。
ザザッザザー
しかし、爆発によって当然カメラも壊れ映像は途絶えた。
「くそっ」
周りで見ていた男たちはそうつぶやく。
「先生っ、申し訳ございません」
しかし、その映像をモニタリングしていた先生と呼ばれる男は
不敵な笑みを浮かべ
「これは凄い。こいつはいい映像が撮れるぞ。
あの黒いトランザムを追い続けるんだ!」
部下達にこう命じた。
812モーニングライター :03/02/16 00:31 ID:LPhNSVGH
今回の更新はここまでです。
何故か更新の途中でパソコンが暴走しだして焦りました。
うちのパソコンの中身もノノでしょうか?
813なっつぁん ◆uwi/fWtAsA :03/02/16 15:57 ID:lvWsgOly
更新乙です!次の更新も楽しみに待ってますよ!
814ななし:03/02/16 19:10 ID:KxabbT3I
やっぱりノノいい
815名無しちゃんいい子なのにね:03/02/16 23:44 ID:3k/KTmX6
更新乙です。

ちなみに時速200km以上だとオービスに写りませんよ(w
シャッタースピードが追いつかないらしいんで
816祝・更新!:03/02/17 00:22 ID:CCLXe7oK
今回は結構長めだったのが嬉しかったです!
お仕事が忙しそうですので、更新はそちらの都合で十分です。
こちらもスレ数が590を超えない限りレスは控えめにしますので、
今後ともよろしくお願いします。

>>815
だから最近は後からも写す機械が出てきてますよ(w
817ななし:03/02/22 10:25 ID:RdMohAJi
保全
818名無し募集中。。。:03/02/22 15:39 ID:o0nlrdUR
時速200qの緊迫したお話しなのに、
そこはかとなく流れるほのぼの雰囲気が大好き。
819名無し募集中。。。:03/02/25 23:05 ID:467poV34
保全
820名無し募集中。。。:03/02/26 19:22 ID:fUPOhzLZ
>>817,819
スレ数が600超えるまで基本的に圧縮は無いから
そんなに細かく保全する必要は無い。
無駄にスレを消費するだけ。
後、保全だけならsageでね・・・

↓詳しくはこちら
http://tv2.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1042048007/5
821名無し募集中。。。:03/03/08 08:54 ID:OM6kK+DX
たまには期待揚げ
822モーニングライター:03/03/10 00:08 ID:j16KbBql
久々の更新です。
823モーニングライター:03/03/10 00:10 ID:j16KbBql

――― 立ちふさがる強敵 ――

燃え盛るバイパーをしばらくの間見ていた飯田とノノであったが
再び車に乗り込むと、中央高速を爆走し始めていた。

ノノによる自動操縦モードから、飯田による運転に切り替えて
それまでの遅れを取り戻そうと、猛然と突き進むモーニング2000。
そんなモーニング2000の前に2台の真っ黒な
AMG仕様のメルセデスのセダンが立ち塞がった。
2台のメルセデスは、追い越し車線と走行車線の両方をふさぎ、
モーニング2000を、まさにブロックする形になった。
「何よ?」
行方をふさぐ2台のメルセデスに飯田はそう叫んだ。

今まで200kmを超えるスピードで走ってきたモーニング2000であったが
前に立ちふさがるメルセデスのために時速80km程度の
低速走行を余儀なくされていた。
「もー、一体何なのよー、急いでんのに!!」
一向に道を譲らないメルセデスに飯田はイライラしていた。
824モーニングライター:03/03/10 00:12 ID:j16KbBql

そうこうしている間にモーニング2000は長野県へと突入していた。

「やった、車線が一個増えた!」
そんな時、目の前に登坂車線が現れてその車線が3車線に増えた。
「お先にー」
モーニング2000は、本来は遅い車が走るための登坂車線へと飛び出すと
一気に加速した。
しかし、それと同時に
メルセデスも恐ろしいほどの加速で飯田とノノと併走しだした。
「え!!」
驚く飯田。
ひるんだ飯田がアクセルを戻した隙に
1台のメルセデスが登坂車線を行くモーニング2000を追い抜き
その目の前に割り込んできた。
「うわ危ない!!」
思わず急ブレーキをかける飯田
「ちょっと!何よー」
飯田は悲鳴を上げた。
825モーニングライター:03/03/10 00:19 ID:j16KbBql

