第七回物語AA選手権

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161山川 ◆nuSDdAZBsw



          ┌─────────────────────
          |  今から話すのは、
          |  俺の周りで起こったとある事件の顛末だ。
          |  荒唐無稽な話だが、最後まで
          |  聞いてくれるとありがたい。
          └─────────────────────

























                        ) )
                       (;゚ <>゚)
                      γ 彡ミ ヾ
                      (( 彡 ミ ))
                       `mm´

   ┌───────────────────────────────┐
   |                                                  |
   |    朝 、 目 覚 め る と 、 体 が 鳥 に 「 変 化 」 し て い た 。    |
   |                                                  |
   └───────────────────────────────┘





162山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:34:57 ID:AbUsVFnb0





        ┌──────────────────────
        |  訳あって俺はそのとき風呂にいたから、
        |  すぐそばに鏡があった。俺は当然鏡を見た。
        └──────────────────────





                      ))  ┌──┐
                    (,, ;゚ >  l(゚<> ゚;|
                      γ ,η  | λミミ |
                      ヽ( 彡ソ   └──┘
                    `mm


                 ┌─────────
                 |  当然絶叫した。
                 └─────────







                      ちゅんっ
                         ちゅんっ



        ┌────────────────────────
        |  この鳴き声はショックだった。鏡を見るのと違い、
        |  鳴き声は自分の耳で直接聞いているから――
        |  何かとんでもないことが起こっているのに
        |                    疑いはなかった──
        └────────────────────────


163山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:36:18 ID:AbUsVFnb0




           ┌──────────────────
           |  ──まず、状況について説明する。
           └──────────────────


                                        _____
                                           |Bathroom|
                                           | lllllllllllllll∧,,∧ (風呂で
┌──────────────────────‐     | llllllllllllll(;゚Д゚) 寝ろって
| ──そもそもなぜ俺が風呂なんかにいたかというと、     | ○  ⊂|  |   本気か?)
|    彼女に風呂で寝るよう言われたからで・・・         | llllllllllllllll|  |〜
└──────────────────────‐     | llllllllllllllll∪∪



     パシュッ                                  ターン
           ┌─────────────────────     ∧,,∧
 ・−= ◎     |  何で俺が彼女の家にいたかというと、        ━┓(゚Д゚,,)
  ,   '      |   村で一番銃の腕前がいいのは俺だったから。    と   |
'   ;        └─────────────────────


       ノノ
      ( x<>                     ┌──────────────
     ⌒)ミ・,)⌒               ノノ      |俺達が銃で何をするかというと、
      mm";.',        ノノ   (,,x<>     |       鳥を撃つわけだ。
          "         ( x<> ⌒)';:ミ)⌒     └──────────────
                ⌒''  '⌒






       ┌────────────────────────
       | 村にはほとんど娯楽がないから、誰もが鳥を
       | 撃って暇を潰していた。
       | だから村では鳥を撃つのが上手い奴こそが
       | ヒーローだった ・ ・ ・ ・ ・
       └────────────────────────



164山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:37:11 ID:AbUsVFnb0



                                 ∧,,∧          ∧∧ ∧∧ ∧∧ 
                              (゚Д゚,,)         (゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)
                                  (∽ )        ⊂⊂ ⊂⊂ | ⊂⊂ |
                               |   〜        /  〜  〜  〜
                                ∪∪         (/∪ ∪∪ ∪∪


                 「そう、ヒーローは俺だった!」







               ∧,,∧          ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
            (゚Д゚,,)         (゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)
                (∽ )        ⊂⊂ ⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |
             |   〜        /  〜  〜   〜  〜  〜  〜
              ∪∪         (/∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪



         「俺になら抱かれてもいいという女の子はいくらでもいた!」







∧          ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
゚,,)         (゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*
 )        ⊂⊂ ⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂|
 〜        /  〜  〜   〜  〜  〜  〜   〜  〜  〜  〜  〜
∪         (/∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪


                    「だが、皮肉なことに!」







                ∧,,∧              ) )
                (,,゚Д゚)             (;゚ <>゚)
               ⊂  ⊃   ==≫    γ 彡ミ ヾ
               〜'   |            (( 彡 ミ ))
                ∪∪             `mm´


         「今や俺は撃たれる側の存在になってしまったのだ!」




165山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:37:54 ID:AbUsVFnb0



                     ┌─────┬─────┐
                     |          |#####|
                     |          |#####|
                     |          |#####|
                     └─────┴─────┘
               ( (
              (゚<> ゚;)
                γ 彡ミ ヾ  。 o ( とにかくここを出ないと )


             ┌────────────────
             |  季節は夏、ガラスは無理でも、
             |  網戸ならなんとか破れそうだ。
             |  彼女が来る前にここから去って、
             └────────────────






       ミ三彡|=|::|::::::::::::::::||三|::|口::::::l|=|=|ミ三三=彡ト、巛ノノミ::::::|ミ三彳ミ|
       ミ三彡|=|::|::::::::::::::::||三|::ロ[]::::::||=|=|ミ二三二彡ミ三彡"|::::: :::|ミ三彡l|
       :::|::::|:::||彡ミ:::::::::::::::||三|::|ロ::::::||=|=l::::::::::::::::::::::::|lミトノ ノ::::::彡巛|l|l|l|||
       :::|::::|:::||=|彡:::::::::::::::l|三□ロ;;:::::||=|=|::::::::::::::::::::::::||ミトー':::::::::::::|ソl::lノ||ソ
       :┤_ト、||=|::|:::::::::::::::::ウ口[]┌────────┐:!():::::::::::::::|ミソ〉ソ|l|
       :::|::::リー~||::l::::::::::::::::::ロロミ│ 森 へ 行 く 。 |:!():::::::::::::::|ノlノ巛l||
       :::|::::|||lγ彡ミミミズク彡ミ└────────┘:!()::::::::: ノノ;;|l三l|l||
       :::ll|::|、::彡ミ彡ミミ彡ミ、フミ:::::::::::||=|=|::::::::::::::::::::::::||ミl::::::::::::ノノ::!彡|彳ミ|
       :::|l川(彡ミミ彡彡彡ノlフ、ヽ::::::::||=|=|::::::::::::::::::::::::|彡!::::::::ノノ;;;;;|l|彡彳:|l|
       :::||l|||::||lミミ彡ミミ彡ノ>人ノ、ミl|=|=|::::::::::::::::::::::::||ミ|森ノノ::::::::|リ|ミ|||ll|||
       :::|;:彳||゙ミ三三三彡"乂乂乂ノ||=|=l::::::::::::::::::ノヾノ、l|:::::::::::::::::::ノ木ソ乂大
       ソ,ゝ;;;人ソ从乂ノノノノ大八ソノ乂乂ゞ、;;: :;八ソ入lヾ木林木ノノ〆、从乂




