専門学校板を閉鎖に願います。
理由は以下のレスで書きます。
専門学校講師陣
経営が悪化する専門学校は、プロの講師を削り、なんと素人へのすげ替えを進めている。その方針に、身内からも「詐欺では」という声があがっている。
専門学校講師陣
WRITTEN BY 稲生丈弘
協力 宮城良庵ほか
今をもってなお、(入校前の生徒だけに)高い人気を誇る、お業界専門学校。
その専門学校を、今“激震”が襲っている。
どの教育機関にも、少子化の波が襲いかかり、経営難に直面している昨今……。
少子化の勢いに勝る業界熱に、一見安泰と思われる専門学校なのだが……。
ここ数年間、大半の専門学校が課題に掲げてきたのは、講師陣の挿げ替えだ。
昨年、ソリッドウェブにライターの宮城良庵さんが専門学校の記事を残した。
あの記事は、一昨年に、宮城さんが本業で記事を作るために、取材した際のメモの残りで作られたものだ。
今年に入って宮城さんは、もう一度この件を本業で取り上げるために、一昨年取材した講師たちに再び取材を申し込んだ。
しかし、大半の講師がすでに離職していたという。
業界教育機関の魅力は設備と講師のはず。両方に手を抜き始めた専門学校は、一体どこへ向かうというのか
■プーを講師に
講師の離職は大きく二つの流れに分けられる。
ひとつは、リストラ。契約金の高い、“古い講師相場”の講師たちを切り捨て、安い契約金の講師に挿げ替えている。
具体的には、契約更新の際に、いきなりその安い契約金を提示する。
講師は皆怒って辞めてしまうという算段だ。
リストラの手法としては古くさいが、
「どうやらリストラの手法ではなく、会社として講師に、これだけしか払えません、ということらしい」
と、純粋な経営難を指摘する声もある。
もうひとつは、講師のほうから学校を見限るパターンだ。
もちろん、お金の問題もあるだろう。専門学校の講師というのは、精神的に非常にハードだ……。
新たに提示される安い契約金に屈するのは、業界でやっていけないドロップアウト系講師(仕事を辞めた業界人)のみ。
いや、そのドロップアウト系講師すら、はした金の契約更新を飲まずに辞めていくケースが少なくない。
業界専門学校では、十年ほど前から、実力のある講師から、ドロップアウト系講師への切り替えが進み、教育の低レベル化が問題視されてきた。
しかし、ここ数年で、ドロップアウト系講師ですら切り捨て、業界に就職していない、ただの元生徒のプー太郎を講師に置くケースが目立ってきている。
生徒が学校を卒業し、それから何もせずに講師になるのだ。
教育の低レベル化どころの騒ぎではない。
関係者のAさんは、
「本当に、一体誰がこんなメチャクチャなことを考えて、誰が実行に移したのだろう」
「開いた口が塞がらない」
とぼやく。
確かに一番最初にこの方法を考えた人間は、神か悪魔のどちらかだろう。
業界専門学校の大半は認可機関ではない“私塾”だし、業界には“資格”という考え方がない。
専門学校で教鞭を振るううえで、法的な資格は存在しないのだ。実際には、プーが教壇に立とうが、誰も止めることはできない。
Aさんは、
「もう学校じゃない」
と、呆れ顔だ。この一言に、今の専門学校のすべてが集約されている。
パンフレットと実際の授業を比較して、
「釣った魚に餌をやらない……という言葉がピッタリきますよ」
と言うのは、臨時講師の経験がある(ソリッドの)中島だ。
中島はこう続ける。
「場末の芸能プロダクションに似ていますよ。それらしいレッスンはしますけどね、就職率が低いと分かっているから、どのへんまでを不満にしていいのか分からない。講師がデタラメを教えていても生徒には分かりませんしね……」
中島は、ある専門学校で(彼が赴任していた学校ではない)アニメ科のテキストを見て驚いたことがある。
「サンプルの原画からして駄目。どう割ってもあれじゃ、きちんとした動画にならない」
「真横歩き・走りはいいんですが、パースがついた奥からの走りの原画に“衝撃”を覚えました」
こんなメチャクチャな指導があれば、内輪でも問題になる。
常任講師の中にもまだ粘っている講師はいるし、臨時講師はたいてい現役だ
その指導や、テキストを見て、
「なんだこれは!」
と怒り出す。しかし、押し問答をしていると、経営者からお呼びがかかり、
「ご指摘は分かりますが、生徒にいたずらな不安を与えるので、やめていただけませんか」