目の前に1台、そして真横に1台とメルセデスにぴったりとつかれ
完全にブロックされる形で、再び低速走行を余儀なくされる飯田とノノ。
「なんかはめられたみたいれすね」
と言うノノの言葉に
「さっきのバイパーの一味かもね」
飯田も、2台のベンツが自分を陥れようとしている事にようやく感づく。
「なんかこのレース、どうやらただのレースじゃなさそうね」
飯田は口元に手を当て、静かにそうつぶやいた。

「やった!あれノノよ。」
ノノが低速走行している間に懸命に追跡していた安倍と後藤の
カローラランクスがようやく追いついた。
「あれ?でもあんなにゆっくり走って何してるんだろう?」
後藤がそう言って不思議そうに首をかしげた。
826モーニングライター:03/03/10 00:23 ID:j16KbBql

「こうなったら」
飯田はそう言うと、急にブレーキをかけた。
不意を突かれて、一瞬驚いた様子の2台のメルセデス。
「行くよ、ノノ。ターボブーストよっ」
「いいらさん、この距離ではむちゃれす」
「やるしかないでしょっ」
ピッ
飯田はそんなノノの忠告を無視して天井のボタンを押す。
それにあわせてモーニング2000は弾かれたように猛ダッシュし、
そして前を塞ぐメルセデスの頭上をジャンプして越えていった。
827モーニングライター:03/03/10 00:24 ID:j16KbBql

ヒューン
空を飛ぶモーニング2000。
ドカッ
メルセデスを越えたモーニング2000は激しくバウンドしながら
再びアスファルトに着地する。
「バイバーイ」
飯田はそう言ってひらひらと片手を振ると再び加速していった。

「あー、圭織やったね」
「相変わらず無茶するね」
後ろから尾行していた安倍と後藤は、その様子を冷静に見ながら
こんな事を話し合っていた。
828モーニングライター:03/03/10 00:27 ID:j16KbBql

―― ミニミニ大作戦――

一方、こちらは・・・
「どうにかして中の様子が知りたいなぁ」
そう言ってビルを見上げる加護。
「ようし」
「え、何がよしなんですか?」
急にボソリとつぶやいた矢口に加護が反応する。
「加護ちゃん、忍び込むよ」
「えー、どうするんですかぁ?」
その矢口の言葉に驚いた顔で尋ねる加護。
「フフフ、こっちにはこの見取り図があるのよ」
そう言って矢口は保田から転送されてきた詳細な見取り図の入った
メモリーカードを移した小型パソコンの画面を加護に見せると
「まぁまぁ、この天才矢口様に考えがあるなり。」
そう言ってニヤリと微笑んだ。
829モーニングライター:03/03/10 00:29 ID:j16KbBql

「私たち伊達にミニモニって呼ばれてた訳じゃないなりよ」
そう言って加護の方を振り返りながら喋る矢口。
矢口の名案というのにのせられて、2人はビルの通風孔にいた。
狭い通風孔の中をほふく前進で進む矢口と加護。
「はいー、ミニミニサイズでも幸せマキシマム」
「あん?別にこの状況、どう考えても幸せじゃないんだけどね。」
2人にはこんな事を言いながら狭いダクトの中を進んでいった。

小さなのぞき穴から、一つずつの部屋を覗いていく矢口と加護。
「矢口さーん」
小声で矢口の名前を呼ぶ加護
「んー、何だこの部屋は?」
矢口もその部屋の頭上で立ち止まった。
830モーニングライター:03/03/10 00:30 ID:j16KbBql

カチャカチャ
矢口は狭いダクトの中でもう1度、ビルの見取り図の入った
小型パソコンを取り出して改めて確認する。

その部屋にはパソコンやモニターが大量に並んでいた。
そして、その部屋に誰も居ない事を確認すると、矢口と加護は
天井の通気口のふたを静かに開け、その部屋に侵入した。

そのモニターには今までのキャノンボールレースの事故車の様子が
映し出されている。
「何よこれ・・・」
矢口は静かにつぶやいた。
831モーニングライター:03/03/10 00:31 ID:j16KbBql