                                     /
                                    /
             二二二二二二二二二二二二二]'
                                     |
                                     |
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               |##>#∠#|    |  |
               |#>  \##|    |  |
               |##_\\|    |  |
               └────\\──┘  |

                         (⌒ヾ  ) )γ⌒)
                         ヾミミ(;゚ <>゚)γ
                       ((  ゞミ  彡ソ  ))
                          ( 彡 ミ ノ
                          `mm´



                 「そして、身を隠さなければ!」


166山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:38:37 ID:AbUsVFnb0

                               ──
                 ー = 三       ──

                     (⌒ヾ  ) )γ⌒)
                      ヾミミ(,,゚ <>゚)γ
             ──    ((  ゞミ  彡ソ  ))
            ──          ( 彡 ミ ノ     ー = 三
         ー = 三        `mm´
                          ー = 三

           ┌────────────────────
           |   火事場の馬鹿力か、野生の勘か、
           |   不思議と飛ぶのに不自由はなかった。
           |   ただ、早く森へ行くことだけを
           |   考えていた。
           └────────────────────






                                     巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛〈
                                      ||:三三三三三三三三三三
                                      ||:三三三三三三三三三三
               ふわぁ〜                 ||:三三三三三三三三三三
          ∧_∧                            ||:三三:||川川| |川川||:三
         (  ´Д) 〜                      ||:三三:||川川| |川川||:三
         (   ∩                          ||:三三:||川川| |川川||:三
         | | |                ∩ ∩      ||:三三:||川ll[]| |[]ll川||:三
         (__)_)                (゚Д゚,,)      ||:三三:||川川| |川川||:三
        '''""''"'     vWWww        (   )    ,;||:三三:||川川| |川川||:三
              '''"'''                  |   〜       
     wWWwv                    ∪ ヽ)

                             "''''""''WvvwWww



               ┌───────────────
               |  いくらなんでも、早朝から銃を
               |  持って歩く暇人は村にはいない。
               │  今のうちに移動すれば大丈夫。
               └───────────────














                                   ┌────────────
                                   |  ―― と、思っていた。
                                   └────────────

167山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:39:26 ID:AbUsVFnb0



                           ) )
                 ((lll))     (il゚ <>゚)     ((lll))


                   「 ・・・・・・見られている! 」




         ┌──────────────────────
         |  俺は一瞬、逃れえぬ破滅の感覚を経験した。
         └──────────────────────








                             っ
                         ( (   っ
                        < ゚il ) 

           ┌───────────────────
           |振り向いた瞬間目に飛び込んできたのは、
           └───────────────────








              \\                   / /
                \\              / /
                     γ   (        -―
                     (  ,,  )、       -―
                      ゝ(<> )ノノ       
                       `ヽミノ       ―-
                         ゙ ゙        ―-


           「遥か遠くから、真っ直ぐ飛翔して来る、一羽の大鷲。」



168山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:40:09 ID:AbUsVFnb0


                   ○              ○
                        / \
                      /     \          ∪
                      \     /        ∪
                        \ /

     ┌────────
     |  ダメだ──
     └────────


                                  ┌───────────
                                  |  逃げきれない──
                                  └───────────


                       ┌─────────
                       |  殺される──
                       └─────────




         ┌────────────────────────
         |  思い浮かんだのは、彼女の笑顔。
         │  村一番の美女、皆の憧れの的、俺の恋人───
         └────────────────────────

                            ∧,,∧  ∧∧
                       (,,゚Д゚) (ヮ  )
                      ⊂   つと  |
                       |  〜|  〜
                       (ノ ∪  ∪ ヽ)


























169山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:41:00 ID:AbUsVFnb0









                    ┌─────┬─────┐
                    |          |##∧##|
                    |          |#<   > |
                    |          |#∠  ###|
            ∧_∧  └─────┴─────┘
         (   ´)
          (     )     ┌──────────
      ∧∧  | | ∩∩      |  これはひどいなあ。
     (   )  (_(_(Д゚ )    └──────────
    |   |     ⊂  |         ┌──────────────────
     〜  |      〜 |         |  帰ってきたらこうなってたんだね?
    ∪ ∪       ∪ ∪          └──────────────────

                    ┌──────────────
                    |  羽が散らばってる。
                    |  鳥の仕業に違いないな。
                    └──────────────





    「鳥が家の中に入って暴れたとか・・・」

                             「子供が襲われたら・・・」

                    ( ゚д゚) (゚д゚ ) (゚д゚ )
      干干干干干干干干干 (  ) ー   )  (  ) 干干干干干干干干干干
      ||||||||| ||  < <    ( (  ||||||||||

