讀賣新聞(2010年1月9日付朝刊1面と社会面)
韓国―九州・山口で密航急増…バイオ認証避け海路
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100109-OYT1T00070.htm 韓国と九州・山口間を小型船で密航する事件が急増している。
第7管区海上保安本部(北九州)は昨年7月以降、長崎県対馬沖などで
4隻の密航船を発見、韓国人とイラン人の計17人を逮捕したほか、10
人を韓国側に引き渡した。多くが「空港の入国審査が厳しくなったため」
と供述しており、7管と入国管理局は、空港や港に導入されたバイオ
(生体)認証を避け、玄界灘を船で渡る密航者が増えているとみて警戒
を強めている。
長崎県壱岐沖で昨年7月に発見された小型船の男女7人(入管難民法
違反で有罪判決)は、福岡入管に対し、「空港は指紋照合で強制退去歴
が発覚するため漁船に乗った」と供述した。全員に強制退去歴があり、
再上陸禁止処分を受けていた。
昨年9月、山口県の下関港から韓国人の女を不法出国させて逮捕さ
れた小型漁船の日本人船長(63)(同)は「5回の密航を手伝い、
10人以上を出入国させた」と自供し、密航が横行していることをう
かがわせた。
入管当局によると、密入国はこれまで、空路で偽造旅券を使う手法が
多かった。バイオ認証導入後も指紋を変造するケースが相次ぎ、玄界灘
で小型船の密航が摘発されることもなかった。しかし昨年、指紋を読み
取るスキャナーの精度が高められ、空港や港での入国審査が厳しくなった。
これが小型船の密航増加につながったとみている。
韓国南部から対馬までの距離は約50キロ、福岡・博多港まででも約
150キロしかない。7管幹部は「九州北部と山口だけは小型船で往復
できる。摘発されたのは氷山の一角で取り締まりを強化する必要がある」
と話している。