と、警告を受けるという。
これに技能者として純粋に怒り、講師を辞めた人もたくさんいる。
「学校の授業なんて、現場では通用しないっていうのが、常套句のように言われているが、これは現場のレベルの高さを示すのではなく学校のレベルの低さを示す言葉」
「実際にはきちんと教えれば必ず現場でも通用する」
そんな声も、大勢の中にかき消されていく……。
■ロマンを泳がせろ
大半の専門学校は、文部省から正式な認可を受けていない。つまり、学校法人ではない、ただの“私塾”だ。
ソリッドウェブのマネージャーを務めたコンサルタントの名取さん。その名取さんの同業者・Bさんは言う。
「学校法人だとしても、ビジネスとして経営しなければならない時代です。学校法人としての優遇措置がなければ、なおさらそうでしょう」
しかし、これは問題の骨子ではない。
今、学校法人ではない専門学校が、じゃあ学校法人の認可を取れるのか/それで解決するのかといえば、不利益のほうが大きすぎて、選択肢にならないという。
ちなみにBさんは、とある専門学校に、とある形で関わったことがある(ただし、プー講師登場以前の昔だ)。
そのとき、Bさんは、業界のひとつの傾向と学生のマインドの傾向が、現在の専門学校の戦略を生み出したと感じた。
「何事もそうですが、業界では“自分が頑張らなければ何にもならない”という考え方が非常に強い。この自己責任の価値観を、積極的に免罪符に利用しているのが専門学校です」
自己責任は、学生のマインドの低さと共に、講師の間でよく口にされる。
しかし、熱心で能力のある講師が、
「生徒のやる気がないから、何を教えても駄目だ」
と嘆くのと、プー太郎の講師が、
「生徒のやる気がないから、何を教えても駄目だ」
と嘆くのでは、意味が違うのは言うまでもない。そもそも、プーにはそれを言う資格がない。
しかし、業界の考え方が、それを後押ししてしまっているというのだ。
もうひとつが、学生のマインドの低さだが、Bさんは精神論ではなく経営面でこれを捕らえている。
「要するに顧客満足の問題なんです。
専門学校の生徒の大半は、自分が目指す職業の名前がついている○○科に所属している・通学している……というだけで、満足するんです。
○○科を商品に例えれば、市場に対して十分通用しているんですよ。それ以上はコストを注いでも、生徒の満足度は効率良くあがらない。費用対効果を考えれば、投資する必要もないし、(講師挿げ替えで)コストを削減する戦略を取るのは当然です」
Bさんは、“顧客満足”という言葉を使ったが、これはキーポイントだ。
ドロップアウト系講師への挿げ替え、プー太郎講師への挿げ替えといった、メチャクチャな戦略が可能になったのもこの一点にある。
満足しない顧客……つまり、マインドが高い生徒もたくさんいるのだが、そういう生徒は独学力があり、就職できるため、少なすぎるという最終的な不満足顧客数の足しにはならないらしい。
それがもっと多ければ、必ず騒動になり、専門学校も経営方針を変えざるを得ないはずだ。
それに触れて、Bさんは、
「事実そうなっていないから、結果そうならない」
とドライに言い放つ。
ゾイド板、アニメは終わるわ漫画は打ち切りだわで先行き暗いから
どうにかして欲しいなあ・・・。
巨大ロボット板にするとか・・・。
しかし、Bさんは、学校を名乗る企業がそういう経営をしていることを快く思ってはおらず、この仕事から手を引いている。
「広告がね、もう少し大人しければ経営と割り切れるんですけどね……。詐欺罪じゃないけど詐欺じゃないですか。私が関わったのは経営方針の問題ではありませんでしたが、無視できなくて」
専門学校は、Bさんのいう“顧客満足”をよく理解している。
業界人の方で、この問題に興味がある方は、是非パンフレットを取り寄せてみて欲しい。
専門学校のホームページを見てもいい。
すると、
「この学科と、この学科は、授業内容は一緒じゃないのか?」
という学科が、いくつか設置されていることに気付くだろう。
例えば、コンピュータグラフィックス科と、ゲームグラフィックス科、CGイラストレーション科などなど……。
ひとつにまとめようと思えばまとまるはずだし、まとまっていないとおかしいものだ。
854 :
桐壺:01/09/15 21:29 ID:jRpcCDlY
ところが、技能が被るから、授業内容が被り、結果として学科が被る……ということにはならない。