              「危険が・・・」



                           「鳥は危険」



                                     巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛巛〈
       「作物は荒らされる上に」                 ||:三三三三三三三三三三
                                      ||:三三三三三三三三三三
                                      ||:三三三三三三三三三三
          ∧_∧                            ||:三三:||川川| |川川||:三
         (  ´Д)                     「家の中まで入り込むとは」:三
         (     )                            ||:三三:||川川| |川川||:三
         | | |                ∩ ∩      ||:三三:||川ll[]| |[]ll川||:三
         (__)_)                (゚Д゚,,)      ||:三三:||川川| |川川||:三
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              '''"'''                  |   〜       
     wWWwv                    ∪ ヽ)

             「鳥をこのまま放っておいていいのか?」

170山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:42:31 ID:AbUsVFnb0


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       「 ──人間は恐ろしい生き物だ。
           俺たちが何もしなくても、奴らは俺たちを殺戮しようとする。」

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                     ↓

        )))           ) )          )))            )))
       (,,   )        (;゚ <>゚)          (,,   )          (   )
      γ 彡ミ ヾ       γ 彡ミ ヾ       γ 彡ミ ヾ       γ 彡ミ ヾ
      (( 彡 ミ ))        (( 彡 ミ ))      (( 彡 ミ ))       (( 彡 ミ ))
       `mm´          `mm´        `mm´         `mm´



          「 人間に対抗するには、鳥類が一丸となって
                                 戦うしかない! 」





                        ノノ
                     (・∈ ・ ,,,)    )ヽ
                     γ彡  ミ`ヽ、__ノ ソ
                     ノミ UUUミ   彡ソ
                     ノ UUUU ミ三彡"
                    ノミ UUU ノ
                   彡ミ ゞ   ソ
                      ゙ m m"


          「 みんなでこの森を人間の侵略から守ろう! 」



          ┌───────────────────
          |   大鷲は、俺を襲うのではなかった。
          |   勧誘しようとしていたのだ。
          └───────────────────

         ┌─────────────────────
         |   俺たちが鳥を撃ち殺しまくっていたせいか、
         |   鳥たちも種の壁を越えて、
         |   助けあう組織を作っているようだった。
         └─────────────────────

171山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:43:51 ID:AbUsVFnb0

                          ノノ
                       (・∈ ・ ,,,)    )ヽ
                       γ彡  ミ`ヽ、__ノ ソ
                       ノミ UUUミ   彡ソ
                       ノ UUUU ミ三彡"
                      ノミ UUU ノ
                     彡ミ ゞ   ソ
                        ゙ m m"

      ┌────────────────────────────
      |   組織のリーダーは大鷲だった。
      |   俺も組織に入るよう言われた。
      |   どこへ行くあてもなかった俺は組織に入った。
      └────────────────────────────





              ちゅんちゅん

        ) )
       (,,゚ <>゚)                     ピィ
    γ⌒ 彡ミ ⌒ヽ              ( (
    (彡γ彡 ミ ヾ ミ )            (・<>・ )           (((
      ー ' `mm´ ゙ー'  ((         彡(    )ミ         (<>・ ,,)
              < ・,,)          | |          γ 彡ミ ヾ
             彡(  ミ                       (( 彡 ミ ))
               mm        l><ミ゚> l><ミ゚>        `mm´

          ┌─────────────────────
          |   組織を組んで人間と戦うといっても、
          |   銃をもった人間にそう簡単に勝てる
          |   はずはない。 むしろ鳥同士集まって
          |   餌を分け合う程度の穏やかな活動が
          |   中心だった。
          └─────────────────────





                ノノ
             (・∈ ・ ,,,)
             γ彡  ミ`ヽ
             ノミ UUUミ ミ)       ) )
             ノ UUUUミ ミノ       (゚<> ゚,,)
            ノミ UUU ミ 彡      γ 彡ミ ヾ       ( (
           彡ミ ゞ   ソ彡       (( 彡 ミ ))     <・ )
              ゙ m m"         `mm´      ( ミ)

           ┌───────────────────
           |  特定の種ではなく、
           |  森に住む鳥類全体が滅ぼされるのを
           |  防ぎたい、というわけだ。
           └───────────────────


172山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:44:46 ID:AbUsVFnb0



                   ((
                  (゚<> ゚,,)  。o ( ・ ・ ・ )


     ┌───────────────────────────
     |  もちろん、自分が鳥を撃ち殺していたことを思い出して、
     |  周りの奴らに申し訳ないと思うこともあった。
     └───────────────────────────


          「だが、それを仲間に謝ったところで、
                           一体何になる? 」


            「 自分が昔人間だったなんて話、
                   信じてもらえるわけもない。 」


               「 黙っていれば全部
                    上手くいくだろう。 」


        ┌───────────────────────
        |  ──こう考え、俺は一抹の疚しさを覚えながらも、
        |   鳥の組織の仲間として生活することにした。
        └───────────────────────







                         ○




                         ○



                         ○


                         ○


173山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:45:50 ID:AbUsVFnb0
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        ミ ゚Д゚ミ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄(´Д` )
        ミ   つ/         /∩∩   )
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           /         /  と  |
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          ||              ||


 ┌─────^───────────
 |  ──それで、鳥害の対策を
 |  講じるべきだというのかね?
 └────────────────‐
                      ┌─^────
                      |  ええ。
                      └─────‐
                        ┌───^──────────
                        |  作物の被害も増えてますし、
                        |  これが続くようなら───
                        └─────────────‐
 ┌─────^─────────
 |  ──まあ、考えておこうか。
 └──────────────‐
                      ┌─^──────────
                      |  頼みますよ、村長。
                      └───────────‐


174山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:46:33 ID:AbUsVFnb0
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         ∧_∧                   ミ   ミ
         ミ    ゚ミ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/||    〜  彡
        ミ   ミ /         /  ||     ∪ ヽ)
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                    ┌────────^─────
                    |  出かけてくるよ、父さん。
                    └─────────────‐
   ┌────^──────
   |  何をしにいくんだ?
   └──────────‐
                    ┌────────^──────
                    |  決まってるだろ、鳥撃ちさ。
                    └──────────────‐
   ┌───^──
   |  ああ。
   └─────‐