何台も並んだモニターの周りに積み重ねられたビデオデッキ。
その周りには大量のビデオテープが積み上げられていた。
その内の1台のモニターには、車輪からドリルの刃を出して
マシンをクラッシュさせるダッジバイパーの映像が映っていた。
「これは・・・」
矢口が絶句した。

「しっ、誰か来るよ」
その部屋に向かって近づいてくる足音を敏感に感じ取った
矢口と加護の2人は、慌てて元来た通風孔へと身を隠す。

ガチャッ
というドアの音と供に3人の男たちがその部屋に入ってきた

「よーし、さっさと編集しろよ」
「平凡な日常生活の刺激に飢えた大金持ち様達が、
殺人ビデオの新作をお待ちかねだからな」
「へい」
832モーニングライター:03/03/10 00:32 ID:j16KbBql

狭い通気孔の中に身を隠して男達の会話を
盗み聞きしていた矢口と加護。
「分かったわ、ここは殺人ビデオ工場よ」
矢口が静かな口調でそうつぶやいた。
「え?」と加護
「このレースは、優勝賞金1千万円って言うのは
相手を釣るためのオトリで、
あくまでも殺人ビデオを撮るためのレースだったのよ」
興奮した口調で一気にまくし立てる矢口
「えっ・・・、じゃあ飯田さんは・・・」
と言いかける加護に
「はっ」
「圭織が、圭織も危ない!」
矢口もそう言って慌てた。
833モーニングライター:03/03/10 00:34 ID:j16KbBql
本日はここまでです。次回をお楽しみに
834更新キター!:03/03/10 00:48 ID:Bknr2H/M
>作者さん

年度末で何かと忙しいと思われますが、
無理せずマイペースで書いて下さいね。

保全の件はお任せ下さい!
835 :03/03/13 01:26 ID:ZimR+P0d
836一読者:03/03/13 02:33 ID:aYLpv5t7
鯖移転の関係か、一時、このスレ消えていて、目の前まっくらに
なったあるよ。残っていてよかよか。
837a:03/03/13 18:50 ID:TGIhbMCV
838ナナシー:03/03/14 17:25 ID:twJ2ZkOa
ギリギリ揚げ
839あのねぇ・・・:03/03/14 17:34 ID:iQNTgCoL
>>838
スレ位置とDAT落ちは関係無い。
保全だけならsageでも出来るんだから余計な事するなよ。
840一読者:03/03/14 21:45 ID:SZm5Kcw9
この鯖ってn日ルール動いているのかな。もしそうなら、1日に1回
ほしゅ(sageで十分)しないと落ちるよ。(確認方法不明だが)

1日1書き込みでほしゅすると最大160日もつけど・・・・
それまでに完結するとはとても思えない。時期が来たら
次スレに移行(n日ルールクリア)することを考えた方が
楽かも。  その場合、このログの保管所あるかな・・・・・・
841838:03/03/14 22:59 ID:twJ2ZkOa
>>839
申し訳・・・
842名無し募集中。。。:03/03/15 02:44 ID:P5AHqX9d
>>840
基本的にスレ総数が600を超えた時に書き込みの古い順を切り捨てて、
500に圧縮されるのは同じようだよ。
その他は980を超えてるスレが消されるようだ。
843とおりすがり:03/03/16 00:39 ID:1C5mSZ31
このスレより古かったと思う鳩の最古のスレが落ちた。
圧縮の条件よりはるかにスレ少ないのに。

ということでn日ルール(鯖単位で設定)動いてるね。600いかなくても、
24時間書きこみがないと落ちてもおかしくない模様。

ほしゅする人達、気を抜かないでくださいね。
844名無しさん:03/03/16 02:17 ID:wjcIlgNp
はっきり言わせてもらうと、羊は死んだよ。
少なくともネタスレの居場所としては完全に死んだ。

鯖がex系であることからもわかるように、
チャットや実況用のサーバ群に移されてしまった。
即死やn日もその基準で動いている。

負荷かけすぎ(狼と比べると微々たるものと思うかもしれないが、
他板と比べると羊はものすごい負荷をかけている)だったから
tv系から追放されてしまったんだな。

だからもうここでネタスレを展開するのは
狼でネタスレを展開するのと全然変わらない。
HTML化も半永久的にされない。

それらを覚悟の上で続行するか、
もしくは狩や他板に移動するかだね。
845844:03/03/17 00:54 ID:Db1sNxbC
言うまでもなくn日に引っかかってるスレなんで(w

