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「一円でも高く生乳を売らなければ経営が成り立たない」(酪農家)までに疲弊した生産者。
さらに、原材料の需給状況を無視して店頭で安売りされる商品。
飼料高騰という国際的な要因で起こった異変に対し、確たる防衛策や対策を持たない生産者やメーカー、そして国――。
5月に入り、農水省はついに乳業大手にバター増産を要請。
各社ともこれに応じる意向だが、関係者の不安は消えない。今回のバター騒動は、日本の食料供給構造の脆さをあらためて浮き彫りにしたとも言える。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木洋子)