175山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:47:35 ID:AbUsVFnb0
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                                      ||:三三三三三三三三三三
               ∧ ∧                        ||:三三三三三三三三三三
                    ミ    ミ                      ||:三三三三三三三三三三
               ミ  ミ                       ||:三三:||川川| |川川||:三
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                       ∧ ∧     ∧∧
                      ミ,,゚∀゚ミ    (ヮ  )
                      ミ   ミ     |  つ
干干干干干干干干干干干干干  〜  彡     |  〜
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176山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:48:19 ID:AbUsVFnb0



                       ∧∧   ∧∧
                      ミ,,゚∀゚ミ  (ヮ  )

            ┌─────────────────
            |  この目でたしかに見たんだ、
            |  実際起こったことに間違いない。
            |  でも認めるのは絶対いやだった。
            └─────────────────



      「 彼 女 が 俺 以 外 の 男 と 付 き 合 っ て い る 。 」



              ┌───────────────
              |  そんなことが起こるなんて!
              |  しかも彼女は笑っている!
              |  気位が高く、俺にしか笑顔を 
              |  見せなかったはずの彼女が!
              └───────────────



          「 しかも相手は村長の息子、あの糞野郎── 」




                         ∧∧
                        ミ,,゚∀゚ミ
                        ミ    ミ
                 ∧,,∧   〜  彡
                 (,,゚Д゚)    ∪∪
                      |  |  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                〜  |  |
                 ∪∪   |
                ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

          ┌──────────────────
          |  小さい頃から、いくら努力しても、
          |  何をやっても、いつも俺は2番手に
          |  甘んじていた。奴がいたからだ。
          └──────────────────


177山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:49:27 ID:AbUsVFnb0


               ∧,,∧          ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
            (゚Д゚,,)         (゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)(゚ワ゚*)
                (∽ )        ⊂⊂ ⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |⊂⊂ |
             |   〜        /  〜  〜   〜  〜  〜  〜
              ∪∪         (/∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪ ∪∪



               「だが、村のヒーローは俺だった!」

         「俺になら抱かれてもいいという女の子はいくらでもいた!」

            「村では銃の上手い奴こそがヒーローだった!」



                              ∧,,∧
                              (゚Д゚,,)┏
                                 |   ⊃
                      ∧∧   〜   |
                      ミ,,゚∀゚ミ┏   ∪∪
                         ミ   ⊃| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     〜  彡  |
                      ∪∪   |
                     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


              「奴は銃だけは俺にかなわなかった!」

             「16で銃を持ってから世界が変わったんだ!」

               「常に劣等感を抱いていた俺が!」



                       ∧,,∧  ∧∧
                       (,,^Д) ( ヮ )


             「村では銃の上手い奴こそがヒーローだった!」

               「だから俺が彼女と付き合ったんだ!」

                 「奴じゃなく、俺を彼女は選んだ!」



                      (⌒ヾ  ) )γ⌒)
                       ヾミミ(#゚ <>゚)γ
                     ((  ゞミ  彡ソ  ))
                         ( 彡 ミ ノ
                         `mm´



                「あの野郎を撃ち殺して──!!!」

           「くそっ!──何で俺はもっと早く気付かなかったんだ!」

                  「俺はもう銃を持てない!」

178山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 09:50:19 ID:AbUsVFnb0


                             ┌────────────────
                             |  銃を撃てない──
                             |  これは俺が奴に勝てることは
                             |  何もないということを意味する。
                             └────────────────

                                ) )
                               (il゚ <>゚)
                              γ 彡ミ ヾ
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                        `mm´

                  ) )
                 (il゚ <>゚)
                γ 彡ミ ヾ
                (( 彡 ミ ))
                 `mm´

┌──────────────────
|  半年近くが経ち、鳥の生活に完全に
|  なじんできたところだったが、
|  不意にある思いがふくらみ始めた。
└──────────────────





                   「 元 に 戻 り た い 」


         「 元 の 姿 、 元 の 生 活 を 取 り 戻 し た い 」





                ┌──────────────
                |  ──だが、どうやって?
                └──────────────


                 ┌─────────────
                 |  いくら考えたって、答えが
                 |  見つかるはずもない。
                 └─────────────


179山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:04:47 ID:AbUsVFnb0

            ┌──────────────────
            |  俺はあてもなく何日も飛び続けた。
            |  そして、いつしか飛ぶ力もなくなり、
            |             眠りに落ちた。
            └──────────────────


















                       o
                       / \
                   /    \  ア   ─ |
                                 ノ

180山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:05:47 ID:AbUsVFnb0



                   )
                  (
                     ∧∧   ∧∧
                   ┓ミ゚∀゚,,ミ  (   )
                   ⊂   ミ   | |
                       彡  〜   |  〜
                     ∪∪   ∪∪






                     ∧∧   ∧∧
                   ┓ミ,,゚∀゚ミ  (   )
                   ⊂   ミ   | |
                       彡  〜   |  〜
                     ∪∪   ∪∪




                     |
                 \      /
                     ∧∧   ∧∧
                        ミ*゚∀゚ミ   (ヮ  )
                       ⊂   ⊃  | |
                       彡  〜   |  〜
                     ∪∪   ∪∪






                         ∧∧     ∧∧
                        ミ*^∀ミ    (   )
                         ミ   |    |  |
                        〜  彡  〜   |
                         (ノ ∪    (ノ ∪
181山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:06:56 ID:AbUsVFnb0

           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::))::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
           ::::::::::::::::::::::::::∈(彡 ミγ(,,- <>゚)ミ三彡:::::::::::::::::::::::::::::::::::
              ""゙゙''''     γ γ ''""゙゙
                      (ミ(         wWwww
                  wwWw ゞ(


               ┌────────────────
               |  見知らぬ場所で目を覚ました。
               |  辺りは真っ暗だった。
               └────────────────








