高橋マリ子@クローバ畑でつかまえて Chapter16
彼らは言葉を書き留めるべき事実を書き留めるためや、
思い残しておきたい情念を思い残すためにではなく、
ただ事務上の不手際を隠し通すためと、
どうしても満たしておきたい欲望を
満たすためだけに利用する。
その結果連中は金と利権のためだけに働き、
それ以外のものには目をくれなくなる。
言葉と愛は同時に汚され、
代わりに色々な汚物が便所に流されることなく
道端に並ぶ。
そうして帝都は連中の手に堕ちる。
連中は好き好んで汚物をならべる。
それは連中自身が汚物を好んでいるというよりは、
連中が汚物よりも劣っているのではないかという、
劣等感にイデオロギーを基っていることによる。
それは必然ゆえか、それとも連中の恣意によるか、
いずれにしろ連中は好き好んで汚物を並べる。
それが真理を汚す凶行であると知りながら。
憎悪で紙面を汚すのはこれまでにしよう(できることなら)。
そんなのはマリ子スレの情緒に似合わない。
(それ以上に連中の書き込みのほうがあてが外れてるが)
マリ子よ、われわれは傷付いた。
多くの怪物どものとめどない咆哮に、
いくどとない崩壊寸前の憂き目に合った。
だがそれでもまだ、われわれの愛は死んでいない。
百万の病苦がたった一本のワクチンによって治癒されるごとく、
われわれの抱く百万の憎悪も、たった一つの愛によって癒される。
そのためにはどうしてもあなたの愛が必要だ。
それだからどうか、まだどうかこの世界に留まって、
連中の憎悪にすら笑顔を向ける意志を取り戻してくれ!
われわれの心は一つだ!
ただ連中がそれに気付いてないだけだ!
まだ負けるな! 負けるにはまだ早い!
連中の使命はマリ子を殺すこと。
俺の使命はマリ子を生かすこと。
簡単に答えの出ることだ。
それだからこそぜひ答えを出さないでくれ。
そのほうが楽しもうとする相手には苦しく、
真剣な相手には覚悟を抱かせる。
できることなら前にも言ったとおり、
できるかぎり「敬虔な信教」に入信して、
そうでない信者たちの鼻を折ってくれ。
それが貴女にできる最大の抵抗策だ。
さあ、これらの書き込みも削除されるか?
(このスレッドにおける取り巻きがいなくなったところを見ると、
「とばっちりをを避けよ」という号令がかかったのが一目瞭然だ)
削除人の中に共謀者がいるのなら仕方ない。
しょせんインターネットもその程度のフリーメディアだ。
全体主義組織の策謀の前にはひとたまりもあるまい。
ただな、これだけはいわせてもらう、
オレの書き込みを削除することは、「芸術行為」を弾圧することに直結する。
文化芸術の発展を盾に、組織の膨張を画策してきた
どっかの誰かさんに伝えといてくれ。
「貴様の手の内はいま暴かれる」ってな。