     ほ     ぜ     む     

846名無し募集中。。。:03/03/17 01:33 ID:+XkZPvEy
>>844-845
自治スレによると7日ルールらしい。
5日に一回位で良いのでは?

http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/zurui/1038067802/845
847845:03/03/17 02:00 ID:Db1sNxbC
>>846
48時間放置すれば確実に落ちます(w
実際には、25-6時間で落ちるでしょうが。

自治スレというか鷺板の夜勤発言ですね。
それってサイズオーバーの強制落としに
関する発言であってn日とは無関係っすよ。

というか、どっちにせよ残りレスがほとんど
ないんで次スレをどこに立てるかを考えて
言った方がいいですよ。狩以外にあるかな?
848とおりすがり:03/03/17 19:43 ID:fU59tXKf
落ちるにはいくつかパターンがあって

1)削除人等による削除(板違い等のルール違反)
2)圧縮(スレ数が規定値を越えた時、更新の古い方から落とす)

3)サイズオーバー(ファイルサイズ及びレス数が規定値を超えた)
4)即死判定(レス数が規定数を下回っている時点で更新が滞った)
5)n日ルール(スレが立ってから一定日数過ぎた)

下3つは猶予期間があって、その間に更新があれば、
その間、dat落ちは保留されます。でも1000レスや500KBを越えると
更新自体できなくなるので、猶予期間が過ぎたら即落ち。

n日の猶予は通常24時間。
849844:03/03/17 20:14 ID:Db1sNxbC
>>848
ツッコミ所が結構あるけど
まあそれに近いですね。

さて、次スレどうしようか?
>>849
まずは作者の意見を聞くのが先だと思うのだが?
それにしても随分狩に行きたがってるな・・・
851844:03/03/18 01:54 ID:vW+63qew
>>850
面白い名前だなー

>まずは作者の意見を聞くのが先だと思うのだが?
だから待機しているんだが?

>それにしても随分狩に行きたがってるな・・・
ずいぶんと感度がいいですな(w

このまま1日2レスぐらいの頻度で待機だぁね♪
852名無し募集中。。。:03/03/18 10:56 ID:t2RNFRTK
>>849
規則みてえなこうきっちりしたもんに
「ツッコミ所が結構あるけどまあそれに近い」なんて言い草があるかい?
1つ違ったら全然違うじゃあないか。
それをわかっててあえて教えないなんざ、あまりいかさないですぜ旦那。
もしや旦那もホントのとこご存じないんで?
853849:03/03/18 20:18 ID:vW+63qew
敢えて時間あけてレスしてます(スマ

>>852
dat落ち全般について細かく語るのはさすがにスレ違い。
このスレに関しては、板圧縮とn日だけでいいんだしさ。
落ちないように注意しつつ次スレのことを考えましょうや。

dat落ちについて語りたかったら、accuse か qa あたり?
854853:03/03/19 16:27 ID:EmoeBWkN
続き期待sage
855一読者:03/03/20 13:44 ID:3dBZl435
ぼちぼちほぜん
856854:03/03/21 11:05 ID:2C0qBO/R
sage
857856:03/03/22 00:05 ID:VSOymS3Y
ちと早いがほぜむ
858857:03/03/22 16:09 ID:xZL1kqqN
859:03/03/23 00:37 ID:jjmolRgL
揚げてみよう
860858:03/03/23 14:51 ID:hxsvrLH2
じゃ漏れはsageてみよう♪
861860:03/03/24 10:49 ID:haxVBofl
そろそろほぜむ
862名も無き読者さん:03/03/25 01:34 ID:wLTp+1zc
863 :03/03/25 19:07 ID:wLTp+1zc
864 :03/03/26 10:52 ID:IydaGn8G
865ねぇ、名乗って:03/03/27 03:19 ID:a7Nq8qCE
>>864
IDが飯田
866 :03/03/27 21:08 ID:ByOygSaw
867名無し募集中。。。:03/03/28 14:24 ID:3mN7WuF7
保全
868名無し募集中。。。:03/03/29 03:52 ID:s3ojC214
続編期待
869一読者:03/03/30 01:58 ID:in3glO5y
870名無し募集中。。。:03/03/30 02:04 ID:WigtbFjv
>>869
2ch新人か?保全だけならsageでやってね・・・

