国内初「植物病院」東大大学院の6ヶ月
更新:2008/10/20
動物病院があって「獣医師」がいるのなら、
植物病院があって「植物医師」いても不思議ではない。
同じ「生物」として命あるものを守り、育てることに変わりないだろう。
事実、世界の農作物の12%、約8億人分の食用植物が
病気で失われているのだという。
今春、国内初の「植物病院」が東京大学大学院(東京・文京区)の植物医科学研究室に
開設され6ヶ月が経過した。
患者(?)は植物自体を持参するか、画像やサンプルを送ることで処方せんと診断書が発行される。
一般の診察料は500円程度。
4月のオープン以来、企業や農家、市民からの依頼が殺到。
研究室には病気の原因となったウィルスや細菌、害虫などを調べるレーザー顕微鏡や遺伝子解析装置が並ぶ。
最近もイネ・ランなどが入院治療を受けたという。
さらに法政大学も、小金井キャンパスの生命機能学科 植物医科学専修課程を中心に植物医師養成コースを開講した。
病理学の基礎から、診断、投薬などの臨床までを学ぶ。
両大学で指導する難波成任(しげとう)・東大教授によると、植物の病気は国内だけでも2万種類に及ぶという。
一方で樹木専門の「樹木医」は国内に1600人程が登録しているという。
2004年に「植物保護士」という国家資格が新設されたが、認知度が低く現在12名しかいない。
両大学では関係学会に植物医と認定してもらい、将来的には植物保護士の国家資格と連動を図る予定。
年間70名程度の医師を送り出す構想もあり、地域に密着した診療所を開設していく予定だ。
東大大学院植物医科学研究室
http://papilio.ab.a.u-tokyo.ac.jp/cps/