                   ○              ○
                            / \
                          /     \
                          \     /
                            \ /


                ┌───────────────
                |  その時決心した。奴を殺して、
                |  その後で自分も死のう。
                └───────────────
                  ┌─────────────
                  |  元に戻れないなら、
                  |  それが最善だと思った。
                  └─────────────
                   ┌───────────
                   |  それだけ考えると、
                   |  巣に帰る事にした。
                   └───────────








                      (⌒ヾ  ) )γ⌒)
                       ヾミミ(,,゚ <>゚)γ
                     ((  ゞミ  彡ソ  ))
                           ( 彡 ミ ノ
                         `mm´

            ┌────────────────────
            |  高く飛び上がり、巣の方へ帰る途中で、
            |               一羽の鳥が見えた。
            └────────────────────

182山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:07:53 ID:AbUsVFnb0
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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::::┌─────────────────:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::|:::::::そいつの体は、闇の中に紛れては::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::|:::::::いたが、ところどころ奇形になって::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::|:::::::いるのが見て取れた。:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::└─────────────────:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::┌─────────────────────:::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::どうしてそいつに話しかける気になったのか、::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::自分でも良くわからない。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::└─────────────────────:::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::┌────────────────────:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::──そもそも俺が鳥になったことからして:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::良くわからないわけだし──::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::深く考えるのをやめて、気楽に行動しようと::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::思っていたのかもしれない。::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::└────────────────────::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
183山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:08:57 ID:AbUsVFnb0


          \\
                (⌒ヾ  ) )γ⌒)         ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
               ヾミミ(,,゚ <>゚)γ           ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
              ゞミ  彡ソ            ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                ( 彡 ミ ノ          ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
               `mm´             ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::(:∩:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              :::::::::::::::(゚<::::::;;〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              :::::::::::::γ::::::ミ::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              :::::::::::::[::::::ミ:::::::))::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::`mm:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

         ┌────^────────────
         |  あんた、こんな所で何してんだ?
         └────────────────‐
                              ┌───^────
                              |   ・ ・ ・
                              └───────‐






                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                   ) )         ::::::::::::::::::::(:∩:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  (,,゚ <>゚)          :::::::::::::::(゚<::::::;;〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                 γ 彡ミ ヾ        :::::::::::::γ::::::ミ::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                 (( 彡 ミ ))       :::::::::::::[::::::ミ:::::::))::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  `mm´        ::::::::::::::::`mm:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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             ┌───^────
             |   ・ ・ ・
             └───────‐
184山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:10:36 ID:AbUsVFnb0

                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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                 γ 彡ミ ヾ        :::::::::::::γ::::::ミ::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                 (( 彡 ミ ))       :::::::::::::[::::::ミ:::::::))::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  `mm´        ::::::::::::::::`mm:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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                          ┌──────^──────────
                          |  お前のことは知ってるよ。
                          |  大鷲の組織に最近入っただろ。
                          └────────────────‐
          ┌─────^────────────
          |  最近って言っても、
          |  半年くらい前のことだけどな。
          |  あんたも組織のメンバーなのか?
          └─────────────────‐
                          ┌──────^────────────
                          |  ああ。集まりには滅多に出ないが──
                          |  そんなことより、お前に重要な話がある。
                          └──────────────────‐
                          ┌──────^────────────
                          |  本当はもっと早く話したかったんだが、
                          |  組織の奴らは俺を気味悪がるんでな。
                          |  あまり近づきたくなかったんだ。
                          └──────────────────‐

185山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:11:22 ID:AbUsVFnb0

                          ┌──────^────────────
                          |  本当に、お前には早めに話して
                          |           おきたかった──
                          └──────────────────‐




            ┌────────────────────
            |  そこでそいつは言葉を切り、
            |  一呼吸おいた後、重要な話を始めた。
            └────────────────────



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          ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
          ┃
          ┃  ──お前と同じで、俺も元は人間だったんだ。
          ┃
          ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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186山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:12:19 ID:AbUsVFnb0


        ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
        ┃  百年以上前のことだが、
        ┃  俺は村で一番弓矢の扱いが上手かった。
        ┃  食料の鳥をたくさん手に入れられるわけだから、
        ┃  自然と財産が増えて行った。婚約もして、俺の
        ┃  生活は何もかも上手くいってたんだが、
        ┃  ある朝起きると、俺は鳥に変身していた。
        ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━









                         ∩ )
                        〈;。 <>゚)
                       γ ##ミ ヾ
                       (( 彡 ## )]
                        `mm

         ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         ┃  しかも俺の身体はところどころ肉が
         ┃  崩れたりしてて、見れたもんじゃなかった。
         ┃  でもやったことはお前と同じだ。
         ┃  俺は森の中で、鳥としての生活を始めた。
         ┃  もちろん最初は悩んだりしたが、
         ┃  そんな悩みも時とともに薄れていった──
         ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


187山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:13:08 ID:AbUsVFnb0




                      ∩∩            ∩∩
                     ミ   ミ          〈   〉
                 ∧∧        /\/\         ∧_∧
                (   )       (    )       (    )
           ∧ ∧       ∩∩      ∧_∧         ∧ ∧
          (    )      (   )     ミ    ミ        (   )

   ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   ┃  だが、ある日突然思ったんだ。なぜ俺は鳥に変身してしまったのか?
   ┃  俺はそれを突き止めてやろうと思って、村の奴らの観察を始めたんだ。
   ┃  俺と似たような奴を探してそいつを調べれば、
   ┃  この変身の原因もわかると思ったんだ。
   ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━







        ) )       ) )       ) )       ) )       ) )
       (,,゚ <>゚)    (,,゚ <>゚)    (,,゚ <>゚)    (,,゚ <>゚)    (,,゚ <>゚)


        ハ ハ      ∧∧      ∧ ∧     ∧ ∧
       ( ゚д゚)     ( ゚Д゚)     ( ゚Д゚)    (>゚д`)

      ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ┃  そのうちに気付いたんだが、俺は年をとらない身体なんだ。
      ┃  きっとお前もそうだよ。俺たちはただの鳥じゃないんだ。
      ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



188山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:14:55 ID:AbUsVFnb0


       ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
       ┃  お前のことは一番熱心に観察してた。
       ┃  俺の若い頃にそっくりだったからな。
       ┃  負けず嫌いで、とにかく自分が一番になりたがるところ。
       ┃  村一番の美女と付き合っていたところ。
       ┃  でも一番の共通点は鳥をたくさん殺したことだ。
       ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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                   ) )         ::::::::::::::::::::(:∩:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                 γ);゚ <>゚)∩      :::::::::::::::(゚<::::::;;〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                   (ミゝ ミ 彡ソ       :::::::::::::γ::::::ミ::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                    ヽミ   彡ノ         :::::::::::::[::::::ミ:::::::))::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  `mm´         ::::::::::::::::`mm:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

                    ┌──────────^────────────
                    |  お前が前の晩に泊まったはずの女の家から
                    |  失踪した。同じ日に組織に新入りが来た。
                    |  仕草を良く見ればわかる。生まれながらの
                    │  鳥とは何かが違う。ずっと観察を続けてきた
                    |  俺にはわかった。お前はあの人間だ、ってな。
                    └──────────────────────‐
           ┌────^───────
           |  待ってくれ──頭が
           |  ──混乱して──
           └───────────‐
                    ┌──────────^────────────
                    |  悪いが最後まで話させてもらう。結論から言うと、
                    |  俺たちが鳥になってしまった原因は──
                    └──────────────────────‐
















             ┌──────────────────
             |  「 鳥 の 虐 殺 」 か ・ ・ ・
             └──────────────────

189山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:15:43 ID:AbUsVFnb0
_____:::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
          \::::::::::::::::::::::/::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
______\:::::::::::/:::::::: |:::::::::::::::┌────────────:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
─÷─÷─÷||:::\/:::::::::::::::|:::::::::::::::|:::::::そこまでやらなくても:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
────┐─||::::::::::/|::::::::::::|:::::::::::::::|:::::::いいのではないか?::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        |÷||:::::/:::::|::::::::::::|:::::::::::::::└────────────:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
        |─||:::::|:::::::| /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::┌─────────────
        |÷||:::::|:::::::::|/ :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::村長はのんびりしすぎ:::::::::::::
────┘─||:::::|  / 〜〜〜〜〜〜〜〜〜::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::::::::::::なんですよ!::::
─÷─÷─÷||:::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::└─────────────
÷─÷─÷─||/〜〜〜〜〜〜〜〜〜::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄::::::::::::::::::::::::::::::::::::::"''''''":::::::wWwwv:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::┌──────────::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::急ぎすぎるのも:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                        |  どうかと思うがね。
                        └──────────
                                  ┌─────────────
                                  |  げんに、作物に被害が
                                  |  出てるんです!
                                  └─────────────
190山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:16:33 ID:AbUsVFnb0
                      ┌───────────────
                      |  そのことだが、その被害は
                      |  本当に鳥によるものなのかね?
                      └───────────────
                                  ┌─────────────
                                  |  前に約束した鳥害対策も
                                  |  してないじゃないですか!
                                  └─────────────
                      ┌──────────────
                      |  だが、鳥以外の動物による
                      |  被害かもしれないだろう。
                      └──────────────
                                  ┌─────────────
                                  |  話をそらさないで
                                  |        くださいよ!!
                                  └─────────────



            ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
            ┃  父さんは、約束を守るべきじゃないか?
            ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━










                                          ∧∧
         ∧_∧             ∧_∧  ∧ ∧     ミ゚∀゚,,ミ
        ミ ゚Д゚ミ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄( ´Д`) (    )     ミ   ミ
        ミ   つ/         /∩∩   ∧∧        彡  〜
            /         / (,,゚Д゚) (   )        ∪∪
           /         /  と   |    ∩ ∩
          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||          (   )
          ||              ||


191山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:17:26 ID:AbUsVFnb0


                                          ∧∧
         ∧_∧             ∧_∧  ∧ ∧     ミ゚∀゚,,ミ
        ミ ゚Д゚ミ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄( ´Д`) (    )     ミ   ミ
        ミ   つ/         /∩∩   ∧∧        彡  〜
            /         / (,,゚Д゚) (   )        ∪∪
           /         /  と   |    ∩ ∩
          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||          (   )
          ||              ||

  ┌────^─────────
  |  ──お前は黙ってなさい。
  └─────────────‐
                         ┌───────────^──
                         |  村民には意見を述べる
                         |  権利があるだろ。
                         └─────────────‐
  ┌────^──────
  |  ──じゃあ意見を
  |      述べてみろ。
  └──────────‐
                         ┌───────────^───────
                         |  父さんにも色々言いたい
                         |  ことがあるみたいだけど、
                         |  対策の遅れの言い訳にはならないよ。
                         └──────────────────‐
                         ┌───────────^───────
                         |  それに、村民が困っているなら、
                         |  手をさしのべるのが村長の仕事だよ。
                         └──────────────────‐
                   ┌─────^───
                   |  その通りだ!
                   └────────‐
                       ┌────^──────
                       |  村長は職務怠慢!
                       └──────────‐
                      ┌────^────
                      |  そうだそうだ!
                      └────────‐






                                          ∧∧
         ∧_∧             ∧_∧  ∧ ∧     ミ゚∀゚,,ミ
        ミ  Дミ  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ (´Д` ) (    )     ミ   ミ
        ミ   つ/         /∩∩   ∧∧        彡  〜
            /         / (゚Д゚,,) (   )        ∪∪
           /         /  と   |    ∩ ∩
          || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||          (   )
          ||              ||