え〜次回の保全は24時間後(31日AM02:00)迄に
1レスお願いします。
871 :03/03/31 00:36 ID:mr/VF25G
872第三者:03/04/01 00:36 ID:UCLGMHaT
落ちるよ・・・
873名無し募集中。。。:03/04/01 22:35 ID:BiGlK4CS
ほぜむ
874待ち望み中。。。:03/04/02 21:14 ID:yPJJmO8v
ほぜんします
875 :03/04/03 21:00 ID:Rf7vxpUr
そろそろほぜむ
876更新まってます:03/04/04 11:04 ID:MWhXfQHH
初めて読みました。
おもしろいっす。
作者さんがむばって下さい。
877名無し募集中。。。:03/04/05 02:05 ID:367OZrf6
878名無し募集中。。。:03/04/05 23:08 ID:367OZrf6
ぽちっとな
879名無し募集中。。。:03/04/06 21:04 ID:wvBAxQ0W
ホゼーム
880七誌:03/04/07 11:31 ID:lmHRhCLp
ポ
881名無し募集中。。。:03/04/08 00:58 ID:2E2HS9Mj
882茄那師:03/04/08 23:51 ID:Dq/BQs1F
川o・-・)<ぼそぼそ・・・・保全・・・します・・・。
883名無し募集中。。。:03/04/09 23:43 ID:PXI0EDa5
作者さん、お元気でしょうか?
私たちは相変わらず、保全を繰り返しながら生きています。
884名無し募集中。。。:03/04/10 23:34 ID:rbEzOFlK
久方の 光のどけき 春の日に
しづ心なく 作者待ちける・・・
885ドクーシャ:03/04/11 23:21 ID:tLIx8Y3e
ホゼーム
886保全:03/04/12 23:17 ID:Ncl8t58K
まさか作者さんって、鯖移転を知らずに、のスレが落ちたと
思ってやしないだろうなぁ・・・
887 :03/04/13 16:20 ID:zr0dii5m
念のため保全・・・
888名無しさん:03/04/14 12:03 ID:wc/2mwDW
>>886
さすがにそれは大丈夫でしょ。
これまで何度も移転しているんだし。
889名無しさん:03/04/15 03:31 ID:HsBTXFNA
ほじぇん
890名無し:03/04/16 00:42 ID:ep21aZLj
ほぜん
891危ねぇ〜!:03/04/17 00:43 ID:UX5UCxWa
保全!
892 :03/04/18 00:30 ID:FSMsSZnL
hozen
893ないと:03/04/19 00:20 ID:F6eAzJEN
ほぜんかよ!
894名無し募集中。。。:03/04/19 22:36 ID:bTInB3tQ
ちょっと早いけど安全策で
895モーニングライター:03/04/19 22:58 ID:bFu2UF/d

モーニングライダーの作者です。
しばらく更新しない間に、羊がとてつもなく大変な事に
なってしまったみたいで・・・
もはや小説を書く環境ではなくなってしまったんですね。
羊は好きな板ですので何とかここで完結させたい所ですが。
こんな状況下でこのスレッドが残っている事は不思議でなりません。
これもひとえに保全してくださった皆さんのおかげです。
ありがとうございました。
ところで、このスレッドより期間の長いスレッドって
あるのでしょうか?
896モーニングライター:03/04/19 22:59 ID:bFu2UF/d

―― 飯田(iida) ――

「もー、なんで執拗に追ってくるのよ!」
先程追い越したはずのAMG仕様の黒塗りのメルセデス2台が
猛スピードで逃げる飯田とノノを猛追してくる。
中央高速の中でも厳しいカーブの続く長野県の山道を3台とも
時速200km近いスピードで次々とクリアして突き進んでいく。

激しいデッドヒートを繰り返しながら進むモーニング2000と
2台のAMGメルセデスの速度は
いつの間にかに250kmを超えていた。
「いいらさん、おのぞみ通りのデッドヒートれすね」
「うるさいよ!!」
流石の飯田もあまりのスピード感に真剣になっていた。
897モーニングライター:03/04/19 23:01 ID:bFu2UF/d

