自然農(法)とか有機農業のこと

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69名無しさん@お腹いっぱい。
某紙面の記事より抜粋されていた記事です。
「ニューズウィーク」十二月十九日号   世界共通の味、世一界共通の危険
 安さ重視の意識が問題
 大量生産のおかげで、ハンバーガーやチキンナゲットは随分安くなったと感じら
れるかもしれない。だが、本当の 「代価」は、メニューには表れないものだ。

 食品を早く、安く消費者に届けようとする動きは、食品を媒介に伝染するさまざ
まな病気のリスクも増大させてきた。
 三十年前なら食中毒は、パーティーやピクニックなとで発生し、特定の地域の人
だけがかかる病気だった。それが今では、食品生産のグローバル化と工業化によっ
て瞬時に国境を越え、数百万人の健康を脅かすようになった。
 六○年代の初めには、一つのハンバーガーは一頭か、せいぜい二、三頑の牛の
肉でできていた。現在は一つのハンバーガーに数十頭、ときには数百頭の肉が混
ざっている。そのうち一頭でも危険な病原菌を保有していれば、食べた人に感染
する可能性がある。
 マクドナルドや他の大手ファストフードチェーンは最近、病原性大腸菌0157
などの拡散を防ぐため、厳しい食品安全基準を導入した。実際、マクドナルドは
食品の安全性を確保するために、多くの点で米農務省の基準より厳しく徹底した
努力を払っている。
 だが、ファストフード業界の成長に伴って寡占(少数の供給者が市場を支配し
て互いに競争する状態)化され工業化された農業システムが消費者に健康のリス
クをもたらし、社会に代倍を強いていることに変わわはない。
 問題の核心にあるのは、ファストフード的な価値観だ。安価であればいいとい
う、極端に尺度の狭い効率主義である。− 八六年、イギリスの農村で二頑の

乳牛に異常な症炊が出て、牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)が発見された。この
乳牛は、牛の死骸を含む動物性飼料を与え、られていた。そうすれば、安く効率
的に家畜を育てられると広く信じられていた。
 農業の脱工業化が潮流
 十五年後、狂牛病は他の欧州諸国や日本へ広がった。
何百万頭も牛が処分され、農家や酪農家は廃業に追い込まれ、牛肉加工業者や外食
産業は大打撃を受けた。
 狂牛病が人間の健康にどれだけリスクを及ぼすかは、まだわかっていない。効
率を追求したやり方は、危険なほど非効率であることがわかっただけだ。
 狂牛病と口蹄疫の発生を受けて、EU (欧州連合)各国の政府は、より品質が高
く安全な食品の生産法を模索するようになった。
 ドイツは農業の 「脱工業化」を掲げ、二〇一〇年までに少なくとも農地の十パ
ーセントを有機農法に変えると宣言した。北欧諸国は先端技術を駆使して、環境と
動物への負荷が少ない酪農法を実践している。イタリアは、伝統や地域に根ざした
農業への回帰を訴える「スロープード」 運動の本拠地だ。
 小規模農業は時代遅れどころか、未来の潮流になるだろう。
現在の食品システムの見えざる代償に気付く人は増えている。
安い食料は、結局高く付いたことに気が付いたのだ