この手の専門学校では、生徒が求める肩書きのぶんだけ、学科を作る。
チョコレートでいえば、イチゴ味のチョコレートをストロベリー味と分けて発売するようなものだが、専門学校の基本戦略になりつつある。
しかも、授業内容はほぼ一緒だから、講師は流用できる。費用対効果は抜群だ。
ある専門学校の学長が、雑誌で、生徒の男女比の話を受けて、
「男子のほうがロマンチストなんでしょうね」
とコメントしていたが、実際、専門学校側は生徒をロマンチストとしてしか捕らえていない。
業界の厳しさは周知の事実だから、そこに挑むのはロマンチストというわけだ。
自分たちが広告の中でその厳しさに偽りを加えていることを忘れているような気もするが……。
そうしたロマンを、学科の中で満たしてやる。
「ロマンは果たすものではなく、追うもの」
専門学校の戦略は、生徒を無視しているようで、実は生徒の本質をよくとらえているのかもしれない。
講師がプーでも、もはや関係ないのだ。
■プロ削減
プロならぬプーの講師を次々と採用してコスト削減を図る専門学校だが、兼任を利用してプロの講師をリストラするのも、ひとつの手段になりつつある。
臨時講師としてプロを招いて授業を成立させ、常任講師にはその技能と無関係な他学科の講師を充てるのだ。
例えば、声優科などでは割とメジャーな方法とされている。
驚くかもしれないが、声優科を仕切っているのが、アニメ科やコミック科の講師だったりするのだ。
アニメーション彩色のデジタル化が進んでいるのを逆手にとって、彩色科の講師に、CG科の講師を充てているところもある。
仕上げスタッフといえば、セル時代は熟練を要する仕事だったが、デジタル仕上げの場合はオペレーターの意味合いが大きい。
アプリケーションのオペレートなら、プー太郎の講師を据えて人件費を払うより、プロのオペレーターに兼任させたほうがいい。
実際、元プロの仕上げマンより、CG関係の人間のほうが、「アプリケーション上でブラシを使うのが巧い」ので、講師に向いているという声もある。
業界的に無関係な兼任は、生徒が知れば問題になるだろう。しかし、プー太郎講師という衝撃の現実がある今、比較的良心的な措置に見えてしまうから恐ろしい。
だが、「CG科講師がプー太郎講師で、それが彩色科を兼任する」というケースもやがて出てくるのだろう。
大学では大学院の生徒が大学の講義に出張ってきて、授業を手伝うという光景が日常化しているが、それに近い体制をひっそりと取っているところもある。
テキストを配り、課題を生徒にやらせる。その課題を回収したあと、別の講師がこれを添削するのだ。
つまり、その授業を実際に受け持っている講師に、きちんと添削する能力がないのである。
これも、プー太郎講師に比べれば、
「良識ある専門学校の最後の抵抗なのかなあ……」
と思えてしまうから悲しい。
実際には、どれもこれひっくるめて、とんでもない話なのだが……。
兼任を用いて、講師からプロの割合を減らしコストを下げる……。
場合によっては“倍半分”のコスト削減効果があるというのだから、経営側が躍起になるのも頷ける
こういう専門学校では、授業の質を臨時講師で保とうとする。
臨時講師は原則プロだ。いや、プロだったと言うべきか。
どうも、常任講師がプー太郎講師にシフトしたことで、臨時講師もプロからドロップアウト系にシフトする動きがあるらしい(葵さんなどに言わせれば、結構昔からそうだという話ですが……)。
「業界を辞めた人が常任講師を担当し、現役のプロが臨時講師を担当する」
のがここ十年のスタイルだとすれば、ここ数年で、
「業界に入ったことがない人が常任講師を担当し、業界を辞めた人が臨時講師を担当する」
というスタイルにシフトを始めていることになる。
「そんな馬鹿な、パンフレットには有名な技能者が臨時講師に名を連ねているぞ」
と思うかもしれないが、パンフレットに載っている有名な臨時講師は、年に一度学校に来れば良いほうだ。
例えば声優科などでは、素人でもその声を耳にしたことのある有名な声優が臨時講師や学科主任に名を連ねるが、
「実際に、臨時講師としてやってくるのは劇団員のバイト」(関係者)
という寒々しい状況なのである。
しかし、臨時講師の名誉のために言うが、これは決してやり方として間違っているのではない。
CMと食い違っているのが問題という話だ。