信じられないような速度で突っ走る3台の前に
“飯田インター”の文字が書かれた緑の看板が現れた。
「いいらさん、“いいら”れす。」
「はぁ?ちょっ!あんた、ノノっ。どこ行くのよ!!」
ノノは飯田に意味不明な事を言うと、中央高速からそれ
スルスルと飯田インターの料金所に向かって進んでいった。

「何でこんな所で降りたのよ!」
と怒鳴る飯田に
「いいらという文字をみたら、ついおりたくなったのれす」
とノノは意味不明な答えを返した。
ほとんどスピードを緩めることなく、
2006年の現在では、ほぼ当たり前の装備となった
ETC車専用のレーンをすり抜けるモーニング2000。
先程までの緊迫するまでの超高速走行から
解放されてほっと一息ついた飯田が後ろを振り返る。
「うわ、ついて来るよ」
しかし2台の黒いメルセデスはぴったりと
モーニング2000の後からついて来ていた。
898モーニングライター:03/04/19 23:06 ID:bFu2UF/d

「ここからどうするつもりなのよ!」
と怒鳴る飯田に
「うーーん」
ICから出たノノは特に考えもないままに、とにかく
闇雲に右折左折を繰り返しながら車を進めて行った。

「くそっ、まだついてくるよ」
そんな、予測不能なノノの動きにも2台のメルセデスは
ぴたりと追随してきていた。
そして、そんなメルセデス2台の他に
更に飯田とノノを追いかける2台の車があった。
「ちょっと圭織とノノ、一体どこ行くべさ?」
カーナビに表示されるモーニング2000の位置表示を見ながら
懸命に追いかける安倍と後藤のカローラランクスであった。
「圭織達、何でこんな所で降りたんだろう?」
「ひょっとして飯田だから?」
安倍と後藤は口々に疑問を言いあいながら同じように
飯田インターチェンジで中央高速を降りた。
899山崎渉:03/04/19 23:07 ID:6Mi1enm4
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
900モーニングライター:03/04/19 23:09 ID:bFu2UF/d

飯田インターから降り、さらに幹線道路からも逸れて
山道へと進んでいくモーニング2000と2台のメルセデス。
その山道も次第に道が細くなっていく。

「やばい、行き止まりだよ」
猛スピードで山道を登ってきたものの、遂に舗装道路が
終わり、目の前には未舗装の細い獣道しかなかった。
「どうしよう・・・」
混乱する飯田。

「ノノできるんれすよ。」
しかしノノはいたって冷静にそう言う。
次の瞬間、突如ホイールハウス部分に隙間が出来始め
見る見る間に30cm程車高が上がっていった。
901モーニングライター:03/04/19 23:11 ID:bFu2UF/d

窓から左腕と顔を出してタイヤ部分を見つめる飯田。
「はぁー、凄いね。なんか4WDっぽいじゃん。」
「“ぽい”んじゃなくてノノはよんくなんれすよ。」
「よんくって4駆の事?そうだったんだ、知らなかった。」
そう言うと豪快に道なき道を突き進み始めた。

ローダウンされた2台のAMG仕様のメルセデスベンツは・・・
流石に獣道の入り口でタイヤを空転させてスタックしていた。
そのサンルーフから望遠レンズのついたビデオカメラが
顔を覗かせていることには飯田もノノも気づいていなかった。

「やった!もう追ってこないよ」
スタックしてもうそれ以上進めないメルセデスを後方に確認し
ガッツポーズをして喜ぶ飯田。

モーニング2000は砂利を跳ね、もうもうと土煙をあげながら
けもの道を突き進んでいった。
902モーニングライター:03/04/19 23:14 ID:bFu2UF/d


そしてその頃、安倍と後藤は・・・


中央高速道飯田インターを降り、ノノと飯田が来た道を
同じように後から追う安倍と後藤のカローラランクス。
「うわっ、危ない!」
山道を登っていく途中で、真っ黒なメルセデスとすれ違う。
「さっきの車、なんか見覚えがあるような・・・」
すれ違った車の姿に後藤がつぶやく。
「ごっつぁん、急ぐよ!」
しかし、安倍のその言葉に後藤も先を急いだ。