    ┌───^────────────
    |  ──今日は引き取ってくれ。
    └───────────────‐



192山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:21:15 ID:AbUsVFnb0

                        ノノ
                     (・∈ ・ ,,,)    )ヽ
                     γ彡  ミ`ヽ、__ノ ソ
                     ノミ UUUミ   彡ソ
                     ノ UUUU ミ三彡"
                    ノミ UUU ノ
                   彡ミ ゞ   ソ
                      ゙ m m"

                 「 本当なら戦いたいところだが、
               あまりに戦力差が大きい。
               当分の間、人間には手を出すなよ! 」





                       ∩∩
                ∧_∧   (゚Д゚#)
               ( ´д`)    ∧ ∧
                  ∩ ∩  (   ∧_∧
                 (   )     (    )

        「村長のやり方は生ぬるい」

                       「それに比べて息子はわかってる」

                  「息子をリーダーにして」

                             「鳥の奴らを叩きのめしてやろう──」





                     ;;;;;;;;;;;;;;;;:::::::::::::::
                     ;;;;;;;;;;;:::::::::::::
                     ;;;;;::::::::::
                     ;;:::::::: ∧ ∧
                     ::::::  ミ ゚Д゚ミ
                         ミ   ミ

            「 息子は頭がいいし、才能もある。将来いい政治家に
              なるはずだ。だが今すぐは無理だ。集団をまとめるには
              まだ若すぎるし、考えが浅い部分がある。。        」

            「 だが、私がこれ以上農夫たちをまとめるのは無理だ。 」

            「 つくづく思うのは、この村が田舎だと言うこと──
             純朴なのはいいが、頑固で、相手の説得に応じず、
                            単純な論理も解さない── 
             だから自分達と同じ考えの息子に激しく賛同した。 」

            「 村の政治の実権は息子が握ることになるだろう。
             残念ながら私は、息子ほどの才能を持っていない。 」

            「 事態が悪い方向へと進まないよう祈るしかないか──?」

193山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:22:03 ID:AbUsVFnb0

         ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         ┃  俺たちはたくさんの鳥を殺した。
         ┃  その罰として、この姿になったんじゃないか?
         ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                   ) )         ::::::::::::::::::::(:∩:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                 γ);゚ <>゚)∩      :::::::::::::::(゚<::::::;;〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                   (ミゝ ミ 彡ソ       :::::::::::::γ::::::ミ::ヾ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                    ヽミ   彡ノ         :::::::::::::[::::::ミ:::::::))::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                  `mm´         ::::::::::::::::`mm:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
                              ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

       ┌───────^────────
       |  ──そ、そんなの、証拠も
       |           ないのに──
       └───────────────‐
                          ┌──────^────────
                          |  でもこの仮説が正しいとすると、
                          |  元の姿に戻る方法がある。
                          └──────────────‐
                          ┌──────^────────
                          |  人間をたくさん殺すことだ。
                          └──────────────‐
                          ┌──────^────────
                          |  人間を殺した罰として、
                          |  ひょっとしたら人間に戻れる
                          |    かもしれない──
                          └──────────────‐
       ┌───────^────
       |  ──ッ!!──
       └───────────‐
                          ┌──────^────────
                          |  と言っても、この姿で人間を
                          |  大量に殺すのは無理だ。
                          └──────────────‐
                          ┌──────^────────
                          |  だから俺は、人間の目を、
                          |  片っ端からつぶすことにする。
                          └──────────────‐
194山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:24:02 ID:AbUsVFnb0
       ┌───────^──────
       |  そんなの、すぐに
       |  撃たれるに決まって──
       └─────────────‐
                          ┌──────^────────
                          |  わかってるよ。
                          |  なんというか、もう生きるのも
                          |  嫌になったんだ。たぶんこれが
                          |  俺の受ける罰なんだ。
                          └──────────────‐
                          ┌──────^───────────
                          |  ただ、最後に自分の話を
                          |  誰かに聞いてもらいたかっただけさ。
                          |       それじゃあな。
                          └─────────────────‐
       ┌─────^─────
       |  ──待ってくれ、
       |   一つ頼みがある。
       └──────────‐
                          ┌──────^───
                          |  ──何だ?
                          └─────────‐
       ┌─────^─────
       |    ・  ・  ・
       └──────────‐







      「 あ ん た が ど う し て も や る っ て 言 う ん な ら 、
         最 初 に 狙 っ て 欲 し い 相 手 が い る ん だ ── 」















195山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:25:14 ID:AbUsVFnb0












            ∧_∧
           ( ´∀`)           ∧∧
           (    ) ∩∩      ミ゚∀゚,,ミ
           | | | ( ^Д)        ミ    ミ
           (__)_) | |      彡   〜
                      〜  |      ∪∪
                      ∪∪

       ┌────^─────────────────
       |  村長がハッキリしないもんですからね──
       |  農民はみんなあなたに期待してますよ!
       └─────────────────────‐

                 ┌───────^───────────────
                 |  ありがとうございます。僕は、父のやり方には
                 |  少し古くさいところがあると思うんです。
                 |  新しいことを取り入れないとダメですよ!
                 └──────────────────────‐
       ┌────^─────────
       |  ええ、その通りです。
       |  みんなで応援しますよ!
       └─────────────‐
                 ┌───────^──────────────
                 |  それでは、これから人と会う約束があるので、
                 |                  失礼しますね。
                 └─────────────────────‐



196山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:25:54 ID:AbUsVFnb0





                       ∧ ∧
                      ミ゚∀゚,,ミ
                      ミ   ミ
干干干干干干干干干干干干干  〜  彡
|||||||||||||   ∪ ヽ)










                       ∧ ∧
                      ミ,,゚∀゚ミ
                      ミ   ミ
干干干干干干干干干干干干干  〜  彡
|||||||||||||   ∪ ヽ)










                       ∧ ∧
                      ミ゚∀゚,,ミ
                      ミ   ミ
干干干干干干干干干干干干干   彡  〜
|||||||||||||   (ノ ∪



