狂牛病ウィルス説って、完全に粉砕されたのかな?
古いですがimidasの2000年版に、ちょっと気になる事が
載っていたので長いけど手打ちしときます。
出典:『情報・知識 imidas2000』ISBN4-08-100014-X
その1(前振りです)
項目:ウイルス・感染症
監修:山本直樹(東京医科歯科大学医学部教授)
P725-P726
プリオン〔prion〕
プリオンは羊のスクレイピー、パプアニューギニアの先住民の
間でみられたクールー、世界中でみられる中枢神経系の変性疾
患として知られるクロイツフェルト・ヤコブ病などの病原体と
されるたんぱく性の感染因子である。プリオンはろ過性で適当
な動物を選べば感染させることができる点などがウイルスに似
ているが、拡散をもたないことから非通常性ウイルスともよば
れている。プリオンの本体はプロテアーゼ(たんぱく分解酵素)
に耐性の異常プリオンたんぱく質である。プリオンはヒトでは
第20番染色体にコードされたたんぱくで、正常人ではプロテ
アーゼ感受性の正常プリオンたんぱくをもっている。この正常
プリオンが何らかの理由で構造変化を起すと異常型となり、正
常型プリオンと接触することにより、次々に異常型に変化させ
ていく。クールーでは明らかに食人の儀式より広がったことか
ら外部からの異常プリオンの侵入が原因である。さらに最近、
話題を集めている狂牛病は牛の飼料として使われた羊の肉など
が原因ではないかと考えられている。一方、異常プリオンが遺
伝的に形成されるものがあり、この場合は内部で異常型に変え
ていく。プリオンはホルマリン、プロテアーゼ、紫外線、核酸
分解酵素などに抵抗性である。また、普通のウイルスに比べて
次亜塩素酸ナトリウム、フェノール、過ヨウ素酸などの消毒剤
や熱に対してもずっと抵抗性である。
さて、ここからが本題です。
その2(本題です)
項目:化学
監修:竹内敬人(神奈川大学理学部教授)・吉岡甲子郎(東京
大学名誉教授)
P880
プリオン〔prion〕
脳がスポンジ状になり、死に至るウシ海綿状脳症(bovine
spongiform encephalopathy 通称狂牛病<mad-cow disease)を
引き起こすのは、感受性の、しかも遺伝子を含まないたんぱく
質である。発見者であるアメリカのS.B.プルシナーはこの病原体
をタンパク質性感染粒子(proteinaceous infectious particle)
とよび、プリオンと略称した。プリオンは252個程度のアミノ酸か
らつくられ、たんぱく質としては簡単なほうである。無害な正常
型と病原体となる異常型(スクレイピー型)があり、両者の一次
構造は等しいが、正常型の高次構造がらせん状のα-へリックス
であるのに対し、異常型はヒダ付きシート状のβ-シート構造である。
正常型は動物の生体内にもともと存在するが、異常型との接触に
よって高次構造が変換され、連鎖的に異常型へと置き換えられる。
この変換に関与する物質をつくる、変異した遺伝子もあるらしい。
しかし最近、日本の化学者が、罹患したマウスの脳と脾臓の細胞
を分析して、マウス自身のものではない、ウイルスの核酸の一部
と見られる塩基配列の断片4個を見いだした。プルシナーがノー
ベル賞を得、すでに「たんぱく質プリオン病原体説」が定着して
いるだけに、論議をよびそうである。
・・・でも、全然話題になってない気がするので、
完全否定されたんですよね、きっと。
もしかして「激しくガイシュツ」?