そして、安倍と後藤の車も先ほどの獣道の入り口まで
到達した。

「ちょっとー、なっち!これ後藤達の車じゃ無理じゃない?」
「ああ、ああ、でもノノはどんどん進んでいっちゃうよ」
安倍は、カーナビに表示されるノノの位置がどんどん
離れていく様子を見て焦りに似た気持ちになる。
「うーん、行ってみるっしょ」
そう言うと安倍は自分のカローラランクスを豪快にスタートさせた。
しかし、
ガリガリガリ
キュルルルルル
安倍のカローラランクスは底を擦りあえなくスタックした。
「あちゃー」
安倍は顔をしかめた。
903モーニングライター:03/04/19 23:18 ID:bFu2UF/d

―― 飯田大ピンチ ――

悪路を行く飯田とノノ。

「何よあれ?」
およそ誰も通らないと思われていた獣道に
突如1台のタウンエーストラックが現れた。
ノノの行く手をふさぐ、大きな幌の貼られたそのトラックの、
荷台の幌が開いたかと思うと、中から巨大なミサイル砲の
砲身が現れた。
「ちょっ、ちょっと何よあれ?」
黒光りするその砲身の向きは完全にノノの方にロックオンされている。
次の瞬間、トラックの荷台からはミサイルが発射された。

「いいらさん、逃げてくらさい!」
ノノが叫ぶ
「何言ってるのよ!逃げるって・・・」
飯田がそう言う間もなくノノは緊急脱出装置のスイッチを作動させていた。
バシュッ
運転席のTバールーフから飯田は車外に放出される。
その瞬間・・・
ミサイルはモーニング2000に命中した・・・

鋼をも跳ね返すモーニング2000の特殊ボディであったが
さすがにミサイルの直撃を受けたその衝撃は凄まじかった。
モーニング2000に命中して爆発したミサイルの爆風によって
モーニング2000の車体はそのまま吹っ飛ばされた。
904モーニングライター:03/04/19 23:20 ID:bFu2UF/d

爆風に吹き飛ばされボディを下に向けて地面に叩きつけられたノノ。
その車体からは、白い煙が立ちのぼっていた。

緊急脱出装置により車外に放出された飯田も爆風によって
地面に叩き付けられた。
しかし、飯田はノノに向かって必死に叫んでいた。
「ノノ!ノノーッ!!」

しかし、ノノは何も答えなかった。

地面に這いつくばりながら大声で叫ぶ飯田の目の前に、
先程のタウンエーストラックが現れて急停止する。
幌のあいた荷台からはサングラスをかけて迷彩服を着た男が
飯田に向けてバズーカ砲を向けていた。
「な、何よ」
それを見た飯田は思わずそう言った。
「死ね」
荷台の男はそう言うとバズーカ砲の狙いを飯田に向かって定め直した。
905モーニングライター:03/04/19 23:24 ID:bFu2UF/d

ついに900を超えてしまいました。どうにか完結までスレッドが
もちこたえますでしょうか?
906名無し募集中。。。:03/04/19 23:27 ID:n9kfydN4
更新乙です。

>>895
このスレが最長寿です。1年半持ってます。
907名無し募集中。。。:03/04/19 23:49 ID:bTInB3tQ
更新お疲れさまです〜

保全は大丈夫ですが、レス数足ります?
1日あたり1〜2レス必要なのでそれだけが心配。
908山崎渉:03/04/20 02:18 ID:udOYBORH
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
909名無し募集中。。。:03/04/20 04:09 ID:HDyo6j80
910山崎渉:03/04/20 07:23 ID:Y993GD5z
(^^)
911おおぅ:03/04/20 20:24 ID:l/k9bQCn
更新されてる〜。うれしー。
912名無し募集中。。。:03/04/21 13:26 ID:BZl3JGhf
>作者さん
新しいスレが必要でしたら教えて下さい。
鯖移転以降、まだスレを立ててないから大丈夫だと思います。
913 :03/04/22 02:35 ID:sPpK7mk4
保全
914名無し募集中。。。:03/04/23 02:07 ID:xOaLte6b
そろそろほぜむ
915名無し募集中。。。:03/04/24 02:05 ID:8+EeR5s/
保全します
916名無し募集中。。。
早めに保全