長澤まさみのアンチスレ Part5

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71名無しさん@お腹いっぱい。
長澤さんは、基本的には何も手を入れなくてもOKな人なんですよ。何にもしなくても絵になるし、ちゃんと何かが映る人だか
ら。僕の方から具体的にこうしてくださいっていうことを言わなくてもいい。南ちゃんの服を着せて、僕が選んだ場所に連れて行
って彼女が何をするのかを待っていればいいんです。
彼女の場合、僕が自分で最初にこう思っていたからといって、具体的にそれに全部はめていったりしなくてもいい。役者がしたい
ことの方が面白かったら、できるだけそのままにしておく方がいいんです。その方が面白い。まさみちゃんは、僕からはほとんど
何にも言わなくてもちゃんと物語の中で役柄が置かれている状況を理解しているんです。

例えば、南・和也・達也の3人でキャッチボールするシーンがあるじゃないですか。あのシーンって、あの後に和也が死んでしま
うんで3人でする最後のキャッチボールなんですね。子供の頃からずっと遊んでた高架下での3人揃ってのキャッチボール。でもそ
の前の流れでもう南はタッちゃんを好きだっていうことが分かっている。3人とも。だから実は、和也が死ななくても3人でのキャ
ッチボールはもう2度としないと思ってしているシーンなわけですよ。もうこの3人は2度とキャッチボールはしないだろうなって
みんなが思っているわけです。でも、ストーリー展開としてその後和也が死ぬから、演じてる方は、ここでこうやって揃ってるの
は最後なんだっていうふうに誤解しちゃう可能性があるわけですね。だけど和也が死ぬなんて、もちろん3人とも知らないわけで
す。まさみちゃんは、こっちが何も言わなくても、和也が死のうが死ぬまいがこれでもう2度とキャッチボールはしないと思いな
がら演技しているんですよ。頭で考えてるのか、体で感じてそれをやっているのか分からないですよ、本人には聞いてないから。
でもリハーサルしている時からまさみちゃんは間違いなくもう2度とここでキャッチボールしないつもりでちゃんと演じてるんで
すよ。まさみちゃんは、その場所に来て、ボールを持って、キャッチボールを3人でやったときに「ああそうなんだ」っていうこ
とになるんですよ。この俳優としての資質っていうのは、どこで生まれるんですかねぇ。多分、いくら経験を積んでもそれは変わ
らないと思うんですよ。でも無い人だからといって俳優を止める必要はないし、続けていってもぜんぜん構わないし、ちゃんとそ
の人の俳優としてのキャラクターで必要な存在にもなれるんですけど...。ただ、間違いなく必然はあるんですよね。