197山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:26:55 ID:AbUsVFnb0





                  (⌒ヾ  ) )γ⌒)
                  ヾミミ(;゚ <>゚)γ
                ((  ゞミ  彡ソ  ))
                      ( 彡 ミ ノ
                    `mm´










                        ∧∧
                       (ヮ  )
                       | |
                       |  〜
                          ∪ ヽ)
                    '''''""'''''""wwwWWwvv
                   wWvvw











                          l /
                       ∧ ∧ -
                      ミ,,゚∀゚ミ 
                      ミ   ミ
干干干干干干干干干干干干干  〜  彡
|||||||||||||   (ノ ∪


198山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:27:51 ID:AbUsVFnb0


                        |
                   \        /
                       ∧ ∧
                      ミ,,^∀^∩
                      ミ    彡
干干干干干干干干干干干干干  〜  彡
|||||||||||||   (ノ ∪











              \\                   / /
                \\              / /
                     γ   (        -―
                     (  ,,  )、       -―
                      ゝ(<> )ノノ
                       `ヽミノ       ―-
                         ゙ ゙        ―-








                   ○              ○
                             / \
             ∪            /     \
               ∪          \     /
                             \ /










                     
                      、 l
                     -  ∧∧
                       (д il)
                       と  つ
                       |  〜
                          ∪ ヽ)
                    '''''""'''''""wwwWWwvv
                   wWvvw

199山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:28:43 ID:AbUsVFnb0




                    -  ==ニ 三
                   -  ==ニ 三  三ニ==  - ;
                  -  ==ニ 三 ‘ ,       ”
干干干干干干干干干干干干干  〜  彡         ,  
|||||||||||||   (ノ ∪            ‘ 












                        ∧∧
干干干干干干干干干干干干干   γミil*дミつ
|||||||||||||  ⊂彡 し’;"











                         ∩ )
                        〈;。 <>゚)ヽ
                       γ #・ミ## 〉
                      γ彡 ’#m川
                      (彡'`m‘;
                           ’













                       :: ∧∧ ::::
                      ┓(д il) ::
                      :: とと | ::
                       ::|  〜 ::
                         :: ∪ ヽ) ::
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200山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:30:09 ID:AbUsVFnb0







                        
干干干干干干干干干干干干干    )  ∧∧
|||||||||||||  ⊂(ミ彡つ*дミ
                         ,”;’J
                          ‘








                         :: ∧∧ ::
                         :: (д∩) ::
                           :: し  ヽ〜 ::
                         :: (__⊃ ::
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                       (⌒ヾ ) )γ⌒)
                       ヾミミ(il゚ <>゚)γ
                     ((  ゞミ  彡ソ  ))
                           ( 彡 ミ ノ
                         `mm´



                 彼女は銃を二発撃った。
                 一方は恋人に、一方は敵に当たった。

                 彼女が奴を守ろうとして撃った銃弾は、
                 結果的に奴の命を奪うことになったのだった。



201山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:33:42 ID:AbUsVFnb0




            その後彼女の口から、村長の息子との恋愛関係が
            村人に伝わった。


            彼女に同情する者もいたが、
            軽はずみな行動だと批判する者も多かった。
            村長の息子との関係に対する嫉妬も
            影響していただろう。


            奴を支持する農夫たちは
            いよいよ鳥に対する敵意を深めた。




202山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:34:58 ID:AbUsVFnb0









                         ╋     ╋
                         ┃     ┃
                       / ̄\ / ̄\




                 彼女は数日後に銃で自殺した。

                 二人の墓は隣り合わせに作られた。


203山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:36:26 ID:AbUsVFnb0

        ┌────────────────────────
        |  奴と彼女が死んだ以上、
        |  奴を負かすことも、彼女に愛されることも、
        |  永久に不可能になった。
        |  俺の生は全く意味のないものになった。
        └────────────────────────


        ┌────────────────────────
        |  元人間のあいつの死骸は、
        |  村人に叩き潰された後でそのまま捨て置かれた。
        |  二人の死の直接の原因となったのだから、
        |  当然の仕打ちだろう。
        └────────────────────────


           ┌───────────────────
           |  後のことには俺はまるで興味がないが、
           |  一応伝えておく。
           └───────────────────


204山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:38:24 ID:AbUsVFnb0


                             \              /
                                    ∩∩
                                   (゚д゚#)∧ ∧
             ∧ ∧                ∧_∧∩(   )
            ミili-д∩_________ (´Д`#) ∧∧
            ミ   彡 ||          ||  ⊂ ⊂ ( (   )


           ┌────────────────────
           |  この事件の後、村長はすぐに失脚した。
           └────────────────────











           (          ::::::::::::)       (       ::::::::::::)
             (      :::::::::)      (    :::::::::::)
          (      :::::::::)           (       :::::::::::)
              (     ::::::::::)    (        :::::::::::)
                  (       火  ::::::::::::)
              从从   火  从  人人     从
           ,,,,,,人   从 从  火   从 从从  火从从


          ┌─────────────────────
          |  さらに、ほぼ暴徒と化した農夫により、
          |  森は焼かれ、鳥はほぼ全て撃ち殺された。
          └─────────────────────

205山川 ◆nuSDdAZBsw :2009/03/31(火) 10:40:30 ID:AbUsVFnb0



                           ) )
                          (,, <> )
                         γ 彡ミ ヾ
                         (( 彡 ミ ))
                          `mm´

         ┌────────────────────────
         |  この事件の元凶である俺はのうのうと逃げ延びて、
         |  特に何をするでもなく、まだ生きている。
         |  事件から何十年も経った今でも、
         |  時々は自分の馬鹿げた考えや行動を思い出し、
         |                   後悔している。
         └────────────────────────









               ┌────────────────
               |  ──これで俺の話は終わりだ。
               └────────────────