「食生活変える必要ない」と専門家=人間への感染性低い狂牛病(時事通信)
東京都の食肉卸売市場で狂牛病の疑いのある牛が発見され、消費者の不安が高まっ
ているが、国立精神・神経センター神経研究所の金子清俊疾病研究第7部長は「狂
牛病の牛を人間が食べて、痴ほう症の一種であるクロイツフェルト・ヤコブ病にか
かる危険性は低い。厚生労働省など行政はこの危険をなくし、早く安全宣言を出せ
るよう最大限の努力をすべきだが、消費者が牛肉や牛乳を避ける必要はない」と話
す。
ヤコブ病はもともと、狂牛病とは関係なく昔から存在し、この自然発生型のヤコ
ブ病の発症確率は世界共通で年間約100万人に1人。厚生労働省によると、国内
では1985年1月から2000年3月までの約15年間で、1029人(脳硬膜
移植による感染含む)の患者が確認されている。
これに対し、国内で人間が狂牛病にかかった牛の脳などを食べてヤコブ病を発症
する確率は、金子部長が「あくまでも目安」として多めに試算した数字でも、
約1億7000万人に1人。年間で1人の患者が出るか出ないかといったところだ。