http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201012040088.html 北方の渡り鳥が感染源か 安来の鳥インフル '10/12/4 中国新聞
安来市で発生した高病原性鳥インフルエンザのウイルス(H5N1型)が、北海道で10月
に見つかったウイルスと酷似していると判明し、北方からの渡り鳥が原因の可能性が高まっ
た。専門家は、鶏は発生約1週間前ごろ感染したとの見方を示している。
京都産業大鳥インフルエンザ研究センターの大槻公一センター長は「北海道から飛来して
きたのは間違いないだろう」と推測。ただ「途中でウイルスを受け継いだ鳥かもしれない」と
し「渡り鳥の種類は多く、断定は難しい」と説明する。
強毒性のウイルスは感染後3〜5日で発症し、約1日で死ぬという。「鶏が死ぬ約1週間前
に感染したのだろう。非常に早く殺処分を始め、対応が良かった」と初動を評価した。
10月の発生例を調査した北海道大の喜田宏教授(獣医微生物学)は「シベリアの湖沼に
(今回北海道で確認した)ウイルスが定着した可能性がある」と話し、シベリアからの渡り鳥
が感染源との見方を示し、今後の感染拡大に懸念を示す。
農林水産省によると、安来市と北海道のウイルスの遺伝子配列は99%同じだった。担当
課によると、カムチャツカ半島やシベリアからの渡り鳥が北海道を経由し、中海に飛来したこ
とが考えられるという。(永里真弓、河野揚)