日本の食糧自給率よ、上がれ!

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783名無しさん@お腹いっぱい。
AERA '08.3.24 13
http://opendoors.asahi.com/data/detail/9235.shtml

【養老孟司の大脳博物館】
自給率にはカラクリがある

 1970年代の日本の農業人口はおよそ1000万人だったが、現在は約300万
人。この国の農業の比重は下がっているのに、農林水産省は規模を縮小しな
い。役人は仕事量に関係なく増殖する。これぞ「パーキンソンの法則」である。

 日本の食料自給率はカロリーベースで39%だが、金額ベースなら70%だ。それ
を農水省はあまり口にしたがらない。自給率は高いに越したことはないが、役人
の数となると話は別。「自給率アップのキャンペーンはあなたがたの生き残り策で
しょう」。私は農水省の役人に、はっきり言ってやった。

 日本は世界中から資源を買っては製品にして売り、そのカネで食料を得てきた。
だが最近は食料の価格が上がる一方で、国内の消費人口も輸出も頭打ちでカネが
稼げなくなってきた。だったら食料くらい自国でまかなおうよ、という主張はもちろん
正しい。

 とはいえ、やみくもに自給率を上げればいいというほど単純ではない。重量×
輸送距離で計算する「フードマイレージ」なら、福岡の人は北海道より韓国の農産
物を買ったほうが効率的だからだ。近隣諸国と仲良くすることも大事だ。

 むしろ問題は食べ残しである。世界が途上国に行う食料援助とほぼ同量の食品
を日本人は捨てている。もし、その分を使わずに北朝鮮に回せていたら、とうの
昔に「普通の国」になっていただろうか。